東方変守録   作:ほのりん

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前書き~

まああれです。いつもの時間に遅れたのは単に話は出来てたけど(短いけど)、この部分が出来てなかったり、執筆してるノートPCをインターネットに繋がる場所で開かなかったり、昨日は夜遅くまで仕事をしてて、疲れて寝てたりしただけです。べ、別に話が出来てなかったわけじゃないんだからねっ!

それはともかくあらすじを...
前回フランに修行の旅のための休暇を頂いた榛奈さん。今回は再び旅の準備のようです。

今回もゆっくりしていってね!!



第38話『旅の事前準備③』

 休暇の許可をいただいてあの日から数日。私はこの数日間何をしていたのかというと、まあ別に難しいこととか忙しいことはしていない

 いつも通り仕事して、魔法使いとしての勉強もして、たまに魔理沙姉とかフラン様相手に弾幕ごっこをする。そこに新たに荷造りや私がいない間も咲夜さんの負担があまり増えないようにしたりと、そういったのが増えた程度だ

 そして今日は午後から休暇、というか準備時間をいただいた。なにせ荷造りとかは夜にもできるけど、こればかりは時間がかかる

 その準備とは『地底への入り口を見つけること』

 地底とは地上で妬み嫌われた存在が集まる場所。そして旧地獄跡地のある場所でもある。そんな場所への入り口が分かりやすい場所にあるわけないと気づいたのがあの日の夜。さすがに地底まで穴を掘るわけにはいかない。そうなるといざ出発して地底への入り口を見つけられませんでしたーなんて恥ずかしすぎる。下調べもしっかりしておかなくては。そう思いスケジュールを調整して何とか時間を空けることができたのだ

 ということで今日は紅魔館を離れ、地底への入り口を探すためいざ幻想郷の空へ、いざ行かん!

 

——それはいいけど、大体の目星はついてるの?——

 

 ...はっ......!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

[妖怪の山]

 

 

 えー......入口が大体どの辺にあるか分かってたか、という件ですが......

 うん、ハッキリ言いましょう

 すっかり忘れてた

 いえですね。言い訳させてください。私も転生してそれなりに生きているんです。数年前にやっと転生前の記憶、東方とかの記憶や知識が思い出せたといっても今日に至るまでに数年経っているんです。しかもそれなりに充実、つまり密度の薄くはない生活を送ってきていたわけですから......ね?少しくらい忘れててもおかしくはないでしょ?それが丁度今回必要だった知識を忘れていただけなんだから、許してください

 

——許さない——

 

 いや許してよ。こうやって何とか思い出して妖怪の山の近くまで来たんだから

 

——ま、君のいうことも分かるけどね。人間の記憶力なんてたかが知れてるわけだし——

 

 そゆことそゆこと

 ともかく今は妖怪の山の近くにあるという地底へ続く穴を探さないと。下手に山に近すぎないようにしながら

 

——あー、山には天狗が......——

 

 ああ。気をつけなくちゃ面倒なことになるからな

 どうもこの間の新聞で私のことは知られてるようだし

 

——ってあれ?あの天狗の新聞って里にも配られてたんだよね。だったら里の人間に君が生きてるってこと知られてるんじゃない?——

 

 んー?それは多分大丈夫だ

 何せ新聞は白黒、私は帽子を被ってるわけだし、あのアングルだとあの場面を知ってる人と勘のいいひとぐらいにしか分からんだろ

 だがここには写真を撮った本人がいる。それに天狗の情報網も馬鹿にはできん

 万が一突っかかってきたら......

 

——きたら?——

 

 その時は諦めて逃げよう

 

——......まあそれがいちばんか...なぁ......——

 

 などと会話しつつ、私は山の周りを飛び回る。入り口は原作知識だと妖怪の山の麓にあるという大きな縦穴。その場所を見つけなければ、私の修業は始まりすらせず終わる。それだけは勘弁願いたい

 

 

 

 

 

 それからしばらく飛び回ったところで違和感を覚える場所に着地した。まるでここだけ何かで覆われている感覚。しかも私の勘はここに何かがあると指している

 こういう時に使える魔法、実は取得してるんだよな~。名前はそのまんまだけど

 ってことで——

 

榛「『フィールドサーチ』」

 

 そう言った瞬間、私を中心に魔法陣が現れ、頭の中にこの辺の情報が一気に流れ込む。その情報量に頭が痛くなってくるが、耐えられないほどではないので何とかその情報の中から必要なものを選び出し、考察する

 その結果、どうやらこの辺一体に何か結界のようなものが張られているみたいだ。おそらく種類は幻覚系結界。多分ここにある何かを隠すために見えないようにしているのだろう。もしかすると縦穴の入り口を隠しているのかもしれない

 しかしそうなるとまんまと術の効果にかかっている私はどうしようかねぇ......

