明けましておめでとうございますm(_ _)m
去年は思えば色々ありました。この小説的な意味では大したことはありませんでしたが。
去年の年納は間に合いませんでしたが、今年の書き初めです!
クイントから様々な大会を紹介されてから3ヶ月。この間にもいくつかの大小の大会に出場。そのほとんどでベスト3以内の結果を残している。
考え方を変えたせいと“強さ”を探していたこともあり、前のような全戦全勝という訳にもいかなかった。
いくつもの勝利といくつもの敗北。それを経験してなお、自分の“強さ”が何なのかは未だわからなかった。
とはいえ、刹那は格闘技に関しては天賦の才とクラウスの記憶を持っていたせいもあり、ことDSAAに関しては予選は多少の苦戦はあるも優勝。再び都市本戦へと歩を進めている。
一方の都市本戦。さすが各次元世界の予選を勝ち抜いてきた猛者の集まりなだけあり、しかも刹那は最年少の11歳ということもあり、予選のようなワンラウンドKOはそうそう滅多には出来ずに苦戦を強いられていた。
それでも覇王としての意地か、それとも運か実力か。都市本戦決勝へと出場を決める。対戦相手は去年の優勝者、これに勝てば次元世界最強の格闘技選手になれる。
当然、相手も連覇がかかっている為、これまで以上に苦戦を強いられた。
相手はいつだか戦ったカウンターを得意とした選手と似たようなスタイルだったが、その練度が桁違いで反撃の隙が見当たらない。強引に攻めてみたが、当然といえば当然か、激しいカウンターを許してダウンを取られてしまった。
そのまま防御に徹して泥沼にハマってしまい、ズルズルと最終ラウンドまで来てしまう。ダウンを取られているのでこのままでは判定負けは確定だ。
試合の行方をセコンドにいるクイントとその親友メガーヌ、観客席のゲンヤとその娘ギンガとスバル、そして私の幼なじみのアリシアがじっと見守っていた。
刹那(かなり…ヤバイですね。攻撃の隙が……相変わらず全く見えません…っ!)
当の刹那も元々防御が苦手(そもそも覇王流自体防御が苦手)だったので、次にダウンを取られるのも時間の問題だった。
刹那「(こうなったら……一か八かもう1度…!)覇王…断空k」
「それはもう見たよ」
刹那「が……はっ……」
もう1度強引に断空拳で攻めにかかる刹那。だが、大会中何度も見せた技ということもあり、構えた瞬間に拳を止められて腹部に膝蹴りを食らってしまった。
「おまけ、だ」
刹那「っ……!」
それで怯んだ隙に後頭部へ拳を喰らい、顔面からリングの床に叩きつけられた。
尽きかけた体力と、後頭部への一撃で朦朧とする意識。いや、ほぼ意識はブラックアウトしていた。その途切れた意識の中。刹那はいくつもの風景が見えた。
―――アリシアと遊んだ緩やかな数々の日常
―――オリヴィエと積み重ねてきた数々の鍛錬
―――ベルカの地で共に学び、共に上を目指したたくさんの盟友達。
―――
刹那「そうか………私は………守りたかったんですね」
「ぁん?」
刹那「やっと、見付けました。私の強さの意味」
刹那は2度目のダウンからゆっくりと起き上がり、一瞬だけクイントへ目配せ。クイントはサムズアップでそれに応える。刹那もそれを見て笑みを零し、再び目の前の対戦相手へと目を向ける。
しかし、もう最終ラウンド。時間は残り少ない。そこで刹那が取った手段。それは
刹那「覇王流…牙山!」
覇王流の中でも唯一無二の
刹那「これで決めさせてもらいますよ。覇王流…断空k」
「だからそれはもう見たと!」
牙山の構えから断空拳へと移る刹那。だが、当然相手もそれを止めにかかり、再び先程同様のカウンターを決める。
刹那「その言葉、そっくりそのまま返しますよ」
「っ!」
しかし、そのカウンターは刹那による防御により、逆にダメージを受けてしまう。
牙山。それは有り体にいえば相手の打撃を肘で防御する型。肘は身体の各部の中でも一二の硬さを持つため、そこで防御することで打撃を防ぎつつ、攻撃も兼ねることが出来る。刹那のカウンター技の崩雷を完全防御に寄せた構えと言えるだろう。
刹那はその肘の防御を受けて拳にダメージを与え、無理矢理隙を作ったのだ。
こうなれば、もう流れは刹那のものだ。
刹那「覇王…断空拳!旋風脚!爆砕棍!崩雷!」
殴り、蹴り、ラリアットに肘打ち。他にも数々の乱舞。その前にとうとう、相手選手はダウンし、カウントダウンが始まる。しかし、相手選手が起き上がってくることは無かった。つまり
