白こそ正義の艦これ『凍結中』   作:鋭利な刃

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WG42を間違えて廃棄してしまった……
次回が少し長くなる予定なので、今回は短めです。


疲労

「……釣れない」

 

あれから更に1時間。

あの1匹以来、竿が揺れたのは一度もない。

 

ちなみに、何故か秋刀魚以外では魚は一切釣れない。

これについては諸説あるが、深海棲艦の奴らが食っているというのが、一番有力な説だ。

 

「ぁぁあ! どうすりゃいいんだよまったく!!」

 

資材は無い、食料もパンの耳、執務室へ戻ったら多分書類が増えてる。

 

ああ、もう提督辞めたい。

 

「金もねぇし、どうすりゃいいんだよマジで……」

 

ちなみに、所持金は3000円。

戦争中のために消費税は40%まで上がってます。

つまり、大したものは買えません。

 

本当に、話が違う。

俺が教官から聞いていた提督の仕事というのは、こんなんじゃなかった。

 

もっと……明るくて、楽しそうで、幸せそうな仕事だった。

俺の考えが甘かったという事なんだろうか?

仮にも戦争をしているのだから、脚色をしていると疑うべきだったのだろうか?

それとも、自分の所だけがこんな感じで、他はもっと楽しくやれてるのだろうか?

 

ふと、士官学校でよくつるんでいた奴のことを思い出す。

あいつも確か、俺と同時期に提督として着任したはずだ。

 

あいつの方は、明るい場所なのだろうか?

あいつの所は、パンの耳が食事なんて、考えられないのだろうか?

あいつの所は、暖かいところなんだろうか?

 

「……」

 

ダメだ。こうなってはもうダメだ。

落ち着け。落ち着いて深呼吸をしろ。

 

「……戻るか」

 

俺は立ち上がる。

もう、疲れた。

少し、寝よう。

 

俺は提督用に設けられている部屋に向かい、そこで少し仮眠を取る事にした。

そう言えば、まだ私物の入った荷物の確認すらしていない。

早く開けておかないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギィ、ギィ、ギィ……と、何か重い物を引きずるような音が、廊下で鳴り響いていた。

ギィ、ギィ、ギイ……と、その音はゆっくりと動いていく。

ゆっくり、ゆっくりと。

 

やがて、とある扉の前でその音は止まり、また更に、ギギギィィィ、と音がなり、最後に小さく、トン、と音が聞こえ、その音は完全に止まった。

 

すると、タッタッタッタッ、と、足音のような音が、廊下に響く。

 

その音はやがて小さくなり、1分も経たないうちに、聞こえなくなってしまった。

 

その廊下に、静寂が広がる。

 

その扉の横についてあるプレートには、"提督室"と書かれていた。

 

その扉の先には、現在18歳という若さの提督。

「御弓 稔」が、仮眠をとっている。

スヤスヤと、幸せそうな寝顔を浮かべ、寝ている。

 

今、自分の周りを徐々に囲みつつある、"殺意"に気づかずに。

 

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