NARUTOが好きな小市民だった男が日向一族に憑依転生。生前ネタ扱いされていた『日向は木の葉にて最強』を本当に実現させようと、日向という最高のスペックで主人公は今日も修行する。最強に到達する事を目標として。

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ボルトを見て思い付いた日向を木の葉にて最強にしただけのネタ作品です。大分前に読んだNARUTOの知識が元なので、実際の原作と違う場面やおかしい部分が多々あるかと思いますが広い心でスルーしていただけると幸いです。


日向は木の葉にて最強ッ!!

草木が眠りから覚める早朝。和の趣を感じる一つの屋敷で、ある人物が朝の鍛錬を行っていた。彼の名は日向ヒザキ。歴史ある日向家の現当主の一人息子にして転生者だ。そう、ここはNARUTOの世界。ヒアシやヒザシが生まれるより前の時代である。転生を悟ったヒザキは辛い鍛錬を己に課して、日々強くなるために努力しているのだ。

 

「ハァハァハァ…感謝の正拳突き一万回終了だ…。7歳になってようやく一万回に到達したが、まだまだだな」

 

ヒザキの心は転生した時から変わらずある目標を持っている。それは日向を本当の意味で最強にすること。後に生まれるヒアシの言葉である『日向は木の葉にて最強』をネタではなく本当に実現させたいのだ。 まずは自分が最強にならねば、とヒザキは鍛錬をし続ける。そうこうしている内に朝日が顔を出し、人々も起き始めた頃。

 

「ヒザキー!ご飯出来たわよ!早くいらっしゃーい!」

 

ヒザキの母が朝ご飯の準備が整った事をヒザキに伝える。

 

「有難う母さん!今行くよー!」

 

それに応えるヒザキ。一連の光景は日向においては朝の日常の一コマとなっている。今日もヒザキは突き進む。己の目標である「最強」への到達に向け、彼の戦いはまだまだ始まったばかりなのだから。

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〇月✕日原作開始42年前

 

俺が朝の日課を終え、朝食を食べた後修行に打ち込んでいると火影様から呼び出しを受けた。何でも俺が前々から言っていた妙木山での仙術の修行が出来るようになったらしい。

 

これでまた一歩最強に近付くだろう。若干呆れている火影様を尻目に俺は修行の事で頭が一杯になった。本格的な修行は3日後かららしい。

ちなみに火影様とはかの有名な柱間様だ。最近マダラなるうちはの者と不穏らしいが大丈夫だろうか。

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〇月✕+3日原作開始42年前

 

ついに妙木山での修行が始まった。朝の日課もそこそこに妙木山に向かい、迎えてくれた大蝦蟇仙人による修行だ。

仙術とは身体エネルギーと精神エネルギーに自然エネルギーを取り入れて使うもので、普段のチャクラとはまた違う特殊なモノだ。

 

まずは初歩かららしいがスグに成長してやる。日向は木の葉にて最強なんだからそのくらい大した事ではない。大蝦蟇仙人が俺を見て苦笑していたが何だろうか。まあいいか。

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△月〇日原作開始41年前

 

大蝦蟇仙人が教えてくれたのだが、火影様が亡くなられたそうだ。終末の谷でマダラと戦い、相打ちだったそうで。二代目は扉間様が継ぐそうだ。尊敬していた火影様の死はとても悲しかったが、今は前を向かなくては。今日も妙木山で修行に打ち込んだ。

 

仙術チャクラを練れる完璧に練れるようになった。とても早いスピードのようで大蝦蟇仙人がビックリしていた。

自分ではまだまだだと思うのでひたすら修行をしていくつもりだ。

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〇月△日原作開始30年前

 

柱間様が亡くなってから12年が経過した。日々の修行を怠らず、勤勉に鍛錬を重ねていた俺は大きく成長した。具体的に言うと自分でも軽くヒイてしまう程だ。

 

仙術チャクラはどんな状態でも瞬時に練れるようになり、日向の血継限界である白眼を使った八卦空掌・八卦六十四掌などの柔拳は地面が抉れるほどの威力を持ちった。

 

