スーパーメタルクウラ伝【本編完結】 作:走れ軟骨
2mを超えようかという筋骨隆々たる大男へと変身したクウラが、フリーザを見下ろしている。
その威圧感は、圧倒的な体格差と莫大な気の差という理由だけではないだろう。
クウラから発するブッチギリの〝気〟がもたらす圧迫。
その〝気〟は戦闘力に直結する生命エネルギーの気ではなく、ただただ純粋な存在感であり…気迫、殺気、闘気、覇気…それら概念的な圧であり凄味というやつで、今、フリーザは完全に兄の〝気〟に飲まれていた。
紅蓮に光るクウラの眼光がフリーザを静かに見下すと、フリーザは未だに眼前で起きた兄の変身を受け入れられないでいるらしい。
「あ、あぁ、あ、あ…!こ、こんな…こんなバカな…!
き、貴様なんぞが…!ボクより先にさらなる変身に辿り着いているわけが…!ないッ!!!」
屈辱に体と声を震わすフリーザを言葉もなく一笑に付したクウラは、弟の言葉に取り合わずに地を蹴った。
クウラの肉体がフリーザの黄金の気を引き毟り、〝暴〟の化身となって迫る兄に、フリーザは咄嗟に超高速でもって大きく身を引いてしまう。
「っ!…ぐ、くぅ…!」
だが、そこで己の所業に気付き急いでブレーキをかけ、止まる。
宇宙の帝王たる自負を持つ自分が、格下と見た兄相手に逃げを打つなどフリーザの矜持が許さず、ギリギリそこで踏みとどまる選択肢をフリーザに選ばせた。
「このフリーザ様こそ宇宙最強だ!!
お前など、お前などッ、お前などッッ!!」
土煙と砂礫を大量に巻き上げ、砂嵐がクウラの巨体を覆い隠してしまっていたが、フリーザは怒声とともにその砂嵐ごと兄を消し去らんと右手にエネルギーを漲らせ、突き出す。
だが――
「っ!?がっ、ぐぁあああああ!!!?」
クウラは
丸太のように逞しいクウラの脚が、フリーザの腰を真横から捉えてめり込ませる。
凄まじく重い蹴りにフリーザは悶絶しながら吹き飛ぶと、その勢いを利用して再度高速離脱。
(あ、あのデカさで、なんという速さ!)
「ハァッ、ハァッ、…ぐ、ぬぅぅぅ!」
脂汗を滲ませながら、クウラが次にどのような攻撃を仕掛けてくるか見極めようとして…そしてフリーザは驚愕する。
「っ!な、なっ!?どこに――っ」
クウラはもはやそこにはいない。
必死に索敵するフリーザだったが…。
――ドンッ
という鈍い音が後ろ向きに高速飛行していたフリーザの背から聞こえたのだ。
「――…っ」
分厚いゴムの塊にでもぶつかったような感触に、フリーザは(まさか)と顔から血の気を引かせていた。
「きぇぇぇぇぇっ!!」
目にも留まらぬ超束の後ろ回し蹴り。
だがそこには何の手応えもなく、フリーザの脚は虚しく空を切っただけであった。
「っ!ふ、ふんっ!わ、わかったぞ…!き、貴様はスピードだけなんだろう!
そうだ…そうに違いない!
見てくれだけそんなデカくなったって、所詮ボクのパワーに勝てるわけが――…っ!!う、うぉおおおお!!!?」
憎まれ口を叩いた次の瞬間、フリーザの体がグンッと何かに引っ張られた。
何かが尻尾を強烈な力で掴んでいた。
まるで万力に絞めらるかのように締め上げられ、そして尻尾が千切れそうな速度で地球の重力に引っ張られる。
「~~~~っっ!!!」
落下が高速過ぎて息が詰まる。声が置き去りにされる。
クウラやフリーザの種族、コルド一族は宇宙空間でも生存でき、呼吸せずとも必須成分はエネルギー変換で補える。
だがそれでも呼吸ができる状況では呼吸をした方が効率が良く体も楽であるから、急に呼吸不能に追い込まれれば息苦しさも感じるのだった。
そのような状況では判断がコンマ以下の秒で鈍る。
フリーザはなすがままに大地へ叩きつけられて、そしてその衝撃で地球に刻まれた亀裂は大いに広がり、とうとう大陸の端にまで到達。まだ止まらずに海をも割った。
そのまま全力で振り抜けば間違いなく地球ごと割れていたであろう威力だったが、直前で
理由はクウラ本人にしか分からぬが、とにかくクウラが豪腕で振り抜けば砂粒とて凶悪な散弾に等しい。
「がはっ!」
めり込むフリーザの口から血が吹き出る。
沈黙を保ったまま弟を叩きつけたクウラは、今もなお静かにフリーザを見下ろしているだけだった。
「む、むかつく、目だ…!見下しやがって!!
