インフィニット・ストラトス 火力と愛と絆と 作:ディニクティス提督(旧紅椿の芽)
「「「「…………(じど〜っ)」」」」
さて、本日は企業連の
目の前にある、五つのキューブ。
これ、ISのコアなんです。
無論、変態共はこれを見逃すはずもなく
「やべぇ、モノホンのコアだ」
「欲しい欲しい欲しい、そしてソルディオスの核に」
「この金属臭…………たまんねえや」
見事に群がってます。ハイエナか、お前ら。
「親父、どうする、コアの配分」
「各企業に一つとは無理ですからね」
俺とお袋は、コアの配分について親父に問う。ここで下手に配分すると、
『おいコラ、ISのコアを勝手に持ってくな‼ そいつは、ロマンの塊なんだよ』←ミグラント
『そいつは、無理だ。こっちも、ソルディオスの核にしたいんだ。突然消えて、突如現れるソルディオス、イカしてないか』←アクアビット
『何を言っているんです。ここは、断然、AMIDAちゃんの遊び道具ですよ。それ以外にない』←キサラギ
『お、やんのかコラ。いいだろ、やってやらぁ‼』←スナイパーキャノン構える
『負けはせん。このソルディオス愛に勝る物などない‼』←ソルディオスキャノンを配置
『総ては、AMIDAのため‼ 方せていただきますよ‼』←パイルを持つ
と言った感じに、戦争状態に入りそうなのだ。ま、入った瞬間、親父が生身でOIGAMI(1.2mサイズ)を構えて撃つけどね。てか、親父の筋肉マジパネェ。顔割と厳つい+傷でめちゃめちゃ怖いんだけど、さらに上腕二頭筋とかむっきむきのガッチガチだからボディビルダーとかと間違えそうだ。
「しかし、これにそこまでの価値あんのかねぇ」
おもむろに、俺はコアを一個手にとった。するとどうだろうか、表面が淡く光出したではありませんか。ーーって、マジ?
「む?」←トーラス代表
「うぬ?」←アスピナ機関代表
「おぉ…………」←アクアビット代表
「わォ…………すげえ」←ラインアーク代表
「夢、かな?」←お袋
「あり得ん…………」親父
皆一様に驚いている。だが、一番驚いているのは、俺だ。なんせ、男に反応しているのだからな、ISコアが。あの兎が言ったんだよ、女にしか反応しないってな。そして、俺はそれを破ったというわけだ。さすが俺の常識ブレイカー。
「おお、コアが俺に反応している。念のためだ、オツダル、ちょっとお前も持ってみて〜」
俺で反応した、つまりオツダルにも反応するんじゃね?という考えで、触れさせて見る事にした。
「まあ、仕方ない。持つだけだからな」
渋々と言った感じではあるが、コアを手にとった。
結果は、俺と同じく
「私にも…………反応しているだと…………‼ あり得ん、あり得るか、こんな事‼」
反応した。しかし、予想外だったのか意外と狼狽えている。もとい、テンパっている。やべーな、おい。もうすでに男性操縦者二人でちまったぞ。…………笑えんな、これ。
「あ、俺いい事思いついたぞ」
「何だよ親父、新しいグレネードでも思いついたか?」
「いや、全く違う」
何⁉ 親父がグレネードと家族以外で思いついただと⁉ 一体、どんな事を言い出すのだろうか。
「企業連に特殊技術研究部なんて物を作ったらどうだと思ったのだ。コアは全部そこにお預けで」
「お、それいいね。あ、でも他の企業がなんて言うかだな」
「「「「代表の意思には逆らいません‼ 我々も賛成です‼」」」」
すげえ…………親父、たった一言でコアの配分問題を解決しちゃったよ。
「それじゃ、これから結成する『企業連軍事特殊技術研究部』の人員を発表する。チームリーダー、有澤重工所属、有澤龍之介。副長、オーメルサイエンステクノロジー所属、オッツダルヴァ・テルミドール。なお、作業員は各企業より六名ずつだ。問題ないな?」
「「「「了解です、代表閣下‼」」」」
すげえ、ここにいる全員を一言で纏めた。改めて、企業連代表の器の大きさと、その権力の大きさを感じた。
企業連軍事特殊技術研究部ーー略称、カラード。てか、何故にリンクスの管理機関がうちの部署の名前なんだよーーに配属されてから、まる二週間。未だ、コアの解析が終わらない。
「だぁぁぁぁぁぁ‼ 何だよこのセキュリティの硬さは‼ アクアビットチーム、ハッキング無理?」
