インフィニット・ストラトス 火力と愛と絆と 作:ディニクティス提督(旧紅椿の芽)
「なぁ、箒」
場所は、第三アリーナ第一ピット。そこで一夏が、箒に話しかけていた。
「なんだ?」
「ISの事を教えてくれって、俺頼んだはずなんだが…………」
箒はばつの悪そうに目線を逸らした。
「目を逸らすな‼ なんで一週間ずっと剣道しかしてなかったんだよ‼ 」
「仕方ないだろ。お前の機体は届いておらず、ましてや訓練機すら許可が降りてないんだぞ」
「そりゃ、そうだけどさ。あるだろ、知識とかそう言ったやつ」
「んじゃ、お前は知識がありゃ戦えるっていうのか?」
俺はそう言う。てか、箒の言っている事は、ほぼ正論。ま、剣道しかやらせなかったのは俺がそう言ったからだ。機体が高性能であっても、本人が使いこなせなければ意味がない。逆に、どんな旧式の機体でも、本人が玄人であれば本来以上の能力が引き出せることだってある。要は、パイロットがいくら技能があるか、それが重要なんだ。
「いや、それは無理…………」
「だろ? 結局、ISは体の延長なんだ。自分の体すら自由に扱えないのなら、勝てるもんも勝てねえよ」
「そうだよな…………悪かったな、箒。あまり考えずにものを言って」
「私は、気にしてない。心配するな、私はお前の幼馴染で同門だろう? 同門がここまで弱ってたんだ、鍛え直すのは当たり前だ」
「そ、そうですか…………ははっ、俺三年間帰宅部だったもんな」
とりあえず、それはいいんだがな。まだ、一夏の機体が来てないってどういうことだよ⁉ あれか? 兎が改造してんのか? どれだけあの兎は迷惑をかければ気が済むんだ‼
「織斑く〜ん‼ 来ましたよ‼」
「山田先生、主語をいれてください」
山田先生が来たということは、
「織斑、すでに着替えは済んだろ。早く準備しろ。時間があまりないんだ」
無論、千冬さんもきた。
「織斑君、こっちに来てください」
「は、はい」
一夏が連れていかれたのは、シャッターの降りた第二ハンガー。山田先生が、手に持ったデバイスで何かコマンドを打つと、シャッターが開く。
ーーそこには、白き『騎士』がいた。まるで、自分の主を待つかのように、鎮座していた。
「これが織斑君の専用機、倉持技研製高機動戦仕様近接格闘型特殊装備試験機『白式』です」
「白式ーー」
一夏は、何を思ったかその白い装甲に触れていた。
「こいつは…………俺を知っている?」
「何を言っている。早くしろ、敵はもう準備が終わっている」
千冬さんに急かされて、白式に搭乗する一夏。結構、仕上がりはいい機体だな、外装は。問題は、武装だ。
「な、なぁ、千冬姉」
「学校では織斑先生ーー」
「こ、こいつ、ブレード一本しか装備無い…………」
「「「「…………マジ?」」」」
一夏のセリフに、全員でハモった。待て待て、原作でもそうなる事はわかっていたよ。でも、こう現実で耳にするとアホらしく思えてくる。だって、近接格闘機のくせに射撃兵装が一つも無いんぜ。まるであれだ。零戦特攻の際に、機関銃を載せずに爆弾だけ積んだ的な感じ。つまり、牽制ができない。せめて、ハンドガンは欲しいところだよ。てか、射撃兵装積んでないのって、絶対兎の仕業だろ。あの兎は本当にクソだな。
「…………すまん、一夏。あのバカを止められなかった私を許せ」
「いや、千冬姉は何もしてねえし。ところでさ、何とかなんないか、龍之介?」
「任せろ、ちょっと待てよ」
俺は、ナーガを起動させる。どちらかといえば、こっちの方が軽量の火器を多く積んでいるからな。
「それが、龍之介の専用機か?」
「いや、そうだけど、実は違う。所謂、二機目だ、こいつは」
「「「「企業連、コア何個持ってんの⁉」」」」
