魔法少女リリカルなのは 覇王を継ぐ者   作:八雲ルイス

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どうしよう!そろそろ前書き書くことなくなってきた!

という訳で本編行きまーす


第22話 守る覚悟·救う意思

オリヴィエ………アリシア………そしてはやて。

私が守ると決めた人は誰一人、守れていない。もう、どうしていいのかわからない………

 

「守れなかった………」

 

私の頭の中ではゆりかごへ乗り込むオリヴィエ、そして私の腕の中で息を引き取るアリシアの2つの映像が何度も何度もループ再生されています。

今まで私が忘れていたもの、それはアリシアを守れなかった記憶。

アリシアは確かに側にいた。けど、守れなかった事実は変わらない。

そしてはやても。はやてに嫌われる事を覚悟して行動し、それでもなお守れなかった。

 

「私の決意は………覚悟は………無意味だったんですね」

 

私の意識は深い闇の中へと沈んでいきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───side アリシア

 

私は低空飛行を続け、刹那が倒されたビルの下まで来ると一気に上昇。そのビルの屋上まで行くと、ちょうど昇降口の影に刹那はもたれ掛かって座っていました。けど、刹那の様子がおかしい。私はそのすぐ近くに着地しました。

 

「刹那?」

「………」

 

私の呼びかけにも無反応。ダメージで気を失ってる?そうも考えて刹那の肩に触れて揺さぶりました。しかし、それでも無反応。

 

「刹那っ!」

 

耳元で叫んでみても、それでも無反応。

気になって俯く顔を覗き込んでみると、刹那の目は焦点があってなくて、よく見ると口が微かに動いていることに気付きました。

 

「守れなかった………」

 

口元に耳を近付けると、そう消えそうなほど小さな声で呟いているのが何とか聞き取れました。

 

「刹那………」

 

刹那の強さの意味は守る意志だって言ってた。けど、よく考えてみたら、それは守るという意思が刹那を支えているってこと。それを壊された為に精神崩壊を起こして今に至る、と私は推測しました。

刹那の記憶(クラウス)が守れなかった聖王オリヴィエ、魔導炉心ヒュドラの事故の時に守れなかった私、そして今回。嫌われることさえ覚悟してはやてを守ることを第1に考えていたにも関わらず、許してしまった覚醒。たぶん刹那はあの覚醒の瞬間に何らかの方法でシステム内に侵入するつもりだったんじゃないかな。

その唯一無二のチャンスを無駄にして、そこに過去の記憶がフラッシュバックしてるんだと思う。

クラウスは自身の弱さのせいで守れなかったと嘆き、私の事故の時は刹那は自身の判断の誤りで私を失い………それで刹那は力をつけ、どんな状況でも正しい判断ができるようにって注意を払ってた。

私は刹那は強くなったし、今でも間違ったことはしてない。そう思う。

けど、恐らく次元震の余波に巻き込まれたせいかな、それで私に関する記憶に蓋をしちゃって、そのせいで余計に今の刹那のを苦しめてるんだと思う。

私は刹那じゃないから刹那がどれだけ苦しんでるのかはわからない。でも………それでも!

 

「刹那!なのはとフェイトは………私も!まだはやてを諦めてないよっ!」

 

刹那には立ってもらわないといけない………刹那はこんな所で腑抜けてて良いはずはない!

私は刹那の肩を掴んで強く揺さぶりました。

 

「シグナムも、ヴィータも、シャマルもザフィーラも!助けよう?まだ間に合うよ!」

 

何度も、何度も揺さぶりました。それでも反応を返してくれない刹那。

 

「守れなかったんなら、助けよう?まだ間に合うよ!ねぇ!」

「私のしてきたことは………無意味なんです。今までも、これからも」

 

そしてとうとう自身を否定し始めて………

 

「このっ………わからず屋っ!」

 

バチーン

 

それに我慢出来なくなって、私は刹那の頬を思いっ切り引っぱたいてしまいました。

 

───side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の意識は真っ黒な闇に染まり………どんどん奥深くへと沈んでいき………

私は自身の弱さのせいでオリヴィエを失い、誤りのせいでアリシアを失い………もうそんなことは繰り返すまいとしてきた。時には道を踏み外すこともあった。けど、支えてくれる人が、導いてくれる人がいた。だから正しい道に戻ることが出来た。

それでもなお、はやてを失った。過ちを繰り返してしまった。

もう私には何も見えない。何も聞こえない。

守るものを失った私には存在する価値なんてもう無い。

 

───守れなかったんなら、助けよう?