少しぐらいデカくなったからっていい気になるなよ!!!!」
昔からそうであったが、特に今のクウラの姿はフリーザの僅かに抱いていたコンプレックスを大いに刺激し、呼び覚ます。
それはさておいても、フリーザは眼を血走らせて首筋がぼこりと浮かび上がる程に感情が昂ぶっていた。
勢いよく跳ね起き、そしてほぼゼロ距離からクウラの首目掛けてフリーザはエネルギーを放ってやる。
ようやく放つことが出来た収束エネルギーは、フリーザの知る中で最も鋭利な切れ味を誇る高密度の円盤状の気弾であり、薄く薄く研ぎ澄まされた気の刃は戦闘力に数倍の開きがあろうとも敵を切り裂く。
しかしそれは当たればの話だ。
「…!!」
クウラは指先だけで
そして指先に少しの力を込めると、それを磨り潰し霧散させる。
「な…なぁ………っ!ば、ばか、な…!」
わなわなとフリーザの体が震え、鋭い目は度肝を抜かれたようにすっかり見開いていたが、
「ボクの、パワーは…!こんなものじゃないっ!!!」
闘志を燃え立たせ、奇声を上げながら兄へと殴りかかった。
――ズンッ
という土手っ腹に響くような鈍い音がする。
フリーザのパンチがクウラのフェイスガードに直撃し、兄の首が真横に曲がっていた。
だがこの命中に驚いたのは誰あろうフリーザだ。
先程の速度差ならば避けられると思っていたからだが、すぐに兄が何を思って拳を受けたのかが理解できた。
(ま、まったく、さ、さっきとは違う感触…!か、かたい…!)
――効いていない。有効打たり得ない。
兄の傾いた顔が、フリーザの拳をグググッ…と押しのけながら元の位置にまで戻っていく。圧倒的な筋力。真正面からフリーザを睨む。
「う…!う、あ…!こ、このぉ!!!」
弟は叫び、逆の腕で今度は兄の腹を打つ。
だが、やはりその感触は重く、硬い。こちらの拳の方が痛みそうな錯覚を抱く程に、フリーザは自分の拳に対して自信を失いそうだった。
兄はこう言っているのだ…弟の攻撃などその気になれば幾らでも避けられるし、そしてもし当たったとしても致命傷にはとても手が届かぬぞ…と。
フリーザを見つめるクウラの赤い眼が、フリーザの眼とは対照的に細く鋭くなり、そしてこの兄はようやく口を開いたのだった。
「つまらん」
「っ!」
「貴様の変身はこの程度か、フリーザ。
何という体たらくだ…。
しかも、その色…その姿…
笑わせてくれるぜ!」
クウラの気が吹き荒れた。
それだけで「ぐ…」と呻いたフリーザの全身が圧され思わず眼を細めたその瞬間、
「っぐ、おっ、お、お、ぐぁっ…!!?」
クウラの豪腕がフリーザの腹に突き刺さっていた。
深く、ミシミシとめり込んでいく。
「お、お、ご…!っ!」
そして悶絶するフリーザの顎目掛けてクウラの重く鋭い前蹴りが炸裂した。
その一撃でフリーザはあっという間に成層圏を突破し、宇宙へと放逐されていく。
超高速の摩擦によって赤熱するフリーザ。
未だ腹に残るジクジクとした痛みがあり、アッパーによって視界が霞んでいる。
(は、早く…気の操作、をして、と、止まらなくては…!)
