という豪華3つが合わさっています。
20200422 話の流れがおかしいところを加筆修正。多少分かりやすくなってたらいいなぁ。
幼稚園での花京院の出会いでここがジョジョ世界だと知り、自身の生まれついた時からあるノートはスタンドということが判明したその後。
スタンドならどこまで出来るか試したくなった俺は母親が迎えに来て家に帰った後、父が仕事に出ていて母が夕飯の支度をしているわずかな間に能力を試してみることにした。
俺のスタンドの能力は今のところノートに書いた文字を実体化させることだと思っている。
チェリーやリンゴのように食べる物だったり、読みたい本を出すことなりをすることが出来たからだ。
どこかから召喚されている可能性も考えたのだが、紙に絵を描いてそれを出そうとノートに書き込むと俺の描いた絵がそのままもう一枚出てきたのだから恐らく違うと思われる。
そこまでわかっているなら今回は何をやりたいのかと言えば、それは生物の実体化である。
今まで考えてはいたものの怖くて出来なかったが、ついにやってみることにしたのだ。
これが上手くいけば、全身モフモフに囲まれることが可能なのだ…すばらしい!
とはいえ呼び出した生物がこちらの言うことに従ってくれるとも限らないため、始めに抵抗されても問題ない小さめの生物、安全そうなら順にもう少し大きな生物、そして架空の生物などを出していこうと思う。
さぁ、初めは小さめの生物…そうだな、仔猫でも出してみようか。
俺はノートを出して『仔猫』と書き込むと空中から仔猫が現れた。
落ちるまえにキャッチして観察してみると仔猫はミーと小さく鳴いて大人しくしている。
種類を指定していなかったが、この足の短さはマンチカンだろうか。
しばらく持っていても大人しくしているので、どうやら出した瞬間に襲ってくるということではなさそうだ。
動きも人形のようではなく、自分の意思をもって行動している様に感じる。
生き物は物とは違い、どこかから呼び出されているのだろうか。
床に降ろすと足に向かってきて摩りついてきた。
「ぐっ、かわいい…。」
踏まないようにゆっくり足をあげたり下ろしたりを繰り返すとそれを追いかけるようにはじゃれついてきた。
抱き上げてピンクの肉球を触ると程よく柔らかく、それでいてプニプニとした弾力が返ってくる。
毛並みはモフモフしていて頭を撫でるとゴロゴロという喉をならす音がした。
これぞ俺の望んでいたモフモフ!
柔らかいし暖かい。
かわいいのでこのままにしておきたいがずっと出しておく訳にもいかない。
最後に頭を一撫でしてから涙をのんで仔猫を消す。
ポフッと音がして仔猫はいなくなってしまった。
恐らく殺したわけでは無いと思うが、残念でならない。
気を取り直して次のやつを出そう。
とりあえず出しても直ぐに襲われる心配はないとわかったのでもう少し大きい生物を出してみることにしよう。
俺はノートに『ゴールデン・レトリバー』と書いた。
その後パッと近くにゴールデン・レトリバーが現れた。
今の俺なら乗れそうな位の大きさだ。
現れたそいつは俺の方にゆっくり歩いてきたかと思うと、頬を一度ペロッと舐めてからこちらも体を擦り付けてきた。
撫でてみると嬉しそうに顔を舐めて、尻尾をブンブン振っている。
「ちょっと乗って見ても良い?」
そう聞くと料理している母に聞こえないように小さく、わふっと鳴くと乗りやすいように屈んでくれた。
犬に乗るなんてはじめての経験だから緊張したが、なかなか安定感があって乗り心地は悪くない。
乗った背中にしがみついてみると毛がサラサラしている。もっと触りたくなって調子に乗って頬擦りしたら犬の毛が口に入った。ペッペッ。
その後下ろしてもらい、名残惜しいが時間もないので仔猫と同じようにゴールデン・レトリバーを消した。
次は想像上の生物を呼びたいがペガサスやユニコーン等はサラブレッド程度の大きさで出てこられても困るし、ツチノコは普通の蛇とどう違うのかわからないから判別のしようがないし、ニャルラトホテプなどの神話生物は俺が発狂したら目も当てられないので無理だ。
