魔法少女リリカルなのは 覇王を継ぐ者   作:八雲ルイス

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どもです!随分とお待たせしてしまいました。申し訳ありませんm(_ _)m

本当であればこのオリジナル回は今話で終わらせるつもりでしたが、書いてるうちに長くなってしまいました。それでも多分次で終わる………かな?

ではどぞどぞ


第54話 干渉

other side

 

刹那、そしてアリシアも勧告を無視され、戦闘を始めて少しした頃。現場から少し離れた場所に建つ塔の上。展望台のフロアの上に2つの人があった。

親子と言えば納得できそうな大柄と小柄の2人組。2人ともローブを羽織っている上にフードで目元まで隠しているので具体的な容姿はわからない。背丈だけなら大柄な方は人間モードのザフィーラ、小柄な方はキャロ以上アリシア未満と言ったところか。アリシア自体、キャロとは頭1つ分ちょいくらいしか背丈の違いがないので、かなり小柄なことが分かる。そして大柄な方はその手に身の丈ほどありそうな槍を持っているのも特徴だ。

その2人は放った目を通して、2箇所の戦闘を監視していた。

 

「あれか。今回の用事、とやらは」

「うん。ドクターからのおつかい。詳しいことは知らないけど、今別の場所で()()してる方よりこっちの方が大切なんだって。こっちはドクターが直接関わった案件………とかなんとか」

「あんなロストロギアがかぁ?あんの変態ドクターも物好きだなぁ」

 

大柄な方は男、小柄の方は女の子らしい。

否、2人組ではないらしい。大柄な方のローブの中からとりわけ小柄な少女が飛び出てきて当たりを飛び回り始める。

小柄な少女よりもさらに小柄。それこそリインフォースⅡ並に。見た目はリインフォースⅡを天使と例えるなら、この少女はどことなく小悪魔を連想させる。

 

「あのロストロギア(ガラクタ)自体はどうでもいいらしい。特に問題なのはあっち」

「………なるほどねぇ。ま、そうでもなきゃドクターのおもちゃを大量に持ってきたりはしねぇか」

「うん。けど、あっちで1人で戦ってる方はこれじゃ役不足。だから………ガリュー、そっちはお願い」

 

女の子はローブの中から右手を横に掲げる。その右手にはめてある手袋の公にある水晶が一瞬だけ光り、地面に四角形の魔法陣を展開。程なくしてその中心に黒一色の人型が現れる。全身を甲羅のようなもので覆っており、背中には羽根のようなものもある。人型ではあるが人ではない。甲虫を彷彿とさせるイメージを人型に落とし込んだような、そんな見た目だ。

そのガリューと呼ばれた人型は、主たる女の子の言葉に小さく頷くと音もなく跳び去っていく。

 

「で、向こうの嬢ちゃん達の相手をさせるのがガジェットってわけか」

「うん。倒す必要は無いしそれでいい」

 

男の質問へ簡単に答えた後、女の子は淡々と召喚魔法の行使に移る。

 

(………にしても、あの野郎が直接関わった案件………か。面倒事にならないといいんだが)

 

その男は小さく溜息を漏らすと、目を投影してあるモニタの1つへ向ける。そこに映っていたのは、つい今しがた先程のガリューと呼ばれた人型と戦闘を始めた刹那の姿だった。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、拘束対象の転送準備完了。HQ、あとはお願いします」

『こちらHQ、了解。護送を108に引き継ぐ』

 

先程の犯罪者集団と戦闘すること約10分。対象は全員無力化され、バインドにより拘束。護送のための転送も準備完了しました。イリスは合流して右腕のコアに戻っているので、あとはアリシアとも合流するだけですね。

 

「………向こうの様子、どうなっているかわかりますか?」

『ぇ?ぇっと………セイント1もそちら同様に対象へ投降勧告実施。現在はそれを無視されて攻撃を受けたので迎撃中です。こちらの負傷はなし、確保対象のロストロギアも発見済みです。どうかしましたか?』

「ぇ?あぁ、いえ、少し違和感………というか何かあるような気がするんです。覇王の勘ってやつです」

『あぁ、そう言えば刹那さんの先祖は覇王さんでしたね』

 

