インフィニット・ストラトス 火力と愛と絆と   作:ディニクティス提督(旧紅椿の芽)

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第十二話 転校生は突然やってくる

なぁ、お前らは嵐の前の静けさって知ってるか?

嵐のような天の災いが起きる時、異様に物音がしなくなる、所謂前兆。それが、我が一年一組で起きている。普通なら、いろんな話題で盛り上がる女子達が全員席に座っている。なにこれ、凄い。

 

「そ、それじゃみなさん、ホームルーム始めますよ〜…………」

 

妙にやつれた真耶さんが入ってきた。何があったんだ? 大丈夫なの?

 

「き、今日はみなさんに転校生を紹介します。それも、二名です‼」

「「「よっしゃ、きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」」」

 

真耶さんの言葉を皮切りに叫ぶ女子達。やっぱ転校生って盛り上がるよね。

ちなみにどうでもいいが、今日から夏服だ。俺のは、裏側にリアクティブアーマーと38mmタングステン装甲が入ったボディアーマーと、ライフルホルスターが背中についてる。もはや、制服じゃねえ。

てか、千冬さんきてなくね? いいの始めて?

 

「それじゃ、入ってきてください」

 

真耶さんがそう言うと、転校生の二人が入ってきたが、一人目が入ってきた時点で、教室の空気は固まった。

 

そりゃ、男だからね(見た目は)。

 

そいつは、教壇の上に立ち整った姿勢で自己紹介する。

 

「シャルル・デュノアです。フランスからやってきました。不慣れな事もありますが、みなさんよろしくお願いします」

 

シャルル・デュノアーー先日報道された三人目のイレギュラー…………と言うのが筋書きだが、実際は違う。まぁ、原作の記憶がある俺だからわかる事なんだけどな‼

 

「きゃーー」

「くるぞ、アサルトアーマーだ‼」

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

ぬぅ‼ 耳を塞いでもこの威力とは…………マジでアサルトアーマー。一夏とシャルルは、なんとか耳を塞いで事なきをえたが、窓ガラスにはヒビが入っていた。ありえねぇ…………。

 

「来た‼ 三人目‼」

「しかも、超絶イケメン‼」

「それに、織斑君と有澤君とも違う、守ってあげたくなる系の‼」

「織斑君×有澤君より、織斑君×デュノア君が受けがいいかも…………」

 

レイヴン、緊急の依頼だ。一年一組に存在する腐女子が未確認機(シャルル)の影響で暴走している。速やかに止めてくれ。

 

「みなさん‼ 静かに‼ もう一人いますから‼」

 

そう言うと、視線はシャルルから銀髪少女へ移される。その少女の姿は、長めに伸ばされた銀髪、冷たい輝きをもつ紅い瞳、反対に左目は威圧感をだす眼帯。あ、これ軍人か? いいえ

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

ラウラでさぁ。てか、すんなり言う事を聞いたな。原作では千冬さんから注意を受けない限り、挨拶すらしなかったんだけどな。

だが、ラウラは一夏を見つけるなり、そこへ歩み寄る。その時俺は感じた。途轍もない殺気を。

俺は、一夏に振り下ろされようとしていたラウラの右手をひっつかむ。

 

「へい、ストップな、ボーデヴィッヒ」

「…………なんのつもりだ、バレットドラゴン(龍の銃弾)?」

「その名を知ってるのかい? なら、わかるだろ。その手を引け」

「ふん。貴様など、私とシュバルツェア・レーゲン(黒い雨)の前ではただの鉄塊だ」

「おー、こわこわ。こりゃ、手を引くか。それと、一夏に手を出すと千冬さんの洗礼がーー」

「…………何をしているんだ、ラウラ?」

 

ラウラはその声がした方へギチギチとぎこちない動きで振り向く。そこにいたのはーー鬼ではない、悪魔でもない、魔王がいた。

千冬さんの目からはハイライトが失せ、準戦闘体制である出席簿を斜めに構えた状態で仁王立ちしていた。怖ぇよ、マジで。

 

「きょ、教官…………」

「今は教官ではない、教師だ。それと席につけ、ホームルームが進まん。あと、イチカニテヲダシタラタダデスマナイゾ?」

「りょ、了解です、教官‼」

 

ラウラは半分泣き目で猛ダッシュし、席に座る。だが、その前に一夏の顔をこんな目線で睨みつけていた。

 

