東方変守録   作:ほのりん

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初めましての方は初めまして
編集後に来てくださってる方はありがとうございます
本作は私が初めて書いた作品、所謂処女作です
駄文、誤字脱字等が含まれているかもしれません
それでもいい方はゆっくりしていってね!!


第1章『紅魔郷です!スカーレットさんですよ!』
第0.5話『紅霧異変の前日談です!』


主人公side

 

 

 皆さん初めまして

 いきなりですが、私は『霧雨(きりさめ) 榛奈(はるな)』といいます

 紅魔館に住みながら『動かない大図書館(パチュリー・ノーレッジ)』の弟子として魔法を学びつつ『悪魔の妹(フランドール・スカーレット)』様の従者として毎日を幻想郷で過ごしています

 

 さて、皆さんは東方projectをご存知でしょうか。もし東方をご存知でこの作品を読んでいるのでしたらこんな疑問が頭に浮かぶと思います

 「“霧雨”って『普通の魔法(霧雨 魔理沙)使い』と苗字が一緒だが、何か関係はあるの?」とか「どうして紅魔館に住んでいるの?」とか......

 もっというのであれば「何故東方を知っているのか」と疑問に思われると思います

 

 一つ目の疑問に答えますと、関係はあります

 ただ、今は言えませんね

 二つ目の疑問の答えは少し長くなります

 三つ目の疑問を先に答えましょう

 

 まず三つ目ですが、私は転生者なんです

 転生前の憶えている記憶は、自分が女性だったこと。自分は二次元が好きということ。その二次元の好きな作品のこと。趣味が音楽ということ。その中でも特に東方のことを憶えていました。何故なら東方projectは私が転生する前に自分の中で流行っていた作品ですから

 ちなみにですが、これらの記憶は今世では生まれてた時から憶えていたわけではありません

 私はもともと外の世界で暮らしていたんですが、5歳の頃、何かがきっかけで幻想入りし、人里で暮らすようになったその時から少しだけですが思い出せるようになりました。といっても本当に少しだけで一年程前のあの日、とある出来事がきっかけで転生前で今の私が思い出せる記憶を全て思い出した時は混乱しましたね......

 逆にその前の外の世界で暮らしていた時の記憶を忘れてしまいましたが、5歳程度の記憶ならば忘れてもおかしくはないですよね

 

 二つ目の疑問ですが、10歳の頃に人里を出て修行をしようとしましたが倒れてしまい、紅魔館の皆さんに助けられました。その時、館の主の勧めがあり、魔女の弟子として紅魔館に住むようになり、一年程前にあったとある出来事、フラン様との出来事をきっかけに妹様の従者になりました

 あ、これは三つ目より短かったですね

 

 ともかく紅魔館に住み始めて約4年、季節は夏。本来なら日本独特の蒸し暑さが襲いかかる季節ですが、そんな気配はまったくなし。むしろ肌寒さすら感じてしまう気温

 現在、私は自室の机に向かい、考え事をしているのですが、いつもなら窓から部屋を明るくしてくれる日光は、外に広がる霧が遮ってしまい光が届かず、窓を見ればこれでもかって程紅い

 何故こうなっているのかという理由は簡単、外に霧が広がっているからです。しかも紅いやつ

 こうなった原因は1週間程前に遡る――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 この日は朝食まではいつも通りだった

 まだ日も浅い時間に起き、普段着とは別の動きやすい服に着替えて紅魔館の門番『(ほん) 美鈴(めーりん)』と日課のランニングをし、終われば汗を流すために身体をお湯で洗い、普段着に着替え、厨房に行き朝食作りを手伝う

 私は普通の従者と違い、基本的に自分優先に行動することが出来ていて、(あるじ)とはたまに一緒にいる感じで、館の仕事もしなくていいのだが、私がやりたいので極力やらせていただいている。一応私も従者だからね

