魔法少女リリカルなのは 覇王を継ぐ者   作:八雲ルイス

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DASS予選を見事制し、笑顔で溢れている刹那とアリシア。

しかし、この後待ち受ける悲劇を2人はまだ知らない


第2話 繰り返した過ち

刹那「ふぅ…少々疲れました」

 

アリ「試合のあとより疲れた顔してるよ、刹那。はい、スポーツドリンク」

 

 

表彰式も終わり、控え室に戻るや否や椅子に座り込む刹那。試合のあとの報道陣からの質問攻めと表彰式、そしてこの後に控えているヒーローインタビューのせいで精神的に疲れているのだろう。

 

アリシアはそれを察し、スポーツドリンクを渡して少しでも疲れを癒してもらおうとする。

 

 

刹那「この後はまたインタビューですか…流石に気が滅入りますね」

 

アリ「仕方ないと思うよ?ルーキーがいきなり全試合ワンラウンドKOしちゃったんだもん」

 

刹那「それはそうなんですが、仕事頑張りすぎですよ……」

 

アリ「まぁまぁ、帰ったらお祝いだよ!お母さん、今日は早く帰るって言ってたからパーッとやろうよ」

 

 

インタビュー自体はキャンセル出来ないので、少しでも元気づけようと明るい話題を出していく。刹那もお祝いには乗り気で、少しは疲れも取れたようにも見える。

 

 

刹那「ぁ、その件なんですが」

 

 

が、ふと思い出したかのようにアリシアを制する刹那。

 

 

刹那「恐らくこの後のインタビュー、時間かかると思うので、アリシアは先に帰っててもらえませんか?」

 

アリ「ぇー?一緒に帰ろうよぉ」

 

刹那「私を待っていたらお祝いの用意が出来ませんよ?仕事帰りのプレシアさんに手伝ってもらうの気が引けますしね」

 

アリ「むぅ……仕方ないなぁ。じゃあ先に帰ってるね?」

 

 

当然のことながら1人で先に帰ることには良い気のしないアリシア。しかし、せっかくの刹那優勝祝いの用意ができないことや、仕事で疲れてるプレシアにその用意を手伝わせることにも抵抗がある。

アリシアは渋々ながら刹那の提案を了承し、部屋を出る。

 

 

アリ「じゃあ、また後でね」

 

刹那「はい、また後で」

 

 

この時の刹那の選択が後にとても大きな後悔とトラウマに繋がったことを彼は知る術はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――約2時間後

 

 

刹那「ふぅ……これでやっと、帰れますね」

 

 

案の定、ヒーローインタビューでは色々なことを聞かれ、その後も報道関係者や格闘技ファン、はては選手にもみくちゃにされていた刹那。

私服に着替えを済ませ、身支度もすべて整え、セコンドをしてくれたプレシアの知人にも挨拶をして別れ、ロビーへと歩を向ける。

 

すると、ロビーは何やら(主に報道関係者が)慌ただしく喧騒に包まれていた。

 

 

刹那「やけに騒がしいですね………あの、すみません。何かあったのですか?」

 

 

とりあえず手近な男の人に状況を聞いてみることにする。

 

 

「詳しい事は分からない。けど、なんでもアンクレス地方にある魔導研究所で大規模な爆発事故があったらしい」

 

刹那「……っ!?それは本当ですか!?」

 

「そこの記者の人たちが話してたし、ほら」

 

 

その人は手に持つ端末を操作し、ニュース速報を見せる。そこには『魔導研究所にて大爆発事故!』の見出しの記事がデカデカと載っていて、写真もあった。まさしく、プレシアが務めている研究所であり、そしてアリシアの住む家のすぐ側だ。

 

 

刹那「ありがとうございます!!」

 

 

刹那はそれを見るや否や、お礼だけ済ましてから急いで外に出て、アンクレスへと向かう道を走る。

それなりに離れた場所だが、もう既に家に着いているであろうアリシアが心配で気が気ではなく、ただただ走った。

そしてミッドチルダ北部、アンクレスの郊外に差し掛かる当たりで山の影からもうもうと立ち上がる黒い煙が目に入る。

刹那は体力には自信はあるが、ここまで走ってきたこともあり、息は上がりきってヒィヒィ言っている。が、ここで立ち止まるわけにはいかなかった。

そんな時、刹那は違和感に気付く。息切れが酷すぎるのだ。長距離を走ったとはいえ、まだヒィヒィ言うほどではないはずだ。そこで刹那は1つの結論へと至る。

 

 

刹那「まさか……魔力と酸素による結合が起きている?くっそぉ!!ハイペリオン!!!」

 

HP〈 Get set〉

 

 

こここら先は魔力と酸素の結合はさらに酷くなる、と咄嗟に思い至った刹那はすぐさまデバイスを起動、白と黄緑を基調としたバリアジャケットに身を包み、自身の魔力で窒息しそうなのを防ぎながら家へと向かう。

『無事でいてくれ』刹那の頭の中はもうこれで一杯だった。

それから走ることさらに数分。テスタロッサ邸に着き、勢いよく扉を開き中に入る。そこには床に倒れているアリシアと猫のリニスがいた。

 

 

刹那「アリシア!!アリシア!!」

 

 

刹那はすぐにアリシアのそばに駆け寄り、揺さぶって起こそうとするが、返事はない。息もしておらず、胸に耳を当てても鼓動は聞こえなかった。

そんな時、刹那の脳裏にはある光景が広がる。旧ベルカ時代、ゆりかごの聖王になる決意をしたオリヴィエ。

自分が弱いばかりに大切な人(オリヴィエ)を救えなかった辛い過去の記憶。

アリシアを1人で帰らせた自分の間違った判断で大切な人(アリシア)を失ってしまった現実。

この2つが脳裏で重なり合い、刹那を襲った。

 

 

刹那「うわぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!!」

 

 

既に息絶えているアリシアを抱き寄せ、刹那は泣き叫び、ショックで気を失ってその場に倒れ込んだ。

 

 

HP〈 ……Spirit link full drive. Soul absorb, Get set.〉

 

 

ハイペリオンが何かを囁いた次の瞬間、気を失った刹那を中心としてベルカ式の魔法陣が展開。刹那の体が一瞬強い光に包まれたが、誰1人、その場で何が起きたのかは知らなかった。




はい、2話目投稿です!

1話のタイトルと時系列で何が起こるのか察していた人もいるんじゃないでしょうか?(笑)

ちなみにアリシアの年齢をここでは8歳、アニメ本編に換算すれば10歳としていますが、これはぶっちゃけ設定捏造しました!


プロローグはこれで終わりますが、本編までまだもう少し掛かります。それまでお付き合いくだされば幸いかな、と想います。

感想、誤字脱字の指摘etc……待ってます!
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