「五つだ。それより一夏、これが火器のリストだ。お前の機体の容量に合わせろよ」
俺が見せたリストの火器はこれだ。
ハンドガン OXEYE HG25
ライフル TANSY RF12
ガトリングガン KO-5K4/ZAPYATOI
バトルライフル KO-2H6/STREKOZA
パルスマシンガン FAVE EG13-2
レーザーライフル ULR-09/R
レーザーライフル LR-81 KARASAWA
レーザーライフル LR-81M KRSW
キャノン KO-9K/ZHUK
キャノン KO-9K2
オートキャノン PASTEQUE AC106
スナイパーキャノン ERBSEN SC62
レールキャノン URG-14/H BOISE
ハウザー PETASITES HW33
レーザーキャノン CARRUBA LC55-2
結構、あるだろ。ちょっとした火薬庫ですな。榴雷はどうかって? あれは、火薬庫じゃない。
「あ、今更思い出したけど、他人の装備って使えないんじゃーー」
「問題ねぇ。さっきこのリストの武器はすべて使用許諾を出しておいた。好きに選べ」
「そうか…………んじゃ、これとこれとこれを頼む。俺の容量がそれ位しか残ってない」
そう言って一夏が指して来たのは、ガトリングとレーザーキャノン、そしてバトルライフルだった。それを見た俺はホッとした。いや、あんな軽量機にスナイパーキャノンとかオートキャノンとかハウザー撃ってみ? 絶対硬直するか、反動で吹き飛ぶから。その分、ガトリングは弾が豊富、レーザーキャノンは低反動で威力問題なし、バトルライフルは牽制に使える。センスいいな、一夏。
「時間だ。行って来い、一夏」
「頑張ってください、織斑君」
「男子たるもの、この壁を超えろ、一夏」
「お前、俺の火器を貸したんだ。勝てねえはずねえよな、一夏」
「わかってるって。んじゃ、行って来るよ。千冬姉、山田先生、箒、龍之介、勝ってくる」
一夏は、フラグを立てて戦場へと向かった。なお、俺はそのフラグが成立するのを心から楽しみにしている事を、ここに記す。
「よ、待たせたようだな」
「いえ、かえって怖気ついてしまったんじゃありませんの?」
「軽ーく、ティータイムとやらを楽しませてもらっていただけだ」
「ふん。まあいいですわ」
一夏がアリーナに出た時、セシリア・オルコットは自身の専用機、イギリス機動射撃型特殊兵装試験機一号『ブルー・ティアーズ』を展開していた。彼女は、その手に得物であるレーザーライフル『スターライトmk-Ⅲ』を構えながら、一夏に声を掛ける。
「あなたに、最後のチャンスを与えますわ」
「最後のチャンス?」
「ええ。今ここで私に謝るのであれば、すべて白紙にして差し上げますわ」
そう言う彼女の口元は、愉悦そうにわずかだがつり上がっていた。さらに、謝る気も無いのだろう。一夏のディスプレイには、[LOCKED]の文字と『敵機の初弾装填を確認、警告』の表示が出ていた。
彼の頭は、すでに沸点を超えていた。男としてのプライドがそれをさらに焚きつけていた。
「そう言うのはチャンスと言わないな。それとも、謝ってるところを狙撃するのが今の流行りか?」
「くっ、あなただけは許せませんわね…………‼」
「御託はいい。全力でこい」
そのセリフが彼女を戦闘モードへ移行させた。
「ええ…………ここでお別れですわねッ‼」
六十メートルの間合いで放つレーザーライフル。普通であれば、回避はまず無理だ。その一手は確実に当たると、セシリアは思っていた。
「うおっ⁉ 危ねえ‼」
だが、一夏は彼女の予想をいとも簡単に裏切った。一夏が、体を捻った事により、レーザーは一夏が『いた』場所を撃ち抜いただけだった。
「んじゃ、反撃させてもらうぞ‼」
