インフィニット・ストラトス 火力と愛と絆と   作:ディニクティス提督(旧紅椿の芽)

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第二十七話 楽しい事は全力で楽しめ

「暇だぁ〜」

 

学生寮のロビーにて、一夏がそんな事を言っていた。確かに今日はする事もほとんどねえし、人もあまりいねえ。

 

「でも、これと言ってする事もないよね…………」

 

シャルロットに同感。真面目にやる事なさすぎ。真面目に暇だ。

 

「全くもって退屈ですわ」

 

セシリア、ジェラルドが仕事でいなくてかまってもらえないからって、不機嫌になるな。

 

「そうよねえ。まず、やる気もないわ」

 

鈴は完全にやる気ゼロ。ソファにでろ〜んとした状態で座っている。死にかけてるんちゃうの?

 

「全くだ。そして、なぜこんな時に限って嫁がいないんだ」

 

ラウラ、ジョシュアも仕事で忙しいんだよ。少しは我慢だ、我慢。

 

「簪と静寐は出かけているし…………何をしたらいいんだ、全く」

 

箒は暑さ対策か団扇を持ち出して来ているが大して効果はないようだ。つーか、エアコンかけてくれ。

しかもオツダルとベルリオーズはそれぞれ簪と静寐とでダブルデート中。レギアとフィオナはホワイトグリン子と共に海水浴へ行ったしな…………さっさと結婚しねえかい、あの二人。

ちくしょー、やる事なさすぎて、ストレス溜まって来た。よしこうなったら

 

「久々に模擬戦でもやるか」

「お、それいいな」

「私は構わないぞ」

「それならさっさと始めようぜ」

 

結果、全員で模擬戦をする事となった。今使えるアリーナといったら、第七アリーナか。

 

 

第七アリーナに来た俺達は早速アリーナ内へと降り立った。

 

「どーする? チーム戦にするか、シングルマッチにするか?」

 

ただ人数がものすごく多い。七人だからな。シングルだと時間かかりそうだ。

 

「チーム戦でいいんじゃないかな? その方がなんか面白そうだしね」

 

シャルロットはチーム戦がいいようだ。

 

「軍でも多人数での訓練はあまりしていなかったからな。ここは連携も含めての模擬戦としよう」

 

ラウラもチーム戦がいいらしい。てか、もうちょっと気楽な考えでいこうぜ、そんな軍事絡みは忘れてさ。

 

「ここまでチーム戦がいいのなら、もうそれにしましょう。それで、チーム分けは」

「ストーップ‼ ただし、リュウは一人確定ね」

「おい、鈴どういう意味だ?」

 

なんで俺一人? ひでえ、いじめかこの野郎。

 

「だって、一人でも余裕でしょ? それに、アンタの火力、一撃必殺ものでしょうが」

「「「「うんうん」」」」

「…………お前ら、模擬戦終わったら汚覇薙死しようぜ、屋上でな」

「「「「「すいません、調子に乗りました」」」」」

(龍之介の火力…………当たったら死ぬな、これ)

 

つーか、俺の火力、調整可能だって。普通にしときゃ問題ねえだろ。全く、160cm砲は使わねえし、一撃必殺ものはそうそうねえぞ。

 

「でも、龍之介はタッグだよ。流石にそうじゃないと、戦力比が崩れるからね」

「あ、そう。それじゃ、箒と組むか。頼むぜ、相棒」

「ああ、前衛は任せてくれ」

「それじゃ、残りは俺とという事になるんだな」

「頑張ろう、一夏」

 

何とかチーム分けは完了した。俺は箒とのタッグ、一夏にはシャルロットとセシリア、鈴とラウラがついた。

 

「よし、決まったら始めようか。こい、白牙‼」

「それじゃ僕もいくよ、おいでリヴァイヴ‼」

「私も参りますわよ、きなさいティアーズ‼」

「久々に派手にやってやろうじゃないの、行くわよ甲龍‼」

「軍の強さ見せてやる、行くぞレーゲン‼」

 

向こうは展開し終わったようだ。てか一夏の白牙、相変わらずスラスター多いな。あれ捉えるの無理ゲーじゃね?

