東方酩酊宴 Crows Ogres and Phoenix   作:みたらしりんご

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魂誘う闘志の灯、鬼神死神、走馬灯の正体

獄卒鬼改め迎えの死神『灯火 一』

性別:女
能力:明かりを灯す程度の能力
性格:生真面目
身長:高い
スタイル:バランスのよいスレンダーな体系


第二話 「任務開始」 灯火 一

地を砕き

木々を吹き飛ばす

何かが爆裂するような轟音が鳴り響くのは幻想郷の人里の外れにある森の奥深く

その爆音の中心にいるのは1人の人間、、、、と言っていいものか、身長は約3mの巨人、その巨人はがむしゃらに大木のような腕を振るったり地面を巨岩のような拳で殴りつけたりと無茶苦茶だ、爆音の正体は間違いなくこいつだろう、腕を振るえば木がなぎ倒れ、足を踏み込めば地が砕ける、その迫力はすごいものだが、よく見れば体は傷だらけで足どりや表情からはどこか盲目で怯えているような感じがする、振るう腕には蚊を握りつぶすような余裕は感じられず、踏み込む足には獲物を追いかけるようない自信は無い、、、、

そう、獲物は彼の方だ

 

そして彼を狙う狩人が呟く

「こんなになってまで生きたいかね」

 

 

 

狩人は膝裏を蹴り飛ばしていとも簡単に巨人を転ばし、起き上がろうとする巨体の頭に乗り、幻想郷の住人に似つかわしくない近代的な形状のナイフを取り出し、脳天に突き立てる

 

そうしてようやく、それは死んだ

 

 

 

 

____、、、、、

 

「報告に来ました」

 

と一仕事終えた私は今の職場に戻る

此処は三途の川の向こう側に存在する是非曲直庁、幻想郷に存在する全ての魂を管理する機関、寿命を終えた魂を迎え、三途を六文で渡し、閻魔と呼ばれる役職が生前の行いで天国か地獄か、白か黒かを定め、判決を下す

 

「ご苦労さまです、そろそろ仕事には慣れましたか?」

 

と私を労ってくれるのは『四季英姫・ヤマザナドゥ』

此処是非曲直庁における裁判官、いわゆる閻魔である

 

「まあ地獄に比べたら楽っすね、それとこれ報告書っす」

 

と答えるのが私こと『灯火 一』 ここ是非局直庁で働く鬼である

 

こめかみの前辺りに生えた小さめの角が特徴の黒色長髪の鬼、服装は前身頃に真っ赤な彼岸花が咲いた黒のパンツスーツの下にその彼岸花を思わせる紅のYシャツという鬼とは思えないきっちりとした服装、この服装は私の役職である『迎えの死神』が組織されるに当たってデザインされたものだという

 

報告書にはさっきの巨人のことが書かれている、アレは人を喰らい魂を取り込むことで寿命を伸ばした挙句の姿そういう定められた死から逃れようとする者を迎えにゆく地獄の使者が私達『迎えの死神』

 

この迎えの死神という役職ができたのはかなり最近で、それまでは死神が迎えに来るというのは地獄の鬼が流した嘘だったらしい

 

映姫さまは目を通していた報告書とかけていたメガネをデスクにしまうとこう続ける

 

「一?あなたこれから仕事はある?」

 

「い、いえありません、これまでたまっていたものも最初のほうにあらかた片付けましたし」

 

「そう、真面目なのね、見てのとおり私もちょうど暇をもらったところよ、これから里のほうに降りようと思っていたの、あなたも一緒にこない?」

 

デスクの上には休暇と書かれた札が立ててある

 

「そうっすね、どうせ暇ですし、ご一緒させていただきます」

 

 

~少女移動中~

 

 

所変わって此処は人里、その名の如く幻想郷唯一の人の里、しかしこのでかさは里じゃねえよな

 

「あや?こんなところに鬼がいるなんてめずらしいですねぇ、人でも食べにきましたか?、あ、すいませーん!みたらしだんご二つー!」

 

甘味処で団子食ってると、誰かが話しかけてくる、ご丁寧に注文まで済ませて、野郎、隣に居座る気だよめんどくせえ

 

「この雰囲気じゃいくらでも食えそうだがあいにく、今はだんごの方がうまくてね」

 

鬼が居るってのに怖がる人間一人居ないってのはまあいい里なのだろうが、燃える里に逃げ惑う人間も悪くなかった鬼としては少し寂しく思える

 

「あや、鬼が人を食べるのは時代遅れですか、ではなぜここに?」

 

