東方酩酊宴 Crows Ogres and Phoenix   作:みたらしりんご

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魔法使い『園田 朱』

性別:女
能力:命を燃やす程度の能力
性格:至極苛烈
身長:ちっさい(妖夢よりもすこし小さい)
スタイル:太すぎず細すぎずの健康的な体形。


第三話 「『想起』実験終了」 園田 朱

立ち込める煙、燃え上がる家屋、その赤と灰に包まれた地に覆いかぶさる真っ黒な闇がこの情景の恐怖を煽る。

まさに絶望、私以外に生きているものなんていないだろう、最も、私も全身やけどだらけで傷だらけ、もう虫の息だが。

 

「あいや気の毒だね、謝りはしないが同情はしてやる」

 

そう無機質に吐かれるセリフを鼻で笑ってやる

 

「同情なんて、いらないわ、ただの諸行無常よ」

「ん?あまり喋るな、見た限りもうだめだが運がよけりゃ助かるかもしれん、無駄な体力を使うんじゃないよ」

「優しいのね、でも貴女が話しかけたのよ?」

「ただの独り言だよ、返事なんて期待してなかった」

「、、、、そう、本当に優しいのね、、、、、」

「どうかな、、、、、さて、もうここに用は無いし、ここ熱いし、帰るとするよ。じゃあな、人間」

「そう、さようなら、優しい天狗さん」

 

もうすぐ私は死ぬ、、、、、、

 

『気が向いたら使いなさい、必要なければ返しに来るといい、だがもし使うなら、代償は貴女の人生をいただくわ、、、、、』

 

そういえば、あの時は返事もせずに逃げ帰ってしまったな、彼女は怒ってはいないだろうか、今となってはどうしようもないが。

そうだ、もし、彼女が私のことをいまだに待っているとするなら、返事はこの焔で示すとしよう。

 

 

 

            月の姫君、、、、、、私の人生、あんたにくれてやる、、、、、、。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――、、、、、、

 

「悪いのは貴方よ」

 

時は移り今は現代、ここは幻想郷にある魔法の森のどこか、私の家の近く、の上空、雲が結構近い、私というのはこの首の辺りまである白髪、赤い両目の右目にはモノクルを掛けている、服装は朱色の着物の上に白衣を羽織り腰に一振りの刀を提げたおかしな格好の少女がそれ、名前は園田 朱(そのだあかね)

 

「撃ち落したのはお前だろ!!」

 

私の頭めがけて刀が飛んでくる

 

「最速を自称するなら弾になんか追いつかれてんじゃないわよ」

 

刀を避ける、使い魔からレーザーを撃って牽制して弾幕を張り接近対策をしておく

 

「自称した覚えはないよ!」

 

後退しつつ怒声と共に銃弾の如き早さの空気の塊を連続で飛ばしてくる、こんな見てのとおり喧嘩の最中である、相手は知人の天狗、名前は雛罌粟雅という

 

「そうだっけ?忘れちゃったわ」

「見た目の割には耄碌なんだな!やっぱババアかよ!」

「残念ながら貴方より年下よ!」

 

刀で空気の弾丸を打ち払いつつ、ビームを撃ち続け、さらに弾幕を追加する

 

「老化したモンから婆なんだよ!私はまだ何も衰えちゃいないっ!」

 

一瞬で距離をつめられる、ああくそ何のための弾幕か、近づかれるのはよくない、少々強引だが

 

「じゃあね」

 

魔力で斥力を発生させ押し飛ばしつつ反動で後ろに飛ぶ

 

「何のための刀なんだよっ」

「そうあせらずに」

 

弾幕の密度を高くして、威力の高い魔弾を生成

 

「そんなに近づいてほしくないか!」

 

そうよ

 

魔弾発射

 

「ん?」

 

と呟きながら、素手で魔弾を逸らした

 

「なかなか精度の高い射撃じゃないか」

「貴方がのろまなんじゃない?」

「馬鹿言え」

 

このセリフが聞こえてくるころには彼女の拳が私の下腹部にめり込んでいた

あの弾幕の檻を一瞬で抜けた、、、、ちがう被弾覚悟で一直線で飛んできたようだ、決してスペルカードルールなどで使われるような非殺傷の弾を一つとして使った覚えはない、むしろこの一発で死んではくれないものかと祈りを込めた弾、それをこうも容易く、、、、はないな、私が彼女にそこまでさせる地雷を踏んだのか、最速を自称しない割にはずいぶんと速さにプライドがあるじゃない