一夏は何を思ったかわからないが、レーザーキャノンとバトルライフルを呼び出す。ちなみにこのレーザーキャノンだが、チャージが可能である。つまり、通常より威力が高まるのだ。
「悪いが、撃たせてもらうぞ、セシリア」
「っ‼ 何を考えているかわかりませんが、やらせませんわよ‼」
二脚でキャノン兵器を扱う場合、必ずと言っていいくらい『構え』の体勢を取る事になる。つまり、動けない。セシリアは射撃の手をやめなかった。どんどんダメージが一夏へ蓄積していく。
「倍返しだぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
銃口より溢れ出す光りの奔流がセシリアへと直進していった。
「…………我ながら、やべえもん渡しちまったようだな」
俺は、フルチャージされたレーザーキャノンの威力を見て、そう言葉をもらした。いや、セシリアは高収縮レーザーを回避したんだけど、少しかすめたんよ。そしたらどれだけシールドが削られたと思う? 158だ。600のエネルギーの四分の一を削り取ったんぞ。
「…………なんだ、あの威力は」
「レーザー兵器特有のチャージシステムです。チャージにより威力を増強し射程を伸ばす事が可能です」
「あれが企業連の兵器か…………」
「いや、少し違いますね」
「どういう事だ?」
「あれは、企業連のある部署が製作したものです」
ま、他にも鬼畜レールガンとかレールキャノンとかあるけど、その中で一番怖いのはハウザー。OIGAMIよりは少し小さい榴弾をノーロックで山なりに飛ばす、擲弾砲。あれは、怖い。ま、OIGAMIが一番危険な事には変わりない。
「つまり、他の部署もあり、そこで似たようなものを作っていると…………」
「ええ、そうですね。あ、うちの部署もそうですよ。倉庫にアホみたいな兵器がごろごろ」
「…………企業連とだけは、戦争したくないな」
「「同感です」」
千冬さん、そりゃ当たり前だ。俺だって逃げたくなるよ。AMIDAとかAMIDAとかNEO-AMIDAとか。生体兵器のキサラギは一番厄介だ。
それよりも、今は試合だ。ちょうど一夏がガトリングで弾をばら撒きつつブレードを構えて突っ込んでいくところだった。
「どぉうりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
何度目になる突撃であろう。すでに白式のシールドエネルギー残量は、四分の一をきっていた。その白き装甲にもダメージが見て取れる。だが、それでも一夏は突っ込んでいく。
「当たりませんことよ」
セシリアは、その突貫をいとも簡単に避ける。やはり、代表候補生と最近まで素人だった人間では、勝負にならないのではないのだろうか。
「27分、意外と持ちましたわね。初見でこの私とブルー・ティアーズこうまで耐えたのはあなたが初めてですわ」
「はぁ、はぁ。そうかい、そりゃ光栄だ」
セシリアにはまだ余裕がある。だが、自分にはそれがない。一夏はそれをこの戦いの中で痛感していた。
「さて、そろそろフィナーレと参りましょう。行きなさい、ティアーズ‼」
セシリアがそう言うと同時に、非固定浮遊部位のパーツがパージされた。
ーービット兵器。思考によって操り、死角からの急襲などに使われる、オールレンジ兵器。
一夏は、それを切り落とそうとブレードを構えたが、それは間違っていた。
先端に見えたスリット。そこから放たれたのは、レーザーであった。
「がはっ‼」
一夏はそれを肩に受けてしまった。シールドの残量は48。勝てる希望も薄い。
「…………仕方ねえ。一か八か‼」
一夏はその手にガトリングとバトルライフルを呼びだす。一呼吸おいて、トリガー。バトルライフルから放たれる成形炸薬弾。ガトリングから吐き出される無数の弾丸。その雨にビットは呑まれた。