「ああ、あの人のツレだよ」

 

と店の前で薬屋らしい紅目のウサギにありがたいお話を説いている上司あごで指すと

 

「、、、、できれば話題にしてほしくなかったですね」

 

とボソッっとつぶやかれる、話を振ったのはお前だろ

 

「なんだ?あの人は有名かい?」

 

「そりゃもう有名ですよ、わざわざ里まで降りてきて説教しにくる口うるさい閻魔様なんてあの人くらいでしょう」

 

「そんなに口うるさいかね、しっかり聞けばためになる話さ」

 

「変な鬼ですね」

 

「焦熱地獄は、まともに会話してくれる奴のほうが少ないからねぇ、」

 

「あやや、あなたもしかして獄卒鬼ですか?なぜこんなところに?左遷ですか?」

 

「迎えの死神」

 

「あや?迎えの死神って嘘だったんじゃないんですか?鬼神長が地獄から来るとかなんとか」

 

何で知ってんだこいつ

 

「のはずだったんだけど、地獄勤めってみんな鬼だからその迎えに行くやつ、まあ元の私の上司なんだけど、やっぱ鬼はどこ行っても鬼なんだよな、しっかりやらないやつが多すぎたんだ、ほら最近柱みてえに見える局所的にすげえ勢いの雨が降ったんじゃないか?」

 

「ああ、ありましたね、確か邪仙が狙われたのがどうとかって」

 

「そうその邪仙を迎えるために水鬼鬼神長が出向いたわけなんだけど、まんまと逃げられたんだ、あの柱に閉じ込めて衰弱死でも図ったんだろうけど気づいたときにはもぬけのからだったそうじゃないか、閉じ込める何てことせずに殺せただろうに、そういうところにも怠惰さがにじみ出てるよなぁ、そんなんだから1000年生きてる仙人なんてのができちまうんだ」

 

「あの、、、愚痴になってません?」

 

「ん?ああすまん、で鬼神長が邪仙を逃がしてから十王機関が地獄側の怠けぶりを問題視して地獄の比較的真面目で強い人材を真面目な是非曲直庁に派遣し私ら『迎えの死神』を組織したのさ」

 

「つまり一さんもそれなりにやるのですね」

 

「ただの殴り合いならな」

 

「ただの殴り合いなら、、、弾幕ごっこはご存知なんですか?」

 

「ああ」

 

『弾幕ごっこ』

 

最近地獄に来る奴がそんな遊びをよくやってる、いろんな弾幕を飛ばしあって美しさを競うんだと、幻想郷で今流行ってるらしい、ああ言うのはだめだな、美しさとはかけ離れて生きてきた私にとって、その遊びを見かけたときは新鮮な気持ちにはなったができそうにはないなと同時に思った

 

「ふむ、これは記事になりそうですね」

 

「どこがだよ、もっとあっただろうに」

 

「あの遊びが地獄にも広まっているという点です、これにはあの胡散臭いスキマ妖怪も大喜びでしょう」

 

「そんなに大事なものなのかね、あんな遊びが」

 

「遊びだからこそ大事なのですよ、人も妖も神さえも平等に本気になれる、こんな不安定な世界にはもってこいでしょうに、それに私は地獄とか迎えとか血生臭い記事は嫌いなんです」

 

「そういうもんかね」

 

「そういうもんですよ、あ、安心してください、記事にするときは匿名で記載しますので」

 

「んなもん気にしてねえよ」

 

「ではなぜそんなに不満げなんですかね」

 

そんな顔になってたかね、私も顔に出やすいやつなのかねぇ

 

「いやなに、ただ昔みたいに簡単に気持ちよく殴り合えなくなるのが残念なだけだ、憂いだよ憂い、不満なんかじゃないさ」

 

「やってみたら殴り合いよりも楽しいかもしれませんよ」

 

「そんなもんかね」

 

「そんなもんですよ」

 

確かにそうかもしれないとちょっぴり思った、戻ったらすこし考えてみるか

 

「おや、今日はいつもの相方は今日は不在なのですね」

 

少し会話に空白が開くとそこに上司が割り込んでくる、お説教は終わったようだ

 

「あの子は今取材中でしょう、閻魔様の新聞どうです?」

 

「ええせっかくですしもらっておきましょう」

 

新聞を受け取ってもらうと彼女は私に近づき

 

「私こういうものです、また機会があればお話聞かせてくださいね!では私はこれにて!」

 

「あ!こらまだ話は、、、、」

 

私に紙切れを渡し、風のような速さで去っていった、その紙切れにはこうかかれている

 