このままじゃどこの星系にまですっ飛ばされるか分かったものではない、とフリーザは急ぎ姿勢制御を試みる。
だが…。
「っ!!?」
フリーザは言葉も出ない程にギョッとした。
宇宙の暗黒に眩い星々、太陽。それだけだった視界に、急に紫の肉体が割り込んできたからだ。
クウラの大きな手がフリーザの視界に迫る。どんどん迫る。
「っ…っっ!っん~~~~~~っっ!!!!」
クウラの巨体に違わぬその大きな掌が、フリーザの小さな顔面を覆い尽くし、握りしめた。
口が塞がれ、声がでない。呼吸も阻害されるが、別にそれはいい。
彼らの種は生命活動に呼吸が必須ではないが、それはそれとしても圧迫感と閉塞感は凄まじい。
兄の太い腕を掻き毟り、引っ掻き、藻掻く。
――みしぃ…
「っっっ!!!~~~~~~~っっっっ!!!!」
顔面全体が軋む。骨が悲鳴を上げる。
脚をバタつかせ、尻尾で何度も兄を打ってもクウラは止まらない。
「フリーザ…貴様はどの星まで行きたい?」
そして一言そう言って、静かに兄は笑った。
次の瞬間、フリーザの世界が加速する。
大きなクウラの手。その指の間から覗く宇宙の黒に、星々の瞬きの全てが彗星の尾のようになって光の筋が流れていく。
無限にも思える数の光の尾が、目にも留まらぬ速さでどこまでも伸びていった。
それをフリーザは、今にもこめかみを砕かれそうな痛みの中、頭の何処かで呑気に美しいなどと思うのは、一種の諦めなのだろうか。
光速を遥かに凌ぐ速度の光の矢となった兄弟は、そのまま星々を砕きながら突き進む。
名もなき小惑星、命なき老星、巨大なガス惑星、超高熱の恒星。
それらにフリーザが叩きつけられ、星が割れる度に、宇宙の真空であろうと体を通して星の死の音がダイレクトに伝わり、そしてその度にフリーザの体も悲鳴を上げた。
愉快そうにクウラが笑う。
「ハッハッハッハッ!どうだフリーザ…兄との旅行もたまには面白かろう!!」
肩を揺らして大笑いし、そしてようやくクウラは止まると、未だに騒がしい弟を見て紅い眼を弧にし、
「ほぅ?まだまだ余裕がありそうだな」
どこか嬉しそうに、そう評する。
「~~~っ!む゛~~~~~っっ!!!!」
「クククク…。そうか、サイヤ人達が待つ地球に帰りたいようだな?」
わざとらしくそう言うと、クウラは弟の顔面を握ったまま振り返り、そして大きく振りかぶる。
「っ!!!」
兄が放ったその言葉の意味、そして振りかぶる行動の真意。
それを悟ったフリーザはギョッとした顔で、思い切り体中を捻り暴れれば兄の手と己の口の間に僅かながら隙間が生じ、形振り構っていられぬとばかりに兄の指に思い切り噛み付く。
そして続けざまにフリーザはありったけの気を充足させたエネルギー弾を、仕返しとばかりに兄の顔面に叩きつけるのだった。
小規模な爆炎がクウラの顔を包み込むが…、
「…っ、フフフフ…!それでこそ我が弟だ!」
「~~~…っ!!?」
爆炎が消え失せて出てきたものは、頭部外骨格に僅かな煤をつけただけのクウラの顔。
楽しげなクウラと対照的に、フリーザはほぼ無傷の兄を見て驚愕に目を染めきっていた。
「遠慮はいらんぞフリーザ…地球へ送り返してやろう!」
高らかに笑う兄の声が、気の伝達と接触振動によってフリーザの耳へ届いていたが、もはやフリーザに抗う術はない。
振りかぶったクウラが、思い切り良くフリーザを投げ抜く。
パワーアップにパワーアップを重ねたクウラの力と、そして学習を積み続け怠惰な神をも超えた叡智を持つビッグゲテスターの超精密力が、規格外の投擲を可能にする。
「っっっ!!う、うわぁ、ああああ!ぎゃあああああああああああ!!!!」
兄の手の枷から解き放たれたフリーザの渾身の悲鳴が宇宙の真空に広がっていく。
光速の壁も限界もあまりに容易くぶっちぎる超光の弾丸と化したフリーザは、宇宙空間に亀裂すら作り、時空震を撒き散らし、またも幾つもの星と銀河を傷つけながらぶっ飛ぶ。
凄まじすぎる超摩擦がフリーザの気の防御を貫いて、黄金の皮膚を擦り燃やして剥離させていく様は、黄金の粒子が宇宙にキラキラと散っていき幻想的である。
一瞬で地球から遠く離れた星系まで連れてこられたフリーザは、今度も一瞬にして地球へ戻ろうとしていた。
ぐんぐん近づく青き惑星、地球がもうそこまで来ていて、その頃にはフリーザはゴールデン化と通常の最終形態の姿を点滅するかのように細切れに繰り返していて、いよいよダメージと消耗が大きい事を告げていた。
(っっっ!ブ、ブレーキだ!!気を放出して…ブレーキを、かけなければ…!こ、これ以上の摩擦と、衝撃は…し、死ぬっ!!)
「ぐ、ぐっ、くく、くぅぅ、ぎっ、~~~~~っっ!」
ボゥッと大量の気を放出し、衝撃波が太陽系を震わせる程に踏ん張って何とかフリーザは留まった。
ぜぇ、ぜぇ、と肩で大きく息をし、体中を汗だらけにするフリーザは見るからに疲労していた。
「お疲れの様子だなぁ?フリーザ」
「!!」
ギョッとする。
声の方を振り向けば、そこには腕を組んだクウラが地球を背にして宇宙に佇んでいた。
「…クウラ、な、何をした…!ボクより速くここまで戻るなんて…あ、ありえない…!」」
「ふむ…兄に教えを乞うということか?殊勝な心がけではないか」
「っ!だ、誰が…!貴様なんぞに教わることは何もなぁぁぁいっっ!!」
握り拳を作り、怒りの声を兄へ返すが、それをクウラは愉快そうに口の中で笑って見ている。
それがフリーザには余計腹ただしい。
だがフリーザは、今になってようやく、兄がここまでの確固たる自信を持つ理由を心底理解出来ていた。
(…つ、強い!ボクは…まだこの男との差を、う、埋められていないというのか…!