「くっ、引きなさい、ティアーズ‼」
ビットのうち何基かは、うまく抜けたが、一基が成形炸薬弾を受けて爆散した。
残りは三基。一夏は、再びブレードを握りしめ、ビットへ向かっていった。
「また落としたな」
ちょうど一夏が三基目を落とした時だった。一夏が不意に左手を開いたり閉じたりしている。あれって…………
「織斑先生、一夏ちょっと浮かれてないすか?」
「わかるか?」
「勿論すよ。あいつの幼馴染何ですから」
「え? 織斑君が浮かれているってどういうことですか?」
「山田先生、織斑の左手を。さっきから開いたり閉じたりしている。あれは昔からの癖でな。ああしている時は簡単なミスをおかす」
「へぇ〜、そんなことまでわかるんですか。姉弟ってすごいですね」
「ま、まぁ。そうだな」
「あ、やっぱり照れてるんですねー?」
ちょ、山田先生(すまんがこれから真耶さんと呼ばせてもらうぜ)、そいつは地雷だ‼
刹那、真耶さんの頭に強烈なヘッドロックが炸裂した。うわ、頭蓋骨から変な音がしてるよ。
「いたたたたたたた‼ お、織斑先生‼ や、やめっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
山田真耶、死亡。
「死んでませんよ、有澤君‼」
おっと、これは失礼。まだ、生きていましたか。
ふざけていられたのも束の間。モニターから、爆音がなる。そこには、爆煙に呑まれた一夏の姿があった。
「所詮、こんなものですわ」
一夏に自身の切り札であるミサイルをぶつけたセシリア。すでに勝利の愉悦に浸っており、自分の勝ちは間違いないと思っていた。だが、それは大きな誤算である。一夏はまだ一次移行を終えてないということを。
刹那、光りの奔流がセシリアの顔を掠めた。爆煙をきって流れた奔流の大元には、一次移行を完了した白式の姿があった。
「まだ、俺は終わっていねえぇぇぇぇ‼」
一夏は高らかにそう叫ぶと、セシリアへと肉薄していった。
(ふぅ、まさかあのタイミングで一次移行か…………危なかった〜)
そして、その一次移行により白式は以前とは変わっていた。
大きく肥大化したウイングスラスター。
ガトリング砲が内蔵された左腕。
そして、右手に持つ近接ブレード『雪片弍型』。
そう、最高の剣、雪片弍型。千冬姉の使っていた武器も雪片。おれが、その刀を継ぐのはなんだか嬉しい。つくづく最高の姉さんを持ったよ。俺は千冬姉の名に泥を塗らぬよう、頑張ってやるよ‼
「まだ、俺は終わっていねえぇぇぇぇ‼」
俺はそう吠えると、セシリアへ向かっていった。
「ああ‼ もう‼ 面倒ですわ‼」
セシリアは、残されたライフルとビット、ミサイルすべて放ってきた。それは、凄まじい弾幕だ。でも、回避はできるはずだ。
俺は無意識のうちに、左へ緊急ブーストを使っていた。狙いを失ったレーザーやミサイルは、地面へと落ちる。
ー単一仕様能力[零落白夜]、テストモード起動ー
何か、アナウンスが流れたが耳に入ってこなかった。俺は、左腕のガトリングをセシリアへ向けてトリガーを引いた。龍之介から借りていたガトリングと同じくらいの速度で弾が吐き出される。
「そんなもの、当たりませんことよ‼」
セシリアはいとも簡単にそれを避けた。だが、これでいいんだ。この雪片弍型の間合に、向こうから入ってきたんだから。
「うるらぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼」
俺の斬撃はセシリアにヒットした。あれは、確実に必殺の一撃であった。ならば、俺の勝ちであるはずだ。そう思っていたが、現実はそれを裏切った。
『試合終了、両者引き分け』
とてつもなく、締めの悪い形だった事が記憶にしっかりと残っている。
