本当すみません。
この鎮守府が、俗に言うブラック鎮守府となってしまったのはいつだったのか。
きっかけは、一体どのようなものだったのか。
今考えてみると、それは確かにあった。
例えばそれは、何気ない日常での些細な言動、仕草、態度、視線。
思えば不審に思った事も、不快に感じる事もあった。
でも、そういう人なんだという認識だったんだ。
その認識が甘かった。
人間という種族の中には、自分の本心を隠し、誰かに本心を悟られないように接せれる奴がいる。
自分より下の者を陥れるのに、何の躊躇いも罪悪感も感じない奴がいる。
まるで、悪魔とか言う存在のように。
……いや、"言うように"ではないだろう。
"実際"なのだ。
実際のところ、悪魔なんていう存在に値するのは、人間以外にはいない。
どれだけ苦痛を知ろうとも、どれだけ悲しみを覚えても、どれだけ虚しさに襲われようとも、何があっても、自分とは別の者を蹴落とすのを、陥れようとするのを、叩き潰そうとするのを、止めようとはしない。
誰かの為、などと言った所で、結局のところそれは彼らの自己満足でしかないのだ。
人間とはそう言う存在だった。
それを知った……という事実に関して、得した事なんて何1つ無い。
本当に何1つ。
なんなら知ってしまった事全て忘れて、知ってしまう前に戻ってしまいたい。
そう思ってしまう程に。
でも、そんな望みが叶う事は無い。
どれだけ願っても、望んでも、叶うわけが無い。
だから私は、私が知ってしまった事に、意味を与えたいと思った。
だって、意味が無かったら、それを知っている意味も、それを知るまでの時間も、何1つ価値が無くなる。
せっかく人間とは別の存在になれたのだ。
ならば、人間のためなどではなく、同胞のため、私と同じ艦娘たちのために。
だから、日記を書く事にした。
私が生きていたという証を残す為に。
もし、私が今から書く日記を読む同胞が居るのなら、伝えておきたい事がある。
人間を、特に提督という立場の人間を信頼するな。
奴らは結局、私達を利用して他人を蹴落とす事しか考えていない。
私たちのため、私たちが大切だから……とかなんとか言うが、口だけではなんとでも言える。
だからもう一度言おう。
人間を信頼するな。
私たちを人間と扱おうとする人間は特にだ。
絶対に、近くに人間が居るときに気を緩めるな。
奴らは蛇のような存在だ。
ほんの小さな隙にでも、奴らは入り込み、食い殺そうとしてくる。
気をつけろ。
そして、もしこれを人間が読んでいたのなら。
それも提督という立場の人間が読んでいたのならば、私は1つ、言っておこう。
私はいつでも、いつまでも、お前を監視し続けるだろう。
寝ている時でも、補給をしている時でも、ずっとだ。
いつまでも、私はお前を監視し続ける。
そしていつでもお前を◯すチャンスを伺う。
だから、これだけは覚えておけ。
もしお前が、私の大切な仲間達を一瞬でも傷つけようものなら……
私はお前を、必ず◯す。