母からの手紙   作:しがみの

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2話 球磨

「あ、君。もしかして、多m・・・、香苗の娘の千秋ちゃんクマ?」

 

「あ・・・はい。そうですが・・・。」

 

私がそう言うと、話しかけた女性は「やっぱり多磨の娘だクマ。」とか呟いている時のような小さな声で言っていた。〝多磨〟それが職場での母の呼び名のようだ。私は母の職業を知らなかったので、興味半分で訪ねてみた。

 

「え?知らなかったクマか?まーったく・・・。多磨から聞いたけど、本当に知らないとは・・・。」

 

その女性は困り顔をすると、特徴的な頭をかき始めた。しかし、語尾が〝クマ〟はないだろう。語尾が〝です〟とか、〝なのです〟とか・・・。そう言うのはまだいいが、〝クマ〟はどう考えてもないだろう。〝クマ〟は。そう言えば、母はたまに寝ぼけてる時や驚いた時などには〝ニャ〟の語尾をつけていた。私も母と同じ様に驚いたりした時には〝ニャ〟と言ってしまったり、語尾に〝ニャ〟をつけてしまったりしていた。まあ、元々母は猫っぽい性格だし、仕方ないと思う。が、何故私にも遺伝しているのかが分からない。だって、姉は語尾が無いし、髪の毛の色も父と同じダークブラウンだ。おっと。今は話しかけてくる相手の名前を知らないと。とりあえず、女性に訪ねてみよう。

 

 

 

どうやら名前は語尾と同じ〝球磨〟らしい。「球磨は球磨型軽巡の〝球磨〟だクマ。」と言っていたからだ。〝くまがたけいじゅん?〟とはなんだろう。新たな職業?名字?ケーキ屋?新型の電車?とにかく後でググってみよう。しかし、なぜ球磨さんとやらは私の事をなぜ知ってるのだろう。

 

「そうだったクマ。多m・・・、香苗から千秋ちゃんへの手紙を預かっていたんだったクマ。ちょっと待つクマよ。」

 

そう言いながら球磨さんは部屋の隅に置かれている自分のバックの中を探し始めた。しばらくすると、台所から祖母が私が呼ぶ声が聞こえたので、私は手紙を探している球磨さんに「すみません。祖母が呼んでいるので。」と言い、祖母のいる台所に向かった。祖母は姉と共に夕食を作っていた。祖父と父は親戚達に連絡をしているのか、台所と隣の居間には居なかった。

 

 

 

夕食を作り終わると、直ぐに夕食となった。食卓には祖父母、父、姉、そして、キ〇ガイ?4人組がいた。(「何故コイツらが居るんだ・・・。コイツらは母の何だ!?」)私はそう思いながら、夕食を食べていた。夕食中、父や祖父母はこの4人について知っていたのか、話をしていた。話の内容は、「大湊なんちゃらののわり?が来る」とか、母の葬式に来る人達の話らしい。しかし、私の興味のある話では無かったので、余り興味が出てこなかったし、母の事をもう1度父に聞こうとしても話が途切れる事が無かったため、聞く事が出来なかった。話の途中で母の話題を出すのもいいが、私は、母の真相が知るのが恐ろしくて、その会話に割り込む勇気が無かった。

 

 

夕食を食べ終えても、明日のお通夜の準備があるため、私を除く全員は休む暇もなく直ぐに準備に取り掛かり始めた。私は明日のみ学校に登校し、明後日から2日間忌引で学校を休むこととなり、私だけお通夜の準備ではなく、明日の授業の準備を始めた。教科書ノート類は早退する前に自宅から持ってきた姉が持ってきてくれていた。教科書ノート類はよく整理して部屋に置いておいたのが良かったのか、学校で使う全ての教科書が母の実家に持ってきてあった。そのため、直ぐに明日の授業の準備が終わり、しかも、誰も明日のお通夜の準備が終わってなかったので、私は直ぐに湯船に湯を入れ、入浴し始めた。

 

 

 

 

入浴が終わり、直ぐに就寝となった時、私は直ぐにスマホを手に取り、アラームをセットした。その後、検索サイトを開き、球磨さんが言っていた事を調べ始めた。慣れない手つきで〝くまがたけいじゅん〟フリック入力をし、検索結果一覧を見た。

 

「球磨型軽巡洋艦・・・。軍艦ね・・・。基準排水量5100トン・・・、公式5500トン・・・・・・。同型艦は多磨、北上、大井、木曾か・・・。うーん・・・。よく分からないわ・・・。」

 

出てきたのは全て軍艦についての記事。自分達を軍艦だと思ってるなんて・・・。やっぱりあの人たちはキチ〇イじゃないのか?と、本当に思い始めてしまった。が、私は小学校の頃から教わっていた事があった。それは、今、世界中は戦争をしている事だった。地球上を侵略しようとしている謎の生物、深海棲艦と人類が艦娘という女性達で戦っていることだった。私はイマイチ戦争をしているという実感は無かった。日本国内は平和だし、空襲があったことや、強襲があった事が無いし、聞いたこともない。ニュースは「総理大臣が海外の首相と会談をした」とか、「離婚が原因で自爆した事件があった」とか、戦争には関係ない情報ばかりが流れていた。さらに、公開されている艦娘の情報も少なく、私は艦娘に対してのイメージがおかしい事になっていた。〝艦娘=ムキムキゴリラみたいな女性〟というどう見てもおかしいイメージだ。世間にも〝艦娘=ムキムキゴリラみたいな女性〟という写真もないのに、こう考えるのはおかしい常識が定着していた。そのため、ネット辞典には(軍艦)と(艦娘)という2つの記事があったが、(軍艦)の記事を見た。しかし、私は「どうせムキムキゴリラみたいな女性の写真を見るんだろうな・・・」と思いながら、スマホ画面を消し、直ぐに枕元に投げた後、布団に潜り込み、眠りについた。

 

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