並盛町妖奇譚   作:雪宮春夏

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 お待たせしている(かもしれない)のにすいません。
 もう一作、書いてるものを置いておきます。

 この話はあくまでメイン更新ではないので、更新速度は遅いと思いますが、もし良ければ見ていってください。



邂逅の章
序譚 望月の夜に山吹(はな)は散る


 ヒラヒラヒラと舞い落ちる花びら。桃と山吹の二色のそれは、石畳一面を埋めており、まるで二色の絨毯のようでさえあった。

「うわぁ……!」

 その中を歓声をあげて歩くのは一人の小さな子供だった。ふわふわと浮き上がる茶色の髪を耳元まで伸ばしている子どもはまだ幼い。小学生の低学年だろうか、物珍しげにキョロキョロと見渡す子供の周りにはいるべき筈の大人の姿は見当たらない。

 闇の帳が落ちきろうかという現状はお世辞にも子どもが一人歩きをしても平気な時間では無かった。

 そんな不自然な状況の中、不安がる様子一つ見せずに、子供はトテトテと歩みを進める。

 一応道なりに進んでいるらしく、鳥居を抜け、見えてきた本殿に向かって、パチパチと手を叩く。

「え………っと、お父さんのお仕事が上手くいきますように! お母さんが元気でいられますように! ……あと、つっくんに、友達ができますように!!」

 最後の一つだけはやけに大声であった気がする。

「お願いします!」

 最後まで大きな声で締めくくり、気が済んだのか、子供はキョロキョロと辺りを見渡す。頻繁に鳥居の方へ目を向ける様子から、どうやら誰かがくるのを待っているようだが。鳥居の周りには依然子供以外の人影は無かった。

「…………つまんない」

 思わずそう独りごちて、頬を膨らませた子供が、それを見つけたのは、そのすぐ後のことだった。

 キョトンと子供は目を瞬いて、キョロキョロと再び周りを見渡す。……己以外の誰かを探すように。

 来た当初は気付かなかったが、黄色の花が風で浮き、地面が見えてそれに気付いた。

 地面に、点々と、何かが落ちた痕があった。

 暗闇の中でよくは見えないが、水滴が落ちたかのように、それは小さい。

 何だろう、と言う好奇心と、どうしようという不安。

 己一人ではいつも周りからは役に立たないと言われていたので、自然と今は尻込みしてしまっていた。

 ウロウロとその痕と鳥居を見比べながらしばらく立っていたが、

 誰も現れないことも相まって、好奇心はムクムクと膨れ上がっていく。知らず知らずの内に、同じ痕が他にもないかと身をこらすと、点々と続くそれは石畳から離れ、本殿の裏へと消えた。

「…………?」

 誰かが何かを垂らしながら、本殿の裏へと歩いて行ったのだろうか。

 子供特有の好奇心に、わくわくしながら、子供はついに、本殿の裏へ周り。

「……え?」

 ……そこで意識を失った。

 

 この時、俺は何も分かっていなかった。

 俺がみた、あの痕が何だったのか。そこで見たそれが一体何なのか?

 この時の俺はこれから降りかかるものを、何一つ分かっていなかったのだ。

 

 




 ぬらりひょんの孫とタグつけながら、まだ影も形も出てきていない……!

 騙している訳では無いので悪しからず!
 もう少し待っていてくれると嬉しいです。
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