提督(笑)、頑張ります。 外伝   作:ピロシキィ

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本編のほうに上手く入れられへんかった。

読まなくても全然大丈夫なおまけ要素。


第三次ソロモン海戦の概要

第三次ソロモン海戦。

 

1942年11月10日-13日にかけてソロモン海域で行われた日米両軍の機動部隊による海戦、及び翌日、翌々日の夜間の艦隊戦。アメリカ軍側の呼称はサンタ・クルーズ諸島海戦(Battle of the Santa Cruz Islands)。

日本側はガダルカナル島の兵員増強及び、ツラギ島の奪還を主目的とした。連合国(主はアメリカ)は日本側の大規模輸送作戦を察知して同方面の守備を増強、待ち伏せを図った。

緒戦において日米両軍共に複数の空母を損傷ないし喪失し、多くの艦載機と搭乗員を失った。12日に行われた夜戦では戦艦金剛、比叡、榛名、霧島の四隻を含む日本に対し、アメリカ側も戦艦コロラド、ワシントン、サウスダコタ、インディアナの四隻を含む艦隊同士の大規模戦闘が起こり、双方ともに戦艦二隻を失う結果となった。

また、日本側の主目的であるガダルカナル島飛行場占領、ツラギ島奪還は達成できなかった。

 

一日目

 

第三次ソロモン海戦は空母機動部隊同士の衝突から始まる。

アメリカは日本が企図したガダルカナル島及び付近の島に大規模輸送を実施する作戦の計画を察知。急造の機動部隊を編成してこれを待ち構えた。1942年(昭和17年)11月10日早朝、アメリカ側の哨戒機が日本の機動部隊を発見した。その後、加賀、瑞鶴、瑞鳳から発艦した艦載機とサラトガ、レンジャー、サンガモン、スワニーから発艦した艦載機による激しい航空戦が行われ、加賀、瑞鳳が中破、航空隊を大きく損耗した。一方のアメリカもレンジャーが大破、スワニーが小破し、陣形から後退中に伊26号潜水艦による雷撃を受けて沈没した。

日本側は深夜に残存部隊の掃討を目的とした艦隊決戦を挑もうとするも発見に至らず、アメリカ艦隊が撤退したものと判断。空母部隊は撤退し、直援部隊から戦艦比叡、霧島を含む部隊を分離してガ島方面の輸送部隊の護衛として派遣した。

 

第二夜

 

日米共にツラギ島、ガ島への兵員輸送部隊と護衛部隊及び哨戒部隊が深夜に突発的に遭遇して衝突した。日本の軽巡洋艦『五十鈴』が探照灯を照射してツラギ島に艦砲射撃を行った。これは後続のツラギ兵員輸送部隊の露払い及びツラギ島の砲撃任務を帯びていた第三戦隊(戦艦金剛、榛名)への射撃誘導を兼ねていたものであるが、その後も五十鈴は探照灯を灯したままガ島方面に転進を続ける。結果、大規模輸送艦隊に備え増援されていたルンガ泊地ツラギ付近のアメリカ、オーストラリア哨戒部隊、及び米輸送船護衛部隊から集中的に狙われる事となった。ツラギ島攻略の為の部隊輸送は敵艦隊が事前予測より多い事から断念された。但し、第三戦隊と護衛駆逐艦第三水雷戦隊によるツラギ島砲撃は行われ、同島のアメリカ軍兵、魚雷挺部隊に損害をもたらした。五十鈴はこの時は至近弾一発の被害(戦闘に問題なし)に加え魚雷も受けたがこれは不発だった。五十鈴の救援の為、第三水雷戦隊(旗艦 軽巡洋艦:川内)は第十一駆逐隊(駆逐艦:白雪、初雪、叢雲)を第三戦隊の直援に残し、第十九駆逐隊(駆逐艦:浦波、敷波、綾波)と前路警戒隊として二水戦より分派された第三十一駆逐隊(駆逐艦:高波、巻波、長波)で突撃を敢行。しかし、五十鈴が包囲されつつあった事に直前で気付き、突撃部隊は進路を急遽変更。部隊の先頭にいた綾波、長波は回頭が間に合わず、五十鈴と共に包囲網の中に残される形となった。

しかし、結果的にアメリカ側は包囲の内外両方からの攻撃に晒される事になる。この戦いで綾波は重巡洋艦一隻に砲撃命中、軽巡洋艦1隻を大破させ駆逐艦6隻を撃破した(うち2隻ないし3隻は共同戦果)。五十鈴は終始、探照灯を照射し続け、サボ島沖、第二夜、第三夜の活躍でソロモンのゴーストとアメリカに呼ばれる事になる。

綾波は海戦による損傷で機関不良が発生。速度を落としていたところを11日午前10時ごろにアメリカのカタリナ哨戒機に発見され、正午ごろB-17の空爆を受けて沈没。乗員は事前に五十鈴に移乗していた為、この攻撃での死傷者は出なかった。五十鈴による処分を行わなかったのは逃走時間を稼ぐ為であったが、五十鈴に座乗しこの判断を下した長野は後日、責任を問われる事になった。