「全然、ダメだこりゃ。ファイアーウォールが硬いわ。解析は11%未完了」
「…………89%終わったのかよ。すげえ、アクアビット。ハッキングのプロや」
「はい、解析完了」
「「「マジでぇぇぇぇぇぇぇ⁉」」」
アクアビット、恐るべし。あそこはただの変態じゃねえ。最狂の変態だ。
「んで、解析結果は?」
「待てリーダー、今開示する。ど偉い事が盛り沢山だけどな」
すると、スクリーンにコアの情報が表示された。そこにあるのは、既存の技術では再現不可能な代物だった。
ダメージをカットするシールドバリア。シールドエネルギー。
重量に逆らい浮遊するためのシステム。
武器を質量に関係なく格納できるハンガーユニット。量子変換システム。
搭乗者の生命維持のために備え付けられた最終防衛装置。絶対防御。
そのどれをとっても不可能であった。ま、シールドバリアはプライマル・アーマーで代用はできそうだが。
「だが、このシステムの一つに欠陥があった」
アクアビットの解析官は、このうちの一つだけを否定した。完全そうに見えるシステムの欠陥とは一体…………
「この量子変換システム、
「…………」
「「「…………」」」
「よし、改造決定」
改造してやる、改造してやるぞ、ISコア‼ てか、ファミコンより容量ないってどうよ。どんだけISの武器って貧弱なの。ならば、超えて見せようじゃないか、変態どもの力で。
「リーダーより各員へ。あ、あー、聞こえる?」
「「「はい、主任‼」」」
「よし、さて、諸君もいましかた見たとおり、ISの武器の容量が少ない。裏を返せば、それだけ威力も何もかも貧弱であろう」
「「「…………」」」
「ならば、我々がその兵器を超えて見せようではないか。
シールドバリアが紙のように思える、分厚い装甲とプライマル・アーマー、そして魔改造シールドバリア。
ISが、ノロノロ飛んでるようにしか見えない、規格外のブースター。
武器の攻撃がアリと巨人以上の差がある、キチガイウェポン。
そして、すべてを更地に戻す圧倒的火力。
どうだ、心踊らないか? 我々企業連ならできるはずだ。
君達は、そこら辺にいるただの技術者じゃないだろう。それとも」
そう、こいつらは
「親父が認める、史上最高の変態技術者か?」
「「「ウアォォォォォォォォォォ‼」」」
「…………耳が痛い」
確かに、変態だった。だが、そこは企業連。変態と言われると、さらにより良い物を生み出す規格外。兎を超えるんじゃないか、こいつらの技術?
「よっしゃぁぁぁぁぁ‼ 早速作業にはいるぞぉぉぉぉぉ‼」
「「「ダッシャぁぁぁぁぁ‼」」」
「…………どこの民族だ、おい」
オツダルよ、これは仕方ないんだ。俺たち、変態だもの。
かくして、いつの間にか四年の月日がたってしまっていたワケだが、いろいろとんでもない事をやらかしていた、各企業の変態が。
「キュイー‼」
「にゃぁぁぁぁぁぁ‼ AMIDAが逃げたぁぁぁぁぁ‼」
…………すまん、いつも通りのことだった。
ま、本題に戻るとしよう。
いや、俺が原因なのかな? コアの解析が完了したから、ちょっとデータを見つつ『擬似ISコア精製炉』を四基作ったのだよ、調子に乗って。擬似コアの性能は、コアネットワークがないから、オリジナルの機体と通信できない、それだけ。それに、16GBの容量まで改造してある。あ、企業連製の機体とは通信可能ですよ。
あと、オリジナルの『コジマドライヴ』を製造する精製炉まで作っちゃった、能力でね。
そしたら、各企業が大暴走。気がついたら、アームズフォートを量産していたよ。現在、製造完了しているのが、
GA社
ギガベース級13番機までロールアウト。
グレートウォール級3番機まで七両編成にてロールアウト。
ランドクラブ級26番機までロールアウト。
BFF社
スピリット・オブ・マザーウィル級4番機までロールアウト。
インテリオルユニオン社
スティグロ級15番機までロールアウト。
アルゼブラ社
カブラカン級7番機までロールアウト。
アクアビット社
ソルディオス・オービット、14号機まで生産中。
…………笑えねぇよ、うちはどこかと戦争する気か⁉ アームズフォートの量がおかしい。世界を焼け野原にできるだろ、もう。一応言っておくけど、