才能で劣るこのクズの兄が、何でまだこのフリーザ様の前にいる!上にいる!)
カッと頭の頂点から隅々にまで血が上りかける。
しかしそれをフリーザは何とか抑え込んで冷静な思考を心がけ、そして認めるしかなかった。
脳をクールダウンさせ、ふぅ~~、と大きく息を吐き、忌々しそうに眉間に深い皺を刻みながら、フリーザは静かに兄を見据える。
「……兄さん、さすがですよ。あなたは…強い!
まさかここまでとは、このフリーザでも見抜けなかったよ。
兄さんの言った通り、1年程度のトレーニングでは話にならなかった…。それは認めよう。
ボクが死んでいる間も、兄さんやあのサイヤ人達は命懸けの戦いを何度も潜り抜けたのでしょう?
なら…今のボクが勝てないわけだ…――」
弟の謙虚な物言いに、クウラの紅い眼が片方細まった。
およそらしくないフリーザの言葉。だが、やはりフリーザはフリーザであった。
「――そう、今のボクなら、勝てない。
だから……ボクも振り絞ってやるよっ…MAXパワーを!!!」
「…ほぉ?」
クウラは無論その言葉の意味を知っている。
フリーザはこの宇宙でも間違いなく上位に入る才能の持ち主であるが故に、ろくに体を鍛えてこなかった。
才能だけで1億を超える戦闘力を誇る真の天才であるから、その怠慢も当然だろう。
だから、自分の才能に肉体がついていかないのだ。
それは昔からフリーザが抱える欠点であったが、それをフリーザは是正する事はなかった。
そもそも、超サイヤ人が出現し台頭するまでは力を抑え込んだフリーザ第1形態の53万ですら、この宇宙に敵うものはいなかったのだからそれも仕方がない事かもしれない。
クウラでさえ、
そんな、肉体の鍛錬不足が慢性化しているフリーザが、自分の才能に見合うパワーを解放すると、肉体のほうが保たず、また寿命も消耗してしまう。
それはナメック星での孫悟空との決戦でも証明されていて、そして時を超えた次元観測すら可能なクウラはそれを知っている。
(ようやく命を賭ける気になったか)
クウラの感想としては
常に驕り、常に挑戦を受ける側であり、常に上に立つことを当然の事として生きてきたフリーザに必要な事は、ひたすら挑戦者として必死に藻掻く事だと、クウラはそう考えている。
驕りが才能を殺す…その典型こそ
「ぬぅぅぅ~~~~!!」
体の奥底から絞り出されるフリーザの唸り声が星々を震わせる。
肉体中に漲らせていたパワーのギアをまた一段あげていく。
そのまま二段、三段、とギアを徐々に上げ、フリーザの黄金の体を覆う気が激しくスパークしだし、黙ったままに見守るクウラの目の前で、フリーザの、これまではどちらかといえば華奢だった筋肉が爆発するように膨れた。
「フッ…猿真似の次は俺の真似事か?フリーザ。
…まぁいい。待っていてやるからさっさとしろ」
クウラが茶々を入れると、フリーザが恐ろしい形相で射殺さんばかりの視線を寄越すがクウラは何処吹く風。
自分の尻尾に腰掛けるようにして、腕を組み気を高める弟を律儀に待ってやるのは、いかにも兄気質の発露といえた。
だがフリーザはクウラの兄貴面はやはり気に食わない。
その兄貴面のお陰で、こうしてフルパワーに高まる事が出来るのだが、それとこれとは話が違う。
「フ、フフフ、フ…いいのかい兄さん?
ボクがこのままフルパワーになったら、兄さんのそんなチンケな〝進化形態〟なんて目じゃない…!
兄の威厳を保ちたかったら阻止をおすすめするよ」
「…御託はいい。あまり待たせるなよ」
「フンっ!」
忌々しいと鼻を鳴らしたフリーザは、そのままどんどん力を増していく。
気がふくれあがって充実し、まるでクウラ最終形態の筋肉のように肥大する。
「フッフッフッ…85%…90%…」
周囲の星が鳴動し、地球でも各地で大地震が発生して戦士達を慌てさせる。
▽
今、地球では皆が大慌てである。
「く…っ、あいつら、宇宙でどんな戦いをしてやがるんだ!