また、日向は伝統的に白眼による柔拳こそ至高として普通の忍術は最低限しか使わないといった暗黙の了解がある。しかし、俺の目標は『日向は木の葉にて最強』を本当に実現する事。そんな慣習には縛られない!と、性質変化を調べたところ風・雷だった。

 

日向は皆そうなのかは分からないが、俺は普通の忍術もこの12年間で鍛え抜いた。結果として風遁・雷遁を完璧にマスターし、風遁と雷遁を組み合わせた第二の血継限界である光遁を作り出す事に成功したのだ。

 

年齢も19歳。時たま日向に顔を見せる事はあっても殆ど妙木山で過ごしてきたから、そろそろ木の葉の里に戻って身を落ち着かせよう。まだまだ最強とは言えないがかなり強くなった自信はある。

戻ったら俺以外の日向にも修行をやらせよう。

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□月△日原作開始30年前

 

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!「俺が木の葉の里に戻ったと思って日向家に行ったら許嫁が出来ていた!」な…何を言っているのか分からねー思うが俺も何が起きたのか分からなかった… 頭がどうにかなりそうだった…写輪眼だとかうちはマダラだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。

 

ということで俺に許嫁が出来ていた。修行ばかりしている俺を見て心配になった両親が手を回したらしい。

最初はポルナレフが憑依する程度には驚いたが、よくよく考えたらこのままだと女性と出会う機会は無さそうだと思い直し、二つ返事で了承した。相手の女性も可愛かったしね。

 

余談だが後に俺に許嫁が出来た事を妙木山の大蝦蟇仙人に伝えると笑われた。解せぬ。

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□月△+1日原作開始30年前

 

俺が木の葉の里に戻った翌日。二代目火影様に呼び出しを受けた。

何でも、妙木山で12年間修行した事を考慮して俺を例外的に上忍にしてくれるようだ。『卑劣様』なんてネタにされていたが存外話の分かるイイ人みたいだ。

 

と思っていたら上忍昇格には条件があるようで、木の葉の里期待の新人とされている大蛇丸・綱手・自来也の3人に修行をつけなければならないらしい。日向を木の葉にて最強にする事で忙しいのだが…

 

おのれ。やはり卑劣だったか…。そんな事を思っていると二代目火影様に睨まれた。何でバレたんだ…。

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☆月〇日原作開始28年前

 

あれから2年が経った。二代目火影様が敵との交戦中に亡くなり、ヒルゼン様が三代目火影になったらしい。大蛇丸・綱手・自来也(以下三忍)には扉間様の言いつけ通り時たま影分身で修行をつけていて、先生と呼ばれて一応は慕われているみたいだ。期待の新人というのは本当のようで凄く才能がある。日向には劣るがな…。

 

日向の修行だが、年長者達を何とか説得して柔拳以外の忍術なども修行に取り入れる事に成功した。日向の人間は皆風遁・雷遁の性質変化を持ってるみたいだ。光遁は俺しか使えなかったが。

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♢月☆日原作開始25年前

 

許嫁だった女性と結婚して子供を設けた。二人の息子をヒアシ・ヒザシと名付けた俺は日向宗家の当主になった。当主になった事で早速普段の鍛錬をより厳しくし、日向を最強へと近付けている。

 

三忍の大蛇丸は研究を、綱手は医療忍術の習得を、自来也は俺に頼んで妙木山で修行をしている。頑張って欲しいものだ。

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〇月♢日原作開始22年前

 

国家間の経済格差の深刻化によって、公平なる利権拡大を目指して第二次忍界大戦が起こってしまった。

木の葉の里もピリピリしているみたいで俺達日向一族も戦争に招集されている。だが何十年も修行している俺と毎日厳しい鍛錬をくぐり抜けてきた日向一族が居るのだ。負ける道理が無い。

 

また、日向を木の葉にて最強にする上で宗家と分家の差別など無駄もいい所だという理由で宗家と分家の区別をなくした。

ヒアシとヒアシは才能がある。思わず修行に力が入るが、力が入りすぎたのか二人とも白目を剥いている。妻に怒られた。

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△月♢日原作開始22年前

 

戦争が終わった。木の葉の圧勝である。白眼を使った柔拳・日々鍛錬を積んでいる風遁と雷遁・俺の光遁など我らが日向の恐ろしさが木の葉の里のみならず他里にも広まったいい機会だった。