 館の仕事は紅魔館の瀟洒な従者の『十六夜(いざよい) 咲夜(さくや)』さんとやることが多いです

 朝食を作り終えると私と咲夜さんはそれぞれ自分の主の部屋へ行き、起こして着替えなどの身支度を手伝い、済ませると食堂へ向かわせ、私達は厨房に戻り、食事を運ぶ

 食堂に入ると食事を待っていた館の住人、私の魔法使いとしての師である『パチュリー・ノーレッジ』師匠やその使い魔の『小悪魔』、朝一緒にランニングした美鈴、紅魔館の主『レミリア・スカーレット』様、そして私の主でレミリア様の妹、『フランドール・スカーレット』様が既に席についていて、私達は朝の挨拶をする

 そして私と咲夜さんがテーブルに食事を置き、終えると私はフラン様の隣の席、咲夜さんはレミリア様の斜め後ろという定位置についた

 いつもならここでレミリア様の合図で食べ始めるのだが、この日は違った

 

レ「皆、後で話し合いたいことがあるわ。だから食事が終わってもここに残っていてて」

 

フ「お姉様、話し合いたいことって?」

 

レ「後で話すわ。とりあえず食事が冷めないうちに食べましょう」

 

 

「「「「「「いただきます」」」」」」

 

 

 

 

~少女達食事中~

 

 

 

 

パ「それでレミィ、話し合いたいことってなにかしら?」

 

レ「実は今度、異変を起こそうと思うの」

 

美「異変ですか?」

 

レ「えぇ、そうよ」

 

パ「でも確か、八雲に異変を起こしてはならないと契約させられてたわよね?」

 

 そう、紅魔館の住人は異変を起こしてはならない

 理由は私や咲夜さんが生まれるよりも前にあった【吸血鬼異変】が原因である

 西洋の妖怪が幻想郷に侵略しにきた異変。当時の幻想郷の妖怪達は長いこと戦いをやらずに、というより出来ずにいたため言ってしまえば腑抜けてて、突然の侵略にすぐには対抗出来なかった。更には異変の中心にいた妖怪、吸血鬼の魔性(カリスマ)に惹かれた一部の幻想郷の妖怪までも異変に加担し、大混乱に陥ったそうだ

 しかし、その異変も妖怪の賢者八雲(やくも)(ゆかり)率いる大妖怪や当時の博麗の巫女が結束し、異変を収めたらしい

 で、その時生き残ったのがレミリア様、師匠、小悪魔、美鈴。それと異変が起こってたことすら知らなかったフラン様

 この5人は元々異変に乗り気ではなく、本当の目的は移住だったために八雲 紫が提案したいくつかの条件を呑むことで幻想郷に住むことを許可したそうだ

 その条件の一つが異変を起こしてはならないというもの

 悪魔は契約を破れないから、異変は起こせないはずだけど......

 

レ「大丈夫よ。昨日の夜、八雲がその話をしに来たわ。そもそもこの話は八雲が持ち込んだのよ」

 

パ「八雲がいったい何故?」

 

レ「ほら、最近幻想郷の決闘方法が変わったじゃない?スペルカードルールってやつ。それを広める為にやって欲しいそうよ」

 

 【スペルカードルール】それはスペルカードと呼ばれる技を込めたカードを使った決闘方法のこと。

 幻想郷ではその決闘方法で戦わなければ八雲 紫や博麗の巫女から罰を受け、下手すれば幻想郷追放もありえるらしい

 内容としてはスペルカードと呼ばれる技のカードを用意し、それを使いルールに沿いながら美しさを競う戦いだ

 といってもまだ制定されたばかりで定着しておらず、特に長い時を生きた頭の硬い男の妖怪には「女子供の遊びなんかやるわけないだろ」と受け入れられてないらしい

 噂によれば、その一例が妖怪の山の大天狗共らしいが、今の私には関係ないね

 

パ「レミィのことだから考えなしに受けないわよね。何か考えでもあるの?」

 

レ「異変を起こしてくれたら契約内容の一部を破棄してくれるそうよ」

 

フ「その内容って?」

 

レ「“異変を起こしてはならない”“幻想郷の主要場所へ行ってはならない”といったものね」

 

