眠い。以上!
前回地底の入り口探しを頑張った榛奈さん。今回はようやく旅立つようで......
今回もゆっくりしていってね!
?「時は満ちた。彼奴も出る準備が整ったことだろう。さて、行動を開始する。お前も準備いいな?」
?「ふふっ、大丈夫。あの娘は無事入り口を見つけた。ただ問題はあの仙人だよ」
?「なに?彼女が出てきたのか?」
?「どうも君の予言した運命は、奴によって妨害を受けたみたい。どうするの?」
?「どうするもなにも、当たるも八卦当たらぬも八卦の気持ちだったからな。別に構わん。計画通りに行くぞ。急ぎ―の完成を目指すのだ」
?「了解」
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[紅魔館]
フ「榛奈......」
榛「フラン様......」
そう言ってフラン様は私に抱き着く。身長差があるから腰に抱き着いてる感じになるが、私もそれに応えるように頭を撫でる。心の中は悲しみでいっぱいだ。それを癒すように撫でる。そんな行動で思うのは、あぁフラン様の髪さらさらだ~とかいう場違いな考えだ
そしてフラン様もまた私の撫でる手にこれからのことを思ってか抱き着く腕の力が強くなる。でも今までみたいなマジで骨が折れそうなほどの力ではなく、人間の子供が力強く抱き着くような程度の力加減。それが何処か心地いい。私が帰ってきてもいい場所がここにあるんだと、そう実感する
でも時々外の音に打ち消されず聞こえてくるすすり泣く声が私の心をきゅっと締め付ける。自分まで泣きそうになる
お願いだから泣かないで。私の好きなフラン様は、泣き顔より笑顔の方が好きなんだから
魔「...なあ、いつまでそうしてるつもりだ?」
榛「あっ、思わず......」
魔理沙姉の声にハッと気づき、フラン様から離れる。フラン様が私の元から離れると、レミリア様がフラン様を慰めていた
周りを見ればジト目の魔理沙姉。少し呆れ顔の師匠。フラン様ほどではないが涙ぐむコア。微笑ましい顔をしている咲夜さん。心配そうな美鈴
そんな皆さんの様子に少し恥ずかしくなって誤魔化すように苦笑いをする私
——私は今日、修業に出る。
期限は来年の五月頃までの数か月。その間に地底に行き、私の中にいるあいつが教えてくれた男に会いに行く。その男の元に弟子入りし、私は今まで以上に強くなる。そうして戻ってきたころには皆さんが見違えるほどに強くなってるという計画だ
そのためにこの数週間、準備をきっちりしてきた。そのついでになんか巻き込まれたこともあったな。フラン様に休暇をもらうために人里に行ったっけ強盗現場に居合わせたり、地底への穴を探してたら仙人様に会って、次来たら殺すと宣言されてしまったり
...あれ?私ってこんなにトラブル体質だったっけ?
いやここが幻想郷だからだ。そう思うことにしよう
ともかく旅の準備を終えた私は昨日、皆さんに『明日出る』と伝えた。すると今日、紅魔館住人総出でお見送りに来てくれたのだ。なんと彼女達の後ろには妖精メイドが数名だがいる。私が特に指導してきたメイドたちだ。彼女達も私をお見送りに来てくれたのだ。そしてどこから聞きつけたのか魔理沙姉までもいる。こんなにも人に囲まれて、お見送りをしてくれるなんて、私は本当に好かれているんだと実感する。同時に感謝だ。数年間世話になった紅魔館の皆さんに。私の姉になってくれた魔理沙姉に
でも本当に感謝の言葉を伝えるのはまだかな。せめて無事に帰って来た時、お礼を言おう。数年間育ててきてくれてありがとう。これからもよろしく、と
さて、あまり別れを惜しんでいると時間が無くなってしまう。今日中には地底の旧き都に着く予定なんだから
そう思い私は箒を握りしめる。そして皆さんの顔を頭に刻み付けるように見渡してから、瞳を閉じ、大きく深呼吸をする
さあ、旅立ちの時間だ。大丈夫。来年には帰ってくるよ。この場所に。私の帰ってきてもいい場所に。
榛「皆さん、そろそろ出ます」
パ「...そう」
小「ぅぅ...はるなさぁん...無事に帰ってきてくださいねぇ......」
美「...あまり無茶をしないようにしてくださいね。挫けそうになったらいつでも帰ってきていいんですから」
