魔法少女リリカルなのは 覇王を継ぐ者   作:八雲ルイス

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どもども、最近FFに復帰したルイスです。

まだ予定ですけど、恐らくこれと次の話でエルトリアは終わるかなって思います。結構駆け足でグダグダしてた感じがしますが、そこは生暖かい目で見てくれれば(

ではどうぞー


第37話 切り札

「がぁぁっ!」

「刹那!っぁぁ!?」

 

辛うじて立ち上がり、天使長ミカエルとの戦闘を再開した私達。しかし、私が踏み込もうとした瞬間にはもうミカエルは目の前まで迫っていて、ミカエルが左右に展開している拳型の浮遊武装の一撃が私を襲い、後ろの壁に大穴を開けて祭壇の外へ。祭壇の外は岩山の頂上とは言えかなり広く、そこには中央に参道が1本通っていて、その周りには石を積んだ柱が無数に建っています。私はそのうちの1つに激突。ウリエルも私に気を取られた瞬間にミカエルの拳で私の近くまで飛ばされてきました。

深遠とやった時もそうでしたが、憑依とはいえ完全な肉体を手に入れたことで(しかも元々魔力の親和性の高い天使)以前戦った時より厄介になっています。以前は放出する魔力でブーストをかけて押してくる感じでしたが、今は憑依元が元々戦闘能力が高いので、出力や索敵に魔力を割けるというわけで。

 

「覚悟はしてましたが………やはり出し惜しみしている場合では………しかし………」

 

明鏡止水。深遠との戦闘で私が目覚めた力。反応速度を飛躍的に上昇させるそれは後遺症として今でも私の体を蝕んでいます。もしまた使えば………短時間ならまだしも、ミカエル相手に短期決戦が出来るとは到底思わないので、正直私が私であることを維持できる自信すらありません。

 

「刹那。提案がある、んだけど」

 

痛む身を起こしたところで、近くにいたウリエルが私の元へ寄ってきました。

 

「しばらくミカ姉を1人で抑えられる?」

「………具体的には?」

「最短で数分。ただ、今までやったことない出力出すからもっとかかるかも」

 

あのミカエルを私1人で、ですか。

 

「もし私がやられたら後がなくなりますよ?」

「その時はその時。今はこれに賭けるしかないと思う。でないとミカ姉は………」

 

なるほど、要はミカエルを倒す為の切り札を使う、というわけですか。しかし、私達2人で手も足も出なかったミカエルを私1人で抑える。正直かなり厳しいというのが結論。もちろん、私がやられればウリエルも切り札を使うことが出来ず、仲間もみんなやられてしまい、そうなったらエルトリアは破滅の未来しかなくなります。

逆に成功すれば聖杯の浄化が進む可能性も出てくるわけで。どの道このまま続けていても勝ち目はありません。なら、選択肢なんて1つしかないじゃないですか。

 

「わかりました。なら、ウリエルのことは私が命に代えても必ず守りきってみせます。ですから、あとの事は………頼みます」

「ぇ?それってどういう」

「行きますっ!」

 

私はウリエルの反論を待たずにミカエルへと突撃。

 

「明鏡止水、発動。刹那·ストラトス、目標を制圧します!」

 

私も切り札、明鏡止水を発動。反応速度を飛躍的に上昇させます。

 

「覇王断空拳っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───side ウリエル

 

さっきの刹那の言葉、「命に代えても」と「後の事は頼みます」の2つ。前者はそれくらい力量に差がある強者との決戦とかでたまに聞く覚悟を決めた言葉。覚悟を決めた人ってのは本当に強い。そうでもしないと勝てない相手に勝つための覚悟だから。けど、後者。こんなこと普通は言うだろうか?いや、言わない。まるで本当に死ぬことが決まっているかのような言葉。

 

「刹那………」

 

私はさっきまでとは考えられない反応速度でミカ姉と一進一退の攻防を繰り広げる刹那を一瞥。刹那がそう覚悟を決めたのなら私のするべきことは1つだよね。

 

「刹那のこと、絶対に死なせない。だから、今は………!」

 

私は両手の剣を左右に広げて構え、地面に円を描く。するとその円は魔法陣となって光り輝き始める。

それを確認してから左足を後ろに下げ、左手の炎を模した剣『 獄』を後ろに、右手の剣『 天』を逆手に持ち替えて前に構え、魔力を集束。

 

