ネロ祭!私は初めてなので少し頑張っちゃいます。まぁ、コツコツ周回ってのは少々苦手なんですけどね。
今回はほとんど過去の話ですねー。と言っても刹那視点なので色々とカットしまくってますが。
では、どうぞ!
翌日昼前頃 八神家
「シグナム、刹那。はやてちゃん、もうすぐ帰ってくるそうですよ」
先程まで2階にいたシャマルがはやてからの連絡を受け、リビングまで降りてきました。
あのあと夜が明けてからヴィータは蒐集に。シグナム、シャマル、ザフィーラ、私は自宅待機。出ているのがヴィータだけなのではやてが帰ってきた時に言い訳しやすいですしね。本来ならヴィータも含めて帰ってきたところを謝罪するべきなんでしょうが………如何せん私達には時間が無いのでヴィータがゴリ押しで蒐集へ行ってしまいました。
ちなみにリビングは照明もつけずに、しかもカーテンも閉め切っているので真っ暗。唯一の光源はカーテンの隙間から差す日差しのみ。シグナムからこうして欲しい、と希望があったのでこうしてます。集中するのに丁度いいんだとか。
ちなみに私はベランダでトレーニングしてます。カーテンは閉めていますが、戸は開いているので声は聞こえるんです。さて、私もそろそろ中に入りましょうか。
「そうか」
「ヴィータちゃんは………まだ?」
「かなり遠出らしい。夕方までには戻るそうだ」
側に置いておいたタオルを拾い、汗を拭きながら中へ。丁度シグナムが冷蔵庫から飲み物を取り出したところでした。
「ほら、刹那も」
「ありがとうございます。私も、はやてが帰ってきたらヴィータに合流しますよ」
物のついででしたが、シグナムが私の分も取り出してこちらへひょいと放り投げます。私はそれをキャッチしてキャップを開けてぐいっと一口。
「あなたも、随分変わったわよね」
「うん?」
「なんの話ですか?」
そこに唐突にシャマルから振られた話題。唐突すぎてなんのことやらです。
「シグナムのことよ。昔はこんな風には笑わなかったわ」
「そうだったか?」
「そう言えばそうですね。私はベルカ時代しか知りませんが、当時は何か切り詰めていたような印象でした。少なくとも笑ってませんでしたね」
シャマルの言う昔がどれほどのものかはわかりませんが、古代ベルカしかシグナム達を知らない私からすれば今はよく笑うようになったと思います。側にずっといたシャマルすらそう言うのですから間違いないでしょうね。
「あなただけじゃない。私達全員、随分かわったわ。みんなはやてちゃんが私達のマスターになってからよね」
「………そう言えば、もうあれから半年以上になるんですよね」
───約半年前 6月4日0時過ぎ
あれは私が部屋の片付けを終えてお風呂に入ってから少ししてからでしたね。もうそろそろ上がろうかな、という時に突如大きな魔力反応。何が起きたのか、おおよその予想はできたので、すぐに体を拭いて服を着て、髪を拭きながら2階へ。髪が長いので乱暴に拭くわけにはいきませんから。
そして私は迷わずはやての部屋へ。本来ならノックをしてから入るのですが、緊急事態なので。後で謝っておきましょう。
「何者だ!」
「なっ!?」
不意に現れた私へ唐突にシグナムからレヴァンティンの縦斬り。私はギリギリでそれを白刃取り。自分でもよく出来たと思います。
「久し振りですね、シグナム」
「その虹彩異色………まさかっ!?」
私が誰かわかったのか、すぐに剣を引いて私に跪くシグナム。恐らくさっきまでもはやてにしてたんしでしょう。
「クラウス殿下っ、申し訳ありません」
「クラウスは私の祖先です。私はクラウスではありませんし殿下でもありません。はやての………あなた達の主の義兄です。とりあえず、状況を説明してください」
まぁ、こんな虹彩異色はそうそういないですからね。髪の色も込で考えればクラウスに結論が行くのは当然でしょう。とりあえずは将のシグナムからわかる範囲で今の経緯の説明を受けます。その間に私は髪を整えてタオルを頭に巻きました。ほら、女性が風呂上がりによくやってるアレです。
「要は闇の書………もとい夜天の魔導書が起動して、同時に守護騎士たるあなた達も現界。それにはやてがビックリして気絶、と」
「そんなところです」
「なるほど………ぁ、シャマル。はやてをベッドに入れて布団かけてあげておいてください。まだ春先なので夜は冷えますから。私達は下に降りてますね」
はやての部屋で話し込むわけにも行かなかったので、私はシグナム、ヴィータ、ザフィーラを連れてリビングへ。
「適当に座ってください。紅茶淹れますね。ぁ、お腹すいてませんか?何か軽く作りますよ」
「ぁ、えっと………その」
「ならさ、何か作ってよ。前の主の時からあまり食べてなかったから腹減っててしゃーねぇんだよ」
「おいヴィータ。無遠慮過ぎるぞ。そもそも殿下に家事など」