パ「なるほど、そういうことね」

 

榛「え? どういうことですか?」

 

パ「いえ、なんでもないわ」

 

咲「しかし、本当にそれだけでしょうか......」

 

レ「咲夜、それはどういうことか言ってもらえるかしら」

 

咲「八雲のことです。他に何か企んでいるかもしれませんわ」

 

パ「そうね。企んでてもおかしくないわね」

 

榛「そうですか?他には新しく代替わりした博麗の巫女さんの育成とかだと思いますが......」

 

 つい最近読んだ新聞の号外に載せてあったことと、原作知識から推測したことを言うと、皆さんは目を見開いた

 

レ「よく知ってたわね。咲夜も知ってたのかしら?」

 

咲「すみません。存じませんでした」

 

 咲夜さん、その記事が書かれた新聞を渡したら窓拭きに使ってましたもんね

 

小「ということは出来レースですか?」

 

レ「まぁ負けろなんて言われてないけどそうなんでしょうね」

 

フ「それでお姉様はどんな異変をするの?」

 

レ「それを今から決めるのよ。ということで何か案はないかしら?」

 

 途端に皆さんは黙った

 

 

 

 

 

 

 ということもなく......

 

フ「太陽を壊しちゃうのはどう?」

 

美「流石にダメですよ!?」

 

榛「太陽系の崩壊ですね......」

 

 ボケとツッコミの嵐が始まった

 

咲「雨の代わりにナイフを降らせるのは......」

 

レ「貴女なかなか残酷なこと言うわね!?」

 

 咲夜さんが怖いです......

 

 他にも様々な案が飛び交ったが、どれも決定にはいたらず、時間ばかりが消費されていった

 誰もがこのままでは終わらないと思った時、その思いを救ったものがいた

 

美「紅い霧を出すのはどうでしょう?」

 

レ「紅い霧、ねぇ。ちなみにそう思った理由を教えてくれないかしら?」

 

美「霧を出せば日光を遮れます。そうすればお嬢様達は外に出ることができると思ったからです。色をつける理由は普通の霧だと思わせないためです。紅いのはお嬢様方の“スカーレット”の名に沿って」

 

レ「なるほど、なかなかいい案ね。他に案や反対意見はないかしら?」

 

 

「「「「「「......」」」」」」

 

 

レ「...ないようね。なら美鈴の案にしましょうか。異変は紅い霧を出すことにするわ。それじゃあ解散。皆、長く付き合わせて悪かったわね」

 

パ「別にいいわよ。いつものことだから」

 

レ「ちょっとパチェ?それはどういう意味よ」

 

パ「なんでもないわ。それじゃ小悪魔、行くわよ」

 

小「は、はい!分かりました!」

 

美「さて、お仕事お仕事♪」

 

フ「榛奈、今日は何をする?」

 

榛「そうですね...... 今日は道具を使ってみましょうか」

 

フ「うん!」

 

 師匠とコアは大図書館へ、美鈴は門番の仕事、咲夜さんはティーセットの後片付け、私とフラン様は今日やることについて話していると

 

レ「フラン、ちょっといいかしら?」

 

フ「なぁに?お姉様」

 

レ「今回の異変、フランは参加しちゃダメよ」

 

フ「え!?どうして!?」

 

レ「貴女まだ力を制御出来ていないと聞いているわよ。」

 

フ「ど、どうしてそれを......?」

 

レ「榛奈からね」

 

榛「すみませんフラン様。報告しろと言われたものですから......」

 

 実はフラン様は1年程前まで地下に籠っていた。

 いや、正確には閉じこめられたという方が正しい

 理由はフラン様のもつ能力【ありとあらゆるものを破壊する程度の能力】のせいだ

 人や物には必ず急所があるのだが、この能力はそれを“目”として視認することが出来、フラン様はそれを手に移して壊すことが出来るのだ

 その能力のせいか破壊衝動(狂気)が人一倍多く、それが原因でレミリア様によって地下室へ閉じ込められていたのだ

 ただ、1年程前のある日、私はフラン様と出会い、その時ちょっとしたことがきっかけでフラン様が暴走してしまった。それを当時、まだ発現したばかりの私の能力【ありとあらゆるものを守る程度の能力】を使い、理性と狂気を分け、理性に能力を使い狂気を静めることで、騒動は収まったのだ