ーー認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか‼ーー

 

はぁ、波乱万丈になりそうだ…………心労が増えそうだ。

 

「あ、お前ら、次はグラウンドにて実習だ。遅れるなよ」

 

千冬さんはそう言い残して出て行く。やべえ、今日は早く行かないとまずいぞ。それに、オツダルもベルリオーズもレギアもいねえんだ。援護が受けられねえ。

 

「君が、織斑君と有澤君だよね? 僕の名前はーー」

「自己紹介は後回しだ‼ 龍之介、援護頼めるか?」

「あまり期待はするなよ?」

「十分だ‼ 行くぞ‼」

 

一夏は自然にシャルルの手を取る。するとどうでしょう、先ほどまでなんともなかったシャルルが少し頬を赤く染めたではありませんか。

 

「俺たちは、実習の度にアリーナの更衣室で着替えなきゃならないんだ。早めに慣れてくれ」

「あ、うん。わかった」

「ところで、さっきからモジモジしてるようだけど、トイレにでも行きたいのか?」

「トイッ…………ち、違うよ‼」

「お二人さん、おしゃべりはそこまでだ、そろそろくるぜ」

 

やばい、そろそろ奴らがくる。てか、一夏、デリカシー零ってすげえな。俺、見習いてえ。

 

「見つけた‼ 噂の転校生‼」

「ああっ‼ 織斑君と手を繋いでる‼」

「者ども、であえであえ‼」

 

ここはいつから武家屋敷になったんだよ‼ 法螺貝吹いてるやつもいるぞ⁉ マジの武家屋敷だ…………

 

「ちいっ…………一夏、シャルル、走れ‼」

「言われなくても‼」

「ちょ、まっ、きゃあっ‼」

 

俺は、アサルトライフルを構える。中身は軟性ゴム弾。え、暴徒鎮圧用のナーガ使えって? だめだろ、傷が普通につくぞ。

俺は、一夏達が通過する道に向かって、ゴム弾を乱射する。無論ダブトリ。ものすごい勢いで撤退する女子達。だが、問題が発生した。

 

「あ、弾切れた」

「まじかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

「よし、一夏、最寄りの窓から飛べ‼」

「それしかないのか‼ 転校生、ついてこいよ‼」

 

一夏は、うまい感じに伸びよる手を回避して窓の外へ着地した。ちなみにここからの高さ四メートル。一夏は運動神経がいいからできるんだ。ノーマルがやると、足が粉砕骨折ね。ちなみに一夏は着地してすぐ、仰向けに寝っ転がった。疲れたんかい。

シャルルも一夏のあとを追い、窓から飛び降りようとしたが、失敗してしまった。いや、失敗と言って正しいのか? 最初の腕は切り抜けたシャルルだが、そこが運の尽き。卒然伸びよったその手を回避する事はできずに、靴に引っかかってしまった。それが、飛び立つ寸前のモーション中に起きてしまうとーー

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

「のわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉」

 

落ちる。泣き目で叫ぶ声に一夏が気づいた時には遅かった。シャルルは、一夏に覆いかぶさるような形で着地?した。ちょっとハイパーセンサーだけ起動して二人を見ると、顔がすごい近かった。その中でもキスの状態にならなかったのは奇跡だろうと思う。

ーーだが、そんな奇跡は程なくして破壊されるのであった。

 

コツン

 

シャルルの頭に何かが当たったようだ。何が当たったかは後回しにしよう。その衝撃でシャルルは一夏の唇に大胆にキスをしていた(あくまで事故)。

 

「うわわわわっ⁉ ご、ごめん‼」

「と、とりあえず落ち着け‼」

 

無論何が起きたかわからない二人は顔を紅く染めた。原作を知っている俺なら「ああ、まぁ見逃してやるか」で済むが、女子達はそうとも行かなかった。

 

「きゃあっ‼ お、織斑君にデュノア君がキスしてる‼」

「まさかの織斑君攻めのデュノア君受けじゃなくて、デュノア君が攻めの織斑君が受け⁉ 最高よ、あなた達‼」

「いーじゃん、盛り上がってきたねぇ‼」

 