 

ふと、私の心にそんな言葉が響いてきて………

 

───まだ間に合うよ!ねぇ!

 

まだ終わりじゃない、そう私に訴えかけ、手を差し伸べてくれる光。しかし、私にはそれをとる自信も覚悟も、資格もない。

 

「私のしてきたことは………無意味なんです。今までも、これからも」

 

その一言で差し伸べられていた光はフッと消え………

 

───このっ!わからず屋っ!

 

「っ!」

 

たかと思った途端、私の頬に強い衝撃を受け、私の意識は半ば強引に引き戻されていきました。

 

「いっつぅ………」

 

頬の痛みで私は目を覚ました。正面へと顔をやると、そこには涙を流しているアリシアがいて………引っぱたかれた、そう気付くまでに時間はいりませんでした。

 

「何1人で何もかもが終わったようなこと言ってるの!まだ終わりじゃないし誰も諦めてなんて無いよ!刹那は………私が大好きな刹那は!こんな程度の危機じゃ諦めないし、弱気になんてならない!今の刹那なんて………大嫌いっ!」

「大嫌い………ですか」

 

私を引っぱたいて、それでも目から涙を流しながら訴え続けてくるアリシア。そんな姿を私は見たくなくて、手を伸ばして指でアリシアの涙を拭いました。

 

「喧嘩した時にも、大嫌いとは言われたことは無かったですね」

「刹那っ!記憶が戻ったの?」

「はい、おかげさまで。殻の中から失った記憶ごと無理矢理連れ出されました」

 

自分で引っぱたかれた頬をつんつんとつつくと、アリシアはバツが悪そうにして

 

「ぇっと…………ごめんなさい。思いっ切りやっちゃって………」

「構いません。むしろ手遅れになる前に引っぱたいてくれて感謝してます」

「ぇ………刹那ってえm「それだけは断じて違います」」

 

アリシアからの一撃が無ければ恐らく、私が今こうしていることは無かった。そう断言できます。もちろん私はMではありません。断じて違います。

しかし、喧嘩した時ですら大嫌いと言われたことは無かったが為に、大嫌いという言葉は私の胸の奥深くまで突き刺さっていました。つまりどういう事か。それを自覚し、気づけば私はアリシアの背中へ手を回して抱き締めていました。

 

「ぇ?ふぇぇぇ!?!?」

 

もちろん当のアリシアは顔を耳まで真っ赤にしてバタバタ。しかし、私は離すまいと更に抱き寄せます。

 

「私の大好きなアリシアにあそこまで言われたんです。ここで諦めたら覇王としてのプライドと男が廃ります」

「っ………ぅん」

 

大好きな刹那、そう言われた意趣返しで私も大好きなアリシアと付けて決意を新たにしました。もちろん大好き、と言ったのは意趣返しのためだけではなく、私自身の本心です。いつだか使えられることが出来なかった言葉、それをやっと伝えることが出来、ホッとしました。

一方のアリシアはそう言われたことが嬉しかったのでしょう、真っ赤のまま私の胸に顔をうずめました。

それから程なく。私がアリシアを抱擁から解放すると、アリシアは私に背を向けて座り込み、あわあわとパニック状態。余程先程の告白が嬉しかったのでしょうね

 

