辺り一面を埋め尽くす魑魅魍魎達
その中で一人剣を振るい続ける少女が居た。
全方面を囲まれながら時に両手の剣で、時にその指先から打ち出される物理的破壊力を得た呪いで、時に投擲特化の歪な剣でその異形達を屠り続ける。
「とんでもない、嬢ちゃんやな~」
その一騎当千ぶりに異形達も戦々恐々とする。
「もう半分はやられたで…」
1000を超えていた数が既に700を切っていた。
「heal(64)、mp_heal(32)」
白野はコードキャストで無理矢理体力と魔力を回復る。
「大分やったけど…、まだまだ掛かりそうね。」
戦闘開始から既に40分が経過している。
いや、僅か40分であの大軍を半分にしたのだ、尋常な事ではない。
「早いとこ増援に行きたいけど、流石に時間が掛かるか…」
そう思っていた時、周囲の異形達が次々と倒されていく。
「な!?なんや!?」
異形達が狼狽える
「あれは…」
白野の目に映ったのは
「エミヤ先生の依頼で援護に来た。」
「私は、面白そうだからついて来たネ。」
龍宮と古菲だ。
「クー!タッツミー!」
白野はこの増援に心底驚いた。
「そっか、シロウの言ってた保険って、タッツミーの事だったんだね。…でもという事はタッツミー…、今回のこれは遅刻じゃない?」
「いや、耳が痛いね。依頼を受けた身としては情けない話さ。」
「私、本物のお化けなんて初めて見たヨ」
「クー、今日は目一杯やって良いぞ。」
「本当カ!」
「ああ」
「やったネ!じゃあ早速やるヨ」
そう言って古菲は異形の中に突っ込んでいった。
「それでは、私もやるかね。」
龍宮もライフルを構えて狙撃を開始する。
「これなら、思ってたより早く終わるかも」
そうして、白野は再び剣を振るい始めた。
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side.ネギ
「
ネギがなけなしの魔力で速度を上げる
「ネギ先生…、それ以上は…」
刹那も心配の声を上げる。
「今回、僕はあまり役に立てていません…、これくらいはさせて下さい…。」
「ネギ…」
「ほら!見えてきましたよ!準備してください」
湖の畔に祭壇が見える。
ネギはそこに全速力で突っ込む。
「木乃香さんは返してもらうぞ!」
「残念だけどそれは出来ないな。」
しかし、急に現れた満身創痍のフェイトに行く手を阻まれる。
「ク!」
ネギ達は杖を降り白兵戦を挑む。
一向に障壁を突破できない三人
明日菜の攻撃はハマノツルギを警戒してか、完全に回避を優先させている。
「此処まで来て!」
「ハ…、ハハハ、アハハハハハ!!」
その時、儀式を執り行っていた千草が笑い始めた。
「遂に来たで!」
祭壇が強く光り始める。
「1400年前の鬼神!両面宿儺や!」
祭壇に奉納されていた岩が砕け散り、湖から巨大な鬼が出現する。
「そ…そんな。」
side out
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side.白野
「あの光は…」
「凄い光ってるネ!」
「間に合わなかったか…」
白野達もその光を確認していた。
「クー!タッツミー!下がって!時間が無い!切り札を使うわ!」
白野の声に古菲と龍宮は即座に退避する。
『ヴァジュラ!!』
荒れ狂う雷撃
此れには龍宮と古菲も絶句している。
まだ400は残っていた異形達が両手の指で数えられるまでに激減した。
これは使い捨ての宝具でシロウが投影した物を白野に持たせていたのだ。
白野が持つ武器の中で最大の攻撃力を誇り使い捨てながらも宝具ランクB+のお手軽超兵器だ。
白野は宝具に頼った戦いでは直ぐに足元を掬わるれる事が分かって居るのでこの宝具の使用を極力抑えていた。
しかしネギ達が間に合わなかった事にこの先の展開が読み切れず最悪ネギ達の死も考えられるため今直ぐ援護に行く事にしたのだ。
「タッツミー!遅刻したんだから残業よ!ネギ達の援護に行くわよ!」
龍宮に声を強制残業を言い渡すと光の方へ走り出した白野
「やれやれ、遅刻した自分が恨めしいよ、全く。」
