魔法少女リリカルなのは 覇王を継ぐ者   作:八雲ルイス

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更新遅れてすみませんっ!

オールオリジナルのエルトリア編………すごく難しいです。いい流れがなかなか思い浮かびません!仕事の休憩の時とかに色々妄想してますが、何故か最初ISのネタばかり思いつく謎現象(書く予定は今のところありません)

と言うのは事実なんですが、先週買ったウルトラサンにハマっていたのが真実だったりもします。旅パがアローラ感全くないです!


第35話 根源

ウリエルとの出会いの翌日。私達は天界を調べることに。とは言っても聖杯侵食の影響でそもそも中に入れるのか、それが気掛かりでした。

 

「私が行く」

 

そう真っ先に声を上げたのはキリエ。曰く、キリエなら内部のデータをフォーミュラを使って取れるから、とのこと。環境に対してもその応用ですぐ対応出来るのだとか。結局ウリエル同伴で天界への斥候はキリエに決まり。すぐに決行しました。

天界へと通じる渓谷の入口で待つこと2時間。2人は私達の元へ戻ってきて、即作戦会議。聖杯の侵食の環境への悪影響、敵性存在等々のデータは流石キリエと言わせるものがありました。

ちなみに環境への悪影響は全く無し。生身で入っても問題ないみたい。ただ、問題は敵の数。天界内の唯一の都市、王都付近はまるで餌に群がる蟻のようにうじゃうじゃと黒い影が埋め尽くしている様でした。天界の住人が侵食されて群がっているのかとも考えたのですが、どうもそうではないらしく、聖杯を侵食した強力な闇の魔力の影響で現界した思念体の様です。しかし、並の思念体とは質が違って、魔力反応はとても濃く………そして1つ気になる事がありました。

 

「この魔力………私、知ってます」

 

その魔力の反応………私の記憶に1つだけ同じものが残っていました。

 

「深遠なる闇………」

 

そう、夜天の魔導書の事件で最後に文字通り血戦をした深遠なる闇。あれと同じでした。

全く同じかと言えば少し違和感もあって、恐らくそれは聖杯を100年に渡って侵食してきた影響でしょう。

これは私の推測ですが、私が身をもって撃たせたアルカンシェルのダメージが深刻で、回復にこれだけの長い時間が掛かったのでしょう。私より100年近く前に飛ばされたのは偶然でしょうが………

その時のことを私はここにいるみんなに話しました。

 

「まさか刹那の因縁?」

「ある意味私も。紫天の書は夜天の書の一部みたいなものだから」

「けど、刹那ってボク達の中でも強い方だよ?しかも全盛期のリインフォースもって言ったら今の何十倍も魔力持ってて強かったんでしょ?」

「そのオリヴィエって人は地球行った時会ったけど、底知れぬ何かがあったわね。大昔からゆりかごの聖王って呼ばれて畏怖されてたらしいわよ?聖王教会って言ってそれを祀る場所もあるらしいけど」

「ちなみにそれの対をなす覇王の末裔が目の前にいますけどね」

 

オリヴィエに直接会ったキリエ、全盛期のリインフォースを知っているレヴィとユーキ。それを直接知らないですが、ウリエルは私達の話から私と全盛期のリインフォースにオリヴィエの3人掛かりで苦戦し、挙句の果てに自爆覚悟のアルカンシェル特攻で何とか相打ちに持ち込めたという深遠なる闇の強さを想像して鳥肌を立てていました。

 

「しかし、そうなると問題があります」

「問題って?」

「あの血戦で使った切り札、アルカンシェルかそれに相当する火力の出せる攻撃がない事です。100年経ってどれだけ回復してるのかはわからないですが、私が戦った時と同様を考えると………」

 

あの時使ったアルカンシェル。あれは確かに私達の切り札で、私が自爆覚悟の特攻したのも、それを確実に当てる為でした。

アルカンシェルはそもそも管理局の艦船が無いために、それ相応の火力を用意する必要があるのですが、あのレベルの火力を人の手で出せるのか?それが問題でした。

 

「ユーキの永遠結晶(エグザミア)に掛けてある封印を解くのはどう?あれならなんとかなると思うと思うな」

「ダメよ。確かにそれならアルカンシェルクラスの火力は出せるかもしれない。けど、そもそもそれをユーキが制御出来ないわよ。地球で起きたことの二の舞よ?」

「私もそれを考えた。でも、やっぱり危険」

「そっかぁ………良い考えだと思ったんだけどなぁ」

 

