捻デレ者と和菓子屋の娘   作:グッバイぐら

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こんにちは。
少しの間更新止まっちゃってすいませんでした。


...俺は、未だに彼女に重荷を背負わせてしまっているのだろうか...。

~Side小咲~

 

 

「で?改めて聞くけど小咲は比企谷君のどこが好きなの?」

放課後。委員会が終わり、帰る準備をしていたらるりちゃんが唐突に聞いてきた。

「...え?」

「前に何かあったってのは聞いたけど、まさかそれだけじゃないでしょ?それとも何?その出来事でコロっと一目惚れでもしちゃったの?」

「えっと...」

...改めて聞かれると意外と難しい...。比企谷君の優しさって周りからは分かりづらいし...。

「優しいところというかなんというか...態度や言動は捻くれてるんだけど気を遣ってくれるところ、とか?」

「...私にはさっぱり分からん。」

うう...だよね...。さすがに今の説明じゃ分かりづらすぎるよね...。

「うう...どう表現すれば伝わるかな...。」

「...私が知るか。」

 

...ガラガラガラ...

 

 

~Side out~

 

 

「...小野寺、宮本。お前ら何やってんだ、こんな時間まで。」

日原先生に頼まれた雑用が終わり、教室に戻ったら何故か小野寺と宮本がいた。

「比企谷君。...えっと、私は委員会で...るりちゃんは「じゃーね小咲私急用があるからすぐ帰らなきゃバイビー。」って、るりちゃあぁあぁん!!?」

おおう...何か宮本がものすごい勢いで帰っていった...。俺とは極力同じ空間に居たくないってことですかそーですか...。というかそれを差し引いてもすごいなあいつ...残像見えたし...。

(るりちゃんのバカ~...!!)

小野寺は何もない虚空に両手を伸ばしてる...と思ったら真っ赤になって...何か血の気が引いてるんですけど。...何この百面相、ちょっと面白い。

(...どうしよう。告白なんてまだ先だと思ってたのに...心臓が壊れそう...どうしよう、いつもみたいに振る舞えない...やっぱり今日告白は無理だよるりちゃん...!)

...何かまた赤くなってんな。何?風邪?

「小野寺、お前体調悪いのか?」

「...え?」

「いや、さっきから真っ赤になったり逆に真っ青になったり、かと思えばまた真っ赤になってるから。」

「ぴえ!?い、いやこれはその、違くて...。」

おー...更に真っ赤になってらっしゃる...というかぴえって...慌てすぎだろ。可愛いなおい。

「まぁとりあえず早いとこ帰った方がいいんじゃねーの?なんなら送るか?」

体調崩した女子を放って帰ったら後で小町に何を言われるか分からんし...。

「え!?送ってって!?」

...この過剰反応。そんなに俺と帰るの嫌なのかな...。何かショックだ。

「...とりあえず何か飲み物買ってくるからちょっと待ってろ。」

「あっ...ちょっと待って比企谷君!」

 

 

~Side 小咲~

 

 

「ちょっと待って比企谷君!」

...勢いで教室を出ていこうとした比企谷君の手を掴んでしまった...どうしよう!?この後のどうするかなんて全く考えてないよ!?

そんなことを思って顔を上げたら...

「「...」」

比企谷君の顔が目の前にあった...

「...小野寺?」

自分の顔がどんどん赤くなっていくのが自分でも分かる...。でも...こんな機会これからあるか...

 

...今なら...

「比企谷君。私、実はね...今までずっと言えなかったんだけど...」

一文字ずつ、一文字ずつ音を紡ぐ...

「私ずっと...比企谷君のこと...」

あと...あと二文字...

「す...す...好《ガシャァァきァァァン...》」

...二文字は窓の割れる音に遮られた...。

 

 

~Side out~

「うわっヤベー!!」

「バカ何やってんだよ!!」

「つーかこれはマジヤバイっしょー!!」

「すいませーん!!誰か当たってないですかー!!?」

...先ほどまでのシリウスな空気は飛び込んできたボールによって粉々にぶち壊された。

「くそっ、危ねーな!」

とりあえず腹いせに飛び込んできたボールを思いきり投げとこう。結果ボールが1個紛失したとしても俺は知らん。おれのせいではない。

「悪い小野寺。先生に知らせてくるから少し待っててくれ。」

「へ?あ、ひゃい...」

 

(こ...こんな事って...ひどいよ神様...。)

 

 

...俺は難聴系主人公のように都合のいいように聞き逃したりはできない。だからこそ聞こえてしまった...。

 

『比企谷君のこと...好き』

 

「はぁ...。」

もし聞こえなかったら、あるいは俺の聞き間違いであればどれだけよかったか...。

彼女は、あの事故のことを未だに気にしているのだろうか...自分のせいだと思っているのだろうか...でなければ、俺の様な奴を好きになるなど...好きだと勘違いすることもあり得ないだろう。

「はぁ...。」

 

 

 

...俺は、未だに彼女に重荷を背負わせてしまっているのだろうか...。

 

 




ありがとうございました。
戸部に関しましては、あくまでゲスト出演というかネタなので、今後出演することはありません。
今後もよろしくお願いいたします。

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