腐女子談議に花が咲いていた。怖い、何これ怖い。もしかすると俺も襲われてたパターン。頼む、そのネタはゲイヴンかYARCA旅団で勘弁‼

ーーちなみに、シャルルの頭に当たったものだが、先ほどの事故が起こる前の過程で脱げてしまったシャルルの靴であった。

ーーさらにどうでもいいが、その靴の臭いを嗅ぐ変態が存在していた事を記す。無論、制裁を下す羽目となった。なお、キャノンの直撃を受けた女子はしばらく気絶していたとか。え? ナーガを使わないんじゃなかったっけって? 変態にはこれがちょうどいいんだよ。

 

「どれ、俺も飛び降りるか‼」

 

気がつかれないようにして、俺は、窓から飛び降りる。ただし、脚だけは展開してるけどな‼

 

「どぉぅりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

「うおっ⁉」

「ひゃいっ⁉」

「…………お前らビビり過ぎだろ」

 

なんか、着地の叫びでビビられ、へこむ俺。時間ねえな。あと四分か…………。俺は、二人を抱えて走る。腕も展開する羽目になったけどな‼

 

「お前ら、しっかり掴まっとけよ‼」

「やめろよ‼ 背中から健康に悪そうな光を出すブーストはやめろよ‼」

「ちょっとオーバード・ブースト使うからそこの装甲のフックに掴まれよ」

 

ーーオーバード・ブースト起動

 

「え? なに? きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

叫ぶシャルル。その叫びはもろに女子だな、おい。

 

「うっぷ…………気持ち悪っ…………」

 

何故か酔った一夏。頼むから俺に吐きかけるなよ。

 

 

 

 

 

ちなみに、アリーナの更衣室についたのはそれから三十秒後だった。俺の横には、目を回してるシャルルと、ゲロを吐きかけてる一夏の姿があった。

 

「お、やべえ、時間ねえぞ。お前ら早よ着替えろよ」

「う、うん、わかった」

「…………おう」

「おい一夏、これ飲んどけ」

 

俺は一夏にある薬を渡す。

 

「…………これは?」

「キサラギ製薬の作った究極の酔い直し。効果は強いが、副作用も強いから気をつけとけ」

「…………副作用って?」

「肩こり腰痛膝の痛みがよくなる」

「…………よし、飲む」

 

一夏はその錠剤を水なしで飲んだ。ちなみに、あの薬は水なしで飲めるやつなので問題なし。キサラギ製薬すげえ。

 

「お、なんか気分が良くなったし、体が軽く感じるな」

「効果すごいね‼」

「キサラギパネエ‼」

 

ちなみに、俺は着替えたよISスーツに。もとい、野戦服。ヘルもついてる。てか、エネルギーがバカみたいにあるから、スーツいらんけどな。

 

「って、いつの間に着替えてんだよ‼ まずい、遅れる‼」

「うわっ⁉」

 

一夏が焦ってズボンを脱いだ時、シャルルが悲鳴を上げた。しかも、顔真っ赤。

 

「どうした? 早く着替えないとまずいぞ」

「わ、わかってるけど、その…………あっち向いてて‼」

「いや、別に構わないけど」

 

とかと言ってシャルルは制服をパージした。無論その下はISスーツ。

一夏は未だに下の方しか着てねえ。

 

「って、着替えんの早っ」

「おい一夏、制服の下に着ておけよ。その方が楽」

「まぁ、そうですよね。てか、シャルルのスーツってあまり見ないタイプのやつだよな?」

「デュノア社製のオリジナルだよ」

「あれ? デュノアっていうとーー」

「そう、僕の父さんがそこの社長をしているんだ。多分フランスで一番のIS企業だと思う」

「へぇ、道理でな」

「え?」

「なんか、いいところの育ちって感じがしたからよ。なんていうか、気品があるっていうか」

「いいところ、ね…………」

 

その瞬間、シャルルのアメジストの瞳が暗くなった。地雷を踏み抜きよったな、一夏。まずくね、これ空気的にまずくね⁉

 

「おい一夏、俺も一流企業だぞ、一応」

「お前のとこは、変態企業の集まりだろうが‼」

 

一蹴されたよォ。仕方ねえ、訓練の時、炸薬を通常の七倍にしたOIGAMIを撃ってやる‼

 