「さて、と。みんなはまだ戦ってるんですか?」

「ぇ?うん。クロ助が封印の方法探してくれてるから今はその時間稼ぎだよ。大丈夫、きっとはやては」

「………助けますよ。絶対に。アリシアの時も助けられたのです。今回出来ない道理はありません」

「うん!」

 

私は座り込むアリシアの隣に膝をつきます。アリシアは満面の笑みと共に私の背中に掴まり………

 

「飛ばしますよ………旋風脚っ!」

 

私は精一杯の断空を乗せて蹴りだし、加速。戦闘空域へと向かいました。アリシアは高速機動を売りにした戦闘スタイルですが、単純な直線移動だけなら旋風脚で加速した私の方が速いので私がアリシアを運ぶ形を取ってます。もちろん(言い方は変ですが)小回りを含めたちょこまかとした機動力は私ではアリシアやフェイトには及びません。

 

「あの光………何でしょう?」

「なのは!フェイト!今の状況教えてっ!」

 

ある程度移動すると、遠くの空にピンクの球体とそれに集まる小さな光が。咄嗟にアリシアはなのは、フェイトに念話を繋ぎます。

 

〈私の魔法がコピーされてて、それで!〉

〈しかも結界内に人が取り残されてるの。今私となのはでそっちに向かってるところ〉

〈わかりました。私達もそちらに合流します。逃げ遅れた人の位置、送ってください〉

 

すぐにバルディッシュから逃げ遅れた人の位置情報が送られてきて、私は一度道路に着地してからその方向に再加速しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───side 紗綾

 

私、今めちゃくちゃ混乱しています。だってそうでしょ?ついさっきまで人で賑わっていたのがいきなりみんな消えちゃって………残ったのは私と一緒にいたアリサ、すずかだけ。私に出来るのは2人の手を引いて一緒に逃げることだけ。

 

「やっぱり誰もいないよ!急に人がいなくなっちゃった」

「ぅん………」

「辺りは暗くなってるし………向こうは何か光ってるし………逃げよう!アリサちゃん、すずかちゃん!」

 

遠くの空は何かピンクの球体が光ってて………何かはわからないけどあれは危険、そう思って2人の手を引いてその場を離れました。

 

───side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───side フェイト

 

なのはの集束砲撃(スターライトブレイカー)………私は1度直撃を貰ったから良くわかるけど、あれは至近で食らったら危険。何の防御も意味をなさなくなるから………ぁ、思い出したら少し震えてきたかも………

 

「フェイトちゃん………」

「………ううん、大丈夫」

 

今私はなのはを抱えて全速力で退避してるところ。なんだけど、バルディッシュから一般市民が残ってるって言われて、そっちの方へ向かってる。距離をバルディッシュがカウントしてくれてるから………もうすぐっ!

 

「なのは、この辺で」

「うん!」

 

私は今の速度のままなのはを離し、なのははそのまま着地。と言っても何十メートルも地面を擦ってたけど。私の方はゆっくり減速して信号機の上に着地。なのはの立てた砂煙がスゴい煙たい。私のせいだから我慢しなきゃだけどね。お姉ちゃんと刹那は………まだみたいだね。

丁度そこでバルディッシュのカウントが18を示して………つまりここから18ヤード、大体18メートル弱くらいの所に一般市民がいるってこと。私となのははあたりをキョロキョロとしてその人を探しました。

すると建物の影から出てくる3つの人影が見えて

 

「あの!すみません!危ないですからそこでじっとしてて下さい!」

 

なのはもそれに気付き、大声で呼び掛けます。その人影ものはの声に気付きこっちに愕然振り向き。

 

「なのは………?」

「フェイトちゃん?」

「ぁ…………」

 

まさか残った人って言うのがアリサとすずか、お姉ちゃんの友達の紗綾さんだったなんて………思ってもいませんでした。

丁度そこで交差点の別方向から刹那と、それにおんぶされてるお姉ちゃんも来ました。

 

「ぁ、アリシア………ちゃん?」

「それに刹那君まで………」

「なっ………」

 