オツダルは『…………ああ、世界も終わるな』と、うわごとのように言っていた。ま、マザーウィルが四つもある時点でおかしいしね。
「ま、これも十分化け物だけどな」
俺は、一機の機体の前に立つ。
形容するならば、灰色の装甲を纏いし兵士。
各所に設けられた、ハードポイント。
背中からわずかに漏れる、
俺の専用機(というより、基礎から魔改造した、いろんな意味で俺専用)、型式番号ー三八式一型、機体名『榴雷』。
汎用性と鬼畜じみた砲撃性能、アホとしか言いようがない重装甲、馬鹿みたいな拡張領域、過剰なまでの火力。
限界まで求め続けた性能のすべてが、この機体に詰まっている。
拡張領域容量500GB。所謂P○3レベルだ。ひゃっはー、ファミコンと比べる意味がねぇ。
「ま。私のステイシスの方が幾分かおとなしめだと思うぞ」
「いや、絶対おとなしめだろ。俺のはあれだ、戦艦」
オツダルの専用機は、以前使っていたオーメルのライールにコアを搭載したやつだ。機体名『ステイシス』。武装は、ライフルとミサイルとレザバズ、そしてつけてくれと頼まれた月光。ちなみに、月光は企業連でも三タイプあり、ミラージュが作るのとレイレナードが作るやつとミグラントが作る物。どれも性能が違うので選び辛かった…………らしい。
ま、ステイシスでも既存の第二世代型をゆうに超えている性能だけどな。
「いや、うむ。まぁな…………だが、戦艦は行き過ぎではないか?」
オツダル、お前に今からいいことを教えてやろう。
「行き過ぎてない‼ だって普通は、セントエルモのヒュージミサイルを積むこたぁしねぇだろ‼」
そう、気がついたら500GBのうち210GBは埋まっていた。確認すりゃ、ロックのかかっている武器のオンパレード。頭が痛くなりそうだった。中には、オーバードウェポンもあったからな。あれは殺人兵器だよ、ミグラント。てか、なんだ、
「…………笑えんな」
「火力があるのは嬉しいけど、核弾頭とかはまずいだろ。いろいろと」
そんな感じにしていると、有澤重工の
「主任、ちょっといいか?」
「あ、へーい」
親父に呼ばれて、俺はついて行く。ついて行った先は、応接室であった。
「入れ、重要な人が来ている。礼儀は考えろよ」
「わぁーてるって」
俺は、応接室へと入った。
「企業連軍事特殊技術研究部主任、有澤龍之介。ただいま入ります」
「は、はぁ。ど、どうも」
中にいたのは、五十代近いおっさんであった。びっちりとスーツを着ているから、役所の人だろうか。
「あ、申し遅れましたが、自分は政府管理の元で行っている要人保護プログラムの管理者をしています、佐藤明道と申します」
なんと、政府の人だった‼ だが、何故に企業連? 武器の取引は、一切のお断りだったが。
「それについて、お願いがあるんです」
「ほう。お願い、ですか」
「ええ、この度プログラムの人間を移送させるのですが、その前後72時間ほど警護してもらいたいのです」
それはまともに考えて、アホとしか言いようがなかった。
「警護? 我々がですか?」
「ええ。何しろ今回の人は、少々妬まれやすいレッテルを持ってますので、一般の人間には任せたくないんです」
「なるほどね。で、何故に企業連なんだ? お抱えのPMCもないのか?」
「…………はい。あいにくPMCが雇えてなくて…………最後の頼りにここへ来たのです」
ふーん。ま、いいか、ちょうど
「ま、いいでしょう。ただし、報酬にもよりますが」
「え、ええと、いくら謝礼をすればいいのでしょうか?………… 1000万ですか?」
「金じゃない。成功した時のみ、報酬はいただくことにします」
金いらんから別な物がいい、というのが自分の考え。
「そ、そうですか。ならば、よろしくお願いします」
「ま、任せてくださいよ。仕事はきちんとこなしますから」
こうして、俺の仕事の初契約は終わった。だが、一つだけ聞き忘れていた。
「そういえば、今回そのプログラムの対象対象になっている人物の名前は? 本名で頼む」
「ええ、わかりました。あなたが警護する人の名前はーーーー」
それを聞いた途端、世界が止まった気がした。俺の体は、完全に固まっていた。だって、まさか