「腹減ってるのは事実なんだからいいだろ!?」
「ザフィーラ、構いませんよ。調理や家事ははやてと2人でやったりしてますし私は大丈夫です。それと先程も言いましたが、殿下ではありません。ここではごく普通の一般人です」
私のこの対応に戸惑うシグナムを傍目に遠慮のないヴィータ。そんなヴィータを叱るザフィーラ。やはり、あまりいい扱いは受けてなかったみたいですね。
とりあえずザフィーラの言葉の一部を訂正し、降りてきたシャマルの分も含めて夜食の用意。時間も時間なので簡単に出来るチャーハンでも。
このチャーハンを口の中に掻き込む皆(主にヴィータ)の姿は忘れられそうにありません。
「すみません、深夜なので余り物ではこれが精一杯でした」
「いえ、お気になさらず」
「すげー美味かった!」
「むしろ感謝するべきはこっちの方よ」
私としては昔のシグナム達はあまりロクに食べていたイメージがなかったので気を利かせただけなんですけどね。とりあえずみんながチャーハンを掻き込んでいる間に準備した紅茶とミルクを出して私も座ります。
「本当なら病院に担ぎ込むのがいいんでしょうが………シグナム達が不審に思われるのは間違いないので今はやめておいた方がいいですね」
「すみません………」
「皆が気にすることではないですよ。ぁ、紅茶熱いので気を付け「あちっ!」てって………遅かったですね」
この後のことを決めようとしたところ。と言っても主たるはやては気絶中(シャマル曰くそのまま寝たらしい)なので、決めるのは現状の対処だけですが。
「………夜も遅いですし、それを飲んだら今のところは寝て、明日全部決めましょう。布団は………毛布で我慢してもらうしかないですね。そこはすみません」
私はヴィータの紅茶にミルクを入れて混ぜながらフーっと冷まします。もちろんすぐに冷めたりはしませんが。
その後私の部屋へみんなを案内し、ヴィータとシャマルをベッドで寝かせて私とシグナム、ザフィーラはリビングで寝ました。
空き部屋もあったのですが掃除しないといけないので、今のところは私の部屋で寝てもらいました。ちなみにシグナムはベッドの広さが足りず、リビングで寝ると申し出たので私とリビングで。ザフィーラは獣形態でその側に。
翌朝、はやてがまたビックリしないようにはやてより少し早起きして朝ごはんの支度。もちろん米も量が少ないと思い、追加で炊きました。
それからはやてへ朝ごはんついでにシグナム達のことを紹介も兼ねてすべて説明しました。その後になるほどなぁと言うはやてに付いてはやての部屋へ。
「覚醒の時と眠ってる間に闇の書の声を聞きませんでしたか?」
「うーん………私魔法使いとちゃうから漠然とやったけど………ぁ、あった」
机の上の小物入れの中をゴソゴソと何か探すはやて。すぐに目当てのものを見付けたようです。
ちなみにヴォルケンリッターのみんなは入口近くでみんな跪いてます。私はその後ろで苦笑いを浮かべながら扉に寄りかかってます。
「わかったことが1つある。闇の書の主として守護騎士みんなの衣食住、きっちり面倒みなあかんゆうことや。幸い住むところはあるし、料理は得意や。兄やんもよぉ手伝ってくれるし」
「では、ザフィーラと2人で先に空き部屋の掃除始めておくので女性陣の採寸しておいて下さい。ザフィーラの場合、普段を獣形態でいるなら服は不要でしょうしね」
「了解や。採寸終わったら私はみんなの服買って来る。この格好でおらすわけにはいかへんから」
その後ザフィーラと空き部屋の清掃を開始。しばらくしてヴィータと少し頬が紅潮したシグナム、シャマルの3人も合流。ちなみにこの時の採寸がきっかけで後々はやては揉み魔へと覚醒………することはまだ誰も知りません。
───現在
「そう、本当に。今までの主とは何もかもが違っていた。主はやての我々への対応はこれまでの主のように高圧的であったり道具のように扱うものでもなく」
「家族として迎え入れるような、ですか?」
「はい。そんなところです」
「きっと、嬉しかったんですよ。ずっと独りきりで、私が一緒に住むようになったのもほんの少し前。はやてにとっては文字通り家族が増えたのですから」
石田先生曰く、私が加わっただけでもはやては変わったらしいので、この時のはやての気持ちは想像に難くなかったです。早くに両親を亡くしたはやてにとって、本来ならもう手に入らないものが手に入ったんですから。
「ですから、あの夜の………主はやての蒐集するのは良くない、という言葉は私の胸に刺さりました」
「はやては自身のことよりも他人のことをよく考えられる良い子ですからね。他人の迷惑になるのなら反対するでしょう」
「ですが、先月のあの決意。後悔はしていません」
───1ヶ月程前
それから1ヶ月ほどしてからでしたね。いつもの検査のあと、私とシグナム、シャマルが石田先生に呼ばれて。行ってみるとはやての命の危機を告げられて。なんでも、半年前から足の麻痺が上へと進行してきてるとか。