このままじゃ余波で地球がぶっ壊れちまうぜ!」
すっかり回復したヤムチャが言えば、ピッコロも天津飯も頷いた。
そして悟飯が提案する。
「僕たちの気で地球にバリアを張りましょう!」
その提案に、だが…、とピッコロは一抹の心配を弟子に寄越す。
「その体でいけるのか、悟飯」
「大丈夫ですよピッコロさん。それぐらいなら今の僕でも出来ますから」
傷だらけの体を引きずりながらニコリと笑う悟飯を見て、ピッコロは小さく首を縦に振って「よし」と呟いた。
「悟天、トランクス…おまえ達も力を振り絞るんだ。
クウラとフリーザのパワーは半端じゃない」
子供二人も、ピッコロにそう言われなくても否はない。
悟天とトランクスにとってもピッコロは頼れる師匠であり、そして優しい伯父のような存在だ。
「まっかせてよ!」と元気に頷いて、そして直後に何かを思い出したかのように「あ」と呑気な声を出し、とある集団の方へ向き直る。
「おねーちゃん達も協力してよ!」
「あぁ~そうだね、トランクスくん!いいアイディアだよ!
ね、ね!おねーちゃんも一緒にバリアはってよ!そしたら楽だし、絶対地球守れる!」
おねーちゃん達…つまりはクウラ機甲戦隊の面々だ。
地球での戦闘も一段落した今、クウラ機甲戦隊はZ戦士達と比較的近い場所で管を巻いていた。
ザンギャだけが一人、憂い帯びる瞳で宇宙を見つめていた所だ。
おねーちゃんと呼ばれ、ザンギャは宇宙から視線をずらすと少年達を見る。
「私が?」
悟天とトランクスは元気に「うん!」と頷いた。
「だって、前の大会でお母さん達と仲良かったじゃんか!」
「そうだよ、ママ言ってたよ。いずれは〝ままとも〟ねって」
子供二人のどこかノーテンキな発言。
だがその一言はザンギャにとって衝撃の一言。
「っ!」
(マ、ママ友…!それはつまり、クウラ様の…御子を、わ、私が…生んで、クウラ様の御子のママに、私が…!?そ、そんな恐れ多い…!け、けど!生めるなら…う、生みたいっていうか…望む所っていうか…………っ、あぁくそ!そうだ…私の、そーいぅ相談に乗ってくれるのは、地球のあの女達だけか…!孫悟空の妻、ベジータの妻、クリリンの妻、孫悟飯の妻、ブロリーの妻…くそ、死なせるわけにはいかない!)
そう思い立ち、「…よし」と静かだが並々ならぬ決意を込めてザンギャは頷いた。
以前の破壊神選抜格闘大会における地球の女達との交流が、ザンギャに要らぬ知識や感情を植え付けまくっていたらしい。
だがその女戦士の反応に、サウザーもドーレもネイズも「え?」という顔となっていた。
「ザンギャ…まさか、地球人にそこまで肩入れするつもりか?
フリーザ様の軍を追い払っただけで随分な恩を地球人に与えてやったはずだぜ。
それにクウラ様の御命令に、この惑星の守備は入っていない」
「俺達がそこまでしてやる義理はねぇだろう」
「どうしちまったんだぁザンギャ。この星が気に入ったか?」
口々にぶーたれる。
クウラの指令による超過勤務なら喜んでやる機甲戦隊だが、クウラの命令もなく利益にも繋がらなさそうな任務など御免被る3人であった。
しかし、
「だったらあんたらはそこで見てなよ。
クウラ様は、わざわざこの惑星で戦わなかった…その意味なんて少し考えれば分かるだろうにさ」
「む」
サウザーが言葉につまり考え込んで、それを傍目に見ながら尚もザンギャは続けた。
「クウラ様がまだ地球人との修行に価値を見出していたとしたら?
そうしたら地球が壊れた責任、どう弁明するんだい」
「むむ」
ドーレも難しい顔となって唸る。
まだザンギャは言う。
「それにこの惑星にはサイヤ人達の家族が多くいる。
恩を売っておけば、後々クウラ様にとって有利な展開に繋げられる…そう思わない?」
「…そ、そうか、そうかもしれねぇ…!」
ネイズもハッとした顔になってしきりに頷いた。
ザンギャも最初は護る必要など無いと思っていたくせに、こうして他者を煽りその気にさせる術はなかなかのものだ。
機甲戦隊の先輩三人組は呆気なく納得させられてしまっていた。
「仕方あるまい!
超エリートである我らクウラ機甲戦隊が、地球人なんぞと共同戦線を張るなど本来はありえんことだが…。
感謝するがいい地球人ども!このクウラ機甲戦隊が力を貸してやろう!」
戦闘力1000兆超えの戦士3名、そして本気をだせば1京の領域に手が届く女戦士1名がバリアに協力する事を確約。
こうして拍子抜けするぐらいあっさりと、地球を守る完全なバリアが完成したのだった。
(…案外チョロいというか…いいヤツら…いや、単純なのか?)
