インフィニット・ストラトス 火力と愛と絆と   作:ディニクティス提督(旧紅椿の芽)

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まず始めに、謝らせて下さい。
更新遅れてすみませんでした‼
期末テストが重なって、いい感じにPC使えませんでした。
今回も駄文ですが、読んでくれますか、読んでくれますよね。
じゃ、四話行きまーす。


幼少期 その三

『お前、一人でなにしてるんだ? 他の連中と話して来いよ』

『…………別にいいだろ、私の勝手だ』

『そうもいかんな。友達いないと、この時期さみしいもんだぜ』

『…………いいから、私の事は放っておいてくれ』

『いいから、いいから。いないなら俺が友達になってやるぜ』

『…………本当に言っているのか?』

『本当さ。俺は、生憎嘘がつけない性分なんだ』

『…………それなら、わ、私と友達になってくれるか…………?』

『おう、いいぜ。おっと、名前言ってなかったな。俺は、有澤龍之介だ。お前の名前は?』

『わ、私はーーーー』

 

 

 

 

 

ふと、懐かしい頃の夢を見た。その中にいたのは、俺と…………はて、誰だっけ? そこが少しあやふやだった。

(ん…………ここは、どこだ…………?)

俺が目を覚ますと、真っ先に白い空間が目に入ってきた。って、また死んだのか…………⁉

 

「龍之介‼ 気がついたか⁉」

 

あり? 親父⁉ って事は、

 

「…………俺、生きてるのか…………?」

 

ただ、左腕の感覚がないな。あと、右眼も多分見えてない。能力で義眼と義手作るか。

 

「この馬鹿者が‼」

「へぶぅっ⁉」

 

目を覚まして直ぐに親父にはたかれました。親父の目をみると、今まで涙など見せなかったその目尻に光るものがあった。そして、親父は俺を抱きしめた。

 

「何て無茶なことをするんだ。俺は…………俺は、お前を失うことが怖いんだ」

「親父…………」

「龍之介、俺は無茶はするなと言わん。だが、俺の前ーーいや、()()の前からいなくならないでくれ……………………‼」

 

そっか…………俺の勝手な行動のせいで、親父だけで無く、企業連の皆に心配させてしまっていたんだ。最低の親不孝だよ、全く。

 

「…………親父、すまん」

「…………いや、わかってくれればいいんだ」

 

暫く、そのまま抱き合っていた、俺と親父だが、俺の左腕があった場所を見るなり、様子が変わった。

 

「…………なあ、龍之介。お前、ヤクザとやりあったんだよな?」

「あ、うん…………そうだけど」

 

う、なんか嫌な予感が…………

 

「目は、破片が刺さったとアスピナ機関の医療班が言っていたが、何をどうしたら左腕がなくなるんだ?」

 

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼ やはり、そこを聞いてきたか‼ なんて答える⁉ グラインドブレードを使ったと言っても、現物がないから説明できん‼ 能力について言っちまえばって? 馬鹿野郎、んなことばれたら人として終わるわ。…………でもな、このまま騙してんのもなんだしな。正直に言うか。

 

「…………親父、お袋を呼んできてくれ。二人に話したいことがあるんだ」

「? ああ、わかった」

 

親父は、そう言うなり部屋を出て行った。そういえば、義眼どうしよう。見えるようにするにしてもな…………脳とリンクしなければならないし…………。脳とリンク? そうか、AMS(アレゴリー•マニュピレイド•システム)を体に施せばいいのか‼ 神経をすべて光ファイバーに変えて、脳の処理能力も増強させよう‼ って、AMSのプロ「アスピナ機関」がいたわ。

暫く、義眼とAMSについて考えていたが、時間がたったのだろう。親父がお袋を連れてきた。

 

「龍之介…………」

 

お袋は、俺を見るなり目尻に涙を浮かべた。

 

「問題ないから、泣かないでくれよ、お袋」

「…………よかった、生きてて」

「龍之介、お前何で俺達を呼んだんだ? 何か言わなければならないことがあるのか?」

 