 

「私は最速じゃあないが遅かあないよ」

 

ええ、全くまったくもって、貴方たちの速さはやはり理不尽そのもの、半世紀以上も見てきているのに、貴方の駆ける姿はさっぱりこの目に映らないわ。

ともあれ遠ざけられたのは丁度いい、上向きに斥力と焔をジェット噴射し加速し3秒ほどで地面と激突する、追撃はすでに迫っている

 

「まあちょうどいい距離なんじゃないかしら」

 

では実験開始だ

魔力で弓と矢を編む

身体中に魔力を通し、肌に回路の様な光が浮かぶ

通した魔力で身体能力を弓であれを狙うのに最適な強化をかける

そして矢を番えて

よく狙い

ちゅん

その間1秒にも満たない

弓は一応使えるくらいには使える、がこいつ相手にはさっぱり当たらないので使わない、、、、、、が

 

「せめてかすっていたりしないかしr」

 

言い切る前に、また彼女の拳は私の下腹部にめり込む

 

ああ、、痛いわ、、、、、

 

「なぁるほど、あれが今回の実験か?」

 

そう、今回の実験は弓の技量をあげる魔法を試すのが目的

 

「あたった?」

 

彼女の頬が、、、、、すこし焼け焦げている

 

「ちょっと実用性低いんじゃないか?」

「まさか」

「弓を使って接近戦は非効率だと思うがなぁ」

「どうかしら」

「んー何かしらの策があってそれを思いついたのはいいが、やっぱ非効率だよ、鏡見てみな」

 

そんなものもってないのでとりあえず触って確認する

 

「あ」

 

つーっと鼻血が垂れていた、、この魔術は体の機能に弓矢で天狗を射るのに最適なブーストを予測できる限り効率よく身体に掛ける魔法、不死ならではの魔法なんだが、体に魔力を流しすぎたのが原因かな、特に脳に負担を掛けすぎるとこうなる

 

「興奮しすぎだろ、見たいなら見せてやるぞ、ほれほれ」

 

といって胸を強調する雅は無視、だが興奮のしすぎというのは間違いではない、これからは冷静に魔力を押さえてつかおう

 

「ったくつれねえ、、、のはいいんだがどうする?まだやるか?」

 

ちゅん

 

と、返答代わりに返した一矢は

 

「っと、危ない」

 

指でつままれてしまった、おかしい、さっきよりも冷静に、しかもきつめに魔法を掛けたはずなのに

 

「くっ」

 

確認のためもう一発

 

「三度も見りゃもう当たらんよ」

 

体を捻り避けてしまう

 

彼女の適応も予測には入れているはずあたらないはずは、、、、、そんな考えは経験と記憶が裏付ける私の考えの横に常にその全貌が伺えるはずの、私の実験の、魔術の、経験の、歴史の、今の前提が嗤って握り潰してしまう

 

「予測も驕れば慢心ということか」

 

にぃとわらってやる

それに気づいたうれしさと

気づけなかったことに対する自嘲と

まだ伸びれるうれしさを込めて

 

「弓はやめだ」

「なんやねん」

 

片手で腰に下げた獲物を抜く

 

「魔刀『朱』」

 

空いた片手には焔が噴出し、そして腰に下げてあったのと比べて短い刀になる

そしてその炎かできた方は刀身は赤く、朱く(あかく)染まり、熱を帯びている

 

 

具象魔法『炎熱武器庫(ヴァーミリオンズ)』No.01

 

「短刀『朱刃』」

「やはりこいつらでなくては」

 

これが私の魔法、具象魔法『炎熱武器庫(ヴァーミリオンズ)

私の焔を武器として具象する魔法

 

「やーいパクリ魔法」

「残念ながら貴方のよりも使い勝手は数百倍上よ」

「へん、言ってろ」

 

とつぶやき雅が刀を構えなおす

 

「妖刀『春紅葉』」

 

彼女が持つ長身の人一人分あるかと言うほどの刀、とは言っても『春紅葉』はこの刀に限った名前ではない、春紅葉は彼女が刀に妖力を流し、銘を刻んだものをそう呼ぶ、その妖刀はベースがどんな鈍らだったとしても、立派な名刀になる。

 

「へ?なんだいきなり」

「いやなにも、いい刀だなと思っただけよ」

「私が持てばどれも同じさ」

「ふふ、そうね」

「んじゃいざ尋常に」

「「勝負ッ」」

 