クリリンにそう思われても仕方がないだろう。
▽
「待たせたな!これがオレの、フルパワーだ!!!!!」
「クックックッ…」
フリーザの黄金の肉体が、背丈こそ変わらないが、まるでクウラの筋肉のように隆々としたものへと変貌していた。
気が昂ぶっているのだろう、フリーザは口調まで猛々しい。
そんな弟をクウラは眺め何とも嬉しそうな、或いは小馬鹿にでもしているのか、とにかく小気味良く笑っていた。
そして笑いながらも、早速に弟のフルパワーの欠点を指摘してやる。
「フリーザ…そのフルパワーは、ナメック星で孫悟空に披露したものだろう?
学ばない奴だ…時間とともに貴様の戦闘力はどんどん落ちていく。
だが俺は違うぞ。俺の変身はどれだけ時間が経とうと消耗などせん!」
もはやフリーザは、何故兄がナメック星での孫悟空との決戦の事すら知っているのか、問う事もしない。
どうせ界王のテレパシーとか超能力とか、そういうのに似た能力でも身に付けたのだろう…と適当に当たりを付け、(兄ならば出来てもおかしくはない)とフリーザでさえ思うようになっていた。
実際はビッグゲテスターの時空観測を利用した〝過去視〟と、ズノーから得た天地開闢からを知る知識の一つであるが、そんな事は想像だにしない。
「…っ、ふ、ふんっ!それがどうした!!
時間内に貴様を倒せば問題ない話だ!」
フリーザとてこのフルパワー形態の弱点は百も承知で、しかもゴールデン化と併用してフルパワー化したのは今回が初めてのぶっつけ本番である。
最初の予定通り、4ヶ月のトレーニングだけでは、併用などとても体がついていかなかっただろう。
1年に延長したからこそ、辛うじてゴールデンフルパワーとなれていたのは間違いない。
「フフフフ…まぁいいさ。
クウラが両腕を広げ、掌で軽く「来い」のジェスチャーをすれば、フリーザは額に青筋を浮かべる。
「その余裕…崩してやるぞ、クウラっ!!!」
「来い!!」
もはや余力もペース配分も関係ないとばかりに駆けたフリーザを、クウラは初めて
「うがああああっ!!!」
「はァァっ!」
豪腕と豪腕が交差し、兄弟それぞれの頬と腹を抉る。
フリーザの口から濃紫の血が吹き出て歯がへし折れ、クウラの眼が僅かに歪む。
だが兄弟は間髪入れず二撃目を放つ。
今度はそれぞれが逆の腕でまたもパンチ。
クウラの首が捻れ、フリーザもまた頭が真横へと弾かれるようにひん曲がった。
「っ、ぎっ、がぁぁあっ!!!」
「…!ぬぅ!!」
気を放ち、脚の肉に気合を入れ、指で真空を掴むようにして宇宙で踏ん張って打ち合う。
乱打戦だ。
互いに、愚直なまでにパンチの応酬を繰り返す。
「きぇぇぇぇあああああ!!!!」
「ぬぅぅぅぅぅぅっ!!!」
クウラの拳がフリーザの脇腹に決まれば、フリーザの拳がクウラの顔面を殴りぬく。
フリーザの拳がクウラの腹を凹ませれば、クウラの拳がフリーザの頬を殴り飛ばす。
執拗に、執拗に、ひたすらの連打、乱打。
秒間、何百何千ものパンチを両者繰り出し続け、そんな真正面からの殴り合いが30秒も続いただろうか…やがて、
「っっ!!ごっ、おおっ、お、ぐっっ…、ゴボッ!!」
気が衰え、筋肉も萎みだしていたフリーザの腹筋の鎧がとうとう悲鳴を上げた。
クウラの鉄球のような握り拳が深々と腹にめり込み、フリーザはごぼりっと大量の血を吐く。
そして、クウラの次の一撃で全ては決まった。
「ヌゥアアアッ!!!」
振り下ろされた鉄槌打ちがフリーザの鎖骨を砕き、とうとう彼の踏ん張りを粉砕した。
「っ!!!がぁっっっ!!!!?」
ガクンっとフリーザの気の足場が崩れ、クウラに殴られた速度を殺しきれずに地球の引力に掴まってしまう。
フリーザは隕石のように赤熱化し、ゆっくりと地球の重力へ飲み込まれていくのであった。
―
――
「うわっ!?」
クリリンが腰を抜かす。
だがそれはクリリンが気弱だからではない。
誰だって、血だらけになったフリーザが自分の横に振ってきたら腰を抜かすだろう。
けたたましい衝撃音と共に振ってきた落着物はフリーザだった。
すっかりバリア張りに集中していたZ戦士達は、クウラのバカでかい気に意識を取られ、また周囲の警戒などはクウラ機甲戦隊がいる事の安心感もあってか警戒が弛んでいた。
地表にぶち当たるまで落下物の正体に気付かなかったのだ。
「ひ、ひぃぃ…天さん、フ、フリーザだ…!!」
「あ、あぁ…もう、金色じゃないな」