そもそもジョジョ世界ならそういう生物も知られていないだけで普通に居そうだから困る。
どうしようか考え、やってみたかったことをすることにする。
まず、試しに花京院の名前を書いてみる。
……反応なし。
このノートにもできないことが有ったんだなぁと逆に驚いた。
次に推しキャラの名前を書いてみる。
体が微妙に透けているものの、二部に出てくるサイボーグの体をもったドイツ軍人が出てきた。
「なんだ貴様はァァァ!!!ここha…」
思ったよりも格段に五月蝿かったのですぐ消した。
出して早々大声をあげられたが、母がやってくる気配はない。
良かった、どうやら彼の声は聞こえていなかったようだ。
呼んだ生物はスタンド使いにしか見えたり聞こえていないのか。
それとも呼んだ犬や猫と違い透けていたのが原因か。
それは後で検証することにしよう。
気を取り直して他のキャラを呼ぼうか。
ノートに『ジョナサン・ジョースター』と書き込んでみる。
死んだキャラが呼べるなら因縁の始まりの人物だって呼べるはずだ。
しかし、書き込んで出そうとしてみても反応がない。
『ジョセフ・ジョースター』『ジョルノ・ジョバーナ』『東方仗助』と書いても反応がない。
なにも考えずに書いたので来たら逆に困っていたところだ。
…………。
しかしジョナサンが呼べなかったのは何故だ?
シュトロハイムとの違いは…。
肉体が一応生きている扱いにでもなっているんだろうか。
…つまり生きている人間は呼べないということか。
ということは死人なら呼べる?
それはスタンド使いか否かによって変わるものなのか?
もしも今死んでいる人間がすべて呼べたとしたら…
限界はあるだろう。しかしDIOしかり、この世界は個の力で様々なものを支配できるという可能性がある。
そういった思想の元、協力的な奴等は少なくないはずだ。
呼んだものの耐久力も調べなくてはいけないが、もしも何度でも死んでいるが故に呼び出せたのだとしたら…
最強の軍勢を呼び出すことができるのではないか?
波紋使い、英雄や伝説と言われた人間、力あるものは過去に多く存在する。
そして自分にはこの次第よりも先にどんな技術があるかという知識がある。このスタンドで道具を出してソイツらの力を補完してやれば…
世界の支配すらも可能ではないか?
色々な仮説が頭をよぎる。いったいどこまでできるのか…気になるッ!
この俺のチカラを、誇り高き人たちが呼べるかもしれない、俺しかもっていない能力を存分にふるってみたい!
問題なんてないだろう?だって俺の能力なのだから…!
考えている間に無意識にコーフンしていたのかハァ…ハァ…と息が漏れた。のどが渇きゴクリとつばを飲み込む。
そのまま興奮で震える手でノートにさらに文字を書こうとしていたところで
「直ちゃーん、ご飯できたわよー。パパは今日遅いみたいだし先に食べちゃいましょ。」
という母の声が聞こえてきた。
ハッとしてノートをけした。今、俺はいったいナニを書こうとしていたんだ…?
心に一瞬よぎった黒いものが四散するのを感じた。
好奇心と欲望がスゥッと消えていく。
「直ちゃん?どうしたの、具合でも悪い?」
そのまま呆然としているといつの間にか母が顔を覗き込んでいた。
まばたきを数回して、息をつくと口を開いた。
「うん、大丈夫。今日は友達ができたから明日は何して遊ぼうかなって思ってただけだよ。」
「あら、そうなの。じゃあそのお話、ご飯食べながら聞かせてちょうだい?」
「わかった!」
今日は肉じゃがよ、という母に手を引かれてリビングへ歩き出す。
今回の教訓は夢中になり過ぎて邪悪度を上げそうになるのはいけないということだと頭に刻んだ。
神話生物云々
本家のゲームでもクトゥルフ呼べてたし、呼べても良いのでは、と。
ただ戦ってもらうにしろ、見るだけで発狂するのかもしれないので、呼ぶ予定はない。
邪悪度:同人ゲーム7人目のスタンド使いの主人公に存在する隠しパラメータ。高いと裏切ったりするらしい。