二つ重なる掛け声とほぼ同時に鋼が鳴く

雅の奇襲だ、天狗(かのじょ)が最大速度で放つ突撃剣

 

「雅風『春一番』、よく見切った」

 

見えてなんかない、しかし、幻想郷(ここ)において見えるものを斬るだけの刀はなにも斬れない刀と同意義だろう、私の刀はそんななまくらではない。

 

「それはどうもっ」

 

キンキンと数度甲高い音が響く、悔しいが剣の技量は雅の方が上だ、彼女の刀のリーチ、足運び、目線運び、使えるすべてを使って敷く間合いはまさに風の結界、守りは空気を切るが如く私の剣をいなし、それでいて吹き荒れる剣戟は嵐の如く私に襲い掛かる。

 

「だがっ」

 

雅の剛剣が閃く

 

「私の(けん)は風をも断つわ!」

 

灼刃『癇癪玉』

 

朱刃の刀身から炎が爆ぜるように噴出し、爆風に乗った剣戟が雅の一閃をそらす

 

「なんのぉ!」

 

すかさず蹴りで追い討ちを迎撃する雅

 

「やるわねっ」

 

だが

 

蹴りの体勢を戻す刹那、彼女の頭上、もとい頭があった場所に熱風が吹き荒れる、雅は直感で体を逸らした故か、はたまた慣れていないものに遭遇した故か、それが朱の放った一閃と認知するのにすこしずれが生じた。

 

「へえ、そういう」

 

その『熱風』の正体

 

炎熱武器庫(ヴァーミリオンズ) No.08 『ブレイズ』」

 

ブレイズと名づけられたそれは超大型の薙刀といったところか、彼女の1.5倍くらいあるそれは刃の部分が朱く染まっている、そしてそれを軽々と振り回して見せた彼女は

 

「どう?こういう使い方なら効率はよくなるんじゃない?」

 

先ほど弓で使って見せた技術を行使するための身体機能を拡張する魔法を、この超大型の薙刀で使っているのだ

 

この使い慣れた炎熱武器庫なら体のどこを強化すればいいか手に取るようにわかる、このブレイズなら筋力の拡張と視力と思考力の補助を取り付けるだけでいい、簡単だ、故に、さっきのような、蹴りの体勢を直すときに出来る刹那の隙に『朱』を仕舞い、このブレイズを具象させて、思いっきり振り抜ける。

 

「ッ」

 

雅の足元が弾け、彼女は即座に後方に飛び退いた

 

「逃がすかッ」

 

追撃に走る、短く持った小振りの横薙ぎ、、反動を上に逃がし振り下ろす、が距離を取られる。

 

「ならッ!」

 

「どうくるッ!?」

 

雅が凶暴な笑みを剥く

 

「瞬発力勝負よッ!!!!

 

― 灼人『癇癪玉』ッ!」

 

足元が爆裂し、その爆風に私が乗る、狙うは渾身の振り下ろし、隙が大きい大振りを速度で補う寸法、速度は十分、これな、、、、ら

 

「らしくないなぁ?」

 

雅は既に迫っている、構えからすると、、、、突きか、瞬発力勝負は負けね、確かに天狗(こいつ)に瞬発力勝負をしかけるなんてらしくない

 

そうね、らしくないわ、ええほんと

 

「らしくない、わ!!!!」

 

「ッ!」

 

二度目の癇癪玉、爆風は私を突き落とし、刃は雅に迫る、

 

「へぇ」

 

と迫る刃に笑顔で答える雅、その瞬間、彼女は無造作に剣を持った腕を振り下ろした

もちろん距離は足りず、私にかすりもしないが

 

「『突風の先導』!!!」

 

刹那、ぎゅんという音と共に彼女が消える、否、彼女は押し飛ばされた

 

彼女は刀を振り下ろしたのではなく、腕を振り下ろした、そこに風と私の起こした爆風を集め、下方向に投げた、そしてその集められた突風は彼女を突き落とす、地面にたたきつけられる彼女は衝撃を巧く使い後方に飛びのけ、遅れて迫る刃に対応するだろう。

 

いや、そうでなくては

 

「ハッ」

 

思わず笑みがこぼれる。

 

刃は焔、焔は燃え上がり、薙刀は焔と化す、、、、そして

 

「『灼破連刃』ッ!!!!」

 

焔は大地を裂く

 

