やはり俺がデスノートを拾うのはまちがっている。   作:ねおる

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どんどん増えていくお気に入り…。皆さんの期待に応えられるよう、頑張ります!
あと、この場をお借りして訂正をさせていただきたいと思います。感想欄の返信で、本作はデスノート関連は映画沿いにしていくと言いましたが、やはり映画だけでは難しいと感じ、原作と映画を合わせたものにさせていただきます。ですが、八幡の性格などにより、デスノートのストーリーで八幡を動かすことは難しいと考え、デスノート側のストーリーはオリジナル展開とさせていただきます。トリックや頭脳線などは原作通りのものもありますし、そんな原作と同じものはつまらないという方や、オリジナルは嫌いという方ともいらっしゃるとは思いますが、ご了承下さい。もし、見たくないという方がいらしたら、それは当然のことと思いますので、この作品を切っていただいても構いません。よろしくお願いします。また、俺ガイル原作の方は、チョコチョコ挟んでいきたいと思っていますのでそちらもよろしくお願いします。
長々と長文失礼しました。ではお楽しみ下さい。


やはり俺が死神と邂逅するのはまちがっている

 

 

 

 

くぅー朝はやはり苦手だ。少し低血圧体質なのかもしれない。頭が働かないし、立ちくらみがする。できれば布団を被って、この温もりの中で夢の国へ…。

 

「八幡!いつまで寝てんの!学校遅刻するよ!片付かないから早くご飯食べちゃって!」

 

まぁ、そんなこと許されるはずもないか。今日普通に平日だし。でも俺の気持ちも分かってほしい。季節は秋の半ば、段々と冬に近づき、朝はかなり冷え込む。このまま布団から出ずにまた眠りにつきたいと思うのは誰もが経験する事ではないだろうか?よって俺のまぶたが徐々に落ちてきているのも仕方のない事であって…。

 

「おにーちゃーん!おはよー!朝だよー!そろそろいい加減にしないとお母さん激おこだよ!」

 

むむ、それは困る。朝から母ちゃんの怒鳴り声は俺の体質的に、嬉しくない。それと小町ちゃん、頼むから起こす時にカーテンいきなり開けないでこれ結構本気で。今日はまぁなんか曇ってそうだからまだいいけど。そんなの大した事ないと思われるかもしれないが、朝弱い人に絶対に寝起きで朝日を拝ませてはいけない。その日の半日近くは機嫌が最悪になる程辛いから。え?ダイビングで起こされるよりマシだって?当たり前だろそんなことされたら半日どころか1日虫の居所が悪くなるね!つかマジでそろそろ起きるか。鬼の笑顔を書いたらこんな感じだろうな、っていう顔して笑っている母さんの幻覚が見えてきた。あ、これ本物ですわ遅かったか。

 

「はよ起きんか!!」 ゴチン!

 

鬼のような顔の笑顔とはこれいかに。

 

 

 

 

んーかなりいい一撃をもらってしまった。おかげで目は覚めたが、危うくさらに深い眠りにつくところだった。

 

「しかしお兄ちゃんホント朝弱いよね。でも最近、前よりひどくなってない?前ならある程度はすんなり起きてきたのに、今は小町起こしに行かないと起きてこないし。は!これはまさかついにお兄ちゃんの体が小町無しでは朝起きることすらできなくなってしまったって事⁉︎これは大変だどうにかしないと!あ、でも大変だとか言いながらも起こしに行かないっていう選択肢が小町の中にないあたり小町的にポイント高い!」

「ふぁーあ。はいはい高い高い。ったく朝から元気だねぇ。お兄ちゃんはこうして朝飯食べるのすら疲れてるっていうのに。」

「むー。なんかお兄ちゃんの対応が冷たい気がする。まぁいいや!早く食べちゃおう!そろそろいい時間だし!」

 

お、そう言われれば確かにそうだ。少し急ぐか。しかしなんか今日は天気悪いな。かなり外が暗い。これは雨降んのかなー。ニュースで天気予報ぐらいやってんだろ。

 

『………続いてのニュースです。昨日無罪判決を受け、今日釈放される予定だった加藤 弘樹氏が昨夜、留置所内で心臓麻痺により死亡しました。』

 

………なに?加藤弘樹?それって確か…。死んだ?昨日?いつだ?昨日晩飯を食ってた時はそんなニュースはやってなかった。それ以降はテレビは見てない。まさか、あのノートの能力か?