当然お姉ちゃん達も唖然としてて………集束砲撃(スターライトブレイカー)が発射されてみんな我に返りました。

 

───side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさか、すずか達に見られて私達は唖然………しかし、そうも言わせてくれないのか、あの光、スターライトブレイカーは発射されて着弾。大規模な余波がこちらへ襲いかかってきました。

 

「フェイトっ!すずか達をお願いします!みんな私の後ろで障壁!私が相殺します!」

「っ………うん!」

 

フェイトがバルディッシュのカートリッジを使い、強化した防御結界をアリサ、すずか、紗綾に張ってその正面に降りてプロテクションを展開。アリシアもフェイトの横でプロテクション。そのさらに前になのはが、これもカートリッジを使って強化した障壁を展開。私はさらにその前に立ち………

 

「はぁぁ!」

 

地面へ思いっ切り震脚。それに呼応するように目の前の地面がせり上がり、大きな壁を作ります。次の瞬間、スターライトブレイカーの余波がそれに直撃。私達は必死でそれに耐えました。

 

〈なのは…なのはっ!大丈夫!?〉

〈フェイト!?〉

〈っ………大丈夫、ではあるんだけど〉

〈アリサに、すずか、紗綾さんが結界内に、取り残されてるんだっ!〉

〈私と刹那の心配してくれなかったのが引っ掛かるけど、そんなことより3人の安全確保!お願い!〉

〈何だって!?〉

〈エイミィさん!〉

 

すぐにユーノとアルフから通信が来て、すずか達のことを伝えると余波が収まり次第安全な場所に転送してくれるとのこと。とりあえず良かった。あとは………なんとか堪えるだけっ!

 

「絶対に守りますから!うぉぉぉぉぉぉ!!断絶衝っ!!」

 

目の前の壁が崩れ去るその瞬間、私は左手を左から右へ一閃。空破断を応用した衝撃波の壁を張って余波を凌ぎきりました。

 

「もう大丈夫」

「すぐ安全な場所に運んでもらうから!」

「もう少しじっとしててね」

「巻き込んでしまいすみません」

 

とりあえず安全は確保。すずか達も蹲っていたところから立ち上がって事情の説明を求めようとしたところで3人の足元に転送用の魔法陣が展開。驚く3人を他所に安全なところまで転移していきました。

 

「見られちゃったね………」

「うん………」

「残ってるなんて………想定外だったよ」

「事情………あとで全部話さないといけませんね」

〈ユーノ君、3人のこと守ってあげてくれるかな〉

〈アルフもお願い〉

 

見られたのは仕方がない。なので、安全なところへ転移してはもらいましたが、結界内から出すことは現状不可能。つまり、安全なところとは言っても比較的安全と言うだけで危険なことには変わりない。なので、ユーノとアルフに3人を守るようにお願いします。

 

〈でも………〉

〈行こうアルフ。気がかりがあると、みんな思いっ切り戦えないから〉

〈それと、こう言っては難ですが、守りながらというのは現状得策ではありません。お願いします〉

〈………うん〉

 

それを渋るアルフですが、私とユーノの言葉で納得してくれました。

 

「そう言えば………その」

 

そこで私はなのはとフェイトの方へ向き直り、深々と頭を下げました。

 

「ぇ!?」

「ちょ………刹那!?」

「私が弱気になったせいで………迷惑をかけました。すみません」

 

そして先程までの私を、戦力を削ってでもアリシアを私の元へ寄越してくれたことを謝罪しました。

 

「ううん、私は気にしてないよ?」

「何言われたのかはわからないけど、また、元気になってくれてよかった」

「ありがとう……ございます」

 

私は再び夜天の魔導書へと向き直ります。

 

「では、反撃の開始です!」




連続投稿じゃぁぁぁい!疲れました!

ここの流れは前々からすっごく悩んでて、直前まであーでもないこーでもないと………で、至った結末がこんな感じになってます。あまり自信はありませんがっ!

では、感想や評価よろしくお願いします!
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