そう言って龍宮も走り出した。
「面白そうネ!私も行くヨ!」
ついでに古菲も後を追って行った。
side out
***********
side.ネギ
「木乃香さんだけでも…!」
ネギは現状スクナに勝利する事が出来ないと考えせめて木乃香だけでも助けようと足を前に出す。
「…」
「それは良いけど、どうやってアイツを倒すの?」
明日菜の言う通りフェイトを抜くのは至難の業だ、それに千草の呪術でスクナの肩付近で浮遊している木乃香を奪い返す事が出来るのは現状空を飛べるネギだけだ。
「お二人とも、お嬢様の事は私にお任せ下さい。私にはその手段があります。」
刹那が告げる。
「本当ですか!?」
「はい、しかしこれを使うと私は皆さんの下から去らなければなりません…」
刹那が独白する
「でも!お嬢様を助けるためなら…!」
そう言い前に出た刹那の背から一対の純白の翼が姿を現した。
「これが、私の本当の姿です…、醜いでしょう?」
二人は一瞬目を奪われた。
そして
「いえ、とても綺麗です…」
「そうよ!背中に純白の翼なんてカッコイイじゃない!それにそれが醜かったら喋るオコジョのエロカモはどうすんのよ…」
「…」
刹那はキョトンとした表情をしてから笑みを零す。
「それでは、行きます!」
「道は僕達で作ります!」
刹那が飛び立つ
それに合わせてネギも杖に乗り全速力でフェイトに突っ込む。
「
そして魔法を打ち込む。
障壁に弾かれた魔法で水煙が発生する。
そのまま突っ込むネギ
「目暗まし程度じゃどうにもならないよ、そこだ。」
フェイトはネギが飛んでくる方向に手を向けた。
しかし飛んできたのは杖だけ
「ハァ!!」
ネギが側面から掌底を叩き込む
「惜しい、でもそれじゃあ届かない。」
障壁に阻まれる掌底
しかしネギの口は吊り上がっている。
ここで行き成り障壁が消滅した
それを狙って更に魔法を乗せた掌底を叩き込むネギ
「これは…」
束縛魔法、本来ならこの程度の事でフェイトを拘束するのは不可能だが既にシロウによってかなりのダメージがあるフェイトはしばしの間動く事が出来ない。
「なるほと、君の奇襲もフェイントの一部として組み込み僕の意識が君に向いた瞬間そのハリセンを投擲、障壁を排除した訳か、一本取られたね…」
「よし!後は木乃香さんを…、刹那さん!」
刹那が千草に接敵する
「お嬢様を返してもらうぞ!」
「だからお断りどすえ~」
木乃香の周りには障壁が張られていて手が出せない。
千草が呪符を出して式神を召喚しようとする。
「今だ!カモ君!!」
「合点だ!!」
そこに行き成りカモが現れ魔法薬の入った小瓶の栓を抜き投げつける。
「特製魔法薬だ!!この魔法薬は散布すると同時に気化を始めその空間の魔力・魔法を使用不能・解除する!素材が滅茶苦茶高かったんだ!有難く喰らいな!」
そう、カモは襲撃される前からネギの発案で、木乃香の服のポケットの中で待機していたのだ。
魔法薬の効果は精々10秒、しかしこれだけの時間が有れば刹那には十分だった。
「お嬢様!」
刹那が落下を開始した木乃香をキャッチする。
「…ン」
そこで、呪術の効果が切れた木乃香が目を覚ます。
「わ~、せっちゃん助けに来てくれたん?それになんや天使みたいや、綺麗やな~。」
「…!」
刹那は木乃香の言葉に息を呑む
「刹那さん!離脱しましょう!」
ネギと明日菜は撤退を始めながら叫ぶ
「させないよ。」
しかし束縛を解いたフェイトが追撃しようとする。
「それは、此方のセリフだ。」
フェイトは動きを止められた。
「影の転移魔法…」
「うちの坊やが世話になったみたいだね…、これはそのお返しだ!」
フェイトが吹き飛ばされる。
そして、その人物とは…
「え…エヴァンジェリンさん!?」
ヴァジュラって設定的には片仮名オンリーで表記するんですね。
初めて知りました。
ちょこちょこ出て来るオリジナルの魔法薬が便利すぎる…
さて、皆さん…何時からカモがネギ達と一緒にいると錯覚して居たのだね?
やってやりましたよ。カモに活躍の場を作りましたよ。(その代わり出番減ったけど…)