東方変守録   作:ほのりん

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前書き~

お久しぶりです。本日は博麗神社秋例大祭ですね
私はというと財布を無くして(後日警察署から通知が来て見つかりました)ライブに行けないわ例大祭も行けないわってやってて、その代わりにこれを書いてました
いやぁ、一応月一での投稿を最近は心がけていまして、その中でも毎月1日投稿をしてたんですが、何せやることが多い。せめて10月の初め頃には投稿しようとしてたら既に中旬......
楽しみにしてくれていた読者の皆様には大変申し訳ないです
と、長ったらしい前書きですが、今回は榛奈さん、洞窟の中に突入できたみたいですよ
では、ゆっくりしていってね!!



第40話『地底へ続く洞窟の中です』

[地底の横穴]

 

 

 ヒューって風を切る音が耳元でする。それと自分の身体が背中から重力に沿って落ちている感覚も

 薄目を開けてみれば光なんて映らない真っ暗な場所

 何があったっけって思い返せば「あ、そういえばあの時仙人の攻撃を受けて......」って思い出した。私地上で仙人と戦って、それで攻撃を食らって落ちたんだ

 で、今現在真っ暗な中を落ちているってことは、作戦通りあの仙人から逃れつつ地底の穴に入り込むことができたというわけか

 順調順調。案外作戦通りに行くもんだなぁ......

 

——まさか本当に作戦が上手くいくなんて思わなかったよ。てっきり落ちた時仙人に拾われるかと思ったのに......——

 

 そんな予想ごめんだぜ。それに即興で考えた割にいい案ではあっただろ?『華扇の攻撃を食らうふりしてその反動で穴に落ちる』作戦。最初に強い気を出して相手に緊張を与えつつ、実際は弱くて拍子抜けさせて、更に挑発もして威力が強い技使わせて...ってね。そのまま落ちれば「どうせ下で食われる」と思わせて拾われない。ホント、こんな作戦を思いついた私の頭脳が憎いぜ

 

——はいはい。それよりそろそろ落下から飛行にチェンジしたらどう?このままだと地面に激突するかもしれないよ?——

 

 おっと、そうだった。ちょっとの間とは思うけど気絶してたんだし、どれぐらい落ちてるのか分らんしな

 魔力で落下速度を緩めて、落下する時に収納した箒を取り出してっと。後は跨って落ちる方向に体の向きを合わせたら......

 よし、これで自分の速度で落ちれるぜ

 後は地面が見えてきさえすればいいけど......はて、この穴はどこまで続くんだか

 

——地底だし、ずっとずっと奥深くじゃない?——

 

 うわぁ長い。どうせならそこまで気絶してた方が楽だぜ

 

——それで地面にぶつかってジ・エンド?——

 

 それは勘弁だ

 

?「あれ?人間さんだ。こんにちは!」

 

榛「おう、こんにちは」

 

?「どこに向かってるの?」

 

榛「地底って所だ。そこに用があってな」

 

?「へえ。ここからだとちょっと遠いけど頑張ってね!」

 

榛「ああ。お前さんもあんまり外に出歩いてお姉さんに心配かけさせるなよ」

 

?「うん!分かったー」

 

 そうか。こっからだと遠いか。ならちょっと魔力で落ちる速度を上げるかな

 

——そうだね。出来るなら移動時間は短縮させたいし——

 

 ああ。その通りだ———

 

 

 あれ?私今誰かと話してたか?

 ...ま、いっか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____________________

 気絶から復帰して数時間。かれこれずっと飛びっぱなしで、真っ暗なのは相変わらず。さすがに本当に何も見えないのは何かあった時マズいから魔法で視力を上げてるけど、それでも先が真っ暗だ

 そろそろ何か見えてきてもいいだろ?何か見えてきてよ......

 って、ん?なんか細い線があちこちに......

 

——っ!?まずい!急いで速度緩めて!!——

 

 っては?いや待てこの速度で緩めるっつったってそんな無茶な......

 

——いいから!とにかくあの糸に絡まったりしたらダメ!——

 

 はぁ!?そんなこと言われたって......

 そう言っている間にも前方には細い糸が至る所に張り巡らされていて、まるで蜘蛛の巣のようで...“蜘蛛”?...あっ!

 

——やっと気が付いた?!とにかく妖怪に喰われたくなかったら絡まらないでよ!——

 

 お、おう!がんばる!

 そう言って意識を集中する

 そういえばこんなこともあるかもって予想はしてたんだった。でもこれが来たってことはそろそろ地底は近いかな?

 とにかく今は速度を下げつつ避けることに集中しよう

 まるで3D縦スクロールのゲームをリアルで遊んでいる感覚になってきてるけど、ゲームオーバー=死だし、リセットは効かないんだから必死にならなきゃ。何度も言ってる気がするけど、地底に着く前に終わるとか嫌だよ私

 

——そう思うんだったら速度減速!避けるのに神経集中させて!——

 

 はいよっ!