 

「そっちがその気ならいざ尋常に、参るぞ紅椿‼」

「そんじゃ、一発始めるとするか。行くぜ、榴雷‼」

 

俺の体に纏わられて行く装甲。脚部、腰部、腕部、胸部、肩部、頭部の順に感じる重み。この間、0.4秒。しばらくぶりに榴雷がその姿を現した。

ただ、アホのように重い自重をPICのみで支える事は不可能なようで、地面に脚が少しめり込んだ。それでも、飛べるんだから異常なスペックな事に変わりはない。

 

〔全システム、オールグリーン。メインシステム、戦闘モードに切り替え〕

「おうよ」

 

ルリアのコマンドにより戦闘モードへ移行する。それに伴い、機体の出力も上がって行く。

 

「試合は十秒後にスタートだ。準備しておけよ」

 

端っこにタイマーが表示される。まだ準備しなくていい。早すぎる。

残り三秒。箒は姿勢を低くして構え、何時でもブレードを引き抜けるようにしている。

残り二秒。向こうにも動きがあった。白牙のスラスターにエネルギーが集まり始めている。あと、左手の複合兵装もといHW05メガスラッシュエッジが起動しているな。

残り一秒。俺はここで、新しく作り上げたアセンブルコードを読み込ませる。適用はまだしない。

残り零秒。それが戦いの火蓋を切った。

 

「アセンブルコード『焦土・改』‼」

ーアセンブルコード『焦土・改』、適用

ー右上背部、HW04グレイヴアームズ・カノンモード、装備

ー左上背部、NW二連装リニアキャノン、装備

ー両下背部、NW大型グレネード[OIGAMI2]、装備

ー右肩部、NW対弾シールド及びマルチグレネードランチャー及び18連地対空ミサイルランチャー、装備

ー左肩部、NW二連装大型バズーカ[ライドカノン]、装備

ー右腕部、NW四連装大型トマホークミサイル及び七連装ロケットランチャー及び大型ガトリング、装備

ー左腕部、NW四連装大型トマホークミサイル及び七連装ロケットランチャー及び大型ガトリング、装備

ー右手持ち火器、NWアサルトライフル、装備

ー左手持ち火器、NWアサルトライフル、装備

ー右脚部、NWマイクロミサイルランチャー及びバルカン及びヘッジホッグ、装備

ー左脚部、NWマイクロミサイルランチャー及びバルカン及びヘッジホッグ、装備

ー内蔵火器及びFCS、起動(アクティヴ)

ー炸薬調節システム、全兵装に『並』で適用

 

全身のありとあらゆるジョイントより出現する火器達。しかもそのほとんどが爆発系というトラウマ生成剤。チートの塊のようにしか思えなくなってきた…………

 

「撃たせるな、龍之介にトリガーを引かせるな‼」

「引かせたら、それこそ終わりだよ‼」

「引かせたら最後、死が待っていますわ‼」

「装甲も、ほとんど役に立たないからね‼」

「そんなにマズイのか?」

「「「「あのハリネズミを見てなんとも思わないのか⁉」」」」

 

どうやら意地でも俺にトリガーを引かせたくないようだ。その証拠にレーザーやら実弾やらいろんなものがプライマルアーマーに当たって、弾き返されている。流石に300mmは貫けねえだろうな。というか、ハリネズミ言うな。せめて蝦蛄と言いやがれ。キサラギの生体兵器の第二弾、特大蝦蛄ことMONHANAを放つぞ、どうでもいいが。

まぁ、トリガーを引けないのは事実だ。俺も俺で撃ちたくても弾幕の中にミサイルを撃つ様な真似はしたくない。弾薬が勿体無え。

 