忘れられていたことは少し心外でしたが、まぁそこまで重要なことでもないですし、言うほど私はそれを表には出していないので仕方ない、そう私は思いつつ、転送を開始。この集団も1人残らず気絶しているので、それ自体はそつ無く終わります。

 

「よし。転送完了しました。護送の方はよろしくお願いしますね」

『………チQ……………転………くに………』

「ぇ?………っ!?」

 

と、突如通信にノイズが混ざり、向こうの声がほとんど聞き取れなくなります。咄嗟に周囲探知を広げ、警戒しようとした瞬間。その探知にものすごく至近距離では引っかかる物があった。その物から明確な殺意を感じ、咄嗟に今いた場所から横へ飛び退きました。

 

ズドォン

 

それとほぼ同時。つい数瞬前まで私がいた場所にミサイルでも落ちたのかと思わせるような爆音と土煙。

 

「私の探知すら掻い潜る………いえ、違いますね。そもそも私の探知が妨害されてるんですね。今は至近距離だから妨害があってもなお見えているだけ」

〈AMF………だね。そんなのを息ををするように使うのなんて1人しか思い付かないわよ〉

 

ジェイル·スカリエッティ………アリシアから話を聞いただけですが、元々フェイトが追っていて、今では6課を上げて追っている次元犯罪者。訓練でもよく戦ったガジェットドローン、通称ガジェットを主力として運用している………とは聞いてましたが

 

「明らかに人型………ですよね。機械ではありません。人でもありませんが」

〈たぶんだけど………召喚獣の類だと思うわ〉

「なるほ、っど!!」

 

奇襲をしかけてきた人型を分析していると目にも止まらぬほどの早業で、今度は正面から格闘による攻撃を仕掛けてきました。当然と言えば当然ですが、ゆっくり分析をする時間はなさそうです。なんとか防御には成功しましたが、AMFの影響もあり視野は狭く、それに割いている魔力も普段よりかなり多い。このままだとジリ貧ですね。繰り出してくる格闘術も、流派があるようなものでは無いですが、侮れないですし。

 

「イリス、アレで行きましょう」

〈えぇ!?確かにアレはコアにインストールしてるから、切り替えれば使えるけど………でもあれは最終調整がまだよ!〉

「遅かれ早かれ実戦で慣らさないといけないんです。それが今、と言うだけですよ」

 

それにこの人型は音や匂いの情報だけで渡り合えるとは思いませんしね。それほどの強敵です。さすがに暴走していた時のミカエルほどでは無いですが。

 

〈あぁもう!どうなっても知らないわよっ!それなら何とかして5秒、アイツの隙を作りなさい。そこで切り替えるわ!〉

「わかりましたっ!」

 

切り替え………要は今の魔力放出による視野から新しく構築した対AMF用の視覚魔法への切り替え。当然ですが、魔力放出をそこで停止させるので、その瞬間だけ私の今の視覚が失われることになります。例えそれが一瞬だとしても、音や匂い等の感知である程度補えるとしても、それは私が敵の前で一瞬隙を晒す事実に他ならず、戦場でそれは死を意味します。だからこそ、切り替えのタイミングが重要。イリスはそれでもその隙を短くしようとしています。それが今言った1秒。

ちなみにイリスとこの会話の間も肉弾戦は続いていて隙がありません。

 

「ならばっ!」

 

両手両足で次から次へと繰り出される打撃、私もそれを防ぎ、避けられるものは避けて反撃をしますが、それは向こうも同じ。時折距離をとってもすぐに詰められます。このままでは埒が明かず、アレに切り替える余裕もありません。

このまま、ならば。

 

「ぐっ、せぁぁぁ!!」

 

敵の人型がやや不意打ち気味の膝蹴りを仕掛けてきます。今までならそれを防いでいたタイミング。私はそれをあえて受け、その膝を抱え込むように持ち上げ、体を捻りながら上へと投げます。そして投げると同時に軸足で地面を蹴って回し蹴りによる追撃で廃ビルへと吹き飛ばします。

普通の人間相手にこれをやればまず間違いなく股関節がただでは済まないでしょうが………アレは人ではないのは間違いないなく、この程度でどうこうなることもないと確信していました。

 