 

自来也達や三代目火影様、木の葉の暗部の皆さんも目を丸くして驚いていたがこの程度で驚くなんて片腹痛い。まだまだ最強には遠いのだ。俺を見て苦笑している忍達が沢山居たが何でだろうか。

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□月☆日原作開始4年前

 

第三次忍界大戦が起きた。といっても今の日向家当主は息子のヒアシで俺はまたしても妙木山で自らを更に成長させるため、修行を積んでいたので大蝦蟇仙人から聞いたことだが。

 

限りなく最強に近くなっている日向一族が居るから戦争が起きても大丈夫だろう。

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△月♢日原作開始3年前

 

光遁を完璧にマスターしたことで月まで行く事が可能になった。それなんてチート??日向は木の葉にて最強だからこれ位当然なのだ。

 

この術を使い、遂に『日向は木の葉にて最強』を本当に実現する計画にケリをつけるつもりだ。それこそが、月の大筒木ハムラ一族の細胞を手に入れ、白眼を転生眼に進化させる事だ。

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☆月✕日原作開始3年前

 

光遁で俺は月まで行き、ハムラ一族を一人残さず殺し、彼らの細胞を奪った。残酷なようだが計画の為には必要な犠牲だったのだ。

 

奪った細胞を早速自身に移植する。ハムラ一族のチャクラが俺自身の日向チャクラと合わさる事で白眼が進化していくのが分かる。暫くはこの転生眼を扱うために修行を強化しよう。

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〇月✕日原作開始1年前

 

戦争が終わって三代目火影様が引退、波風ミナトが四代目火影になったみたいだ。大丈夫だろうか…。

 

転生してから50年、目標としてきた最強への到達を遂に成し遂げた。余談だが、転生眼の影響で老いが止まった。まあ若返った訳ではないけれど。ぼちぼち木の葉に戻ろうか。

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そして物語は動き出す。『日向は木の葉にて最強』を本当に実現する事を実現させた日向ヒザキというイレギュラーを伴って。

 

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満月が煌々と輝く夜。人々の喧騒が聞こえてくる時刻に、木の葉の里にて暗躍する者が居た。九尾の人柱力であるクシナがナルトと名付けた男子を出産した時に事件は起きる。

 

仮面に包まれた謎の男が生まれてきたばかりのナルトにクナイを押し付け、クシナの夫でありナルトの父である四代目火影波風ミナトに脅迫をしたのだ。

 

「この結界をどうやってくぐり抜けた!お前は一体何者だ!」

 

人柱力の出産である。当然ながら監視や結界で守られていた筈なのに、謎の力を使う仮面の男の前では無力だった。仮面の男を警戒するミナト。その間にも産後間もないクシナに施されている九尾の封印は弱まり続け、今にも封印が解かれそうだ。

 

「さっさと人柱力から離れろ…。ガキがどうなってもいいのか?」

 

仮面の男の無慈悲な警告に焦りを隠せないミナトにクシナ。何とかナルトだけでも守ろうと制止をかけるミナトに対して男は止まる様子を見せず、ナルトを上に放り投げる。

 

「ナルト!!」

 

クシナが叫んだ瞬間、ミナトは瞬身の術で助け出す。そんなミナトの手際に仮面の男は

 

「流石は黄色い閃光…。だが次はどうかな?」

 

そう言うや否や、ミナトはナルトのおくるみに起爆札が付けられているのに気付く。爆発がクシナに届かないようにと瞬間的に判断して飛雷身の術でその場を離脱。移動した先の小屋は爆破するもナルトはかろうじて無事だ。しかし、ミナトは直ぐにこれが仮面の男の計画通りである事に気が付く。

 

「無理やり飛雷身の術を使わされた。クシナと引き離されたか!」

 

手に抱えているナルトを更に飛雷身で飛んだ自宅のベッドに寝かせる。そうしてクシナの元へ向かった。

 

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一方のクシナは更に危機的な状況に陥っていた。ミナトがナルトを助けた事によって引き離され、その隙に仮面の男の手によって九尾が引きずり出されようとしているのである。

 

「クシナは常にミナトが守っている。だがこの出産の間はどうしても隙ができる。この瞬間をどれほど待ち望んだことか!」

 