「箒」

「撹乱してくるぞ。だが、私まで巻き込むなよ」

 

箒はエクステンドブースターを起動、紅い粒子を纏わせたブレードを構えて突っ込んで行った。

 

「チェストォォォォォォォ‼」

「ちょ、なんであたしなのよ⁉」

 

何故、鈴を狙ったか。それは衝撃砲の有無だ。いくら300mmもあって貫通を弾くことができても、減衰されて削られるのはわかっている。グレネードなどの爆破属性か衝撃砲などの類が一番怖い。あと、近距離でのブレードも怖い。プライマルアーマーが意味をなさないから。

箒が鈴と交戦に入った。鈴は青龍刀を乱舞しながら衝撃砲をばら撒く。だが、箒は数発もらっているようだったが、青龍刀をブレード一本ではじき返す。え? 乱舞をはじき返すって、何者だよ。

 

「やべえ、弾幕が薄くなった‼」

「ほう、なら本物の弾幕を見せてやろうじゃないか」

「「「あ…………」」」

「そんじゃ、フルバァァァァァァスト‼」

 

刹那、轟音が轟いた。撃ち放たれる弾丸、獲物を追いかけるミサイル。そして、それから逃げる悲鳴。簡単に言うと

 

「だ、ダメだ‼ 逃げろぉぉぉぉぉぉ‼」

「む、無理‼ 完全な無理ゲーだよ⁉」

「て、撤退ですわ‼」

「な、なんなのだこの飽和攻撃は⁉ そ、総員退避‼」

 

こんな感じです。まぁ、逃げたくなるよな。グレイヴアームズ・カノンモードの砲弾、一応高濃度圧縮粒子弾とか言ってたからな、一発で半分死んだも同然。恐ろしい、企業連恐ろしい。

あとは大量のミサイルシャワーだな。ただ、ハルバード巡航クラスターを持ち出していないだけまだマシ。あれは最大半径30mに被害が出る。

 

「逃がすと思うか? 大間違いだよぉぉぉぉぉぉ‼」

 

なぎ払うようにガトリングとアサルトライフル、バルカンを撒き散らす。すでに視界はマズルフラッシュで大変なことに。

ついでにOIGAMI2もさっきからバカスカ撃ってるんだが、大してダメージ与えてない。爆風とか飛び散ったメタルスラグとかそんなもの。ガトリングもあんまあたんねえ。

 

「しばらく弾は尽きねえぞ‼」

「悪夢だぁぁぁぁぁぁぁ‼」

「あ、あ、弾が分裂した⁉」

「おい、セシリア‼ ま、前だ‼」

「ちょ、きゃあぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

セシリアにOIGAMI2のグレネード弾が直撃しました。ですが、火力は普通なので、まだ継続です。

そのまま左のガトリングとトマホークをぶち込む。しばらくして向こうのエネルギーが尽きた。まずは一機と。

 

「こうなれば、ヤケだぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

ラウラは何を思ったか、プラズマブレードを構えて俺に切りかかってくる。

 

「ラウラ‼ そこから引いて‼」

「フォールオーバー」

 

俺のその一言がきっかけとなり、両脚のヘッジホッグが放たれた。ヘッジホッグとは、元々対潜水艦用の散布型機雷だったんだが、地上ようにアレンジして範囲攻撃用の爆雷としての能力を得た兵器。無論、打ち出してから撒かれるタイプなので、

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ‼」

 

ラウラの脳天を一発が直撃。あと撒いた分全弾がラウラの体へと降り注いだ。目の前で巻き起こる爆風。爆風が終わった頃にはレーゲンのシールドはほぼ残っていなかった。まぁ、これで二機かな?