危ねえ、本題に入り損ねるところだった。

 

「ああ、実は俺

 

 

 

 

 

 

 

転生者なんだ」

「「えっ…………」」

「俺は、こっちの世界に生まれる前に一度は死んだ身なんだ」

 

俺はもう、すべてを話すことを決意した。あいつらには言ってないけど、せめて家族には話しておこう。

 

「そして、俺は神に出会った。かなりの老いぼれじーさんだったけど、いい奴だった。そして、俺は神から一つ能力を授かったんだ」

「能力…………?」

 

あ、お袋がなんか今ひとつ良くわかってないらしい。ま、俺も良くわかんないんだけどね。所謂、転生サービス?

 

「『想像物の創造』。簡単に言えば、イメージしたものができるっていうことかな。これが。左腕がなくなった原因の一つでもあるんだ」

「それは…………一体どういう意味だ?」

「…………ちょっと、俺から離れてくれ」

 

親父とお袋は、今ひとつ理解できてないように見えるが、渋々俺に従って少し離れる。

そして、再び俺はあの危険物を思い浮かべる。

 

ーー全てを暴力的なまでに蹂躙し焼き尽くす、規格外武装。

ーー全てを破壊する悪魔の兵器。

 

六枚のチェーンソーを束ねたユニット。左腕があった場所についた、エネルギー供給パーツ。

《OVERED WEAPON GRIND BLADE》

その兵器が、俺の背中に体現された。親父とお袋は、グラインドブレードを見て、顔を青くしている。無理もない。だって、チェーンソーにまとわりついている蒼いオーラ。それが人の心に恐怖心を植え付ける。

 

「そ、それが、お前が左腕を失った原因、なのか?」

 

普段は、落ち着いている親父ですら、何か焦っている。

 

「そう。本来であれば、"ある機動兵器"の左腕をパージして使う、規格外の兵器。別名オーバードウェポン。正式名称はグラインドブレード、全てを破壊する悪魔の兵器だ」

「…………ネクストの方がまだいい方だな」

 

…………親父、今なんて言った。

ネクスト?まさかだがーー

 

「…………親父、この言葉に聞き覚えはある? 雷電、ネクスト、国家解体戦争、リンクス。一つでもいい、知っているものがあったら言ってくれ…………」

「…………一つどころではないな、全部知っているぞ」

 

ボソッとした小さな声だったが、俺には十分はっきり聞こえた。

やはりか。何処かで聞いたことがある声だと思ったら、そうだったか。

 

「まさかだが、親父も転生したのか?」

「…………」

 

親父は答えてくれない。

 

「本当のことを言ってくれ…………‼」

「…………あなた、もうここまできたら隠せないわ」

 

どうやら、お袋は知っているようだ。

 

「…………わかった、響子。龍之介、全てを話そう。俺は、確かにーーーー転生した」

 

親父は、何だか渋々と言った感じで、自分が転生者である事を言った。

 

「俺は、向こうでも有澤重工の社長として生きていたが、それ以前にカラードランク16、ネクストAC雷電の専属リンクスでもあった」

「ある時、俺はGAの仲介人に、ある"大型機動兵器"の護衛についていた。それは楽な仕事だと感じていた。だが、状況は一変した」

「どっかの企業が雇ったリンクスのネクストが"大型機動兵器"を破壊しに来たんだ。地上最強と謳われたそれの装甲もみるみるうちに破られ、ネクストは動力部まで侵入して来た」

「俺は任務として、そいつの排除に当たったが、奴は雷電より速かった。グレネードを撃つにもあたりもしなかった。こっちは、プライマルアーマーも装甲もがりがり削られているがな。しばらくして、装甲が危険域に達し、俺自身が危険な状態だった」

「でも、脱出はしなかった。俺のネクスト雷電には、もとより脱出装置など積んでいない。こいつが沈む時は、俺も一緒に行くつもりだった。そして、一発の銃弾が直撃した後、そこから先は覚えていない。そして、響子と出会い、俺は再び有澤の名を蘇らせ、お前が生まれた。これが俺が言える記憶の全てだ」