 社会派ルポライター あや

 

口癖っぽいあれ自己紹介だったのか

 

「四季様これなんですか」

 

「それは名刺というものです、職業と名前を簡単に紹介するための紙です」

 

「るぽらいたーってなんすか」

 

「ブン屋です」

 

「へえ、、、」

 

「、、、、、」

 

「だんごたべます?」

 

「食べます」

 

 

 

 

団子をひとしきり食べ終わると四季様が話を切り出す

 

「さ、最近変わったことは無いかしら?」

 

「何がですか」

 

「何がといわれると、、、そうね、周りのこと、、、とかかしら?」

 

かしら?って、、、、この人にしては発言がぎこちないぞ、、、、、

 

「あー、そうっすね、うーん、、、、、あ、同僚を一人最近見かけなくなった「それよ!」

 

といい終わる前に四季様が言葉をかぶせてきた

 

「え?」

 

「あっ」

 

変な間が生まれる

 

「それとは?」

 

怪しげな目で上司を見つめる

 

「えーと、その、、、、」

 

「はっきりしてください、らしくないっすよ」

 

「、、、そうね、白状します、、、魔法の森は知っているかしら?」

 

「はいまあ」

 

「それなら話しが早いわ、そこに住むある魔女の調査をあなたの同僚と寿命を見ることのできる船頭役の死神の二人に行かせたのだけれどあなたの同僚は死亡、船頭のほうは重度の火傷を負ってしばらくは復帰できないわ」

 

「へえ、鬼を殺せるほどの魔女ですか、興味あります、、、、、ん?調査?迎えじゃなく?」

 

「ええ、調査、内容は彼女の寿命について」

 

「捨虫ではないのですか?」

 

「それはないわ、かろうじて生きてかえって来た船頭の子の話によると、寿命は捨虫の法の効果同様止まっていたらしいのだけれど、彼女の場合妙なことに寿命が減っても瞬時に元に戻ったらしいわ」

 

「減っても?殺しかけたんですか?」

 

「ええ、迎えの子が攻撃を加えたのだけれどそれによって吹き飛んだ頭は再び焔が燃え上がるように再生したそうよ、船頭の子は『焔を殴っているようにさえ見えた』とも言っていたわ」

 

「体は焔でできていたとでも言うんですか?」

 

「そうとしか言いようがないし、そんなのありえないといいたいのだけれど、ひとつだけそれに該当するものに心当たりがあるわ」

 

「あるんすか」

 

「竹取物語の最後を知っているかしら?」

 

「確か藤原のなんたらが兵を率いて不死の薬を月に一番近い山のてっぺんで焚いて、、、、、もしかしてその不死の薬ですか?」

 

「そのとおりよ」

 

「あれ実話だったんだ」

 

「幻想郷にいるわよ?かぐや姫」

 

「マジかよ」

 

「そのかぐや姫の従者が作った不死の薬、『蓬莱の薬』というのだけれど、それを飲んだ人間がいるのよ」

 

「そいつが魔女、もしくはそいつも魔女と同じく体が焔でできていたと?」

 

「いいえ、彼女は魔法なんか使えないわそれに彼女の場合は焔なんて不完全な体じゃなく完全な肉体を保っていた、その上蓬莱の薬を使用した者たちは例外なく寿命が見えなかったらしいのよ」

 

「では蓬莱の薬ははずれと?」

 

「それをあなたに確かめに行ってほしいわ」

 

まあそんなことだろうとは思ってたけど、、、、

 

「死にますよ?」

 

「、、、話を聞くだけじゃ戦闘にはならないわ」

 

「のはずなんすけど調査しに行って死んだ奴はなんで死んだんすか」

 

「、、、、、」

 

そう間を開けて目を逸らした彼女は情を搾り取るかのように、両の手をグッと握り、上司として冷酷に命令を下す

 

「命令です」

 

こんなはずではなかった、もっと楽な仕事ばかりなはずだった、命の危険なんてない、私はそれに確信を持っていたし、それを保証したのは他でもない上司である彼女自身。

 

私は死ぬかもしれない

 

それを目の前の上司は何より恐れている、それにつけ込み、『嫌だ』といえば引いてくれるかもしれない

 

けれど

 

「了解、任せてください」

 

天秤にかけられた自分の命と彼女の命令では思いのほか自分の命は軽かったようだ。

 

 

 

 




初っ端からいきなりかなり重めの雰囲気になって来ましたが、一さんの運命やいかに!死ぬかも知れません!〔嘘{嘘じゃないかも(嘘かも?)}〕
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