そう言って男は喜びを顕にする。男の写輪眼がクシナの封印されている九尾に干渉し、九尾の意識を掌握。見る見る内に体が九尾の衣に包まれるクシナ。遂に九尾をクシナから引きずり出す事に成功した男は、九尾と共に立ち去って行った。

 

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木の葉の里は平和だった。自宅で家族と食事をとる者・店で外食をする者・残った仕事に未だ奔走する者など、特にいつもと違うという事もない日常その物だった。

 

ヤツが現れるまでは…

 

平和な木の葉の里に向かって一匹の尾獣が進んでくる。仮面の男に操られた九尾である。九尾の咆哮が木の葉の里の平和な雰囲気を困惑と恐怖に一変させる。

 

「グギャォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

それは突然だった。九尾の九つある巨大な尾は振るう度に里を破壊し、莫大なチャクラから生み出される尾獣玉は為す術もなく人の命を奪っていく。それは正しく恐怖その物だった。

 

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里の危機として今は引退した三代目火影に、すぐ前に九尾をクシナから引きずり出される事を許してしまった四代目火影。その他大勢の木の葉の忍達が九尾と対峙していた。

 

「皆聞いてくれ!クシナの出産中に謎の仮面の男に襲撃されて、クシナの弱まっていた封印から九尾が解放されてしまった」

 

ミナトが集まった忍達に状況説明を行う。

 

「それにしても謎の男とは一体…。いや、今は一先ずその事は置いておこう。兎に角目の前の九尾をどうにかする事が先決じゃ!皆の者! 心してかかれ!」

 

三代目火影が忍達に発破をかける。それに呼応して士気を高める木の葉の忍達。皆、心に九尾という化け物に対する恐怖心を抱きながらもそれを必死に押し潰して攻撃を行う。

 

火遁・水遁・風遁・雷遁・土遁といった忍術や忍具が九尾に向かって飛び交うもどれも九尾にダメージを与えるには至らない。

 

「くっ…。状況は最悪じゃ…。これ程の化け物、儂やミナトを以てしてもダメージを与えるには至らない。第二次忍界大戦頃から急速に力を付けている日向一族も致命傷は与えられないでいる。この場にあ奴が居たら状況は違っていただろうに

 

思わず泣き言を零す三代目火影。それも九尾を前にしては仕方のない事だと言えるだろう。高まっていた士気も、倒れる気配の無い九尾がその士気を低くする。最早これまでか。

 

その時である。上空からある人物が九尾に向かって術を放った。

 

「仙法 風遁 螺旋手裏剣ッ!!」

 

圧倒的なまでの仙術チャクラから練られた風遁は九尾に直撃。と同時に今まで忍達の攻撃などまるで意に介していなかった九尾の巨躯に、大ダメージを与える。よろける九尾。更に畳み掛け

 

「仙法 雷遁 麒麟ッ!!」

 

雷がまたしても九尾を襲う。更にダメージを負い、最早満身創痍である。戦場はと言えば、突然の出来事に皆がポカンとするも、すぐに復活。目の前で繰り広げられている今まで苦戦を強いられていた相手が押されていく様子を見て、下がっていた士気が高まる。

 

そんな周りの事など何のその。と九尾に畳み掛ける日向一族の家紋が描かれた和装の男。そう、妙木山より舞い戻ってきた日向ヒザキその人である。

 

「おいおい、人がせっかく修行から帰って来たと思ったら木の葉の里がアホ狐の手で世紀末な状態になってるってどういう事だよ…」

 

そう愚痴を零しながら忍達の前に現れるヒザキ。その姿を見て戦場は驚愕した。何故なら今九尾相手に大ダメージを与えたこの人こそ、伝説の三忍の師にして日向を木の葉にて最強の一族に改造した忍界にて最強の忍と名高い日向ヒザキなのだから。

 

「ヒザキ!ようやく戻って来よったのか!」

 

思わず叫ぶ三代目火影。そう彼は「最強へと至って来る」と言って十何年前から姿を消していたのだ。それも当然と言えよう。

 

「三代目火影様じゃないですか!随分老けましたね…。おっと、久方ぶりの会話でもしたい所ですが今は早く九尾を片付けますね」

 