 

全てを語った親父の顔は、辛そうで、悲しそうで、それでも誇り高き姿を表している、複雑な表情だった。

 

「…………親子揃って転生者か」

「…………ああ、親父がまさか雷電のパイロットだったとはな」

「本当に、運命を感じるわ。本来なら交わらない三つの世界が、このような形で交わるんですもの」

「…………全く、俺の家族は最高だよ」

 

そう言って三人で笑いあった。今まで、こんな事あったかな。前世では両親が他界し、家族といる時間がほとんどなかったもんな。

今はこの時間を少しでもいいから感じていたい、本能的にそう思っていた。

そして、俺はこの事を告げた。世界が、狂い出す瞬間の事を。

 

「あ、親父。俺、とんでもない事思い出した」

「え、なんだ?」

「二年後くらいに、日本にミサイルが飛んでくるぜ、三千発近く」

「「なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉」」

 

白騎士事件ーー世界の情勢が転換された日。俺は、それをできる限り抑えたい。この世界が、狂い出す前にーー

 

「響子‼ 企業連全体に伝えてくれ、二年後にやばい事が起きると‼」

「…………あなた、落ち着いてください」

「そんな、悠長なこと言っていられるか‼ 早く速射型グレネードを作らねば‼」

「…………親父、グレネード中毒だ。どれ、義手義眼作りますか〜」

 

俺は、グレネード中毒になっている親父を放って置いて、義手義眼を能力で創造する。

(義手は、あれでいいか。フレームアーキテクトの奴)

イメージすると、光が収縮し形をなしていった。輝きが消えるとそこには、黒く堅牢な印象を与える左腕があった。試しに手を握る。ほとんど生の腕と同じように動かせたのが凄かった。

後は義眼だけだが、その前にAMSを施そう。

(体に張り巡らされるネットワークのイメージで、っと)

AMSは、特に体に変化を与えてくれなかった。影響が薄いのは良いんだけど。

(さて、義眼どうするかな…………)

義眼は、まだデザインがまとまっていない。まてよ、あれはどうだろ?

とりあえず、イメージして作ってみる。

 

ぽんっ

 

軽い音と共に、三つのレンズが組み合わさって出来た機械的な目が出来た。

イメージ出来ない方は、某カエル軍曹戦国編に出てくるキイロのひねくれ野郎が乗っているロボの右目を参考にしてくれ、てかそれだ。

試しにこれもつけて見た。特に重いとは感じないし、何より見えていなかった右の視界が蘇った。これほど嬉しいことはない。うまくAMSとリンクしてくれたのだろう。

とりあえず、これで日常生活に戻れる。どれ、親父に手を差し伸べますか。

 

「グレネードマシンガンは、口径が小さいしな、いやガトリングならちょうどいいか。まてよ、ショットガンタイプも悪くはーー」

「親父、グレネードへの熱意はよ〜くわかった。でもな、結構簡単な方法でミサイルを落とせるぜ」

「スラッグガンのガンシェルを全部グレネードに変えるのも悪くーーむ、何か考えがあるのか?」

「簡単さ。まず、企業連の全社に連絡をいれといて。『どのような状況下でも対応可能な人型機動兵器、このコンセプトに見合うものを作ってくれ』とね。そうすれば、後は俺が準備するだけだ」

「一体、何を考えているんだ?」

「ふふふっ。俺は、アレを作ろうとしてるんだよ、親父。親父にも馴染みのあるやつだと思うぜ」

 

この時の俺の顔は、すでに悪人のような顔をしていたと思う。ま、あの兎がさらす間抜けヅラを拝んで見たいぜ。

 

 

 

 

 

 

二年後ーー

 

それは、俺の予測通りだった。

 

世界二十ヶ国あまりの軍事コンピュータがハッキングされ、日本に向けて中距離弾道ミサイル(IRBM)や、大陸間弾道ミサイル(ICBM)が飛来して来ている。

 

その数、ざっと4000発。

 