「……い、生きてる…のか?」
チャオズと天津飯は咄嗟に距離を取るが、反対にヤムチャは恐る恐ると近づく。
「おい、不用意に近づくな!」
それをピッコロが制止するが…、
「なぁに大丈夫さ。今の俺なら、こんなボロボロのフリーザ相手に遅れをとらないぜ」
先程までフリーザの部下相手に瀕死になっていたのを忘れたようにヤムチャは胸を張った。
だが、
「っ!ヤ、ヤムチャ、後ろじゃ!」
「え…?っっ!!うわぁぁぁ!!」
亀仙人の指摘に振り返ったヤムチャは、恐ろしい形相のフリーザと目が合ってしまい慌てて十数mを飛び退いた。
クウラ機甲戦隊の面々は情けない姿に溜息を吐き、そして地球の戦士達は皆、息を呑む。
ゆらりと立ち上がった幽鬼が如くフリーザ。
こうまで衰弱しつつも恐るべき気配を漂わせるフリーザの姿は、まさに幽鬼そのものであった。
「やるというのか、フリーザ!」
悟飯が構える。
仙豆を食べておらずとも、今のフリーザと悟飯ならば、確実に悟飯が勝つ。
それぐらいにフリーザは弱りきっていた。
「…ハァっ、ハァっ、ハァっ……う、ぐ…」
息荒いフリーザ。その膝は既に笑っていて立つのも覚束ず、とうとうフラリと倒れて両手を地につける。
それを見て、悟飯はやがて構えをゆっくりと解いた。
もはや戦闘不能なのは明らかであった。
そして…、
「情けない姿だな、弟よ」
空から勝者然とした威風堂々たる気を漲らせたクウラが滑り降りて来てそう言った。
「…はぁ、はぁっ、…ぐ、く…っ、~~~く、そぉ…っ!」
見下ろすクウラと、両手と膝を付けて突っ伏すフリーザ。
それは残酷なまでに勝者と敗者の図そのものだ。
フリーザは何度も地を殴るが、今の力では殴った大地は微かにひび割れる程度。
非力になった拳で、殴って殴って、そして怨嗟の声を振り絞った。
「ぢ…ぢぐ、じょお゛お゛お゛…!
ごふっ、ごふっ…はぁ、はぁ、はぁ、…ち、ちくしょお…!ちくしょおぉ~~~~!
ちくしょお~~~~~~~~!!!!!」
フリーザは心底からの悔しさを爆発させていた。
歯はガチガチと鳴り、目頭が熱くなる程に悔しい。
これがサイヤ人にまたもやられたというなら涙など出はしない。
だが、同族の、それも追い越したと思っていた兄に徹底的に打ちのめされたのは堪えた。
「フリーザ…貴様は一族で最高の天才だったはず。
それが、今は無様に膝に土をつけて俺に頭を垂れている…フッ、ハッハッハッハッ…!
滑稽だな。父も貴様なんぞが後継者では、地獄でさぞ心細い思いをしているだろう!」
「…!」
何も言い返せぬフリーザは両拳を震えるほどに握りしめ、そして額を何度も地に打ち付ける。
歯軋るフリーザの歯の音が、痛々しい程にハッキリと皆には聞こえていた。
「フリーザ…この姿の俺に僅かとはいえ、血を流させた事に関しては褒めてやる。
…そうだな、敢闘賞…といった所か。
褒美をくれてやろう」
ギリッと食いしばりながら、フリーザはようやく少しだけ顔を上げて兄を見上げた。
そして、フリーザは衝撃の事実を知ることになる。
「貴様が進化と呼んだゴールデン……あれは進化ではない。
ただの変身だ。そして…あの程度の変身ならば、俺にも出来る」
「なっ!!?」
見下ろすクウラの巨体が、少しずつその体色を変えてメタリックな色と質感に変化していく。
そして変化は見た目だけではない。
当然のように気も増大していくのが誰の目にも分かる。
クウラは本当にただ静かに、パワーを抑えながらその変身をしているというのに、ビリビリと空気が振動してZ戦士のみならず機甲戦隊達ですら寒気がする程に、粛々とクウラの気は他を圧する。
フリーザは完全に力の差を知った。知ってしまった。
「あ…あ…あ………」
「これがメタルクウラだ。
貴様のゴールデンフリーザと比べると…中々因果な見た目だな?ん?フリーザよ」
銀色に輝くクウラがそこにいた。
兄は、第5形態に加えて、さらにもう一歩先を行っていた。
それはつまり本気になればいつでもフリーザを抹殺できたという事。
自分は、ただ遊ばれていたのだと悟ったフリーザは、完全に心を折られてしまっていた。
もう首を持ち上げる力すら出ないと言わんばかりに、フリーザの首はがっくりと項垂れる。
「根本的に、貴様の肉体は脆弱なのだ。
お前の甘っちょろい心と肉体を鍛え直せ!徹底的にな…!
それをせねば貴様は一生俺には勝てんぞ!