「一夏、お前今日の放課後特訓な、堕呑死苦(たのしく)やろうぜ」

「無理無理無理無理‼ なんだかわからないけど、殺される未来が‼」

「僕にはなんの話をしているのかわからないや」

「そういや、自己紹介してねえや。俺は、有澤龍之介。龍之介で構わん」

「俺は、織斑一夏って、知っているか。まぁ、一夏って呼んでくれ」

「よろしくね一夏、龍之介。僕の事もシャルルでいいよ」

「おう」

「とりあえず、グラウンドまでオーバード・ブースト吹かすぞ‼ 掴まるか、絶対防御張っとけ‼」

 

再びオーバード・ブーストを吹かす俺。今回は誰も酔わなかったぜ。

 

 

 

 

 

「遅かったな。まあ、説教はいらんか」

 

千冬さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん‼ あなた何、ジョシュアの真似しちゃってるの⁉ しかも、めちゃめちゃ似てる‼

 

「どうも、今日は遅かったみたいですわね。私の知るあの方とは大違いですわ」

 

あれ、セシリアさん、あなた一夏に惚れてるんとちゃうの? じゃ誰? ジェラルド? あ、あいつドイツ育ちだっけ。そういや、ローゼンタールに資金提供始めたとこってオルコット家とジェンドリン家が最初だったな。とすると、つながりがあってもおかしくない。

 

「なぁ、セシリア。お前『棘のある薔薇』を演じてるのか?」

「そう、受け取ってくださいまし。それに、もう女性の方からはたかれるような真似はありめせんわよね?」

「え? なにこの馬鹿、またなんかやらかしたの?」

「ええ、転校生の方にはたかれそうになりましたの」

「なにそれ、マジ? そいつの名前教えなさいよ。ちょっとしばいてくるわ」

「おい鈴、やめとけって」

「わかったわ。じゃ、口にコンクリ詰めて東京湾に沈めてくるわ」

「鈴さん…………あなた馬鹿ですの?」

「なに、心配するな、目の前に馬鹿は二人もいるからな」

 

その瞬間、彼女らが見たのは鬼だった。今日も、晴天のもとありがたい出席簿アタックが鳴り響いた。

 

 

 

 

 

「今日から、ISを用いた実戦訓練を行う」

 

千冬さんの声が響き渡る。だが、俺の隣には悶える女子が二名。

 

「…………何かとつけては人の頭をポンポンと…………」

「…………転校生しばく転校生しばく転校生しばく転校生しばく転校生しばく転校生しばく…………」

 

セシリアは普通に愚痴ってるが、鈴に至っては呪詛だ呪詛。ラウラが東京湾に沈められるんじゃないだろうか?

 

「だが、お前らに今すぐやれと言ってもピンとこないだろう。ちょうど元気が有り余ってる代表候補生がいるな。凰、オルコット、やれ」

「「拒否権なし⁉」」

「言ったはずだぞ、私に逆らうなと」

「はぁ…………やる気でないなぁ」

「こういう事は、見世物のような気がしてする気になりませんわ…………」

「お前ら、少しはやる気だせ。評価は高めにしておくぞ」

「「‼」」

 

その瞬間、二人の目が変わった。

 

「こういう事でしたら、この私イギリス代表候補生セシリア・オルコットにお任せください‼」

「へっへ〜、ちょうどいい機会よね、格の違いを見せてあげるわ‼」

 

やる気まんまんですわな。千冬さん、単位取らせるとか言って取らないでしょ、絶対。

 

「それで、お相手は? 別に私は鈴さんで構わないのですが」

「こっちのセリフよ、返り討ちにしてくれるわ」

「焦るな、馬鹿者。相手はーー」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼ どいて下さ〜〜〜〜〜い‼」

 

虚空の彼方から煌めく閃光が…………って、真耶さん⁉ ラファール装備で落ちてくるな‼ 俺は、榴雷を緊急展開、それにシールドを四枚展開する。

 

「きやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

地面に激突する真耶さん。幸いにもけが人はいなかった。俺の後ろ? ああ、一般の皆さんは無事だ。

 

「いたたたた…………」

「なにやってるんですか、山田先生」

「すいません…………」

「あの〜、もしかして相手って…………」

「そうだ、山田先生が相手だ。今はあんな様だが、元日本の代表候補生だ」

「それでも二対一はちょっと…………」

「覚えておけ、お前達のその発想がいずれ、敗北を招くぞ」

「有澤の言う通りだ。お前達ならすぐに負けるぞ」

 

無論、代表候補生はそれを真に受け

 