そのニュースは瞬く間に広がり、世界と人々は震撼した。日本国政府、及び国連議会はパニックに陥っているだろう。日本国民も、最期の日と感じていることだろう。

 

だが、これは全てあの(天災)が引き起こしたシナリオ。

結果は、わかり切っていたはずだーー数が同じだったらな。

 

日本の迎撃措置は全く取れていない中、日本海上空に現れた影がある。

 

白騎士ーーIS試作一号機である機体だ。俺が覚えてる原作の範囲では、白騎士にはブレードと荷電粒子砲しか積まれていない。それで2341発を凌いだ。だが、これはあくまで原作。ガチの事は、まだわからない。

 

白騎士がミサイルを落とし、日本を守って「IS素晴らしい‼」なんていう声もなくはないだろう。

でも、多分撃ち漏らしたミサイルが住宅街に落ちた可能性も否定は出来ない。だから、俺はーー

 

 

 

 

 

「こちら、バスター1。本部、状況は」

『依然として弾道ミサイルは、なおも日本海上空へと向け飛来中です。なお、確定情報ではありませんが、核弾頭搭載型大陸間弾道弾が数発混じっている可能性があります。くれぐれも、お気をつけて』

「おいおい、ICBMまでならわかるが核弾頭搭載型大陸間弾道弾まであるのかよ。キューバ危機のあとから処理してないだろ、アメちゃん」

「バスター5、愚痴もそれくらいだ。各機に告ぐ、バスター6からバスター8は核弾頭搭載型大陸間弾道弾を優先して回収し、ブースターユニットを切り落とせ。残りは、核に注意しつつミサイルを落とせ‼」

『『『『『『『了解‼』』』』』』』

 

日本海上空にいた。企業連が編成した迎撃部隊『バンカーバスター』のバスター1として。

目的は、全巡航ミサイルの撃墜。

そして、俺が纏っているのは企業連がこのために作り上げた、多分ISを凌駕する兵器、『アーマードコア』。大きさは、人間と同程度。

俺の使用機体はGA製サンシャイン。

使用FCSはBFF製の高性能マルチロック型。

武装はミグラント製オートキャノン及びガトリング。

その他、ブースターユニットの切り落としのためクレスト製レーザーブレード。

そして、そのコアに使われているのが、俺お手製コジマドライヴ。これによって、コジマ粒子を生成、プライマルアーマーを展開し浮遊している。毒性? そんなもん消した。だって、寿命が縮むのは勘弁したい。

 

『第一波、来ます‼』

「各機兵装自由、残らず処理しろ‼」

『『『『『『『了解‼』』』』』』』

 

目視でミサイルが見えた。俺は、両手に持つオートキャノンのトリガーに迎え指をかける。

 

対象との距離が近づき、ロックサイトが赤くなったのを確認した直後、両手のトリガーを引いた。

そこからは、夥しい量の銃弾が吐き出されていた。ミサイルはロックされるたびに撃ち抜かれ爆散する。誘爆もあり、数は勢いよく減って行く。できればこのまま第一波だけで終わって欲しい、そう願っていた。

ーーだが、願いは砕けた。

 

『第二波、来ま…………太平洋側から飛来するミサイル群、核弾頭搭載型大陸間弾道弾です‼ 優先して無力化してください‼』

「チィッ…………‼ バスター6、お前が核の排除任務の指揮をとれ‼ 任せたぞ‼」

『了解した』

 

弾幕が、三機別行動に入ったため薄くなる。次第にオートキャノンの残弾にも心配が出てきた。ハンガーには予備のオートキャノンとガトリングがあるが、耐えられるだろうか。

 

「バスター2、ここは任せた。俺は、全ミサイルの中に突っ込んでくる」

『くれぐれも気をつけて、隊長』

「あいよぉ‼」

 

俺は、オーバード・ブーストを起動する。

刹那、そこには翡翠色の煌めきしか残らなかった。

メーターはすでに1000キロを突破し、俺はミサイル群のすぐそばにいた。

 

(よし、じゃ行かせてもらおうか、な‼)

 