咲「館のことは任せなさい。貴女が来る前は私だけでもやってこれたのだから。...でも、私だって楽がしたいのだから、早く帰って来なさいよ」
レ「貴女のために皆お見送りに来てくれたんだもの。絶対に強くなって帰って来なさい」
榛「...はいっ!」
皆さんそれぞれに言葉をくれる。私はその言葉に元気な返事で返す
フラン様はレミリア様の陰に隠れてた。フラン様からもお見送りの言葉が欲しかったけど、しょうがない。もう二度と会えないわけじゃない、むしろ一年以内には帰ってくるんだから
じゃあ、行こうか
荷物のほとんどはエプロンのポケットに入れた。すぐに取り出せるものや咲夜さんから事前に頂いたお弁当は風呂敷に包んで箒の先に付けた。忘れ物はないはずだ
もう一度、気持ちを入れ替えるように深呼吸。それから箒に乗り、浮かび上がる。それと同時に魔理沙姉も自分の箒の乗り、浮かび上がった
魔「そんじゃ、近くまで送ってくぜ」
榛「...うん、ありがと」
別にそういうのは必要なかったのだが、何故か途中までは着いていくと言い張った魔理沙姉に気力負けし、送ってもらうことになった。あくまで途中までだから、ある程度妖怪の山に近づいたら別れるつもりではあるけど
フ「——榛奈」
榛「はい?」
フ「...絶対に、絶対に無事に帰ってきてね!約束だよ!」
榛「...はい!絶対に、ぜぇぇぇったいに皆さんの、フラン様のところに帰ってきます!だから——」
自然にこぼれる笑顔を浮かべながら——
榛「——いってきます!」
「「「「「「いってらっしゃい」」」」」」
その瞬間と飛び立つ。目指すは地底...いやフラン様の隣に並び立てるような強さ。私、霧雨榛奈はフラン様の騎士になれるよう頑張るんだ!!
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[上空]
魔「——ご機嫌だな。てっきり少しは寂しくて気落ちするかと思ってたが」
榛「寂しくはあるよ。これから数か月、皆さんと会えなくなるんだもん。でもそれ以上に皆さんが私を大切に思ってくれてるってことが分かって嬉しいし、皆さんのために強くなって、絶対に皆さんの元に帰るんだって気持ちが強くなるからさ。あんまり気分が落ち込むことはないかな」
魔「そうか。それはよかったぜ」
榛「一応言うけど、魔理沙姉もその“皆さん”の中に含まれてるんだからね?」
魔「は?」
榛「だってこうやって送ってくれるのはそれだけ私のことを大切に思ってるってことでしょ。違うの?」
魔「...ま、まあそうともとれるよな...///」
榛「ふふっ。照れなくてもいいのに」
隣を飛ぶ魔理沙姉の横顔は少し赤くなっていて、それがなんだか嬉しくて、もう少しだけこの時間が続けばいいなって
でも私達は今、目的地に向かって飛んでいて、尚且つ紅魔館から妖怪の山付近まではそう遠くはない。だからこの時間は長くはなかった。
そろそろ、山に差し掛かる。魔理沙姉とはここで別れよう
榛「魔理沙姉、この辺りでいいよ」
魔「ん?この辺りにその...修業に適した場所があるのか?」
榛「ううん。もう少し先だよ」
今回の地底行きの件は、実は内緒。フラン様レミリア様方には『妖怪の山の近くに修業に適した場所があって、そこで修業してくる』と言ってある。それは魔理沙姉にも言ってあった。何せ忘れちゃいけない地上と地底の約束の一部『地上の妖怪を地底に入り込ませない』があるからだ。この約束はあくまで“妖怪”に限定されていて、私のように人間なら別に大丈夫そうだから...というかそもそも人間が地底の存在を知ってることが稀で、あの穴に辿り着く前に天狗に見つかっておしまいだ。私の場合は防御は鬼相手でも大丈夫...なはずで、攻撃も魔法があるから。他の人間と違い、平気なのだ
だが念には念を。魔理沙姉達には悪いけど、少しだけ嘘を入れて、地底の存在に触れなかったのだ
だからこのまま行けば魔理沙姉にその存在を知られてしまうかもしれない。いやまあ、その内知ってしまうわけだからいいって言えばいいんだけどね
でも他にも魔理沙姉をこれ以上先へ行かせてはならない、ある厄介事があるからね......