「赤の他人であるはずの私達のために命を懸けて戦ってくれる人を………死なせてたまるもんか。例えミカ姉でも、それだけは絶対に許さない」

 

私は魔法陣の中心で2振りの剣を構えたまま腰を低く落とし、ゆっくりと魔力を集中させていった。

 

───side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柱と柱の間を縦横無尽に駆け回り、同じく柱の間を高速で飛び回るミカエルと接近して攻撃。離れる時はミカエルの銃による追討ちがあるので、それを旋衝破で軌道を変えて受け流す。受け止めて投げ返せればそれがベストなんですが、高速機動しながらだと明鏡止水を使った状態でもそれはほとんど無理で、軌道を逸らすので精一杯。そして弾幕を避けつつ再び接近して打撃、この繰り返しです。

私には覇王岩砕と空破断、斬空破しか中距離以遠に攻撃する手段がなく、それらはミカエルの銃ほど連射性も良くなく、対ミカエルのみを考えると牽制くらいにしか使えないのが辛いです。

ウリエルに中距離以遠のレンジ攻撃があるのかは見たことがないので知りませんが、ミカエルが強いという彼女の言葉は間違いがなく、明鏡止水状態の私と互角に張り合っている時点でそれは明らか。

逆に言えば明鏡止水を使わないと互角に張り合えない時点で私は不利な立場に置かれているということ。

 

「覇王岩砕っ!」

 

私は一度接近して打撃を加えてから距離を取る、幾度も繰り返したその応酬、その最中で距離を取る際に地面を思いっ切り蹴り、近くの石柱ごと大量の岩を浮かせ、それをミカエルへと飛ばします。

 

「旋風脚っ!」

 

ただ、それはもちろん牽制。先程も言ったようにミカエルには通用しないと分かっていますから。

私はそれを囮にして上から断空を込めた蹴りで強襲。

 

「見えてますよ?」

 

ミカエルは身体の左右に展開させた巨大な拳型装甲で私を弾き飛ばし、同時に魔力による衝撃波を周囲に放つ。それによって私の飛ばした岩をすべて吹き飛ばし、同時に銃へ魔力をチャージし、即座に私へ向けて発射。威力だけならなのはのエクセリオンバスターは軽く超えているであろうその砲撃。

私はそれを一緒に飛ばされていた岩を足場にしてジグザグの高速機動で惑わしつつ下へ回避。足場にした岩に魔力を付与させて身代わりにするのは忘れない。

 

「なら、これなら!爆砕断空拳…3連!!」

 

身代わりにした岩への着弾に気を取られている隙にミカエルの懐へ密着。3連の爆砕断空拳を放つ。ミカエルはそれを直撃、初撃から続く2回の衝撃も食らうが、それでもその場から1mほど後退した程度。むしろ問題は私の方で、そろそろ右腕の感覚が薄くなり始めてきて………そのせいで気付くのが一瞬遅れました。

 

「今こそ審判の時。悪しき者には聖なる鉄槌を」

「っ!?ぐぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ミカエルが私の拳を食らいつつ魔力を高速集束。至近距離で集束砲撃を私は直撃。遥か後方へ吹き飛ばされました。

 

「さて………ん?」

 

ミカエルは私を倒したことで魔力集束を続けるウリエルへ向き直ります。が、そこで1つ異変に気付きます。

 

「っ………ロックバインド………足止め、成功です。準備は?」

「上等!」

 

ミカエルの足を膝下まで地面から励起した岩が固定、動けなくしていました。私がミカエルの集束砲撃を避けられないと悟った時にとった行動は反撃でも防御でもなく拘束。ウリエルの魔力集束がほとんど終わっていることは魔力反応を見て予め分かっていましたからね。

 

「刹那が捨て身でくれたチャンス………無駄にはしないよ!地獄を粛す神の炎(ブレイズ·オブ·ジャッジメント)!!」

 

ウリエルは魔力を集束した左手の剣『 獄』で高速の牙突。足を固定されて回避する術のないミカエルは真正面からそれを防御して受け止めます。が、ウリエルの突撃はそれでも勢いが止まらず、拘束の岩を砕いてまだまだ突撃。そのまま祭壇の祠を突き破って中へ。見ると、聖杯の真下でミカエルが倒れ、右手の剣『 天』を逆手で掲げるウリエルがそこにいました。

 