俺は、オートキャノンを構える。

残弾数、253。

ミサイルは、ざっとみて500以上。

ちょっとでも、弾を無駄に撃てばまずい。

なら、こうするしかないだろう。

俺は、ミサイルの群れの真ん中めがけて突っ込んだ。

 

「乱れ撃つぜぇぇぇぇぇぇぇぇ‼ 」

 

両手のオートキャノンを振り回す。そこから放たれる鋼鉄の牙がミサイルに食らいつく。振り回して行くたびに、ミサイルは減って行く。

 

ーー主兵装、残弾数0。パージします。

「ちいっ‼ 次‼」

 

弾が来れたオートキャノンを捨て、ハンガーかけてあるガトリングを両手に構える。オートキャノンよりは軽いため、振り回しも楽だ。

 

「オラオラオラッ‼ 消えな、ミサイルどもが‼」

 

六つの銃口から連続して吐き出される鉛の牙。それらは、確実にミサイルを食らっていく。

 

『バスター1、緊急事態だ』

 

バスター6より連絡が入る。一体何があったんだ。

ちなみにバスター6の本名は、オッツダルヴァ・テルミドール。俺と同じ歳だ。中東出身のオーメルサイエンステクノロジー所属、マクシミリアン・テルミドールの息子である。使用機体は、オーメル製のライール。装備にミサイル、ライフル、レーザーブレードを持つ標準機だ。

 

「バスター6、どうした?」

『核の量が普通じゃない、援護を頼む』

「何発あるんだ、核は」

『私が確認しただけで20、内無力化したものは5発だけだ』

 

核の量が普通じゃないぞ、これ。20発もあれば、地球は滅びるぞ。それを考えたのかよ、クソ兎‼

 

「…………了解した。すぐに向かう。バスター2、頼んだぞ」

 

俺は、オーバード・ブーストを起動。まっすぐ、核の飛来ポイントへ向かった。

 

 

 

 

 

「あ〜、も〜、なんなのあれ。全然白騎士とちーちゃんの出番ないじゃん。どういう意味でこの舞台にしゃしゃり出ているのかな〜?」

 

ある研究所の中で一人の女性がごちた。

篠ノ之束ーーこの事件の首謀者である彼女は、モニターに映る白の機体の様子をみていた。

その機体の名は、白騎士。彼女が作り上げたマルチフォームパワードスーツ『インフィニット・ストラトス』、略称ISの試作一号機である。今回のミサイル事件も、彼女が世界にこの素晴らしい作品を見せるためにあった。

だが、実際はどうだろうか。ありとあらゆる軍事基地をハッキングし、集めた総勢4219発のミサイル。そのほとんどが、別のモニターで観察している別の機体たちが処理した。

映っていた機体は角ばった形状をしており、背中から定期的に翡翠色の煌めきを放っている。よく見ればISにも見えなくはないが、彼女は

 

「あのイレギュラーどもが‼ あんなのISのコピーでしょ‼」

 

自身が作り上げたIS(我が子)の紛い物だと言った。実際には、全くの別物である『アーマードコア』なのだが。それでも、ISの出番を削ったあのイレギュラーが、彼女にとって非常に邪魔で不快な存在だった。

 

『束、後はどれくらい残っているんだ?』

 

不意に通信が入る。相手は、白騎士のパイロットだ。声からして女性であると伺える。今回のミッションである、ミサイルの殲滅。その事について確認をとってきたのだ。

 

「ん〜とね、ざっと800かな〜」

 

しかし、そう答えたところで彼女は考えた。せっかく用意した4000発あまりのミサイル、その大半を撃ち落としたイレギュラーの存在。いっそのことイレギュラーごと纏めて処理してしまえばいい、そう結論づけたのだ。

 

「後ね、そこら辺にいる変なパワードスーツ的な物、それも全部ぶっ壊しちゃっていいから」

 

彼女はパイロットにそう言った。だが、それは一歩間違えれば大変なことになる。

 

『馬鹿者‼ もし人が乗っていたらどう責任を取るつもりだ⁉』

 