魔「ならそこまで送るぜ?」
榛「いやいいよ。これ以上行くと、天狗が絡んできたりして面倒なことになるし」
魔「まあそれはそうだが......」
榛「それにこれ以上は一人で行きたいんだ」
魔「...わかった。じゃあ私はここで別れるぜ」
榛「うん。せっかくついてきてまでお見送りしてくれたのに、ごめんね」
魔「謝らんでいいぜ。勝手についてきただけなんだからな。だが、別れる前に言わせてくれ」
榛「...うん」
魔「お前がこれから何をしようとするのか分らんが、とにかく絶対に帰って来い」
榛「...うん」
魔「フラン達は『無事に』と言ってたが、私としては怪我をしててもいい。心が折れてたっていい。とにかく絶対に、生きて帰ってくるんだ。帰ってきて...そしたら宴会でもやろうぜ。お前、まだ宴会ってやったことなかっただろ?」
榛「うん。パーティはたまにやってたけど、宴会はやったことないよ」
魔「じゃあ思いっきり盛り上がる宴会をしようぜ。だから生きて帰って来い。命あっての人生なんだからな」
榛「...うん。絶対に...絶対に“生きて”帰ってくるよ。約束する」
魔「じゃ、これだな」
そう言って魔理沙姉は右手の小指を出してくる。何をするのか察した私も同じように右手の小指を出し、魔理沙姉の小指と絡ませる
「「ゆーびきーりげーんまーんうそつーいたーらはーりせんぼんのーますっ、ゆーびきった」」
昔ながらにある約束の儀式。子供っぽく見えるこの儀式は、約束を守ると宣言すると同時に、約束を破るなと言われているのと同じ
そして私にとっては、魔理沙姉とのこれは絶対の証。私達がまだ幼いころから交わされてきた、大事な儀式。だからこそ絶対に守らなくてはならないし、今回の場合、守れなかった=死も同じだからこそ、破ることは許されない
...それにゲンコツ一万回なんて食らいたくないし、針千本だって飲みたくないからね
榛「それじゃ、いってくるよ」
魔「...ああ。行ってこい!」
榛「うんっ!」
そのままビューンと飛んで行く。魔理沙姉は多分そのまま私の後姿を見てるんだろう。でも振り向きはしない。今はただ真っ直ぐに突き進めばいいんだ!
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[妖怪の山]
榛「さて、そろそろだ」
そろそろ、この間行った違和感のある場所、地底への入り口に着く
能力を発動させ、自分を他の能力から守るよう結界のようなものを展開させる。原理は使ってる私自身も知らないけど、とりあえず結界のイメージで展開すると上手く展開できるのは何故なのだろうか
ま、今は関係ないけどね
そういえば最終的にはどういうものなのか確認してないんだよね。この間は仙人に邪魔されて結局能力発動して確認してないし。ただそこにあるだろうっていう予測と勘でしかないから、もしかしたら外れてるかも......
いやここまで来て外れとかやめてくれって感じだし、あの仙人がただあそこにいるわけないし......
ま、あと少しで結果は分かるし、今はどう仙人を撒くか考えるか
——撒くの?戦うんじゃなくて——
そりゃ戦うだろうけど、それはあくまで殺されたくないから防御手段としてな。さすがに今の私の実力じゃあの茨華仙に勝てるわけないからね。かといって諦めるわけにもいかないし
——ふーん。じゃあどう撒くの?あの仙人は地底への入り口を見張ってるからそう簡単にその場を動かないと思うけど......——
うーん......
例えばこういうのはどうかな———
華「やはり来ましたか......」
例の場所に着くと、まず見えたのは大きな穴だった。そしてその穴の中央空中にいたのは先日見て、出来ればいないでほしかった人物
でも予想はしていた。けどまさか本当にいるとは思わないだろ?だってあの日の次の日でもなく、数日は経過してるんだぜ?だってのに待ち伏せって...いくらなんでも暇すぎないか?
榛「えー...最初から待ち伏せ?いつ来るかも分からない相手を待ち伏せってよっぽど仙人って種族は人間と違って暇なんですか?」
華「暇ではありませんよ。仙人たるもの、日々修業に明け暮れているものです」
榛「なら今日も大人しく修業しててくださいよ。そうしたらこっちも簡単に行けたのに......」
ホント、修業してくれてた方が大人しく行けたのに......
でもそうもいかないのが彼女の性格というか事情というか......