「イリスっ!」

〈魔力放出、停止!〉

「了解です………っ!?」

 

ここぞというタイミングでイリスへ合図を送り、切り替えに入ります。が、私はここで重大なミスを犯していました。

 

「がっ………」

 

敵の実力を見誤る、ということ戦場でしてはならない重大なミスを。

魔力放出は止めていましたが、音や第6感で何とか察知出来たおかげで辛うじて防御は間に合いましたが、それでも受けきることが出来ず、私は背後にあった建物の中へ吹き飛ばされます。このダメージのせいもあり、イリスは切り替えを中断してしまったみたいです。

 

〈刹那!?〉

「大丈夫、です………続けてください」

〈けど………〉

「あの敵に、議論している場合では無いと思いますよ」

 

当然、あのレベルの強さを持つ敵が今の隙を放ってくれる訳もなく、直ぐに飛び掛ってきて追撃してきます。私もそれを何とか回避していますが、ここは狭い室内で今の私の視野はゼロ。足元の瓦礫でバランスを崩した瞬間を狙われて再びクリーンヒットを貰って大通りの反対側まで吹き飛ばされてしまいます。

 

(ぐ………少し、ダメージを受けすぎました………ヤバいですね)

〈視界モード………切り替えっ!オン!〉

「っ………」

 

丁度そのタイミングで視野が開けてきます。切り替えの前と後の違いは一言で言えば『魔力で見る』か『魔力を見る』か、それに尽きます。何度も言ってきたように今までは放出した魔力を再感知してそれを見るソナー式。今は例えるならサーモグラフィーの魔力バージョンのようなものですね。

が、調整も何もしていないので見える光景は不明瞭。ぼんやりと分かるのはあの黒い人型のような敵が更なる追撃を仕掛けてきていることだけ。受けたダメージのせいで回避もままならないのが正直なところです。起き上がることだけなら出来そうですが、回避となるとキツイです。

 

「刹那っ!」

 

と、そこに横からの介入が。黒い人型に横から一撃入れて吹き飛ばしたかと思うとすかさず魔力弾を連射して追撃し、足止めをします。

 

「今ヒールしますね。少しの辛抱です」

「っ、ヴィヴィ?」

「はい、おねーちゃんです。随分とボロボロ………珍しく油断でもしました?」

「そんな、ところです」

 

その横から割り込んできたのはオリヴィエことヴィヴィ。朝の訓練に出てから来ると言っていたので、それが今到着したんでしょう。なんにせよ最高のタイミングです。

そのヴィヴィは追撃防止の為か、持っていた大型の斧を地面に突き刺した後、ドーム状の障壁を張ってから私を治癒魔法で回復してくれます。

 

「………ヴィヴィ。向こうの状況はわかりますか?まだ今の視覚だと視野が狭いので」

「当初の目標は制圧済みですよ。ただ、まだ転送の方は数名残っています。その上、向こうにも新たな敵………ガジェットの群れと交戦中です。数は地上と空中それぞれ30ほど。数機程ですが、大型もいます。飛べるのがアリシアだけなので空中はアリシアが1人で対応しています。地上の方も戦線は維持できています」

「なるほど………では、回復が終わり次第ヴィヴィは向こうの援護に行ってください。私の推測通りならすぐに戦線が崩壊します。アリシアも地上の援護は難しいとなれば尚更」

「なっ!?」

 

だってそうでしょう?向こうの地上で戦っているのはギンガ、燕、ユイの3人。私の記憶通りであればギンガとユイの2人はともかく、燕はまだ()A()M()F()()()()()()()()()()()()。初見での対応が困難なアレが30も相手な上、護送対象を守りながら、しかもユイは攻撃系の魔法は不得手。燕の実力は知っているので、ある程度は上手く立ち回れるでしょうが、遠からず戦線は崩壊します。

 

「こちらの方も手はあります。大丈夫です」

「………わかりました。何かあれば……っ!?」

「っ!?」

 

唐突に私たちを襲う魔力の奔流。ただ、これはガジェット由来のものとは訳が違う………ツクヨミに何かがあったのでしょうか!?