 

『龍之介、鈴を倒したがそっちはどうだ?』

「セシリアとラウラを撃墜。あとは甘々激甘カップルだけだ」

『わかった。援護に向かう』

 

よし、残りが二機だけだ。勝機が見えるぜ。

 

「模擬戦始まってから五分で三機撃墜したのかよ⁉」

「あぁ…………無理ゲーだったね」

 

ハッハー、すぐに蜂の巣にして終わしてやるぜ。だから、少し待ってーー

 

ー全装備残弾ゼロ。強制パージします。

 

ーー前言撤回。蜂の巣にする前に、弾切になった。火砲が次々とハードポイントからパージされて行く。あー…………やべ、単一仕様能力使うの忘れてた。

 

「よっし、勝機が見えるぜ‼ 斬らせろ、龍之介ぇぇぇぇぇ‼」

「よし‼ 僕もーー」

「お前の相手は私だ。かかってこい、シャルロット」

「え⁉ いきなりの急襲⁉」

 

箒がシャルロットを離してくれたおかげで、相手は一夏のみとなったが、それでも厳しい。こういう時は

 

「ルリア、トラック1をかけてくれ。BGMだ」

〔はーい〕

 

頭に流れてくるアップテンポな音楽。これはこの間ミクからもらったCDに入っていた歌、その名も『千本桜』。なぜだか知らんが、この曲を聞いていると、意欲がすげえ湧いてくる。歌詞が軍みたいな感じだからか?

 

「これを食らえぇぇぇぇぇ‼」

 

一夏が雪片弍型を振り下ろす。だがな一夏、俺の得意な近接武器(……………………)忘れてはいねえよな?

 

「そらよっ‼」

 

俺は雪片弍型に薙刀状に刀身を展開したユナイトソードを呼び出す。ふぅ、危ねえ危ねえ。もう少し遅かったらシールドをごっそり持っていかれるところだった。

 

「なぁっ⁉ 龍之介が近接武器を持ち出した⁉」

「忘れたとは言わせねえぞ、一夏。篠ノ之道場で、ただ一分野においてあの龍韻さんを破った、俺の得物をな」

「な、薙刀‼」

 

いやぁ、剣道もやってんだけどさ、どうも力任せに振り下ろしたり、間合いが掴めなかったりと、相性最悪だったんだよ。リーチのある薙刀に変えてからは、篠ノ之道場最強と呼ばれるまでになったよ、半年で。

調子に乗った一夏を叩き潰すのは楽しかったなぁ。

 

「チョイサー‼」

「うおっ⁉ 危ねえ‼」

「逃げんな、当たれよ」

「嫌だぜ‼ 当たったら即死だろ‼」

「だから面白いんだろうが」

「鬼畜‼」

 

俺は薙刀を振り下ろす。雪片弍型に阻まれそうになったら、そのまま切り上げ、薙ぎ払い、左手のアサルトライフルを乱射、とコンボを決める。だが、一夏がちょこちょこ逃げ回るもんだからあまり当たらない。

 

「おらぁぁぁぁぁぁぁ‼」

「くうっ…………‼ 一撃一撃が重い‼」

 

薙刀を縦一文字に振り下ろす。一夏は雪片弍型で受け止めたが、その衝撃までは完全に殺せなかった模様。さて、曲も終盤に近づいてきたし、装備を変えるか。

 

ー左手持ち火器変更、NW60mm電磁投射機関砲(レールマシンガン)

 

終盤の歌詞が歌詞なので、この兵装。何と無く雰囲気が近いだろ?