『試合終了ぉぉぉぉぉぉ!!!今年の次元世界最強は刹那·ストラトスだぁぁぁぁぁぁ!!!!』
刹那の優勝。それにより今年の新たな次元世界最強選手が生まれ、同時に今後10数年更新されることのない都市本戦優勝最年少記録を作り出した。
その後はもう大変だった。たくさんのヒーローインタビューは元より、その後の大会でも次元世界最強の肩書きが付いて回る。それそのものは悪くないが、よくファン(主に女性)が押し寄せてきてあとでアリシアをなだめるのが大変だったりしたのが特に大変だった。
刹那の中の強さ。それは“守る意思”。
思い返してみればクラウスがオリヴィエと死闘をしてのけたのもオリヴィエを守りたかったからだし、アリシアとのこの日常も守りたいと常々思っていた。灯台下暗しとはこの事だ。
―――――――――――――
その後、刹那はU-15、U-19のタイトルを獲得。U-23も辛くもタイトル獲得。クイントの予想(予言?)は何一つ間違いなく当たったのだ。
ウィンターカップも危なげなく優勝し、この頃には修羅の覇王なんて二つ名も付いていた。誰が言い出したのかは知らないが、恥ずかしいことこの上ない。
ちなみにこの数々の結果がのちに彼を格闘技者間の伝説とすることになるのだが、それはまだ先の話である。
とまぁ、そんなこんなで今年の大会は一通り優勝。ナカジマ家で年を越し、年が明けると他の次元世界の大会も視野に入れてあちこち遠征するようになった。
そんな新暦も64年を数える年の5月も終わりを告げようという頃。
刹那「今回の相手は強者揃いでしたね。結構苦労しました」
アリ「という割には、余裕綽々って感じじゃなかった?笑ってたし」
刹那「強敵と当たると、自然と笑顔になるんですよ。アリシアも格闘技やればわかりますよ」
アリ「刹那と一緒にされてもねぇ……ぁ、次の目的地はどこだっけ?」
刹那「えっとですね………管理外世界ですね。第90管理外世界です。ここからは少し遠いですが、転移で行けない距離ではありません」
アリ「ぇーと……それなら、向こうについてからある程度余裕あるし、転移の消耗は問題ないかなー。なら、さっそく…?」
刹那「行っちゃいましょう。私によーく掴まっていてくださいね」
アリ「うん!」
次の大会を求めて時空間を転移する刹那。
しかし2人は知らなかった。2人が転移しようとしている宙域は
そんな所を生身で転移すればどうなるか……例えるなら嵐の大海原へ生身で遠泳するような。そんな感じだろう。
もちろん刹那とアリシアは次元震の奔流をもろに受けてしまう。
刹那「なっ!?うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
アリ「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大波に飲まれたかのごとく、2人は右に左に上に下にとかき混ぜられるような乱れに飲み込まれて言った。当然、このままでは2人とも命はまず助からないと言っていい。
刹那はアリシアを絶対に離さないようにと精一杯抱き締め、現状を打開する術はないか策を巡らせた。巡らせて…見つけた。
近くに時空管理局のものと思われる艦艇の反応を感じたのだ。
とは言ってもこのもみくちゃにされながらだ。その艦艇へと言えど安定した転移は1人が限界だろう。
自分が飛ぶか、アリシアを飛ばすか。考えるまでも無く答えは最初から1つだった。
刹那「っぁぁ!!アリシアへ私のリンカーコアを半分譲渡!!と同時に転移しますよ!!」
アリ「ちょ、ちょっと待って!?そんなことしたら刹那は!?」
刹那「どの道この状況で2人とも助かる術はありません!なら、私は喜んでアリシアのためにこの命を使います!」
アリ「ダメだよ!そんなんなら私も!」
刹那「リンカーコアは……もし私も奇跡的に生き延びたら……また出会った時に返してください!断空拳っ!」
アリ「が……っ!?せ……っ………な………」
腹部へ断空拳を受け、気を失うと同時にアリシアのみ転移。
刹那「そう言えば………告白してませんでした………ね」
少しの後悔を残したまま、刹那の意識は時空の奔流に飲み込まれていった。
若干無理矢理感のある流れだったような気がしたりしなかったり………
こんな私ですが、今年もよろしくお願いしますね。
この回でプレリュードはおしまい!次回から本編A‘sに入っていきますよ!
では、感想、誤字脱字報告、アドバイス等待ってます!