「闇は私が消し去るっ!神が定めし光の法(エンジェル·ハイロウ)!!」

 

そして振り上げた『 天』は膨大な光を纏い、まるで巨大な光剣のような形となり、聖杯を巻き込んでミカエルへと振り下ろされました。

 

「っ………はぁ…はぁ…」

 

その直後、纏っていた闇のオーラが消え去り、ダメージで気絶したミカエルの横にウリエルも倒れました。魔力を消耗しきって動けないだけだとわかっているので、心配はしていませんが。

しかし、今の技………実剣で斬ったにも関わらずミカエルは無傷で魔力ダメージと侵食されていた影響の精神的なダメージのみ。これは私の推測なんですが、ウリエルが2回目で使った技、エンジェル·ハイロウは恐らく()()()()()()()()()()()()()()()技なのでしょう。威力だけならなのは達のクアトロブレイカーも超えているかも知れません。流石破壊を司る天使と言ったところです。ミカエルも聖杯も闇の気配は消えて………っ!?

 

「ない………!?」

 

いや、正確にはミカエルと聖杯()()()消えています。が、この周囲には深遠なる闇の気配と反応がまだ残っていて………それはウリエルとミカエルの上空に集まだていき………

 

「ちっ………」

 

私は2人の元へ向かおうとしますが、先程のダメージで力が入らず、その場にコケてしまいました。

 

「こうなったら!」

 

私は懐から注射器を1つ取り出し、もう既に感覚の消えた右腕に突き立てて中身を注入。これは薬………ではなくキリエから1つだけ拝借したナノマシン。かなり分の悪すぎる賭けになるのてわ正直、これに頼りたくはありませんが、この際四の五の言ってられません。

 

「キリエのアレ、データだけでも取っておいて正解でした。こういう土壇場で役に立つのですから。システム『 オルタ』………バーストドライブ!」

 

キリエの切り札、システムオルタ。あれを魔力的に制御させて発動、注入したナノマシンを強制的に活性化。

 

「っ!?」

 

先程から無茶ばかりさせていた私の目から血の涙が流れて視界が赤く染まりますが、この際それはどうでもいい。

ウリエル達の近くに集まった闇は海鳴沖で戦った時の姿を形作り、先程のウリエルの攻撃が効いているのか覚束無い足取りでウリエルのそばまで行き、左手のパイルバンカーを振り上げました。気を失っているミカエルは当然として、魔力を使い切ったウリエルもそれから避ける術はなく………

 

「鏡花水月っ!!」

 

私は右足にを鏡花水月で強化し、オルタの加速度強化も併用しつつ地面を蹴って超加速。しかし、ここで誤算が1つ。私とウリエル達の間の距離は意外と遠く、ギリギリ間に合わない。

 

「空破断っ!」

 

私は空破断を放ち、それでウリエルとミカエルをその場から吹き飛ばしました。それによって深遠の一撃から逃がします。

が、ここで2つ目の誤算。ウリエルとミカエルを助けることに集中しすぎていたのと血の涙のせいで私が気付けなかった………深遠が私が動き始めたあたりから狙いを私に定めていたこと。そう、ウリエルとミカエルを囮にして私を誘き寄せた、そういうことです。当然振り上げたパイルバンカーは私の方へ向けられていて………明鏡止水で強化された反射速度で見る光景、私に振り下ろされるパイルバンカー。それの回避は間に合わない、と告げていて………

 

「鏡花水月………爆砕断空拳·真打10連っ!!!」

 

なら迎え打つのみ。今私に打てる最大威力の一撃でそれに正面からぶつかりました。

パイルバンカーは私の右腕を砕き、私の一撃は深遠の左腕ごと吹き飛ばし………反動でお互い反対の壁へ吹き飛び激突。

 

「刹那ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

ウリエルの絶叫と共に私の意識はそこで完全に途切れました。

 

「アリ……シア………すみません」

 

その時見た血で染まった光景、今にも崩れそうな祭壇と大粒の涙を流すウリエル。それが私が生涯見た最後の光となることを、まだ私は知りませんでした。




んーむ。やはり駆け足感が半端ない。で!す!が!次話でエルトリア編はキリをつけようとおもいます!要はエルトリア編エピローグですね。

その後はStS編。とは言ってもコミックの内容も触れていくのでアニメに追いつくのはもうすぐかかるかも?

かなりグダグダしたエルトリア編でしたが、感想などあればよろしくお願いします!
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