その間も、右手のみで薙刀を振るう。雪片弍型をひたすら捌き切る。しかし、厄介だな、メガスラッシュエッジ。一つで、アローモード、トライデントモード、ショートブレードモード、アックスモード、ライフルモード、クローモードの六パターンに変形可能だからな。

そうこうしているうちに、電磁投射機関砲のチャージが終わった。って事で一夏、もう終わりだ。

 

「ここは宴〜、鋼の檻♪」

 

銃口を一夏へと向ける。回避しようとするが、もう遅いぜ。

 

「その光線銃(レールガン)をうちまくれぇぇぇぇぇ‼」

「いぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

放たれる大量のAPFSDS。それが一夏の体に突き刺さって行く。おまけに、腕部内蔵レールガンも撃っている。多分、一夏はこれで落ちたな。

二分くらいして、一夏のシールドエネルギーが尽きた。てか俺が設計しておいてなんだが、ネクストISって、無駄にシールド強ぇ。裏切りなんてあったら大変だなこれ。

 

 

「どうやら、一夏は落ちたようだな」

「え、えーと…………」

 

龍之介…………お前、薙刀強いな。素直に()はそう思った。いや、道場時代からあいつの薙刀はよく見ていたが、その頃と比べ物にならないくらい今の龍之介は捌き切るのがうまくなっていた。

とりあえず、その話はおいておこう。目の前にいるシャルロット。現在、朱雀とショートブレードで切り結んだ状態です。だが、一夏が落とされたと聞いて動揺している模様。

 

「あ、あれ? も、もしかして僕一人?」

 

いや、もしかしなくても一人だ。だが、ちょっと可哀想だな。やりすぎてしまったかもしれない。

 

「あのー、お手柔らかにお願いします?」

 

シャルロットはそんな事をいってくる。いや、お手柔らかにと言われてもな…………仕方ないか。

 

「まぁ、別に構わ「あ、やべ、電磁投射機関砲の弾逸れた」へ?」

 

後ろから何やら危険物が飛来する予感がしたため、すっと左にずれる。すると、真横を音速の速さで弾丸が通り過ぎて行った。…………あ、危ない。だが、弾丸が進む先には

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁん‼」

 

追い詰められていたシャルロットが。全弾もろに食らったシャルロットは地面に落ち、べちょっと崩れた。

 

「不幸だぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

その叫びがどこまで虚しかったのか、私の言葉では言い表せない。

ともかく、これで模擬戦は終わったのだが、こんな締めの悪い形でいいのだろうか。本気でそう考えてしまった私であった。

 

 

 

 

 

「…………近距離で鈍亀に薙刀で負けた」

「青龍刀を叩き折る日本刀て何かしらねえ」←遠い目

「不幸だ…………鬱だ…………僕って、運ないの?」

 

先に言う。皆さん、ごめんなさい。やりすぎた感が半端ない。

ちなみに現在進行形で箒に説教食らってます。石畳の上に正座。これはものすごく痛い。地味にじわじわと効いてくる。なんでこうなったかと言うと、シャルロットに誤射ったからのようだ。確かに、誤射したもんな…………すまん。

 

「龍之介さん…………一言言わせてください」

「私にも一つ言わせてくれ」

「なんだ、お前ら。どうした」

 

突然、何か絶望に染まった表情でやってきたセシリアとラウラ。一体何があった?

 

「もはや、あれはグレネードなんかじゃありませんわ‼ 火薬の塊ですわよ、塊‼」

「なんなんだ、あの爆雷は‼ そのうち日本の天気予報に、晴れ時々爆雷なんて言う天気ができるんじゃないかと思ったぞ‼ 殺す気か‼」

 

とりあえず、なんかすまん。セシリアの場合、過去のトラウマを引き摺り出したようなもんだからな。流石にやりすぎた。

あとラウラ、心配するな。爆雷の雨は降らねえが、そのうち翡翠色(コジマ粒子)の雨が降るかもしんねえ。てか、爆雷の雨なんてあってたまるか。オーメルの百円(アンサラー)がなんの役にも立たねえ。

 

「まぁ、やりすぎた事は謝る。だが、罰ゲームくらいはしてもいいだろ?」

「「「「「⁉」」」」」

「…………ほどほどにしておけよ」

「「「「「箒もなぜ止めないんです⁉」」」」」

「相手が苦悶にゆがむ罰ゲームをやらせたいからだ」

「「「「「ドSカップル‼」」」」」

「んじゃ、お前らカラオケで一人一曲歌え。ただし、曲はこっちで選ぶからな」

「「「「「鬼‼」」」」」

 