 

第三夜

 

日本側は前日の海戦の結果を受け、万全の体制で望むべく、ツラギ方面、ガ島リンガ方面へと攻略部隊を派遣。

部隊はサボ島北西四〇海里で分離、サボ島の北側を通りツラギ島を攻撃する部隊、前日同様、

第三戦隊(戦艦金剛、榛名)

第十一駆逐隊(駆逐艦:白雪、初雪、叢雲)と、

第八戦隊 重巡洋艦:利根

第二水雷戦隊

軽巡洋艦:五十鈴( 旗艦は早潮)

第一五駆逐隊(駆逐艦:早潮、親潮、陽炎)

第二四駆逐隊(駆逐艦:海風、江風、涼風)

 

ツラギ輸送分隊

駆逐艦:黒潮

(輸送船:長良丸、宏川丸、佐渡丸、かんべら丸、那古丸)

 

ガ島輸送分隊

駆逐艦:夕暮、暁

(輸送船:山月丸、山浦丸、信濃川丸、鬼怒川丸、ぶりすべん丸、ありぞな丸

 

南を通りガ島のリンガ泊地を目指す部隊。

第十一戦隊(戦艦 比叡、霧島)

第八艦隊 (重巡洋艦 鳥海、衣笠)

駆逐艦:朝潮、満潮

支援部隊

第七戦隊(重巡洋艦 鈴谷、摩耶)

軽巡洋艦:天龍

第十駆逐隊(駆逐艦:夕雲、風雲)

第十戦隊(軽巡洋艦:長良)

第一六駆逐隊(駆逐艦:天津風、雪風)

第六一駆逐隊(駆逐艦:照月)

 

後続部隊

第四水雷戦隊(駆逐艦:秋月)

軽巡洋艦:由良

第二駆逐隊(駆逐艦:夕立、春雨)

第二七駆逐隊(駆逐艦:時雨、白露)

第六駆逐隊(駆逐艦:雷、電)

 

しかし、艦隊の編成に時間がかかり、作戦予定時間に大幅な遅れが生じた。またツラギ、ガ島を同時間帯に攻撃する作戦を立てたため、事前に連携の訓練や綿密な打ち合わせが出来ていなかった。

12日を過ぎ13日午前2時7分、サボ島南を通過していたガ島攻撃部隊は北側千メートルに艦影を発見した。

これはアメリカ側の前衛哨戒をしていた駆逐艦モンセンであったが、日本側はツラギ攻撃部隊から連絡のために分離した艦と誤認。モンセンは艦隊に向けて雷撃を放ち、内一発が比叡の艦後部に命中した。モンセンは衣笠の砲撃を受けて沈没した。この攻防の後、艦隊の北東方面から艦隊の進路上に探照灯が照射され、その先に浮かび上がったのは戦艦コロラド、ワシントン、サウスダコタ、インディアナを含むアメリカ艦隊の姿であった。両軍は距離三千メートルで砲撃戦を開始した。

探照灯を照射したのはいち早くアメリカ艦隊の存在を認識し、ツラギ方面から急行していた五十鈴である。アメリカ側は日本の隊列の前方を抑えていた(丁字戦法)ものの、艦隊から見て北西方面の五十鈴からサーチライトを照射され続けた為に、圧倒的な有利を崩された。しかし比叡は魚雷によるスクリューの破損で左旋回不能となっていた。砲撃戦はツラギ方面攻撃隊が到着したことで同航戦にもつれ込み、ソロモン海を東から西へ移動しながら推移していく。

後続部隊であった第四水雷戦隊が戦場に到着した時には、戦艦霧島が操舵不能、アメリカ艦隊に突出する形で集中砲火を浴びており、その距離は千五百メートルを切っていたとされる。第四水雷戦隊は霧島にアメリカ側が引き付けられている事と急激なスコールによって艦隊が隠れられると判断し、隙をつきリンガ泊地を強襲。停泊していた艦艇に砲雷撃を成功させた後に離脱。しかし、軽巡洋艦由良を喪失した。

 

ソロモンの悪夢

 

第四水雷戦隊の泊地強襲後、駆逐艦夕立はアメリカ艦隊に単艦での突撃を敢行した。敵、味方の砲撃が降り注ぐ中、そしてスコールで一時的に視界が不良となる中での出来事であった。乱戦にもつれ込んだため日米双方とも資料の食い違いや信憑性にかける表記も多くみられるが、多くの米艦艇に損害を与えたのは事実のようであり、重巡洋艦ポートランドを撃沈したのは夕立の放った魚雷と思われる。

 

ソロモンの幽霊

 

サボ島沖、第三次ソロモン海戦の連夜に渡り探照灯を照射し続けたにも関わらず、損害を与えられずに取り逃した五十鈴に対してアメリカ海軍がつけた異名である。海戦後に黒煙に紛れて消えていく姿からそう称したようであるが、実はこの時の五十鈴は二番、三番煙突が半ばから吹き飛んでおり、機関も少なからず損傷して燃料が不完全燃焼していた為であった。


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