クロード不在の為、すごい難しくなってきました。
「…じゃあ結局あんたなんで転校してきたのよ?」
俺があのストーカーさんを哀れんでいると桐崎が話を最初に戻した。確かにそうだ。
あのストーカーを救出するためでないのに…いや、もしそれが目的だったとしても、わざわざ学校に転校してくる必要はないだろう。考えられる理由としては一条の監視だろうか…しかしそれを桐崎の父親が容認するとは思えない。何と言っても桐崎と一条に恋人のふりをするように頼んだ張本人の1人なのだから。
「実はボスの指示でして…クロード様のように過干渉する構成員が出てくる恐れがあるので、監視という名目でお嬢の傍にいろと…。」
ああなるほど。つまり「もう既に監視はつけてあるからお前らは余計な事はしないでおとなしくしてろよ?」って牽制するために転校させたのか…ってことはこいつは桐崎と一条の仲についてそれなりの理解があるってことか?
「ところでお嬢?お嬢には最近とても素敵な恋人ができたとか。」
「ええ!?」
…こいつ恋人については聞いてても、フリについては聞いてないのか?
「よろしければ私にも紹介して頂けませんか?」
「あーと…そーね…」
桐崎は戸惑いながら一条を指し、一条のことを紹介した。
「おお…!お噂はかねがね聞いておりましたが、こうして直にお会いすると何とも頼りがいのある方ではありませんか…!素晴らしい!!!これでビーハイブも安泰ですね…!!」
…確かに満面の笑みではあるんだがどこか嘘くさい。もしかしてこいつも一条と桐崎が恋人になることを良しとはしないのだろうか?
だとすると何かまた面倒なことになる気が…
…何だこれ?思い切りそう言ってやりたい衝動を何とか抑えて現状を把握する。
あの後、各々に別れて昼食を取り始めたのだが…転校生と桐崎が一緒に飯を食っている。昔の知り合いなんだし、転校生…鶫さんは桐崎の実家の人間なのだ。色々積もる話もあるのだろう。そこまでは何も問題ない。
…問題は鶫さんが人目を憚らず一方的にイチャコラしていることだ。
いきなり桐崎に「あーん」をし始めたかと思えば、どこから取り出したのかお茶(アッサムティーというらしい)を用意して、挙句の果てに「昔は一緒にお風呂に入った仲」とか言い出した。
おかげで周りはわーきゃー騒ぎ出すし、一条は思いっきりお茶噴き出すし。つか割と危なかったな。一条がこっち向いてたら俺にお茶かかってたところだ。...ところで何故舞子はびしょぬれになっていたのだろうか?
「あーもう、私ちょっとトイレ行ってくる…!付いて来ないでよ!!」
「ごゆっくり。」
羞恥に耐え切れなくなったのか桐崎は肩を若干怒らせながら教室を出て行った。
「…一条さん。少し聞いてもよろしいですか…?」
「ん?ああ、別にいいけど…。」
桐崎が出て行ったと思ったら今度は鶫さんと一条が連れ立って教室を出て行った。
「…で?舞子、お前なんでそんなびしょびしょなの?」
「いやー、さっき楽にお茶ぶっかけられちゃってー。」
…そうか。こいつ俺の代わりにお茶被ってたのか。お気の毒に。
「それより、何であいつあんなカッコしてんだと思う?」
「あん?そんなん制服が間に合わなかったとかじゃねーの?」
「いやそーじゃなくて…」
ん?こいつにしては何か歯切り悪いな。
「え?もしかして気づいてないの?楽ならともかく比企谷なら気づいてると思ってたんだけど。」
「あ?どういう意味だ」
気づいてない?どういうことだ?
「んー…面白そうだから楽には伏せといてな?」
舞子はそう前置きして…
「あいつ…女の子だぜ?」
「・・・は?」
驚愕の事実を口にした。
ありがとうございました。
駄文に加えて無理矢理感半端なくなっちゃってすいません。