「ともにエネルギーを喰らい潰したか〜。んじゃ、俺は準備してきますね〜」
一夏の試合が終了した直後、俺は準備をするためにカタパルトに降りる。着替えは要らないのかって? いや、エネルギーがアホみたいにあるから、緊急展開的な事をしても全然減らないし。なにより、手間が省けるからこっちが一番なんだよね。
「来な、『榴雷』」
ーシステム、機体チェックを開始します。
[MEIN PARTS]
HADEーー
BODYーー
SHOULDERーー
ARMSーー
LEGSーー
[ウェポンラック]
[コジマドライヴ]
一号炉ーー稼働率99.7%
二号炉ーー稼働率99.3%
三号炉ーー稼働率99.5%
四号炉ーー稼働率99.6%
プライマルアーマー展開ーー異常なし
アサルトアーマー ーー異常なし
ーーシステムチェック完了。三八式一型、タイプ
俺は小さくそう呟くと、淡い光が全身を包む。しばらくして、俺の体全体に黒の装甲が纏わられる。俺の機体は改修した時に装甲の色を灰色から黒へ変えた。理由は何と無くだ。ただ、重いのだろうか。カタパルトが、重量オーバーのサインを出している。
「山田先生‼ 俺はカタパルト使えますかー‼」
「残念ですが、重量オーバーのためカタパルトは使えません。そこから飛び降りてください」
え、そんなに重いの
「しゃーねえや。んじゃ、行ってくるわ。それと箒」
「な、なんだ?」
「この一週間、考えて出した答えをあとで言うから、待っていろよ」
「‼ な、なら、私と約束してくれ、必ず勝って来い」
「任せな。前は守れなかったけど、今回は守れそうだ」
完全にフラグだな、これ。ま、いいや、細けえことは気にしない。俺は、とりあえずカタパルトの端に立ち、そこから飛び降りた。
「どぅおりゃぁっ‼」
飛び降りたのはいいが、派手に砂埃が立っちまったぜ。てか、足が少しめり込んだ。
「全身装甲⁉ そんなISなんて見たことありませんわ‼」
「そうか? でも、企業連じゃこれが一般的。むしろ、部分装甲が嫌われがち」
実を言えば、装甲が一部と全身では、明らかに全身のほうが人気がいい。なぜか? いや、対した理由じゃないんだけど、メイとかリリウムの意見なんだが『胸が見られないから、全身装甲がいい』と言うのだ。ま、確かに胸のほうは女にとって問題であるが、そもそも胸の大きさで優劣を決めようとすることは無粋なのでは? と俺は思う。
「まぁ、いいですわ。ちょっと珍しかったので」
「とりあえず、さっさと始めようか‼ 早く試合したいしさぁ‼」
「ええ、それはこちらも同じですわ‼」
俺に向かってレーザーを放つセシリア。だが、俺は避けない、よける気がない。まだ、プライマルアーマーのテストをレーザーでしていないので、受けてみようと思う。
俺の本体に着弾する直前、レーザーが展開していたプライマルアーマーに
「な、なぜ、レーザーが効きませんの⁉」
「いや、俺もびっくりだわ。まさかここまで硬いとは」
プライマルアーマー強固だな。まさか、第三世代機の最新鋭レーザーライフルを防ぐどころか弾くとは、想像できなかったな。
「ま、いいか。俺も撃たれっぱなしは嫌だしな。んじゃいくか、アセンブルコード『焦土』‼」
ーアセンブルコード『焦土』、適用
ー右背部、NW超大型グレネードキャノン[OIGAMI]装備
ー左背部、NW二連装ロングレンジレールキャノン装備
ー右肩部、NWツインシールド及び二連装小型グレネード、十八連装対ISミサイルランチャー装備
ー左肩部、NW増加装甲装備
ー右腕部、NW四連装ハープーンミサイルランチャー及び七連装対IS中型ロケット装備
ー左腕部、NW四連装ハープーンミサイルランチャー及び七連装対IS中型ロケット及び大型ガトリング砲装備