 

——一旦術の効果範囲から離れて、それから能力で自分を守りながら術式内に入ってみれば?効果を受けないかもね——

 

 そう、するかな......

 

?「ちょっとそこのあなた」

 

 術の突破方法を考え、アイツが思いついた方法を実践してみようと思っていると、背後から誰かに声をかけられ、驚きで身体が一瞬硬直した。息も一瞬だが止まった

 思わず声のした方向を振り向きながら急いで距離をとる。心臓は驚きで激しく振動し、血の気が引いたような感覚がしたが、頭は冷静考えていた

 まず驚いた理由が、先ほどまで生き物の気配は感じなかったからだ。いくら魔法に集中していたとしても、私が気配を察知する能力がアイツより低くても、普通の人よりかはあると自覚している。その私に気配を察知させなかった。余程実力のある持ち主なのか、あるいは影の薄い人なのか。前者で尚且つ人食い妖怪の場合はもうこの時点で食われているだろうから、とりあえず人食いではない、もしくは話ができる(言葉が通じるという意味ではない)存在だということ。後者ならば......まあ影が薄くとも存在する価値はあるさ

 ってそうじゃない

 ともかく相手を確認しよう。人型ならまだ会話できる。獣型でも言葉を発した時点で大丈夫なはず......

 と、考えながら相手の姿を見ると、再び驚いた。でもさっきのは恐怖でだとしても、今度は...そう、嬉しいような感情。心が興奮するのを感じた

 ピンクの短い髪、頭の上に二つあるシニヨンキャップ。右腕には包帯が全体に巻かれており、左手首には鉄製の腕輪。胸元には花の飾りがあり、服の前掛けには茨の模様

 間違いない、山の仙人の一人、茨華仙こと茨木華扇だ

 

——なっ......!?話が違う...彼女の出番はまだ......——

 

 え?どうしたんだ?どういう意味だその言葉......

 そう聞くも黙ったままのアイツ。このまま口を割るまで声をかけ続けたいところだが、今は我慢だ。まずは今向き合っているこの仙人をなんとかしなくては......

 すると華扇は私の姿をジロジロと見て、それから何かを考えたそぶりをした後口を開いた

 

華「ねえあなた、人間ね?」

 

榛「...ええ、そうですが。私に何か?」

 

 いくら相手が原作登場人物だとしても警戒は怠らない。例え相手が原作で『人間の味方』を自称していようと、目の前にいる彼女と私は初対面。彼女にとっては私は自分のことを知らない人間だ。もし下手でも打って敵対心を持たれでもされれば、私の人生はあっけなく終わるかもしれない。能力がある限り簡単には傷つきやしないけど

 

華「人間が何故こんなところにいるのですか。ここは人里から見て背にあたる場所です。道にでも迷いましたか?」

 

榛「いいえ、私は私自身の意思でここにいます。道に迷ってなどいません」

 

華「ではなぜここに?ここには妖怪の山のなかでも特に何もない場所です。早く里にお帰りなさい」

 

榛「...『特に』、ねぇ......」

 

 “妖怪の山のなかでも特に何もない場所”か。それはむしろ“何かある”と言っているのと変わらないのでは?

 だって、特に何もない場所に結界なんて張っているわけないだろう?

 それに華扇の態度、まるで私にここから離れてほしいみたいだ

 それらの考えから導き出される答えは『ビンゴ』、だ

 ならやることは決まったな

 

榛「申し訳ありませんが私は里の人間ではありません。そしてここに何があるのか確認するまでは帰る気もしません」

 

華「...ここには何もない。このまま居続けても何も起きません。最悪貴女が妖怪に食べられて終わるでしょう。妖怪の餌食となりたくなければ早く家に帰りなさい」

 

榛「生憎とそこらの低級妖怪に負けるほど弱い気もしないので、ご心配なく。それよりどうしたんですか?そんなにも私をここから遠ざけたいですか?」

 