はは、バカな。ありえない。ノートに名前を書くだけで本当に人が死んだ?おいおい、そんな二流映画みたいな設定信じられるか。きっと俺が部屋に行った後に死んだんだ。

 

「な、なぁ小町。この加藤っての、いつ死んだんだ?昨日飯食ってたときは生きてたんだろ?俺が部屋に行ってからどれくらいだ?」

「んー。あんまり小町も知らないけど、なんか11時頃らしいよ。小町もその時他の番組見てたからよくわかんない。

でも、直前まで警官さんと話してたみたいだよー。そしたら突然苦しみ出して倒れたって。なんなんだろうね。ちょっと不気味ー。」

 

11時。俺がノートをいじって寝たあたりの時間だ。まさか本当に?ああ、まずい。タダでさえ朝で頭まだ完全に働いてないのに、この事実。クソっ。クラクラしてきた。

 

「わ、悪い小町。そういえば兄ちゃん朝までに出さないといけない課題があったんだ。ちょっとやってくるから、飯片付けといてって母ちゃんに言っといてくれ。」

「う、うん。っていうか大丈夫?お兄ちゃん。かなり顔色悪いよ?」

「ああ、少し具合が悪いが、問題ない。じゃあよろしく。」

 

 

 

 

くっ!まさか本物なのか⁉︎このノート⁉︎い、いやまだそうと決まったわけじゃない。落ち着け、焦れば更に分からなくなる。とりあえず状況整理だ。俺は確かに昨日の11時、このデスノートに加藤の名前を書いた。しかし本当にこのノートで死んだかどうかは分からない。なら、それが確定するまで問題はない。よ、よし。少し落ち着いてきて…

 

「なんだぁ?まだ信じてないのか?」

 

ゾワッ⁉︎

 

この感じ、どっかで⁉︎背筋に嫌な汗が流れる。後ろに何かいる!パッと振り向くとそこには、

 

死神がいた。

 

異常に長い手足。耳まで裂けている口。背中には折りたたまれた翼。そして人間とは思えない目。どっから見ても人間じゃあない。ああもう。やっと落ち着いてきたのに次はなんだってんだ。

 

「お?なんだ、思ったより落ち着いてんな。もっと慌てると思って楽しみにしてたのに。」

 

なんだこいつ、人の気も知らないで楽しみにしやがって。

 

「十分驚いてる。一周回って悟っただけだ。で?何の用だ。ていうかお前誰だ?なんだ?信じてないってあのノートの事か?お前はなにを知ってる?」

「まてまて、俺は頭よくないからいっぺんに質問するな。一つずつにしろ。」

「じゃあまず、お前なんだ。」

「死神だ。」

 

予想通りか。次。

 

「名前は?」

「リューク。好きなものはリンゴ。」

「聞いてないし、興味もない。」

「ひでーな。」

「何の用だ?」

「いやぁ、ノートの拾い主に挨拶しようと思ってな。」

「拾い主?これはお前のか。なら返せばいいのか?」

「いや、人間界にノートを落として、それを人間が拾った時点でもうそれはそいつのもんだ。好きに使えばいい。」

「じゃあなんだ。このノートを使った代償に魂でも持ってくのか?」

「あれ?お前そのノート信じてないんじゃないのか?そういえば本当かどうか聞かれてないな。」

「質問に答えろ。それに死神なんてもんが存在している時点でこのノートは本物だろう。というか今更そこを疑ってたら話が進まない。」

 

もうこの際、加藤の件は偶然とは思わない。ノートに名前を書たら、すぐに書かれた人間が死にますなんて普通は信じられないだろうが、実際に目の前には死神がいて、俺が名前を書いたら加藤が死んだ。もうこれは受け入れる。今はこの状況についてだ。この死神が事実を言っているとは限らない。できるだけ情報を得ないと…。