パイロットはそれに反対の意思を示した。どうやら、彼女の言っていることに反感を持ったようだ。パイロットは、人命を第一に考えるまともな人間であるらしい。

だが束は、

 

「だいじょーぶ、あれに人は乗ってないから。それに、誰が乗っていてもどうだっていいでしょ? どうせ私には関係ないんだから」

 

ばっさり切り捨てた。彼女は人の心を持ってないのか、そう思えてくるような言葉だった。ましてや人が乗っているのに無人だと言う自分には関係のない人間を突き放す、感情のこもってない冷たい言葉。それは、明らかに他人への侮蔑であった。

 

『チッ…………このバカが‼』

 

それ以降、パイロットとは通信が途絶した。

だが束はいっこうに表情を変えない。

 

「所詮、私の作ったISには勝てやしない。精々、頑張るんだね、イレギュラー(ゴミ虫)

 

その言葉は、絶対零度の冷たさがこもっていた。

 

 

 

 

 

その頃日本海上空では、企業連のミサイル迎撃部隊『バンカーバスター』が、核弾頭搭載型大陸間弾道弾の無力化に全力を出していた。

 

「クソ‼ まだあるのかよ‼」

「チィッ‼ まだか、まだ核は残っているのか⁉」

 

パイロットのほとんどは、核の脅威に焦りを感じていた。

いくら防御力のあるGA製サンシャインの装甲とプライマルアーマーでも、核の破壊力と熱量には耐えられない。さらに、たとえ避けたとしても、その落下先は日本。もともと他国の企業であった者たちが、経営危機に陥った時助けてくれたのが、企業連初代代表有澤隆文。そして、彼らを受け入れてくれたのは、この日本の大地。彼らにとってそれは、第二の故郷と呼べるものである。

核の脅威に焦りを感じてはいるが、誰一人として逃げはしていない。皆が、日本の大地を守るべく、日本海上空で戦っているのだ。

 

「バスター6、ブースターを切り落とせ」

「任せな」

 

バスター6と呼称された彼ーーオッツダルヴァ・テルミドールもその一人である。彼もまた、日本という土地に拾われた少年であり、有澤重工に所属する有澤龍之介と同年代だ。

まだ十歳という若さながら、彼はこの任についた。だが決して周りに押されたわけではない。オッツダルヴァ自ら名乗り出たのだ。彼は感情をあまりだしはしないが、きっと日本に多大な恩を感じているのだろう。

 

(ダメだ、日本に核は落とせない。そうしたら、私はあなたに顔を向けられない…………‼)

 

オッツダルヴァが言った『あなた』とは誰だかはわからないが、必死になってミサイルを落としている。

 

その様子を同じく日本海上空で見ている影があった。

 

(なんだ、あの機械は⁉ ISよりもいいんじゃないか?)

 

白騎士ーー篠ノ之束に『ちーちゃん』と呼ばれた彼女だ。

彼女の名前は、織斑千冬。まだ高校生である彼女は、親友の篠ノ之束と共にこの事態を引き起こした。

 

(自作自演とは…………なんとも言えん。ましてや、他人まで巻き込んでいるんだ。何をしているんだ、全く…………)

 

まだ、後ろめたさが残っているが、彼女の目には飛来するミサイルを落としているパワードスーツの姿が目に入る。

それが、彼女の競争心に火をつけた。

白騎士には、プラズマブレードが一本つけられている程度だ。そんなので何ができると言われそうな、貧弱な武装であるが仕方ない。

 

(ちょっと派手に動くぞ、白騎士‼)

 

だが、彼女にとってその貧弱な武装は、とても使いやすいものであった。

スラスターが火を吹き、速度が上がり続けていき、ミサイルとすれちがった。その瞬間ーー 一閃。

ブレードが振り抜かれるともに、ミサイルは二つに割れ、後方で爆ぜた。

 

(まずは、一つ‼)

 

再びミサイルが接近するも、近づくたびに、ブレードの餌食になる。

 

(二つ‼)

 