華「やはり諦めていなかったのですね。まあそうだとは思いましたが」
榛「だからって待ち伏せする?普通...って幻想郷じゃ非常識が常識だっけ。ま、とにかくそこをどいてくれません?私はその穴の中に行きたいんですけど」
華「穴...?もしや貴女、この穴が見えるので?」
榛「もちろん見えますよ。仙人様の下に空く大穴...地底への入り口がね」
華「なっ...!?術を突破してきたというの......!?」
榛「いえいえ、突破というほど大したことはしてませんよ。ただ私には条件さえ満たせれば術にはかからないんです」
ま、条件と言ってもその場に術が展開されていると気づく。そこから術の範囲外に出てから能力発動して中に再び入れば術をかけられずに済むというだけのことだけどね
しっかしこれじゃ交戦は免れなさそうだな。しかたない。あの作戦で行くか
華「...なるほど。ところで再びこうして来たということはそういうことと解釈してよろしいのですね?」
榛「ああ、殺される覚悟はできてるかーい?ってこと?ノンノン、生憎と殺される覚悟も殺す覚悟もできてないですよ。ま、ここを切り抜ける覚悟はできてますけど」
華「でしたらここから立ち去りなさい。生半可な覚悟で私を倒し、そして地底へ行けるとは思わないことです」
榛「...生半可でも、覚悟は覚悟だ。未熟な私でも強くなりたいという願いを持って生まれた覚悟なんだ。それをあまりバカにしないでいただきたい」
少しだけ、自分の中の何かが変わる。そんな気がした
でもその何かが何なのか注意を向けようとは思わなかった。それだけ今私は目の前の仙人に『怒り』という感情を抱いてるんだと思う
でも怒りに身を任せるな。いつも師匠が言っている『魔法使いは冷静であれ』。未熟な私だって少しは冷静になれる。冷静になるだけで心に余裕ができる。その余裕で考えるんだ。今この場で最高の行動を、言動を。弱い
榛「そもそも、何故あなたは私を止めるのかお聞かせ願いたい」
華「それは先日も言ったはずですよ。地上の者が地底に関わるなどあってはならないこと」
榛「それは妖怪に限ったことでは?確か地上と地底との契約で『地上は地底の存在を認める代わりに、地上の妖怪を地底へ入り込ませない』というものがありましたよね?それ、わざわざ妖怪って区切ってあるのに、人間までダメなんて決まってませんよ」
華「...とにかく駄目なものは駄目です。本当に、この先へ行こうとするのならば......」
榛「“殺してでも止める”そう先日も仰ってましたよね。しかし私にはこの先へ行かねばなりませんし、尚且つあなた以外に止める者はいない」
華「この先へ行けば、あなたは死ぬかもしれないのですよ?」
榛「そんなのわからないし、案外中にいる鬼たちと仲良くなって帰ってくるかもしれない。地底の屋敷の主とかともあって、交流をするかもしれない。どうなるのかは私にもあなたにも分からないし、強いて言うならうちの主の姉君が分かるかもしれないね」
華「それでも行くというのですか......」
榛「ええ。それでも行きますよ」
華「そうですか...では」
そう言うと華扇の身体に変化があった。といっても目に見える変化ではない。一気に体に纏う力が溢れたというか、凄い気迫を感じる
そう、これは威嚇であり、最終警告。『今ならまだ逃げてもいい』という警告。でもそんな威嚇は私には通用しない
だってこの程度の力、紅魔館にいれば偶に感じる。例えばうちの主姉妹が喧嘩したときとかね。それでいて数年前のこともあるし、この程度なら能力使わずとも受け止めれる
でも威嚇程度でこれだけの力...さすが仙人ということか。これは倒すとしたら骨が折れる
...ま、“倒す”としたら、だけどね
こちらも相手をしますか。こういったのは一応護身術として美鈴に叩き込まれてるんだから...ねっ!
華「っ......」
榛「あなたに怨みとかはないけど、ここで果ててもらいます!」
そうやって戦闘が開始されて一時間か、あるいは二時間か......
戦況は優勢だった。あの仙人の方が
私は劣勢。どうにか攻撃が手加減されているから回避できてるけど、それも時間と体力の問題。いくら鍛えているといっても人外と比べるとその差は圧倒的だ。だからだんだんと動きが鈍くなってきてしまう。でもまだ...まだだ......
華「動きが鈍ってきましたよ。そろそろ諦めたらどうです?」
榛「諦めなんて言葉、この場にはいらないってね」
華「では...!」
きたっ、チャンス到来っ!
華扇は大技を仕掛けてくる。何の大技かなんて知らないけど、大技なんだから威力があるのは間違いない。そして衝撃もあるだろう
...今回の作戦はここにかかってる。華扇が大技を出すため力を溜めるこの一瞬。そこに今回の作戦全てがかかってるんだ!
うごけ、動け、動けっ!とにかく避けるかのように見せて動け!勝てなくても...負けて堪るかぁ!
