捻デレ者と和菓子屋の娘   作:グッバイぐら

24 / 24
こんにちは、グッバイぐらです。
お久しぶりです!全然投稿できてなくてすみません…
中々執筆時間が取れなくて…今回のもテスト期間の合間に書いてます…。
なのでクオリティはいつもどおりどころか、いつもよりもガクンと落ちるかもしれませんが…どうか目を瞑って頂ければ…


至って普通のカレーだった。

 目的地に到着したが、俺の心は虚ろだった。

 

『小野寺が好きな相手を怒らせる訳がないじゃん?』

 

バスで舞子に言われた言葉がずっと胸につっかかっていた。...いや違うな。現在進行形でつっかかっているのだ。

 

 

 小野寺の好意は誤解、勘違い。少なくとも俺はそう思っている。だが第三者である舞子から見たとき、()()はどう見えているのだろうか。俺と同じように罪悪感からくる誤解に見えるのか、あるいは本物の...。

 

 

 そんなことをずっと考えていたら、いつの間にかバスは目的地に着いていた。既に出ている解に対して思い悩むなんて、自分でも馬鹿馬鹿しいことだと思う。だが、なぜか頭から離れないのだ。

 ちなみに悩みの原因をぶつけてきた当の本人はバスで女子2人に板挟みにされていた一条を見て腹を抱えていた。...今度一回本気で殴ってやろうかな...。

 

 

 

 「小野寺と宮本は薪をもらってきてくれ。」

 

 目的地に着いた俺たちを待っていたのは、飯盒炊さん、カレー作りというキャンプの定番とも言える作業だった。それは別にいいんだが...

 

「桐崎、お前はここで俺が指示する。勝手に動くなよ?」

 

あいつは何であんなやる気なの?何?小野寺にでもアピールしたいの?そういう年頃なの?

 

「...そういや、家カレーって作る人によって個性出るよな。何か色々入ってて。厚揚げとか。」

 

「あー、あるね~。うちいつだったか麩が入ってたことあったよ~。」

 

一人言のつもりだったのだか、耳敏く舞子が話題を広げてきた。別に拾わなくてもいいのに。

 

「小野寺んちはどう~?何かそういう家の定番みたいのある?」

 

...ほんと余計なことしかしねーなあいつ。何故小野寺に...。

 

「えっ!?わ、私の家!?えっと......」

 

何か答えているが、相変わらず俺の方は見ない。正確には、視線は向けてくるのだが、すぐに反らしてしまうのだ。余程俺と話すのが気まずいのだろう。だったら別に無理しなくてもいいんだがなぁ...。

 

 

 まぁ班員の一部が会話しようがしまいが、カレー作りにさしたる支障など有るわけもなく、ごく普通の、特にツッコミどころのないカレーライスが完成した。

 

「「「いただきます。」」」

 

当然味の方も、至って普通のカレーだった。皆口々にコメントしてるが、そんなん知らん。むしろ何をそんなに語ることがあるのだろうか。

 

「わー!これすごい美味しい!」

 

そして桐崎。何でお前そんなにテンションが高いの?お前普段絶対これよりうまいもん食ってるだろうに。

 

「やっぱり自分たちで作るとすごい美味しいわね!こんな美味しいの初めて食べたかもー!」

 

それは絶対ないから安心しろ。

 

「...ねぇ、なんであんた黙ってんの?」

 

「は?」

 

いきなり何だ?

 

「せっかく一緒に食べてるんだから、あんたも一緒に喋ればいいじゃん!」

 

...こいつは普段1人で飯食ってるボッチに何を求めてるんだろう?喋りながら食事?無理です。

 

「ほら、小咲ちゃんも何か言ってやってよ。」

 

「ふえ!?」

 

そして何故よりによって小野寺に振る!?俺と小野寺が気まずくなってるのは知ってるでしょうよ!?

 

(なぁ、これって...)

 

(恐らくそうだろう...)

 

(桐崎さんなりに気を遣ってるんだろうね...)

 

何やら一条達がこそこそ話しているが、いかんせん小声過ぎて何の話をしてるのか分からない。というかこっちに助け船出してくんないかな...

 

「あ、あの、えっと...。」

 

案の定小野寺は言葉に詰まっている。...こうなるとすげぇ気まずいんですけど...仕方ない...

 

「カレー、お代わりよそってくるわ。」

 

一旦離れよう。...なんで鍋が2つあるんだろう?他の班のやつ?

 

「頑張って小咲ちゃん!今がチャンスだよ!?」

 

戻ってみると桐崎が小野寺に何か吹き込んでた。...何のチャンスなのか...まぁ俺絡みなんだろうな...仲直りしろとかか...?まぁいいや、せっかくよそったし食うか...っ!?

 

「ごはぁっ...!!?」

 

「うわぁっ、比企谷!?」

 

なんだ、この強烈な不味さは...カレーなのに苦味と酸味とあとよく分からん味がっ…!

 

「ちょ、ちょっと!?どうしたの!?しっかりしなさいよ!?」

 

だ…ダメだ…意識が…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと、これどうしたのよ!?」

 

「カレー食べたらこうなったよね!」

 

「なぁ、俺らカレー鍋1つしか作ってないよな?…なんで鍋がもう1つあるんだ?」

 

「あ…あの…るりちゃん…」

 

「?どうしたの、小咲?」

 

「えっと...材料が余ってたから...勿体無いかなって…私が…」

 

「…何やってんのよ、こんのバカがー!!!」




ありがとうございました。次は一体いつ投稿できるか全く分かりませんが…どうか気長に待って頂きたく思います。
…本当にすみません。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。