 だんだんと迫りくる糸をどう動いたら避けれるのか考えつつ体を動かす。そうやって避けて避けて避けて......

 あまりにも必死になってたせいか視界から糸が無くなった途端ふっと力が抜けてしまった。でも次の瞬間には気を引き締める

 だってさっきのが本当に蜘蛛の糸だったのなら、次に来るのはご本人様の登場じゃないかなってね

 

?「おお?すごいねぇ、まさかあんなに速度出してたのに避けきっちゃうなんて」

 

榛「...まあ、地上でその手のことに関してはよくやってたからね。弾避けゲームとか」

 

?「ああ、地上で流行ってる遊びだあね」

 

榛「で、貴女は誰?見たところ蜘蛛に関係した妖怪のようだけど」

 

 そう言いながら会話相手を見据える。金髪をポニーテールにしていて、茶色のリボンを結んでいる。瞳は茶色で、服装は黒いふっくらした上着の上にこげ茶色のジャンパースカートを着ていて、スカートの上から黄色のベルトのようなものをクロスさせて何重にも巻き、裾を絞った不思議な格好の女の子。どう見たって1ボスですね分かります

 

ヤ「私?私は黒谷(くろたに)ヤマメ。見ての通り土蜘蛛の妖怪よ。そういうあんたは?」

 

榛「私は霧雨榛奈。見ての通り魔法使いだよ」

 

 そう言って一礼する。相手は私を食べようとしてるのかも分からない状態だけど、とりあえず礼儀は大切。礼儀を欠かして即パクッとかやだもんね

 だから警戒はする。だってヤマメの能力を知っているから

 

ヤ「魔法使いね...人間じゃないのかい?」

 

榛「人間ではあるよ。人間の魔法使い」

 

ヤ「あら、ならよかったわね。上の糸に絡まらなくて」

 

榛「まあ私としてはそれでよかったけど、あなたにとってはよくないんじゃないの?餌が取れなくてさ」

 

ヤ「別にそこまでして食う必要はないもの。それにせっかく地底に遊びに来てくれたんだし」

 

榛「ま、私としても無駄な争いは避けたかったから、その考えは嬉しいよ」

 

ヤ「んー、だけど少し付き合っちゃくれないかい?ちょっと流行りのスペルカードとやらを試したくってね」

 

榛「...なんで地底にまで広まってるんだよ。あれはまだ地底で流行らなくたっていいだろうに」

 

ヤ「そりゃ私達だってその遊びとやらに参加したいからね」

 

榛「はぁ...出来るだけ先を急ぎたいから、また今度ってのは?」

 

ヤ「それまでにあんたが生きてる保証がないじゃない」

 

榛「逆に死んでる保証だってないんだが...まぁいいか。被弾もスペルも一回一枚だよ。その条件なら付き合ってあげる」

 

ヤ「あら、人間の癖に偉そうだねぇ。いいわ、その条件であんたを打ち落としてあげる!」

 

榛「その言葉、一部変えてお返しするぜ!!」

 

 

 

 

 

~少女弾幕中~

 

 

 

 

 

ヤ「くっ...まさか私が人間に負けるなんてね......」

 

榛「ふぅ......これ弾幕ごっこじゃなきゃ私の負け確定だろ......」

 

ヤ「凄いわねあんた。上の糸も避けて私の弾幕も避けるなんて」

 

榛「まあ地上でそれなりに遊んでるからね。弾幕ごっこ」

 

ヤ「経験が違ったってわけね。まあいいわ。じゃあ改めてようこそ地底へ。もう少し下にいけばこの洞窟を抜けれるわよ」

 

榛「教えてくれてありがとう。じゃ、私は旧都に行くね」

 

ヤ「ああ、それなら気を付けなさいよ。旧都は鬼が沢山いるからねぇ」

 

榛「うん、それは知ってるよ。それじゃあね」

 

 そう言って私は急ぎ足でヤマメと別れる。こんなところで時間を食う予定はなかったし、目的地が近いと分かると心が早く行けと急かしてくる。今はその心に身を任せてもいいだろうから、さっさと降りる。さ、地底まであと少しだっ!

 

 

 

ヤ「...“知ってる”って、どうして地上の人間が地底のことを知ってるのかぁね......」




後書き~

ヤマメに会って挨拶代わりの弾幕ごっこを吹っ掛けられる榛奈さん
何とか勝ち、先を急ぎます
さてさて、このまま何もなく地底の旧都へ辿り着くことができるのでしょうか......

へ?途中で誰かに会わなかったかって?
いやぁ、気のせいですよ。あるいは無意識に何かを感じ取ったのでは?
そろそろ本格的に寒くなってくる季節。はろうぃんも近いですね。
次は、はっぴーはろうぃんの次の日に出せるといいなと思いつつ、
次回もゆっくりしていってね!!

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