「言っておくけど、手加減は無理ですからね‼」

「おほほほほ‼ 見事撃ち抜いて見せますわ‼」

 

調子に乗る。

反対に元代表候補生は

 

「無理‼ 負けますって〜‼ 先ぱ〜い‼」

 

圧倒的に消極的になった。それでいいのか、教師。

かくして、試合の火蓋は切って落とされた。

 

 

 

 

 

結果から言おう。二人は負けた。だって、連携もなんもないんだぜ。せめてオツダルとベルリオーズのコンビを見習ってくれ。って、次元が違うか。俺ですら、プライマルアーマー消し飛ばされるもんな。

 

「これで教員の実力がわかっただろう。以後敬意を持って接するように」

 

あのねぇ、あなたに敬意を払わなかったら死ぬからね‼

 

「それでは実習に移る。織斑、有澤、オルコット、凰、デュノア、ボーデヴィッヒをリーダーにして別れろ」

「訓練機は打鉄三機、リヴァイヴが三機です。早い者勝ちですので急いでくださいね」

 

えーと、別れたのはいいんだが、俺のとこにいるのは箒、簪、静寐に一組の女子何人か。こんなところか。一方のボーデヴィッヒは、まさかの一人。うわぁ…………

 

「なにをやっている貴様ら‼ 出席番号順に入れ。十秒だ‼ あ、有澤のとこはいいや」

 

本当に十秒で振り分けよった…………あんた、何者だ? てか、俺のとこおとがめなしだ

 

「やった‼ 織斑君と一緒だ‼」

「デュノア君、色々よろしくね」

「うぅ…………セシリアか…………ぼろ負けしてたし、なんか残念」

「凰さん、あとで織斑君の事聞かせてね」

「有澤君、早いとこ始めようよ」

「…………」

 

俺のところや一夏のところははしゃいでいるのに、なんでラウラのとこだけ無言⁉ まぁ、だいたい予想はつくけどさ、やっぱ朝の事がひびいてるんしょね。

 

「とりあえず、さっさと始めるぞ。おい、一番やれ」

「はい‼」

 

とりあえず、一番目のやつにやらせる。うむ、起動も歩行も問題ないな。

 

「よし、いいぞ。しゃがんで解除しろ」

「ふぅ〜、緊張した〜」

 

そんなにするもんなのかね。俺は、狙撃するのが一番緊張するよ。

 

「はい次の方」

「私だ」

 

次の方は箒でした。あ、でも専用機どうしようかね。今は、待機形態としてブレスレットになっているけど。まぁ、いいや。そのまま、そのまま。

 

「しかしだな…………これではコクピットに届かないぞ」

「ゑ? まじ? まじだ…………これはあれだ、運ぶパターン」

「どうするのだ?」

「いや、お姫様抱っこしてもいいんだけど、俺の機体ブースタ出力弱ぇし、空飛べねえ」

 

先日、企業連に行った時またまた改造して、ブースタを付けたのはいいが、ホバーが限界。もう無理だった。てか、あれならしいんだ、俺の機体の設計上ブースタが収まらなねえと言う事。

ただ、機体自体が打鉄より大きいため、届くには届く。

 

「仕方ねえ。箒、ちょっとじっとしてろよ」

「え? ちょ、ま、きゃあっ‼」

 

無理無理抱き上げ、コクピットまで持ち上げる。

 

「ふぅ、まぁ、無事にできーーふぎゃぁっ‼」

「どこが無事なんだ、火力馬鹿‼」

 

どこからか召喚したハリセンによって殴られた俺。でも、箒さん。そんなまんざらでもなさそうな表情で言われても、説得力なしですわな。

 

「まぁ、いいや。とりあえず起動と歩行してくれ」

「龍之介…………さっきは済まなかった、いきなり突っ込んでしまって…………」

「ん? 俺は気にしていねえぞ。てか、腹減った。今日の昼飯どうしようか…………」

「なら、屋上で食べないか? 今日は天気もいいようだしな」

「そうだな。そうするか‼」

 

ひゃっはー、昼間での予定が全部埋まったぜ。てか、屋上で構わんのだろうな? 俺、嫌な予感がする。

 

 

 

 

 

「な、なぁ、呼ばれたのは俺だけだよな?」

「あ、ああ、そのはずだが…………」

 

俺と箒の前には息が切れてる一夏とシャルル、何故が火花を散らしているセシリアと鈴の姿があった。あ、あと謎の少女七瀬歩もおるわ。

 