そう言って背中に背負っている巨大な巻物を手に取り、九尾に向かって封印術を仕掛けようとするヒザキ。消滅させる事も可能だが、九尾の力を残しておきたかった彼は封印を選択したのだ。

 

「封印術 修羅封尽ッ!!」

 

発動するや否や、満身創痍だった九尾はヒザキの手にしていた巻物に呆気なく封印される。その封印を以てして、この木の葉の里における対九尾戦が終幕することとなった。

 

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木の葉の里から少し離れた場所。そこで仮面の男はイラついていた。苦労してお膳立てした木の葉の里への九尾襲来事件が、突如として現れたヒザキの手によって呆気なく沈静化されてしまい、挙句の果てに九尾まで封印される始末だ。

 

「チッとんだ邪魔が入った…。まさかあいつが現れるとは…。まあいい、封印されたからといって九尾チャクラが手に入らないワケではないんだ。やりようはいくらでもある。」

 

そう言って男は闇へと紛れ、消えていった。

 

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木の葉の里では九尾を封印し、戦いに勝利した事で一先ずの喜びが巻き起こっていた。それはミナトも例外ではなく

 

「ありがとうございましたヒザキ様。お陰で九尾から里を守る事が出来ました。木の葉の里を代表して感謝申し上げます」

 

そう言ってヒザキに謝意を表すミナト。それに対してヒザキは謝意を受け取るも表情は晴れやかとは言い難かった。それもその筈、もっと早く木の葉の里に帰っていれば被害がもっと少なく済んだのだから。

 

「そう自分を責めるでないわヒザキよ。お主が戻って来るのがもっと遅かったならば里は更に酷い有様じゃっただろうに。それにしても久しぶりじゃのお」

 

「これはこれは三代目様、お久しぶりです。何年も修行の為に戻って来る事が出来なくてすみせんでした。しかし、その甲斐あって宣言通り忍界大戦の頃よりも強くなれました」

 

突然だが、ヒザキという人物は木の葉にて史上最強として有名な人物である。その修行人間っぷりから火影にこそならないものの、その力量は圧倒的で、かの伝説の三忍の師・第二次忍界大戦の英雄・日向一族の強化の立役者・光遁の血継限界などなど様々な二つ名が付けられている。

 

そんな元々最強の忍だったヒザキが更に強くなったとはどういう事なのか。ヒザキの発言を聞いたミナトと三代目は一体何がどう強くなったのか気になり

 

「十何年の更なる修行でヒザキ様はどれ程強くなられたのですか?

昔から最強の忍だったと聞いた事がありますが」

 

ミナトは恐る恐る尋ねる。そんなミナトの問にヒザキは

 

「どれ程強くなったか、か。簡単に言ってしまえば俺は白眼を進化させ、転生眼へと至った。転生眼とは六道仙人が開眼したと言われている輪廻眼と対になる瞳術だ。今の木の葉の里は九尾によって破壊されている。贖罪の意味も込めて試しにこの里を元に戻そう」

 

それを聞いたミナトと三代目は驚愕した。転生眼の開眼もそうだがこの未だ破壊の跡が濃く残っている木の葉の里を元に戻すと言うのだ。驚くなというのは無理な話だ。

 

「も、元に戻す?そんなことが可能なのですか」

「なんと、そんな事が可能じゃなんて」

 

思わず聞き返すミナトと三代目。その発言にヒザキは静かに頷くと、転生眼によって術を発動する。

 

「内道 万象再生ッ!!」

 

その光景は正に奇跡だった。九尾の攻撃を受けてボロボロになった建物や抉らた地面も全てが元通りになり、傷を負った人々の傷は回復し、命を落とした人々は命が復活して蘇生された。

 

呆気にとられる木の葉の里の人々。次第にこの奇跡を体現した様な光景を現実のモノだと理解し、喜びや安堵が里中に広まった。結果として今回の一連の事件で木の葉の里は負傷者・死者とも0。クシナでさえ蘇生が成されたのであった。

 

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九尾襲来事件の翌々日。事後処理などで忙しなかった木の葉の里も落ち着きを取り戻しつつある中、日向家では平穏とはほど遠い様相が広がっていた。そう、ヒザキの修行である。

 