 

「ヴィヴィ!」

「今向かいます!システム全開!ヴァリアントハルバート展開っ!」

 

ヴィヴィが大きく右足を踏み込み、左腰の辺りで腰溜めの体勢に。ただ、左手は腰の辺りではなく大きく後ろへ。次の瞬間足元に私も使っているフォーミュラタイプの魔法陣が展開し、ヴィヴィの両手には身の丈を軽く超える大きさの戦斧が。

一般的にハルバートと呼ばれる戦斧は槍の刃の根元にピックと斧頭があることが特徴で、要は斧のようにも使えるほぼ槍のようなもの。ですが、ヴィヴィの展開したヴァリアントハルバートは柄の長さこそ一般的な槍のそれですが、太さがそれこそ私の腕程もあり、その先端の斧頭の大きさがそれだけでヴィヴィの身の丈よりも大きく、その反対側のピックも根元に少し小さめ(それでも十分に大型)の斧頭がついています。先端には槍の刃は付いてませんしね。名前と見た目から推測するに魔力刃でも展開するのでしょうか?

 

「6年前の事件の時に私も覚えたんです。最近まで忘れてましたけどね」

「なるほど。では、私も隠し球を」

 

私は大きく右足を踏み込み、右腕を頭を守るように正面に構えて左腕を腰溜めに構えます。

 

「柔体の型『牙城』!」

 

似たようなもので鋼体の型『牙山』がありますが、あれは肘で攻撃を受けることで相手にもダメージを与える攻撃的防御の型(それを完全に攻撃に転用させたものが崩雷)です。が、これは柔体の型。簡単に言ってしまえばカウンターを想定した型です。受け流して攻撃………とは少し違いますが。

 

「刹那、ご武運を」

「ヴィヴィも。みんなを頼みます」

 

ちょうどそこで瓦礫の中から敵の人型が飛び出して来ました。私はものすごいスピードで走っていくヴィヴィとの間に位置取り、敵の初撃の踵落としの軌道を逸らして外させます。次は逆足から来る膝蹴り。

私は踵落としの時点で敵の魔力の流れからそれを読み、左腕でそれを受けつつ先程踏み込んだ右足で地面を蹴ってバックステップ。自身の中の力の流れを強く意識し、右腕で受け流した膝蹴りのパワーを右腕から胴体、右足へと伝達。

 

「神風流」

 

同時に左足を軸にして素早く一回転。がら空きの胴へ肉薄します。

 

「旋衝砲っ!」

 

そして回し蹴り。敵は先程埋まっていた瓦礫へと逆戻りで吹っ飛びました。

柔体の型『牙城』、これは簡単に言えば()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()型。そしてそのパワーを乗せたカウンターが旋衝砲というわけです。今回は旋風脚の要領で打ち込みましたが、裂空拳等他の物理攻撃でも乗せることが出来ます。砲、と名前にはありますが砲撃ではありません。打撃です。

 

視覚を切り替えてまだ慣れていないこともあり、今の私の視野はそこまで広くなく高速戦闘は分が悪いです。なので、こちらからは大きく動くことはせずにひたすら防御に徹する体勢をとったというわけです。敵の打撃のパワーを伝達するのに特殊な魔力運用をするので咄嗟には出来ない上に、事前準備をしていてもそれなりに集中力を使うのが欠点ではありますが………

相手の方が私を突破していくことが目的なら、それを許してしまうかもしれませんが、今の敵はそれをしないことはわかっています。そのつもりなら今までいくらでもチャンスはありましたからね。

 

「何のつもりかは知りませんが、無力化の後に公務執行妨害で拘束させていただきます。」

 

私は再び瓦礫の中より立ち上がった敵へ、そう宣言しました。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 燕

 

くっ………少しマズいな。何がマズいってあとから湧いてきたこの機械兵器の大群だ。

当初の任務のロストロギア『ツクヨミ』の確保とそれを密輸していた組織の検挙は無事完遂。これから封印処置をして護送、というところで突如として大量に機械兵器が湧いてきたんだ。見た目はカプセル錠剤をどデカくしたような感じだな。あとはエイみたいな見た目の空中飛行型もいて、それらがざっと30ずつ程。数はその2種類ほどじゃないが、直径2m程はありそうな球状の大型も数機………。