「なぁ、なんでお前らそんなに息が切れてんの? なに、コジマパイルを持ったアルギュロスと鬼ごっこでもしていたか?」

「それもそれで物騒だな…………でも、ちげえよ。女子だ、女子」

「…………そう、食堂に行こうとしたら、みんな一斉にやってきて」

「なるほどね…………そりゃ、災難だったわな」

 

俺は、改めて女子の恐ろしさと言うものを知った。てか、もうハイエナだろ、おい。

 

「ま、まぁ、飯にしようぜ。昼休みもそうは長くない」

「そ、そうだな。龍之介、これ」

 

そう言って箒は俺に包みを渡してきた。これは、弁当か‼

 

「俺の分か⁉」

「当然だ。とりあえず、食べて見てくれ」

「おう、そいじゃ、お言葉に甘えて」

 

包みを広げ蓋を開けると、なんともバランスのとれた御菜が入っていた。鮭の塩焼き、鶏の唐揚、きんぴら、ほうれん草の胡麻和えーーさすが和の極みだ。これ、企業連でも定食として出したら売れるぞ。

俺は、まっさきに唐揚げを口にいれ一噛みする。すると、たった一噛みしただけなのに、中から溢れんばかりの肉汁が出てきた。すげえなこれ。しかも、味付けだって濃過ぎず、しつこ過ぎず、かと言って薄くない、絶妙のバランスだった。

 

「この唐揚げ、旨えな‼ どんな味付けをしているんだ?」

「醤油と生姜におろしニンニク。あと、隠し味に大根おろしが適量だな」

「ほう。今度、お袋に教えてくるか。…………お袋の唐揚げ、たまに爆発するんだよな」

「…………グレネードでも揚げているのか?」

 

俺もそう思いたいけど、実際に爆発してんのは鶏肉なんだぞ‼ 普通じゃない。まぁ、唐揚げ以外は得意なんだがな…………むしろ、親父のほうが揚げ物向いてる。二人で有澤食堂なんてやってるし(昼限定)。

 

「それはないだろ。でも、この御菜はどれも美味い」

「そうか‼ それなら、どんどん食べてくれ‼」

「お、おう。そういや、さっきから気になってるんだが、なんで箒の弁当には唐揚げが入ってないんだ?」

「‼」

 

うん、さっきから気になってたんだよな。でも、その事言ったらなんか気まずそうな雰囲気になった。やば、地雷を踏み抜いちまった。

 

「…………失敗した分は全部食べたからな…………」

「ん? なんだって?」

「い、いや、なんでもないんだ‼ その、なんだ、気に入ってくれたのなら、作りがいもあると言うものだな」

「そっか。でもまぁ、俺だけ食うのもなんだし、ほら食べてみろって」

「あぅ…………」

 

嫁さん、めちゃくちゃ恥じらっております。なに、この恥じらい方。すげえ、母性本能(俺はよくわかんねえけど)くすぐられるんですけど‼

 

「ほら。はい、あーん」

「あ、あーん…………」

「どうだ?」

「いいものだな…………」

「どっちの意味で言ったかは、想像に任せよう」

 

俺思うんだ。これ、やるのってすごい恥ずかしい。平然とやってのけた一夏は、正真正銘の唐変木だ。ちなみに、その本人は鈴から酢豚と青椒肉絲をいただいてる模様、シャルルも同様です。なお、歩はセシリアからもらったサンドイッチを食ったようだが、そのすべてビニール袋に吐き出していた。多分、映像化されたらモザイクがかかるレベル。怖い、なにいれたらそうなんの、セシリア?

こうして、昼の時間はすぎて行った。

 

 

 

 

 

その夜、俺のケータイに一着のメールがきていた。受信ボックスは、特務依頼。俺が独断で動いていい内容のものだ。

まぁ、俺のはメールと言うより、ビデオメッセージですがな。

 

「どれ、差出人はーーマジで?」

 

差出人は、デュノア・ミリタリー・カンパニー。デュノア社である。なぜ? お抱えのPMCだっているだろうに。

とりあえず、これが波乱の幕開けになりそうな気がするのは、確かな事だ。




最近、エンブレム作成にはまってます、主にⅤ。
原作キャラのエンブレムデザインを考えてもらえませんかね? 本編でも使う事になると思うので。
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