銀河彼方での物語   作:秋鹿

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第11話 工場での戦い2

遠くで爆発音が聞こえ、地鳴りがその後からやってきた。

頭を一振りする。意識がはっきりしてくる。

オビ=ワンはフォースを引き寄せ塊にすると、迫り来るトゴリアンに思いっきりぶつけた。

見えない力に勢いよく飛ばされ、製造側の壁に激突する。

呻き声をあげつつそれでも向かってくるトゴリアンに、そんなに大きなダメージを与えていないと見るや、オビ=ワンは痛みを堪え素早く立ちあがる。そのままローブを脱ぐと、敵に投げつけ視界を覆った。

と同時に、頭から被ったローブを取ろうとしているトゴリアンに、セーバーを真っすぐ構えると突進した。

オビ=ワンの気配に気づいたのか、ローブを裂いて振動ナイフが突き出される。

ナイフはオビ=ワンの左頬に赤い糸を引き、セーバーはトゴリアンの心臓を貫いた。

敵の体から力が抜ける。

オビ=ワンはセーバーを引き抜き、少しの間荒い息をしていたが、呼吸を整えフォースを使って痛みを無理矢理押え込むと、再びマスターの元へ走り始めた。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

爆風が吹き寄せる。壁や周囲にあった鉄屑などが吹き飛ばされ、ビックバンのように宙に広がっていく。

「危機一髪だったな」

「全くだ」

ロイのバイクの後部座席に座りながら、ベレルガは相槌をうった。

爆発する寸前なんとかバイクに跨ると、今までにしたこともないほどの急発進でその場を逃れたのだ。

そのせいでバイクのエンジンが、変な音でがなり立てているのも致し方のないことかもしれない。

「全く見境のない奴等だ」

「だが、これのおかげで少しは助かった」

不思議そうな顔をして後ろを振り向くロイに、彼女はウィンクして言った。

「壁に大きな穴が開いた。動力が止まっても中は充分明るいぜ」

(だが、それはジェダイ殿たちが動力を止めればの話だ。彼らが向かってから、かなりの時間が経つが・・・)

内心、ロイは不安に思うのだった。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

クワイ=ガンは慣性に逆らわない方法をとった。

上に持ち上げようとしていたセーバーを、逆に力を抜いて下に落としたのである。

渾身の力を振り絞りセーバーを押え込んでいたトゴリアンは意表を突かれ、バランスを崩す。

間髪入れず、クワイ=ガンはセーバーを突き刺した。

しかし、抜群の敏捷性を持つトゴリアンは辛うじてそれをかわす。装甲服から焦げた臭いが漂う。

すかさず後ろに下がった敵は、今度は充分注意を払いクワイ=ガンと対峙した。

獲物を狙う猫のように忍びやかな動きでジェダイの隙を窺う。

今度はクワイ=ガンから仕かけた。

突進し、右から薙ぎ払うと見せかけ、体を回転させ左から切り込んだ。

だが、それは右のナイフによって遮られる。

と、目にも止まらぬ早さで一歩踏み込まれた途端、左手のナイフが振り下ろされ、避けたもののセーバーを持つ右腕を切られ、血が吹き出た。

思わずクワイ=ガンは後退する。

図に乗った敵は続けざま右のナイフを振り下ろした。

フォースを一心に集めると、クワイ=ガンはそれをセーバーに込めナイフを防いだ。

いや、防ぐだけではない。それを持って攻撃と転じた。

セーバーに熱がこもる。

そして、ついにその熱は、今までの闘いで弱くなっていたナイフを溶かしきり、真っ二つに切断する。その勢いのまま、驚愕の表情を浮かべるトゴリアンの首を切り落とした。

ゆっくり倒れるトゴリアンを尻目に、クワイ=ガンは呼吸を整えつつ思った。

(武器に頼りすぎるからだ)

そこへ、オビ=ワンが駆けてくる。

彼も無事だったようだ。

クワイ=ガンは安堵の溜め息を漏らすとパダワンの顔を見つめ微笑み、それから走り出した。

動力機へと。

 