 

と言う事で、現在近くのカラオケボックス。というか、企業連のビッグボックスだ。ん? どうやって移動したかって? VOBに全員くくりつけて連れてきた。

 

「と言う事で、カラオケ始めようか」

「「「「「…………(ずーん)」」」」」

「最初は、鈴か。龍之介、曲を早く選べ」

 

箒、待てって。電子端末を使わないとわからねえんだよ、曲がありすぎて。あ、いいのみっけた。

 

「よし、これでいいんじゃね」

「おお、それにしようではないか」

「な、なんの曲よ⁉」

 

流れる音楽。そして、表示された曲名は

 

ーリンちゃんなう

 

「ふざけているの、あんたら⁉」

 

と、いいつつも

 

「リンちゃんをぎゅーぎゅーしたいな じたじたするの を押さえ 込んでぎゅーってしたいな 腕噛まれるの もアリだよ 噛んでいいよ リンちゃん」

 

と、非常にノリノリで歌っていたのはすげえ。てか、よくこんな迷曲があった事。

 

「んじゃ、次ラウラ」

「な、何の曲だ⁉ 早く教えろ‼」

「ドイツ国歌」

「歌おうではないか」

 

ラウラの場合、多分歌なんてほとんどしらないだろうからとの理由。あと、カラオケのランダム機能を使って選んだら、これが当たっただけ。よし、次行ってみよう。

 

「んじゃ、次セシリア」

「私⁉ な、何の歌ですの⁉」

「ランダムで決まるからわからん」

 

お、曲が決まったようだ。

 

ーグレート・ツェッペリン〜エデンへの階段〜

 

知らねぇぇぇぇぇ‼ 何この歌⁉ え⁉ 俺も知らないし、聞いた事もない‼ と言う事でセシリアはスルー。

 

「あんまりですわ⁉」

 

とにかくスルーだ。あと二人か。

 

「次はシャルロットのようだな」

「な、何⁉ 曲は何⁉」

 

ー創生のアクエリオン

 

「一万年と二千年前から愛してる〜♪ 八千年すぎた頃からもっと恋しくなった〜♪」

 

無事にクリア、と。残るは

 

「一夏、お前で終わりだ」

「ああ、もう‼ 何でも来やがれ‼」

 

ーmerry-go-round

 

「俺はニュー○イプでも可能性でもねえ‼」

「黙って歌いやがれ」

 

と言う事で罰ゲームはセシリアを除く全員がクリアした。よし、これで一件落着ーー

 

「龍之介、お前もこいつを歌いやがれ」

 

そう言って一夏がマイクを押し付けて来た。モニターに表示されている曲名は

 

ー未来への咆哮

 

「立ち上がれ‼ 気高く舞え‼ 運命を受けた戦士よ‼ 明日の平和への、礎となれ〜♪」

「「「「「仕返しできなかった、こうなったら箒‼」」」」」

「どうした?」

「「「「「お前もこれ歌え」」」」」

 

ー津軽海峡冬景色

 

「冬の夜行列車降りた時から〜♪ーー(そこから先を作者は知らない)」

「「「「「演歌はダメだ‼ 上手すぎる‼」」」」」

 

というわけで、本当に本当の意味での今日は楽しく過ごせた。

まぁ、外出許可とってねえからどう怒られるのやら…………管理者権限、使っちゃおうかな?

俺たちは、また学園へと全速力で戻って行った。だが、お咎めが無かったのが今でも不思議に思う。




作者「⁉ 俺の幻想がぶち壊されそうな予感が‼」

夏休み編はあと一、二話くらいになると思います。
また、受験がもうじきなんで、更新が派手に遅れる可能性があります。
その辺を留意していてください。お願いします。
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