 それがきっかけで私はフラン様の従者となったのだが、それはまた別の機会に

 そして、閉じ込められていた時、紅魔館の皆さんは顔を出していたそうだけど、力加減の仕方を教えてもらわずにいたため、私と出会った当時は加減の仕方を知らず、様々なものを壊してしまっていた。そのことを悲しんだフラン様は加減ができるようになるために特訓を重ね、今ではかなり加減が出来るようになっている。それは私も間近で見ていたので分かっている。しかし、それを弾幕ごっこに向けるにはまだ力が強すぎる。レミリア様はその事を言っているのだろう

 

 

レ「大丈夫。弾幕ごっこだけなら異変後でも十分出来るわ。なんだったら私が相手にお願いしてあげる。だから今回は我慢してちょうだい」

 

フ「お姉様がそこまで言うなら...... でも制御できるようになったら外で遊んでもいいよね?」

 

レ「......えぇ。力を制御できるようになったら外に出てもいいわ」

 

フ「やったー!ありがとう!お姉様!」

 

レ「但し、出来ないうちは外に出ちゃダメよ」

 

フ「はーい。榛奈、いこ!」

 

榛「分かりました。それではレミリア様、失礼します」

 

レ「えぇ」

 

 

 

 

 それからはあっという間だった

 レミリア様は師匠と霧を広める為の魔法作り、小悪魔はそれを手伝い、咲夜さんは美鈴と仕事の合間に弾幕ごっこの特訓、フラン様は力の制御の特訓をした

 そして私はというと――――

 

 

 

 

 

 

 

榛「ぅにゃああぁぁ!スペルカードが出来ないぃぃ」

 

 スペルカードを作れずにいた

 いや、正確にはスペルカード自体は出来てる

 ただ、名前や弾幕の形が他作品の要素が多い

 東方関連のものもあるが、原曲やアレンジ楽曲をテーマにしたものばかりだ

 そうだ、今の二つ名は『動かない大図書館の弟子』だけど今度から『音楽好きの魔法使い』にしようかな......って話がズレた

 一応これらを幻想郷で使う分には問題ないと思うが、なんとなく味気ない......

 まぁ能力も攻撃どころか反対の防御系だし、極力弾幕ごっこはやめておこう。遊びでやるのは別だけど

 それに強者の弾幕、いやそれ以外の弾幕もだけど見てて綺麗だからね

 よし、その方針でいこう




ここまで読んでくださりありがとうございます。
前書きにも書いた通り、初めて書いた小説なので感想や誤字報告など、様々な反応をしてくださると嬉しいです
ダメだしもOKです
それを糧にこれからも不定期ですが書いていこうと思います

最後に主人公、榛奈のプロフィールです

霧雨(きりさめ)榛奈(はるな)
 幻想郷、紅魔館所属
【種族】人間
【職業】魔法使いの弟子、従者
 妖怪の住まう紅魔館で魔法使い『パチュリー・ノーレッジ』の弟子、吸血鬼『フランドール・スカーレット』の従者として暮らしている
【能力】『ありとあらゆるものを守る程度の能力』
 使う力は主に魔力。稀に霊力
 主に使う魔法は属性魔法、召喚魔法
 得意魔法は生活に役立つ魔法
【交友関係】『紅魔館、人里の一部の人、??』
 元は人里で暮らしていたため、一部の人間と知り合いだが、数年間会っていない
 紅魔館に住んでいるので紅魔館の住人とそれぞれ関係がある
【容姿】
 D.C.III 森園立夏がモデル
 金髪を腰の少し上くらいまで伸ばしていて、髪型は左右をそれぞれ白色のリボンで結んだツーサイドアップ。青眼。身長約150cm

それでは次回もゆっくりしていってね!

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