今度は、彼女がミサイルへ肉薄した。ミサイルはまっすぐ彼女へと進み続け、当たりそうになり、爆発が生じた。通常であれば、近接信管が作動して起爆するが、この場合は違う。斬ったのだ、抜き身のブレードが。

 

(三つ‼ まだまだぁ‼)

 

彼女は、残りのミサイルを掃討すべく、ブレードを再び握りしめ、ブースターを点火したのだった。

 

 

 

 

 

時は、夕暮れ。あれだけ青かった空も今は茜色に染まっている。

俺は現在、企業連のフリゲート艦『セントエルモ』の甲板上にいる。ま、隣にヒュージミサイルの発射口があるんだけど…………。今回のミサイル迎撃において、うちの損害はなしだ。ちなみに、落とした核はすべてうちの物となり、セントエルモに乗っけている。でも、全部で37発混じっていたとは…………うちは真面目に戦争を始めても負けないような気がする。

 

「ま、なんにせよ、これで終わったか」

「その気は早すぎる、リュウ。貴様も少しは危機感を持て」

「オツダル…………お前本っ当に固いな、頭。いいじゃん、ちょっとくらい気抜かせてよ」

「全く…………話にもならんな」

 

甲板上で休めていた俺に、オッツダルヴァが話しかけてきた。オッツダルヴァは俺の事を『リュウ』と呼んでくる。俺はオッツダルヴァを『オツダル』と呼ぶ。同い年だしな、仲良くしとかねーと。

ただ、どうやらオツダルには俺が仕事を終えて気を休めているところを『危機感が足りない』と思われたらしい。

いや、危機感はあるよ。今回の一件で、アーマードコアの存在が兎に暴露たかもしれない。それの製造元がわかってしまえば、兎は全力で潰しにかかってくるだろう。企業連は今のところ、キサラギのAMIDAが徘徊してるくらい落ち着いているが、兎が宣戦布告をしてきたらどうなるのだろう。多分、国家を巻き込んだ戦争に発展しかねない。

 

「…………なぁ、オツダル」

「どうした?」

「お前は、この世界の未来をどう思う?」

「フッ、決まっている。企業が統一する世界に成り果てる、それ以外思いつかん」

「…………俺は、そうは思わん」

「何故だ? 理由を聞こうじゃないか」

 

俺は、迷わず答えた。

 

「女性という名の惰弱しきった人類が、日本を、世界を根本的に滅びへと進ませる駒になりつつある、腐りに腐りきった混沌の世界だとな」

 

女尊男卑の世界が近いと。

そして、俺は気づいた。

 

「俺は、その世界に逆行する。人類が平等で何もかも平和な世界を作るための礎として

 

 

 

 

 

 

ーー歪みを破壊する、圧倒的火力で」

 

 

俺が、最高(最狂)の火力馬鹿になりつつある事をーー




今回、割とAC出ましたよ。企業のフラッグシップモデルしか出せませんでしたが。
じゃ、今回登場した機体とそのパイロットを紹介して行きたいと思います。

コールサイン:バスター1
本名:有澤龍之介
搭乗機体:GA製サンシャイン

コールサイン:バスター2
搭乗機体:ローゼンタール製オーギル

コールサイン:バスター3
搭乗機体:オーメルサイエンステクノロジー製ライール

コールサイン:バスター4
搭乗機体:レイレナード製アリーヤ

コールサイン:バスター5
搭乗機体:レイレナード製アリーヤ

コールサイン:バスター6
本名:オッツダルヴァ・テルミドール
搭乗機体:オーメルサイエンステクノロジー製ライール

コールサイン:バスター7
搭乗機体:ローゼンタール製オーギル

コールサイン:バスター8
搭乗機体:ローゼンタール製オーギル



…………てか、書いてて思った。オーギルめっちゃ多い。そして、サンシャイン少ない‼ 俺的には、サンシャインなんですがね。
さて、そろそろ幼少期も終わります。本編まで、後三話ほどの予定で行きます。部活もないんで、多分ペースは上がると思うんで、頑張ります。
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