まず数の差が圧倒的な上にこれら全機がAMF(アンチマギリンクフィールド)を展開していて、私はその対策訓練を受けていない。

私達の中で空中戦が出来るのはテスタロッサ特務官だけなので、空中はテスタロッサ特務官が1人で向かった。そもそも飛行魔法も阻害されるはずなのに発動がスムーズで、彼女には驚かされるばかりだ。

一方の地上は私とギンガさん、ユイさんの3人。ギンガさんとユイさんは対AMF訓練は受けているが、ユイさんは回復や補助が専門でそもそも攻撃魔法が苦手。ギンガさんとも機械兵器の数の暴力のせいで引き離された。

簡単な対応方法はざっと説明を受けたが、即時対応はさすがに難しい。一応見様見真似とユイさんの回復や補助で何とか………と言ったところだ。しかし、このままではジリ貧だな。魔法攻撃はガジェットのAMFで阻まれるし、エクシアによる斬撃や刺突は装甲で止められる。ギンガさんだけに任せるというわけにも行かないし………

 

「たぁぁーっ!っ……てゃぁ!」

 

もう何度目かわからないが、刺突を装甲に弾かれてとりあえず距離を取らせるためにガジェットを蹴飛ばす。対応方法は教わったが、魔力を練るのに一苦労で即応するのは難しい………機動六課ではそれを専門にしているから刹那やユーキ、ウリエルならなんとかするんだろうが………

 

「負けてられるかっ!」

「つ、燕ちゃん!?」

「なんとかするっ!」

 

数多のガジェットから繰り出される射撃を辛うじて防ぎつつ、魔力を練り上げる。刀身に魔力を纏わせ、それにさらに重ねるように魔力を纏わせる。これが一番簡単で手っ取り早い対策らしいが、かなり難しい。

 

「っ、ぐぅ………!もう少し!!」

「私も手伝うよっ!彼の者に聖なる力を………フラワリングブースト!」

「ありがとうございますっ!」

 

ユイさんの使った強化魔法の暖かい光が私の身体を包み、同時に私の中に力が漲る。おかげでなんとか魔力構築そのものは完了。どこまでやれるかわからないが………

 

「スターリィ………ティアァァァ!!!」

 

練り上げた魔力を放出、高速で突撃して刺突。そこそこ進んだところで急ブレーキしてターン、そして突撃と刺突。それを計5回。それが終わると巻き込んだガジェットが爆散する。

今私が通った軌道を上から見たら星型に見えるだろう。そういう技だ。

私の広範囲刺突技、スターリィティアー。星型軌道で刺突を繰り返し、多数の敵を巻き込んで広範囲を巻き込む。

 

「燕ちゃん!!!」

「ぇ?」

 

私の大技が決まって油断した。それを気付かせてくれたのはユイさんに私の名前を呼ばれてからだ。振り返るとガジェットが爆散した煙の中から、小型が1機突っ込んできた。

 

「しまっ………」

 

私は咄嗟に細剣を腰溜めに構えて、そこに魔力を集中させて即効で構築していく。

 

「必殺剣·………」

 

ただ、私は気付くのが遅れた。

 

「天下五剣っ!!」

 

腰溜めに構えた細剣を機械を斬り裂く感覚とともに逆袈裟斬りに振り抜き、溜め込んだ魔力を放出。放射状に広がるそれはまるで5本の剣の様に。

だがこれは………()()()使()()()()()()()()()()()。それに気付くのが遅れてしまった。咄嗟に放った今の前方扇状範囲攻撃、必殺剣·天下五剣。これは昔私が得意としていた()()。私が細剣ではなく刀を使っていた頃の技だ。

それを私が自覚したのは硬いものが砕ける感覚が手に伝わってきたその時。ハッとして右手を見ると、細剣の刀身が半ばから砕けるように折れていた。

 

ガジェットの一斉攻撃が私を襲ってきたのは………それとほぼ同時だった。




最初の方にでてきた3人?組、見覚えある人はいると思います(そもそも内1人は名前出てますし)。はい、想像の通りです。

特に因縁とか、今後どうこうってわけでもないですが、流れ的にからませやすかったんで( ̄▽ ̄;)

ではまた次回!
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