二人の目の前に、巨大な四角い黒い箱のような物がそびえていた。

箱の外側には色とりどりのケーブルが這い、データパネルや無数のスイッチやが組み込まれている。

「これが動力か」

一階の奥まった場所。そこにそれは在った。

クワイ=ガンはおもむろにライトセーバーを握り締めると、オビ=ワンを下がらせてからその黒い箱に切りつけた。

シュゥゥ・・・という音を上げて、金属が溶ける臭いが辺りに立ち込めた。

セイバーが通用することがわかると、今度は垂直に構え突き刺した。たちまちセーバーの周囲が高熱により溶け出し、赤い溶岩のように沸き上がる。

しばらくして引き抜くと、途端、動力機を囲んで火花が飛び散り、次第に激しさを増し、ついに爆発をした。

闇の帳が下りたように辺りが真っ暗になる。

動力がストップされ、今動いているのは、生きている者と組立ドロイドのみ。

左奥に光りが見えるのは、あちら側が入口だろうか。

クワイ=ガンとオビ=ワンは顔を見合せて肯くと、すぐ横にあった二階に繋がる階段を駆け登り始めた。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

何の前触れもなく電気が消えた。しかし、壁に開いた穴のおかげで、さほど不便には感じない。

「やった、ジェダイがやってくれたね」

末っ子の喜びの声に次男が応えた。

「これで、ここを復旧するとしても時間がかかるだろう」

「復旧なんてさせやしない。破壊し尽くすのみだ」

クーンが言い放ち、三人は燃料の心もとないバイクを走らせられるだけ走らせようとスロットルを絞った。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

階段を上ると、踊り場の向こうに扉が見えた。電力が止まっても非常用ライトが点灯しているため、漆黒の闇という訳ではない。

二人は扉の左右に分かれると、向こうの気配を窺う。

突然、扉を突き破って鋭い鎌が飛び出し、二人は飛びのく。

鎌ドロイド(シクル・ドロイド)だな)

と思った瞬間、クワイ=ガンは扉ごとドロイドを切り裂かんとセーバーを薙ぎ払った。

真っ二つになった扉は、同じく胴体が分かれたドロイドとともに部屋の内側に音を立てて倒れこみ、二人はその中に飛び込んだ。

部屋は会議室のようだった。そして、その左奥に扉が見える。

「多分、あの部屋にトレディスがいるのだろう」

「はい」

しかし、さして大きいとは思えないこの会議室から、隣りの部屋に行くのはなかなか骨が折れる作業のようだ。何せシクル・ドロイドが15体ほど待ち構えているのだから。

だが、間髪入れずクワイ=ガンは前に進み出る。

ドロイドの姿を一目見て、オビ=ワンは驚きを禁じ得なかった。

(こんなドロイド見たことない。これがリアが言ってた、人を殺すドロイド・・・)

見回すと、何かが微妙に違うドロイドが数体はいるような気がする。

しかし、何が違うのか見極められぬまま、彼もクワイ=ガンの後を追ってドロイドの群れに向かった。

 

クワイ=ガンは腰をかがめ走り出て、高々と跳躍してくるドロイドの胴体をすれ違いざま左から薙ぎ払う。

右から繰り出される鋭い鎌を紙一重でかわし体を回転させると、右からセーバーを叩きつけた。ドロイドが数体、火花を散らし吹っ飛ぶ。

右腕に痛みが走るが気にせず、クワイ=ガンは前に飛び出た。

会議室の真中に置いてある丸い巨大なテーブルの上から、ドロイド達が鎌を振りかざし攻撃してくる。

すかさず彼もテーブルの上に軽々と跳躍すると、体を捻りつつ、鎌や首を次々と切り落とした。

周りに残骸しかなくなったと見るや、クワイ=ガンは若き弟子を探して視線を走らせる。

 

と、その時。

1体のドロイドが彼めがけて飛びかかってきた。

クワイ=ガンはその曲線を描く鎌をセーバーで切り落とそうとし

(!?)

思わず驚愕の表情を浮かべる。

切り落とせない。鎌が。

どうやらトレディスは前回に懲りて、改良を加えた新種のシクル・ドロイドを造りあげたらしい。あのトゴリアンのナイフと同じ、セーバーが通用しにくい金属で。

しかも、このシクル・ドロイドは今までとは違い、鎌が二つに折りたためるようになっている。

クワイ=ガンのセーバーはこのドロイドの鎌にがっしり挟まれ、身動きがとれなくなってしまった。振り払おうとするものの、このネオ・シクル・ドロイドは重さにも重点を置いているらしく、びくともしない。

鎌は白煙を上げ溶けつつあるが、これを切り捨てるには時間がかかるだろう。

クワイ=ガンは内心焦りを感じた。

彼の背後からは、ドロイドがうごめいている気配がひしひしと感じられる。

と、1体のドロイドがテーブルの上に飛び乗ると、クワイ=ガンの無防備な背中めがけて鎌を勢いよく振りおろした。

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