唯一出た案はユーキとユーリの永遠結晶の封印の全解除。私はデータでしか知りませんが、あれの魔力は絶大で、確かにアルカンシェルクラスの火力は出るでしょう。が、そもそも地球でユーリはその力を制御出来ず、暴走。結果として人格と魔力を分けた上で封印を10段階に掛けたのです。ちなみにその封印の解除は私とディアーチェで半分ずつの承認制。半分だけなら仮に全て解除しても制御は可能らしいですし。

結局、そのユーリを止める時に使ったディアーチェのトリニティ、あれに賭けることに。暴走のリスクを考えれば一番安全な手段。現状の私達の攻撃系統の魔法では最大威力ですが、深遠なる闇を完全消滅できるかは不明。かなり歩の悪い賭けになりそうです。

 

「さて、と。賭けとは言えやることは決まったわけですが………」

 

私は丁度天界のある方向の空を見上げます。そこにあるのは天界辺りを中心にして少しずつ広がっている黒い雲。

 

「っ!?」

「アレなんなの!?すっごくやな予感しかしないんだけど!」

「恐らく、聖杯の侵食が終わって、エルトリアそのものを侵食しようとしてるんだと思う。早くしないと取り返しがつかないことになる」

 

タダでさえ龍脈を通じて星そのものが弱っていると言うのに外からも侵食されたら今のエルトリアでは長くは持ちません。時間をかけるのは今は最悪手。例え闇を祓えたとしても侵食が広がってしまえば復興すらできなくなります。

 

「行くしか、ないですね」

「そうみたい」

「さっき見てきた感じだと戦力の差はざっと1000対1ってところ?ま、それでもやるしかないんだけど」

「さーて、ボクも腕が鳴ってきt「レヴィは突入しませんよ」えぇ!?」

 

なんでなんでぇ!と私の袖を掴んでぶん回すレヴィ。唯一レヴィだけ中で戦わせてもらえないので気持ちはわかりますが。

 

「レヴィにはディアーチェやリインフォース達を呼んできて欲しいんです。今のメンツで1番速いのはレヴィ。頼れるのはあなただけなんです」

「ボクだけ!?」

「はい、レヴィに『しか』出来ない『重要な』任務です。1秒でも早くディアーチェ達の援護を連れてきて下さい」

「ボクにしか……… 重要………うん、わかった!」

「頼みますよ」

「うん!行ってくる!」

 

私は言葉の節々をわざとらしく強調して説得。レヴィは基本的に単純な子なのでこういう時は楽でいいです。

レヴィはスプライトフォームを展開するとすぐに飛び立ち、数秒の内に見えなくなりました。

 

「………さて。残った私達ですが、貧乏くじです」

「だろうと思った」

「ディアーチェにまた仲間を失う悲しみを味合わせたくありませんから」

 

地球で暴走したユーリにワクチンを撃ち込む際、特攻を掛けて犠牲となったシュテルとレヴィ。正確には力尽きてディアーチェの内部で回復していたのですが、その時のディアーチェは相当に悲しんだそうです(シュテル談)。失う悲しみは私がよく知っていること、それをまた味合わせるのは酷というものです。

 

「とは言っても、嘘は言ってませんよ?どの道誰かが残らないといけないので」

「そうねぇー。確かに、ここにいるメンバーなら最善はレヴィよね。ウリエルもレヴィ並に速いけど、王様達はウリエルのこと知らないし」

「ウリエルは中に一緒に来てもらった方がメリットが大きいのも事実」

「キリエのオルタだっけ?アレをこんな所で使うのもバカバカしいしね。そもそもそんなにオルタも持たないでしょ?レヴィのスプライトは素で速いから燃費の問題もないし」

「という訳です。さ、行きましょう」

 

私達は踵を返して渓谷の奥へ。天界の入口たる結界を抜け、その中へ。そして渓谷を抜けると………

 

「………何ですか、これは!?」

 

そこに見えた光景、それは広がる広大な平野と遠くに見える王都と思われる巨大な都市。それはキリエの事前調査通り。1つ違うのはそこにいる思念体。キリエの調査では王都周辺のみでしたが、今見えるのは私達のいる渓谷出口近辺全て思念体で覆われていて、恐らく王都までこれは続いています。

そして当然の如く、私達が姿を見せたことで近くにいた思念体から飛び掛ってきます。私達はそれらを殴り飛ばしたり撃ち抜いたり斬ったりで対応しますが、キリがありません。

 

「そりゃあ………こうなる、わよね」

「ある意味想定通り。悪い意味、だけど」

 