「何故っ!何故気付かなかった!」
「ごめんっ!ごめんなさい!」
「お前にじゃないっ!自分に言っている」
壁を思いっ切り殴り付けるシグナムと、その側のベンチで泣き崩れるシャマル。私も2人ほど表に出してはいませんが、側の壁に寄りかかって拳を強く握りしめ………正直かなり苛立っていました。もちろん、シグナムやシャマルに対してではなく、はやての異常に気付けなかった私自身に。
はやての足の麻痺は当初の私の推測通り闇の書の呪い。幼少期から共にあったのではやてと密接に繋がっていた闇の書はリンカーコアが未成熟なこともあって、はやての肉体機能、生命活動を蝕んでいました。そしてそれははやての最初の覚醒───闇の書の起動したあの夜───で加速。
「私達4人の活動維持のため、極わずかとはいえ主の魔力を使っているのも無関係とは言えないはずだ」
検査のあと、1度帰宅してからヴォルケンリッター4人と私は外で集まって事の経緯をザフィーラ、ヴィータにも説明。あの時の落ち込むヴィータは見ていて痛々しかったです。
「助けなきゃ………はやてを助けなきゃ!」
はやてに1番懐いていたヴィータだからこそ、余計に、そう思ったんでしょうね。目から涙を流してそう訴えるヴィータからは、とても強い意志が感じられました。
もちろんシャマルの治癒でなんとかなるレベルの話ではなく、この4人に出来ることはほとんどないと言っていいくらいに少なかったです。
「1つ、方法が無いでもないですよ」
私はそんなみんなを見るに見かねて口を開きました。
「はやては反対していますが………闇の書を完成、させましょう。そうすれば、きっとはやても」
「そうか………主として真の覚醒を得れば!」
「我らがある時の病は消える。少なくとも進みは止まる!」
「そういうことです。もちろん、私も手伝います」
「しかし、刹那は闇の書には」
「無関係、ですか?私がはやての義兄だと言うだけで協力する理由としては十二分だと思いますが?」
私としても可能ならはやてに黙って蒐集なんて方法は取りたくはありません。しかし、病気の原因が闇の書の呪いである以上、それを完成させる以外に道はない。
───再び現在
「さて、と」
はやてが帰宅してから私は外出。先にも言ったようにヴィータと合流するためです。
私が蒐集に力を貸す理由。もちろんはやてを助けたいというヴォルケンリッターと共通のものもあります。が、私にはもう1つ。闇の書、もとい夜天の魔導書の封印。
このことはこの4人には言えませんが、その方法もおおよその目処は付けてあります。最後は、この4人をも裏切るような形になりそうなので、これも可能なら避けたい方法ではあるんですが………。
その方法。それは夜天の魔導書のページを全て埋め、はやてを覚醒させる。そしてそこからはやてが完全に夜天の魔導書と一体化して真の覚醒をするまでの僅かなタイムラグの間に夜天の魔導書の中枢へ侵入。防衛プログラムを全て一気に封印する方法。
当然、防衛プログラムに守護騎士システムも含まれているのでシグナムらは間違いなく消えてしまいます。理論上可能、と言うだけなので実際に出来るかどうかはまた別問題。かなり危ない橋を渡ろうとしているのは百も承知。出来ることならシグナムらのことも助けたい管理者権限が使えれば切り離すことも可能でしょうが………ページを埋めてはやてが覚醒した時点ではやては無意識下に置かれるはずなので、万に1つも可能性は残ってません。
はやての命のために、はやてをここまで愛してくれてる4人を犠牲にする。しかもそれははやては絶対に望まないことで、恐らくその時ははやては私を軽蔑するでしょう。1番の悪役は私ですね。自分でも笑えてきます。
古代ベルカで夜天の魔導書に敗北してからクラウスも後々のために………対策を練っていたのですが、それでもこれしか結論は出ずに。いえ、従来通りの夜天の魔導書ならそれで良かったんですが、主たるはやてがそれを望まないってはっきりわかっているが故に。
「我ながら………最低ですね」
私はそう呟いた後、転移。蒐集へと向かいました。
そう言えば今の書き方に変えてからフルで刹那視点ってのは初かな?過去の回想とかははやて視点がやりやすいんですけど、進行上はやて視点に入りにくかったのでこうなりました。
シグナムと刹那の模擬戦とかも入れたかったんですが、書いていくとめっちゃシリアスな流れになって、どうも模擬戦!って雰囲気じゃなくなったのでこれもカット。
というか我ながらオリ主がヘタしたら仮面よりも悪役やってる気がします。というか黒幕が刹那って感じですね。主人公なのに。
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