白こそ正義の艦これ『凍結中』   作:鋭利な刃

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という訳で、タイトルの通り、出会いです。



出会い

俺が資材庫の中で必死に頭を巡らせていると、ふと、外に気配を感じた。

 

どうやらこの資材庫を目指して歩いてくるようだ。

 

「民間人……て訳ではなさそうだな、この感じだと。て事は艦娘か?」

 

大方、遠征などから帰還したのだろう。

ちょうど良い。いろいろ聞いておきたい事がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日は、彼女にとっていつもと変わらない日になる筈だった。

???は、いつも通りの時間に起き、いつも通りの補給をし、いつも通り武器の整備をし、いつも通り街へ繰り出し、いつも通りの物を貰って帰還する。

 

それが終わったら補給をし、他の者も補給してやり、ほんの少し書類を片付けたらさっさと寝る。

 

そんな、いつも通りの1日になる筈だった。

 

しかし、その日は何故か、いつも通りにはいかなかった。

 

目覚まし時計を掛け忘れていたり、武器の整備に時間を取られたり、街へ行ったが、お目当の物が手に入らなかったり。

 

その日は彼女にとって、『厄日』だった。

 

「全く……。今日はなんなのですか。最悪なのです」

 

彼女はそう愚痴りながら鎮守府へと戻り、真っ直ぐ資材庫へと向かった。

 

「こういう最悪な日は、燃料でも食べて、さっさと寝るに限るのです」

 

そう言い、彼女……駆逐艦"電"は、資材庫の扉に手をかける。

何か言い表せ無いような違和感を感じたが、無視し扉を開け中に入り、扉を閉め、前を見た。

 

そしてその瞬間、電は硬直した。

別に資材の数があまりにも少ないから、などの理由ではない。

何か、彼女が苦手な昆虫が這いずり回っていた訳でもない。

 

……いや、昆虫ならどれ程マシだっただろうか?

昆虫だったのなら、放っておけばこちらに危害を加える事は無い。

勝手にそこら辺をカサコソ這いずり回るだけだ。

だが、彼女の目に飛び込んで来たものは、昆虫よりも、もっとたちの悪い存在だった。

 

全身白で統一された服装。この鎮守府にはいない筈の存在。

電が、何よりも憎んでいる存在。

 

そう……提督と呼ばれる存在が、そこにはいた。

 

「くっ!!」

 

そうと認識すれば、後は早かった。

電はこちらに向かって伸びてきた腕を掴み、強く引く。

そしてよろめいたそいつの背中を掴み、床に叩きつけ、腕の関節を極め、拘束する。

この間約1秒。見事な手際。

 

「いっ!? い、痛い、痛いから! おい、離せ!」

 

そう言ってそれが喚くが、放してやるつもりはない。

 

「今から聞くことに正直に答えるのです。答えなければ、貴方の腕の骨を粉々に砕くのです」

 

そう耳元で囁くと、それは一時的におとなしくなる。

 

「まず1つ目。なぜ提督がこの鎮守府にいるのです? そもそも提督が着任するなんて事、聞いてないのです」

 

「そ、そんな事言われても……俺だって命令されて来た訳だし……」

 

そう言ってこちらを横目で見てくる。

……嘘は言っていないようだった。

 

「なら2つ目。ならなんで執務室で待っておかなかったのです? 普通ならそうするはずなのです!」

 

「そ、それは……ここに来て、人っ子1人の気配すら感じなかったし、資材の確認もしたかったから」

 

「だからって不用意に出歩くなんて、ふざけているのですか? それとも殺されたい願望でも持っているのです? なら今すぐにでもその願望を叶えてやるのです!」

 

「ちょっ、ちょい待てちょい待て。俺そんなに重大な事しでかしたか? ただちょっと出歩いただけじゃ……」

 

「黙るのです!!」

 

資材庫に、電の叫び声が響く。

その声は怒りに震え、そして同時に、ほんの少し、怯えが混じっているかのように、提督……稔は感じた。

 

ギギギぃ……

 

突然寂れた音を立て、資材庫の扉がゆっくりと開いて行く。

 

稔がふと電の顔を見ると、その顔にはクッキリと恐怖……いや、何かをやらかしてしまった時にするような、苦い表情を浮かべていた。

 

そして扉が完全に開き、光が入ってくる。

 

そこには……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、まるで感情という感情が抜け落ちたのではないかと思ってしまうほど、表情の無い顔をした少女……

戦艦、榛名が立っていた。




電の喋り方、この小説では多分これからもこんな感じです。
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