キリエを突入させた時点で私達が嗅ぎ回っていることは敵にバレるので、こうなることは想定していました。なんて言ってもこの付近にある天界の入口はここだけなんですから。

とは言え、この数は流石に想定外。ここまで増殖させてくるとは………下手に空を行けばこれら全てからの攻撃を受けてしまいますし。

 

「王都の門はまっすぐ突っ切ったところよ。何とかそこまで行ければ………」

「空は集中砲火を受ける。なら、地上を突っ切るしかない。刹那」

「………わかりました。1段階だけ許可します」

「ありがと。エグザミア、リミットリリースレベル1。魄翼展開。みんな、私の後ろに」

 

ユーキの力はまだ温存すべき、私の中にそれが浮かびました。が、ユーキの真剣な眼差しを受けて1段階のみ承認。正直、1段階だけでも出力はかなり高いので大丈夫だとは思いますが。

エグザミアのリミットを1段階外したユーキは身体の左右に赤黒い霏を展開、それは炎のように燃え広がりながら私達を包み、鏃のような形を成していきました。

 

「グリムゾンダイブっ!」

 

そして目の前の思念体の群れに突っ込む形で突撃。立ち塞がる思念体を次々と轢き倒し、突破していきます。

王都の門まであと少しという所で、ユーキは鏃から飛び出し、こちらに飛びかかってきた思念体へ右手を突っ込み、それの魔力を取り込みます。

 

「展開!ブラッドフレイムソードっ!エンシェントマトリクス!!」

 

そしてその取り込んだ魔力を赤黒い巨大な剣として顕現させ、近くの思念体を斬ってから門へ向けて投げ飛ばしました。門に直撃したその剣は大きな爆発を起こし、更にそこへ私達を纏った鏃も突っ込む形で突撃しました。門に直撃する直前に離脱した私達は門の前に着地、ユーキもすぐ側に着地しました。

爆発による砂煙が晴れると、そこにあったのはほとんど傷の付いていない王都の門。

 

「なっ!?」

 

まさかリミットを1段階しか外していないとは言え、ユーキのマトリクスの火力でダメージがほとんど通らないのは予想外でした。

私達がそれに驚いているあいだも後ろからは先程突破してきた思念体が次々と飛び掛ってきて………ユーキとキリエ、ウリエルがそれの迎撃をしています。

門を開けるのは恐らく不可能なので破壊するしかないのですが、ここで時間を使うのもよろしくありません。

 

「一撃なら………なんとか行けます」

「王都の門の強度は私がよく知ってる。ちょっとやそっと外から攻撃したくらいじゃ壊れないわよ!?」

「外から、ですよね。ならば、答えは1つ」

「ぇ?」

()()()()破壊します」

 

確かにエンシェントマトリクスは高火力ですが、表面上のダメージに過ぎません。それで破壊できないのはここ出身のウリエルが一番よく知っています。もちろん、マトリクスで人が通れる穴でも空いてくれれば御の字でしたが、そうは問屋が卸さないらしく。外からが無理なら内側から、それも特大火力を内側からぶち込む必要がありそうです。

 

「そんなことどうやって………」

「すぅ………鏡花水月っ!」

 

私は反論しようとするウリエルを無視して覇王流の構えを取ります。そして右腕に魔力を集中。以前使った時の後遺症は残っていますが、一撃くらいなら耐えられるでしょう。

 

「爆砕断空拳………3連っ!!」

 

私は鏡花水月を乗せた3連の断空拳を門のど真ん中へ打ち込み、今度こそ人が通れる穴を開けることに成功しました。

 

「うっそぉ………」

 

それを見ていたウリエルはポカーンと半分放心状態。ですが、キリエに連れられてすぐに中へ。

しかし、ユーキだけ王都に入って来る様子がなく、迎撃を続けていました。

 

「ユーキも!早く!」

「私も中に入ったら、この思念体も追ってくる。闇と戦うのに挟み撃ちにされるのは良くない。だから私がここでこれを食い止める」

「けど、この数相手じゃ!」

「無理でも、誰かがやらなきゃダメなの。でも、キリエもウリエルも刹那もこの大多数相手にするのは不得手。私ならむしろ得意。だから、先に行って」

 

純格闘技者の私や剣士のウリエル、キリエにしてもこの数相手にするのは手に余るでしょう。確かにユーキの言うことは理にかなっていて正しいですが、如何せん数が数。数万近くいる思念体を1人で食い止めるのは無茶がすぎます。

が、ここでこれ以上戦力を割くわけにいかないのも事実で………

 

「ユーキ、無理しないでね」

「後で合流、するからね!」

「もちろん」

 