「まだまだ!九尾如きに侵攻を許したなど日向の名折れだ!」

「そ、そんな…。これでもうちはと並んで最強の一族と「甘い!イチャラブハーレムより甘い!うちはと並んでだと!?日向は木の葉にて唯一の最強でなければならないのだ!修行を続けるぞ」はい…。」

 

感謝の正拳突き一万回に始まり、チャクラの限界ギリギリまで忍術の威力向上に新術の開発、白眼による柔拳の強化。

あまりの修行の辛さに音をあげる日向の忍達。しかしヒザキは止まらない。日向を木の葉にて最強にするその時まで。

 

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同じ修行をひたすら毎日繰り返し、各々が自分が強くなった事を感じ始めた時。ヒザキは日向一族に向かって声を掛ける。

 

「注目!皆よく頑張った!また最強に一歩近付いたな」

 

まだ一歩しかし近付いてないのか…と皆が心の中で零すがヒザキはそれを意に介さずさらに続ける。

 

「遂に修行も最終段階だ。お前達には日向として更に進化するため白眼を転生眼にしてもらう。転生眼とは俺が九尾襲来の時に全てを元通りにした術を始めとした、生と死を司る瞳術だ」

 

その言葉にどよめく日向一族。その中の一人が質問をした

 

「転生眼の凄まじさはひとまず置いておいて、その転生眼はどうやって白眼から進化させるのですか。今まで修行したり戦いの経験を積んでも、進化のしの字すら感じなかったのですが」

 

「白眼の転生眼への進化条件、それは月の大筒木ハムラ一族の細胞と我らが日向一族のチャクラが合わさる事で進化出来る。だが案ずるな!俺は修行の果てに月へ向かい、ハムラ一族の細胞を手に入れた」

 

そう有無を言わさず言ったヒザキは日向の忍達にハムラ一族の細胞を与えた。こうして木の葉の里、ひいては忍界にて最強の忍一族が誕生したのだった…。

 

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それからと言うもの、日向一族が白眼を進化させた転生眼という究極の眼を開眼した事は忍界中に広まった。

 

曰く、日向の柔拳は体術の極地

曰く、転生眼は生と死を司る。

曰く、転生眼に睨まれた者は死ぬ。

曰く、転生眼を開眼した日向一族は最強。

 

15年前大蛇丸が禁術開発がバレた為に里を抜けた時、問答無用で日向の忍が殲滅した。兼ねてから不穏な動きをしていたうちは一族も日向一族のあまりの強さに大人しくなった。四代目火影の元、ナルトやサスケといった優秀な忍者が元気に成長し、木の葉の里は平和そのモノだった。各地で尾獣を集めている暁でさえ木の葉の里には近寄らなかった。

 

そして現在、うちはオビトが第四次忍界大戦を宣言した事により五カ国と侍の国による忍び連合軍が結成され、無限月読を為すべくマダラが忍連合軍と対峙していた。

 

「もうすぐだ…。もうすぐ無限月読が成功する…。」

 

マダラが六道仙人の力を手にして、戦場は緊張感に包まれた。連合軍の攻撃はマダラの須佐ノ男によって尽く砕け散る。五影すらも敵わない、正に絶望と言った状況だ。

 

しかし、実際には連合軍に絶望の二文字は無かった。

 

「内道 修羅刀ッ!!」

「雷遁 建御雷神ッ!!」

「風遁 風神乱舞ッ!!」

「柔拳法 八卦六十四掌ッ!!」

 

地を割る刀、古の神の雷・風、体術の極地と言われる柔拳法。これらは全てとある一族による攻撃である。その圧倒的な攻撃の前にマダラは為す術も無く散っていっく…。

 

歓喜に湧く戦場。そしてその一族はこう言った…。

 

「「「「日向は木の葉にて最強ッ!!」」」」」」」」

 




一旦は三話で終わりにしていたのですが、大した量でもないので一つに纏めました。これで完結です。やっぱり日向は木の葉にて最強

評価・感想ありがとうございます。予想外にも沢山の方に読んでいただき恥ずかしいやら嬉しいやら…といった感じです。

気が向いたら別の作品に日向の誰かが転移した作品を書くかもしれませんので、その時はまた読んで頂けると幸いです。


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