華「そうですね。いくら貴女が強いといえど、此処は妖怪の山。あなたの考えている以上に妖怪とは恐ろしいものですよ」

 

榛「それはまたご忠告ありがとうございます。しかし私は妖怪の怖さを、恐ろしさを存じております故、そんな建前の心配なんていらないんですよ。例えば鬼の恐怖とか、ね?」

 

華「っ!?」

 

 その瞬間、華扇は一瞬驚きの表情を見せたが、すぐに元の顔に戻った。しかし警戒心を持たれたのは分かり切ったことだった

 そりゃそうだ。今の幻想郷には鬼の存在を知るもの、そして鬼も恐怖を知るものは数少ない。長い時を生きる妖怪なら鬼のことを知っていてもおかしくはないが、長くて百年しか生きられない人間が知っているなんて思いもしないだろう

 でも私は知っている。何せ主が西洋では悪魔。漢字で書くなら“鬼”と付く種族なんだ。その主から数年前に教えてもらったよ。妖怪の恐怖も、鬼の怪力も、天狗の速さも。いろんなことを、ね

 そんな私が知らないわけない。あまり、甘く見ないでほしい

 

華「...今時鬼の存在を知ってるなんてね。どこで聞いたのですか?」

 

榛「生憎とおいそれと話せるようなものではありませんので」

 

華「...あなた...一体何者?」

 

榛「さあ?ま、ともかく今は貴女に免じて退散するとしますか。収穫はありましたし」

 

華「収穫?一体あなたはここで何をして......」

 

榛「元地獄の入り口探しですかね。ちょっとそこに用がありまして......」

 

華「地底のこと......?そんなところに行って何する気?」

 

榛「それは私の勝手です。まあ大丈夫。悪いことはしませんよ」

 

華「地上で生きる者が地の底に行くなど、それ自体が悪いことですよ」

 

榛「では、色々と悪いことをしに行くだけなので、ご心配なさらず」

 

華「とにかく駄目です。地上の者が地底の者に関わるなど......」

 

榛「先ほども言いましたでしょう。何処へ行こうが私の勝手...ってほど言い切れませんが、少なくともあなたには関係ないんですから。邪魔をしないでくださいね」

 

華「残念ながら人間を、地上に生きる者を地底に関わらせるわけにはいきません。もし地底に行こうとするのであれば......」

 

榛「『あれば』?」

 

華「私は、あなたを殺してでも止めます」

 

榛「仙人が人間を...ねぇ?ま、殺されないよう少しは大人しくしておきますか」

 

 私はそう言って片手に持ったままの箒に飛び乗る。箒は重力に従わず私の魔力によって浮かび上がり、私を空中に浮かばせる。その行動に華扇は驚くが、そもそも妖怪の山の、人里から正反対の場所にいる人間が普通の人間だなんて思っちゃいけない。そういった人間は大抵何かしらの能力を持ち合わせているのだから

 さて、これ以上この場にいては仙人に殺されかけない。さすがにそんな状況になってまでこの場にいたいとは今は思わないし、帰ろうかね。帰って早めに仕事に戻るとするか

 

榛「では私はこれで。また次回会うときは友好的な会話ができることを期待していますよ」

 

華「あなたが地底に関わらなければ時と場合によってはできるでしょうね」

 

 おっと、それじゃあ次回もまた似たような会話をすることになっちゃうのかな。できればこの幻想郷で生き抜くために敵は増やしたくないんだけど

 ともかくそんな華扇の言葉を無言で受け流しつつ上昇。追ってくる気配はないし、天狗の気配もないから少しだけゆっくりしながら家路につく

 ゆっくりなのは単に早めに戻ってもやることといえば魔導書を読み進める程度しかない。後はフラン様のお相手くらいだ。なら今だけはゆっくりと空中散歩といこう。他にも次回来た時あの仙人をなんとかして、そして地底に行く方法も考えなきゃならないし

 はあ......先が思いやられるなあ......




後書き~

妖怪の山で華扇に会い、実質地底へ行くなと言われた榛奈さん。地底へ行くには仙人を突破しなければならなそうです。
そして私は久々に活動報告の方で後書きを書いてみようかなと思ってます。更新されたら是非ほのりんの活動報告を覗いてみてくださいね

次回、どんな話になるか決めてません!!無計画です
でも何とかやってみます
それでは次回もゆっくりしていってね!!
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