ー炸薬調節システム、全兵装に適用
ー脛部アウトリガー及び脹脛部無限軌道ユニット展開
俺のその一言で、会場は静まりかえった。俺の機体のいたるところから顔を出す、最高の鬼畜武装。簡単に言ってしまえば、ハリネズミだ。
「全兵装安全装置解除、フルバァァァァァァァァスト‼」
俺の視界は弾丸によって埋め尽くされた。普通なら、硬直どころかひっくり返るほどの弾幕だがそれはない。タンク並の安定性のある重二脚だからこそできる技だ。その圧倒的弾幕により、セシリアは回避する他なかった。
「多い…………多すぎますわ‼」
セシリアも必死に逃げるが、そこは問屋が許さない。大型のハープーンミサイルが、対ISミサイルが、銃弾が、小型グレネードが、中型ロケット弾が、喰らいつかんとばかりにセシリアへと襲いかかる。無論、迎撃されてしまったものもあるが、そこは件の炸薬調節システム。中にはレベル『馬鹿』の炸薬と爆薬が詰まっているため、アホみたいな爆発が生じた。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
爆風で壁へと叩きつけられるセシリア。あ、射程距離外だ。ちょっと進むか。
キュラキュラキュラキュラ…………
うん、無限軌道ユニットつけといて良かった。進みやすいし、何と言っても砲撃姿勢を解除しなくてすむ。あ、セシリアが復活した。俺が動いた意味あんの⁉
「その装甲、打ち砕きますわ‼ 行きなさい、ティアーズ‼」
やっべ、ビット出されたよ。これに対抗するには、あれだな。
「ソルディオス・オービット、展開‼」
まぁるい、まぁるい、不健康そうな粒子を放つ球体が六つ。これがアクアビットとトーラスが開発した変態武器、ソルディオス・オービットだ。一応、プライマルアーマーも展開しているぞ。
「び、ビット兵器ですの⁉」
「ま、そんなとこだな。ほら、よそ見してると当たるぞ」
ソルディオスがそれぞれコジマキャノンを放ちまくる。あたりには霧散したコジマ粒子が漂い始めた。
(あ、これやばいや。引っ込めよ)
なぜだか、危険な感じがしたのでソルディオスは引っ込めることにした。流石にコジマ粒子が漂うのは勘弁したい。プライマルアーマーが弱る。すでに厚さが100ミリを切っていた。危ねえ。
「さて、そろそろ終わりとするか」
俺は、OIGAMIの照準をセシリアに合わせる。
「ま、次はもっと派手にやるか」
義眼と榴雷のセンサーをリンクさせる。これで精密照準が可能だ。
「これで終わりだ」
銃口から吐き出されるのは、キチガイと言わんばかりに巨大なグレネード砲弾。それが、吸い込まれるかのようにセシリアへ着弾。そして、盛大に爆ぜた。
「「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」」」
アリーナのシールド越しにでも伝わる爆音。巻き上がる砂。あ、やりすぎちゃったかな〜?
巻き上がった砂が落ち着いた時、着弾地点には、クレーターができていた。と言うか、アリーナの全体がボコボコでした。あ、やりすぎたわ…………。セシリアは、どうやら立てるようなので放ったらかし。なんか、めんどいし。
『し、試合終了、勝者有澤龍之介』
そのアナウンスは、周りに歓喜を起こすに十分であった。
残すは、あと一夏とか。ちょっと原作と違う白式、戦うには十分な相手だ。俺は、全兵装を格納。代わりにエクステンドブースターを展開。ピットへと戻った。
はい、やっと戦闘パートです。でも、なんか戦闘パート書きにくいです。擬音をあまり使いたくはないので、何とかうまく書けるよう努力します。
あと、今回でた原作と違う白式ですが、そのうち解説を書きたいと思います。
それでは、また次回の時に