華「はぁっ!」
榛「くっ...ぅわあああああ!!」
華扇の拳が私を吹き飛ばす。それはとんでもない威力を持っていて、もし能力を少しも発動していなかったら...と思うだけで恐ろしい......
だがこれで作戦通りになるはずだ
そのまま私の身体は吹き飛ばされ壁に当たり、落ちる。そこで私の意識は身体と共に暗闇に落ちた———
華「なんてこと...しかしあの程度の実力なら地底の妖怪に喰われておしまいね。...でもさっきの気...人間とは思えないほどの殺気だった。それなのにあの実力...何か隠していたのか、あるいは実力を気で誤魔化すのが得意だったのかしら......」
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[???]
「————...?そんなものが今この世界では行われているの?」
「はい。しかも————を行う組織...彼らは自らを“——”と名乗ってますが、そいつらの進行方向がこちらの——のお宅なのです。おそらく——が魔法使いだということが世間に知れて......」
「そう。それはそれで構わないよ。それで貴女は私にどうしてほしいの?貴女の頼みなら何でも叶えてあげたいけど、生憎と手を汚すような真似はいくら貴女の頼みだとしてもやりたくはないの」
「そんな...滅相もない。そんなことを頼みに来たのではありません。——には...その......」
「ハッキリ言いなさい。貴女と私の仲でしょう?」
「はい...——にはこの—から逃げてもらいたいのです」
「この—から?何故?」
「世間で————が行われ始めてからこの—の空気は変わりました。——の活躍を知り、——のことを知っている—の年老いた者は昔と変わらず——のことを慕っておりますが、逆に—の若い者は——のことをあまり知らない故に——を————で—そうと企む者が増えてきているのです。そして近々——を捕まえようと年老いた者の話を聞かず、策略立てています。私は——に捕まってほしくない。死んでほしくないのです!」
「そう...でも私はここを離れることはできないよ」
「何故!」
「私にはここを守るという大切な役割を担っているの。それを放棄するわけにはいかないよ」
「...そう、ですか......」
「せっかく教えに来てくれたのにごめんね。でも私は絶対に大丈夫だよ」
「...わかりました。ですがもしものときはお呼びください。この私『ハル—・グ——ン——』。——の為なら命も捧げる覚悟です」
「...ありがとう。でも貴女は生きて。生きて...そして後世に今の人間達の愚かな行為を伝えて。それを貴女はできるはずだよ」
「...はい。我が命は——のためのもの。——が生きてというのならばこの忠誠心にかけて生き抜きましょう。例えこの肉体が滅びようと、我が精神は不滅です」
「...じゃあ契約をしましょう。貴女はこれから先死んでも、再び新たな命にその精神を宿らせ、生きていくと」
「はい。喜んで」
魔女だ!魔女がいたぞ!
捕まえろ!捕まえて十字架に吊るせ!
火を灯せ!こんな気味悪い家、燃やすんだ!
気味の悪い子...誰がこんな子を放っておいたのよ
全く、老人共はなんでこんなのを慕ってるんだかねぇ
こんな子、さっさと燃やしちゃえばいいわ
ん?何薄ら笑いなんてしてやがる!さては何か隠してやがるな!
おい!あの方たちはまだ着かないのか!
あの方たちが着くまで何日でも吊るしておけ!
へへっ、干からびるのが先が、飢え死にするのが先か...あるいは生き残って燃やされるのがオチか......
魔女が殺されるってだけで酒の肴には困らねえなぁ!
へっ、さっさと火を灯せねえかなぁ......
「っ...!...なんで、こんなことに......」
「それが人間という種族だからだ」
「だからって...——は何も悪いことしてないんだぞ!?むしろ—を救ったのに......」
「彼らの中ではそんな過去、なかったことにされたんだ」
「そんなっ...!そんなことって......」
「......」
「...ねえおしえて。どうしたらこんなせかいをただすことができるの?」
「それはお前自身が行動を起こせばいいんだ」
「ならおしえて。いまのわたしになにができるの?」
「...一度死んで、なってみるか?」
「...こんなわたしでもなれるの?」
「そんなお前だからこそなれるんだ」
「ならなりたいな。こんなせかいをただしく変化させる力をもったそんざいに」
「長い時間が必要になるぞ」
「だいじょうぶ。じかんはたっぷりあるよ」
後書き~
眠い。終わり!
仙人の攻撃をくらい落ちた榛奈さん。はてはて、どこへ落ちたんだろうか
次回もゆっくりしていってね!
*感想、評価いつでもお待ちしております!誤字報告もいっぱいくれてもいいんだからねっ!