サイヤ人にもな!」
「ぐ…う、うぅ……っ!ぐぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!!」
もはやクウラに対しても、そしてサイヤ人に対しても怒りも憎しみもない。
フリーザの心に去来するものは、ただただ己への不甲斐なさ。
弱き自分への怒りであり憎しみであり、自分がとても小さく哀れで、そして滑稽に思えた。
「フン……情けない奴だ。
それ以上、栄光ある我ら一族の顔に泥を塗ることは許さん…!立て!」
「…っ」
クウラの超能力が、力なくだらりとしたフリーザを持ち上げ、そして投げ捨てるようにしてサウザーへと放った。
慌ててサウザーは「え!?おわぁ!」とフリーザを抱きとめ、危うく落としそうになって咄嗟にドーレとネイズがサポートに入りサウザーを後ろから支える。
それぐらいに突然であった。
サウザー、ドーレ、ネイズの口から安堵のため息が盛大に吐き出されていたのは当たり前だろう。
畏まりながらサウザーが主へ問う。
「クウラ様…フリーザ様をどうなさるので?」
サウザーの言葉に、フン、とクウラは鼻を鳴らして、
「ビッグゲテスターのメディカルポッドにでも放り込んでおけ」
冷たくそう言うと、クウラは、仕事は終わったとばかりにさっさと引き上げにかかる。
「機甲戦隊、帰還するぞ!もうここに用は無い!」
ザンギャが跪き、サウザー達もフリーザを丁重に担ぎながらそれに続く。
クウラ軍団が瞬間移動で消え去ろうとした、その瞬間。
「あっ、ま、待ってください!」
孫悟飯がクウラを止める。
ギロリとクウラの紅い瞳が、サイヤ人の若者を睨むように見たが、もう悟飯はその目にそれ程の恐怖は感じない。…威圧感は感じるが。
悟飯は優しく笑いながら…、
「あの、ありがとうございました。クウラさん!」
ぺこりと頭を下げる。
それにはクリリンも、そしてピッコロも流石に呆気にとられるが、誰よりも驚いたのはきっとクウラだろう。
「……礼を言われる筋合いはない」
だから冷たくそう言い返す。
だが悟飯はやはり朗らかに笑顔で返してきた。
「それでもです。僕が勝手に、感謝したいんです」
「…」
暫し黙って、クウラは悟飯を見つめる。
そのまま数秒後程経ったろうか。
そして、ゆっくりと悟飯から目を離すと、何も言わず今度こそクウラはその姿をフッと消す。
次の瞬間にはザンギャ達もその姿を消していた。
何も無くなった荒野を、優しい風が一陣吹き抜けて、戦いが終わった事を皆に実感させてくれるのだった。
つい数分前までこの荒野に吹き荒れた気の熱風が嘘のように穏やかだ。
戦士達の緊張の糸がぷっつり切れる。
やがてクリリンの大きな溜息が漏れて、大きな声で自分と皆を労いはじめた。
「はぁ~~~、終わったぁ…………ほんと、もうやめてくれって感じだよなぁ…フリーザの奴」
天津飯もその愚痴には全く異論無しに頷く。
「まったくだぜ。孫を狙ってきたようだが、よりにもよってあいつがいなくてオレ達が苦労するはめになる…前もこんな事あったな」
天津飯の後ろではチャオズが無表情ながら何度もウンウンと首を縦に振っていた。
亀仙人が白いヒゲを撫で回しながら、やはり頷いている。
「あったのう…確か前もクウラ絡みじゃなかったか?
…しかし驚いたな。クウラの奴、フリーザをてっきり殺すもんじゃと思っとったが」
「本当っすね。あれは意外だったなぁ…。
あいつも少しは良い奴になってきたってことなのかなぁ。
あ、そういえば武天老師様…」
ん?と老爺が禿頭の弟子を見る。
「もう年なんだから無理しないでくださいよ?
今日は見ててこっちがハラハラしましたよ」
それは的を射た言葉でピッコロもニヒルに笑って同意の意を示す。
「そうだな。年寄りの冷や水という言葉もある…あまり無理をしないことだ。
あんたに何かあれば孫も皆も悲しむ」
「む…ふ、ふん、うるさいわい。
こう見えてもちっとはわしも強くなっとるんじゃ!」
「あーあれでしょ、悟空のせいでクウラと一緒に住むことになったっていうあれ!
何度も死にかけたって言ってましたもんねぇ。そのお陰ですか?強くなったのは」
「そうなんじゃ…あいてっばザンギャちゃんにパフパフさせてくれって、わしがあんな一生懸命頼んどるのにまったく冷たくてのう……」
それを切っ掛けにして、亀仙人のクウラ・悟空との共同生活修行への愚痴が始まってしまう。
地球を守る戦士達は皆尻餅をついて、そして互いの顔を見ながら笑い合うのだった。