 

「なぁ、比企谷 八幡。お前デスノート使うのか?」

「なに?」

「使わないなら、それ返してくれよ。他の人間に渡すから。早く決めてくれ。」

「使うと言ったらどうする?」

「さっき言ったろ?お前の好きにすればいい。気にくわない奴を殺してもいいし、見ず知らずの奴を殺してもいい。どう使うかは持ち主次第だ。」

「じゃあ、使わない言ったら?」

「その時はデスノートに関する記憶だけを消し、デスノートを回収する。それだけだ。で?どうするんだ?使うのか?使わないのか?」

「まだだ。これには英語でルールらしきものが書いてあった。それを全て知ってから判断する。」

「あれ?それも知らないのか?わざわざ書いたのに。しかもお前らの世界で一番ポピュラーな言語で。」

「あいにく、英語は得意教科じゃなくてな。必要以外英語を読むのはごめんだ。」

「ええー、メンドくさ、人間て。まぁいいけど。それはデスノート。ノートに名前を書いたら相手は死ぬ。殺す条件は相手の名前と顔が一致すること。どっちか片方だけじゃダメだ。だから、同姓同名の人間は死なない。死因は名前だけ書けば心臓麻痺。名前を書いて40秒以内に死因を書けばその通りになる。そして更に死因を書いてから6分40秒以内ならその人間の死ぬ直前の動きを操ることができる。まぁ、そんなとこだな。」

 

ふむ、かなりのチートだな。名前と顔さえ知ってればどんな奴でも殺せるって訳か。しかし、

 

「それだけじゃないだろ。もっと細かいルールがあるはずだ。こんなフィクションみたいな代物、それだけであるはずがない。」

「いやぁ、それについてはもう知らない。デスノートのルールについては多すぎて死神本人にも分からないことが多い。」

「おい死神、教えといてやる。嘘をつく時は声の質とトーンに気をつけろ。その顔じゃ嘘ですって言ってるようなもんだ。」

「ほぉ、お前、思ったより頭いいのな。」

 

正直、今のはカマを掛けただけだ。だがこいつが拾い主にルールについて教えろなんて言ってもってハイそうですかとすんなり了承するわけがない。最初の楽しみにしていたというところでおそらく、こいつは快楽主義者だ。楽しければなんでもいい。なら、そこをついてなんとかもう少し情報を探る。別にこのデスノートを使いたいわけじゃないが、このまま返してしまうのは危険だ。本当に記憶だけを消すとは限らない。できればこのまま流れればいいんだが…。

 

「まぁ確かにもう少し俺が知ってるルールはあるが、それは死神に対するルールだ。あまりお前が気にすることじゃない。」

「そういう訳には…」

 

「おにーちゃーん!学校遅れるよー!今日行かないのー⁉︎」

 

っ小町⁉︎まずい。今部屋に上がってこられたら…!

 

「い、いや大丈夫だ!すぐに行く!」

「ああ、学校。チラッと見たことはあるな。中々面白そうな場所だったな。」

「っち!死神!この話の続きは学校が終わってからだ!正直なにがなんだかまだよく分からん!だから少し時間をくれ!」

「お?まぁいいけど。」

「いいか、学校が終わったらだ!それまでにはなんとか決めるからなにもするなよ!」

「はいはい。」

 

くそっ!まだ頭の整理がついてないんだが、とりあえずは学校でなにか対策を考えないと!素直にノートを返せばもしかしたら殺されるかもしれない。だが使う気も今の所ない。使えば俺の身の安全は保証されるかもしれないが、そのために他の人間を殺すのは無理だ。どうする⁉︎

 

 

だが、今はそれより、遅刻する!俺がじゃなく、小町が!小町はいつも俺のチャリの後ろに乗って通学している。だが、今は死神との会話のせいで未だかつてないほどの大ピンチ。速攻でチャリをこがなければ!待ってろ、マイシスター!

 

 

そういえば、あいつ、やけにすんなり使うかどうか決めるの後回しにすること許したな。思ってた通り快楽主義者ならあそこで許可はしない。どうも、引っかかるな…。




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