「っつい」

 

彼女が飛び退く

 

「逃がさないわ」

 

焔は大地を裂き、地に立つ私を支えに、再び空を裂き、地を砕く、故に『灼破連刃』

 

そして彼女は、、、、

 

「今のはよかった、、、、、、、、今日はやけにアツいな?」

 

叩き付けられた刃の上に立っている、私の火を払う風を纏って、その美しさに反し、刃は強く踏み込まれていて持ち上がらない。

 

全く

 

「、、、っんたはどこまでッ」

 

きっと今の私はこの日最高の笑顔だろう

 

「さあ続けようか」

「無論よ」

 

ああ、楽しいわ、、、、、。

 

そして後数十分続くことになるその喧嘩の決着はあまりに予想外なものだった。

 

「双方それまで」

 

と凛とした声が響き

 

「「げっ」」

 

朱と雅の声が重なる

 

展開していた使い魔は無力化し、武器を持つ腕は『スキマ』によって縛られる。

 

そう、この喧嘩に割って入ったのは、この幻想郷を見守る妖怪の賢者『八雲 紫』である。

 

「喧嘩は好きにしなさいとはいったけれども、自然や他人の迷惑にならないようにともいったはずよ、周りをみなさい」

 

木は風や武器によってなぎ倒され、ところどころ火が着いている。

 

「森への被害は最小限に抑えました」

 

と私が反論と同時に指を鳴らすと辺りの火はすべて朱の体に吸収される

 

「これで最低限ねぇ」

 

と苦笑いをし

 

「もし貴方たちが場所を変えるという発想に至れば、被害は0だったはずよ」

「ぐぬ」

「それに」

 

とかぶせ気味に追い討ちをかける

 

「被害は自然だけじゃないわ」

 

あっ

 

「あっ」

 

雅がこちらをみる

 

「そういえば、誰か殺した気がする」

「確かになんか殺されてた気がする」

「割って入られたのよ、しょうがないじゃない!?」

「しょうがないな、喧嘩に割って入って死んだなら死ぬほうが悪い」

「そうね、私たちは悪くないわ」

 

紫さんは頭を抱え、私たちに罰を言い渡す

 

「倒した木をすべてちょうどいい大きさに切って炭にして里で配りなさい、しっかり二人でやるのよ、冬も近いからちょうど良いでしょう、そして、貴方達が殺したのは是非曲直庁の者よ、その件に関しての罰はあちらにまかせておくわ、せいぜい覚悟しておくことね、、、、次は、言いつけをしっかり守って喧嘩しなさい、あと雅、文には一応文句入れておくわね「紫様それは勘弁してください」

 

と言い残し紫さんはスキマのむこうに消えてしまう

 

「、、、、、あー、、、、、、うん、、、、、、、、、悪いのお前な!」

 

っと言い残し暴風を起こし雅も去っていく。

 

「、、、、、、、、は?」

 

既に適度な大きさにカットされた木材を残して、、、、、、、。

 

 

 

 

―――、、、、、

 

そんなことがあったのが三日ほど前である。

 

何故こんなにも長ったらしい回想をしたのかというと、死ぬ前の走馬灯みたいなものである

 

「ああ、、、えーと、どちら様でしょうか、、、、」

 

ノックをされた私の家のドアの先にいたのは

 

雅と同じくらいの長身に、キリっとしたスーツを纏った、『鬼』

 

「是非曲直庁の『灯火 一』ってもんだ、園田 朱ってのは、あんたであってるかい?」

 

「ええ、、、、、そうですわ、、、、、?」

 

いわゆる絶体絶命である。

 

 

 

 




どうも、みたらしだんごです。

久しぶりの投稿になります、すいません。
言い訳をするならスランプです、この三話をどう構成してもしっくりくるものができずにダラダラと時間だけを食っていました、ですが最近創作活動に関してで良いことがあったので、それを糧にどうにか書き終えることができました、自分なりにはうまく出来た一話だと思います、もし至らぬ点や感想などをいただけるのであればコメントしていただけるとありがたいです。
さて、いかがだったでしょうか、前回の最後を見た後だと、やはり肩透かしなオチですが、生真面目な映姫と一なので、こういうことが多々起きるのでしょう、さて今度は朱のピンチです!ですが次の話は雅の話をするのでその次に書くことになりますね、どうか楽しみにしていただけたら幸いです炎熱武器職人、反転の魔女、不尽の朱色
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