ウリエルもキリエも内心では納得していないでしょう。しかし、こうするしかないともわかっている様で、無理矢理笑顔を作って先へと駆け出しました。

 

「刹那も、行って」

「………私に承認権限のある封印解除、全て外します。ここは任せます」

 

私もユーキに掛けた封印を全て承認し、奥へと駆け出しました。これでユーキは自分の意思で半分までなら封印を外すことができるように。これなら、この数が相手でも何とかしてくれる可能性があると信じて………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───side ユーキ

 

「………刹那」

 

私はエルトリアに来てからずっと刹那と一緒にいた。もちろん私自身生まれて間も無いこともあって、刹那が私の世話係という立ち位置だったこともあるけど、何故か私にとって刹那の側は落ち着いた。ユーリがディアーチェのそばに居たがる様に、私も刹那の側にずっといた。

これが恋愛感情で好きってことなのか、それは私にはわからない(そもそも恋愛感情がどういうものかよく知らない)。もちろん他のみんなの事も大切だし、離れるのはイヤ。エルトリアも大切な私の居場所。それを奪われるのはもっとイヤ。なら、私はこの身を盾にしてでもそれを護る。それがみんなの為………ううん、違うな。刹那の為なんだ。

 

「リミットリリース………レベル2っ!」

 

私は更に封印を解除、押し寄せてくる思念体へとキリのない攻撃を開始していった。

 

───side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

───side ユーリ

 

ユーキや刹那達が何も無い場所の調査に出てから今日で2日目です。予定ではそろそろ着いた頃でしょうか?未知の領域なだけに心配は着きません。

そんな私は今はシュテルの手伝いで水循環システムの開発中………ではなく、ディアーチェの手伝いで夕ご飯の支度をしています。丁度その時でした。

 

「っ!?」

 

私自身に起きた大きな違和感………そう、例えるなら今まで鎖で縛られていた物が解き放たれたような。

………まさか!?

 

「ん?ユーリよ、どうかしたか?」

「………」

 

突然動きを止めた私をディアーチェ隣で仕込みを進めているディアーチェが心配してくれます。

 

「ユーリ?ユーリ!?」

「ディアーチェ………」

 

震え上がって反応を見せない私。ディアーチェが肩を揺すったことでやっと我に返って、怯えるような目でディアーチェの方へ向きました。

 

「エグザミアの封印………半分、外れました」

「なっ!?」

 

私のこの一言、それだけでディアーチェはすべてを察しました。封印の解除の権限があるのはディアーチェと刹那。私の横で夕ご飯の支度をしていたディアーチェが外すことはまず有り得ないので、外したのは確実に刹那。

こういうことは特に慎重な刹那がこれ程の決断をしたということは、それだけ自体が切迫しているということ。

 

「こうしてはおれん!我らも行くぞ!」

 

コンロの火を止め、エプロンを脱ぎ捨ててからディアーチェは外へ。私もエプロンを脱いでから地下へ向かいました。

その後、地下で研究を進めていたシュテルと自身の部屋にいたリインフォース、アミタ、イリスと私達は家の外に集まりました。

 

「先程、ユーリに掛けてあるエグザミアの封印が半分解除された。まず間違いなく、外したのは刹那だ。つまり、それだけ向こうの自体は良くない。緊急を要すると言っても良いであろうな。我らも援護に向かおうと思うが、異論はないか!」

 

みんなディアーチェの言葉で驚いている様ですが、異論は出てきませんでした。

すぐに私達は行動を開始。アミタとリインフォースは車庫へ向かい、バイクを出しました。アミタは自前のものですが、リインフォースはキリエのそれを。すぐに私とディアーチェはアミタ、リインフォースの後ろに乗り、バイクを発車。シュテルは一足先に北へ向けて飛び立っていたので、それを追い掛けました。ちなみにイリスはもしもの時のために居残りです。

 

「みんな………無事でいてくださいっ!」

 

私は気を紛らわす為、リインフォースに捕まる手に少しだけ力を入れました。




かれこれ2週間かかりましたが、やっと投稿できました。冒頭にも書きましたが、遅れてしまい、すみませんでした。

ちなみにユーキ(ユーリ)の封印解除時の出力は大体ですが、半分外した段階でGoDでアミタが自爆特攻仕掛けたあの辺くらいと思っていただければ。全部外したら当然最終決戦以上になります。あの時にはワクチン入ってましたし。

これから最終決戦が始まってきます!最終、と言っても戦いはこれ以外はVSウリエルしか描写してませんが………

では、感想などあればよろしくお願いします!
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