蒼穹の彼方へ   作:クレナイ

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 いよいよ完結!




 慌てて飛び出した修介。

 うまく空中を飛んでいることはできなかったが、通常の何倍もの跳躍力を見せ、トラックの荷台を突き破って外に飛び出していた。

 道路に着地したと同時に、彼の背後にあったトラックが、中に犯人である彼女を残したまま大爆発したのだ。激突した拍子にもれていたガソリンに周りから迫っていた炎が引火したのだと分かる。

 もう一度修介は自分が起動させてしまったISをまじまじと見つめる。

 黒いぴっちりとしたスーツは、特殊スーツとして知られているISスーツだと分かる。また聞きであるが、銃弾にも耐える事ができるくらいの耐久性を持っているとか。それくらいではないと高速移動をしている間に身体にかかる重力に耐え切れないだろう。

 最強の兵器と呼ばれているISを使えるというのには驚きを隠せないが、これで少しは戦えるということもあり、必要以上に取り乱したりはしなかった。

 回りからは逃げ惑う人々の悲鳴が未だに聞こえている。

 その中には老人やまだ幼い子どもの姿もある。

 突然トラックのあったところから再び爆発するような轟音が聞こえた。そちらに視線を向けると、炎の中から黒い装甲のISがゆっくりとまるで地獄から這い上がってきたもののように現れた。

 いくらISだからとはいえ、あの炎と爆発をまともにくらえばただではすまないだろうと思っていた。だが彼女の様子を見る限り、あまりダメージはないように見える。だがところどころ爆発によって装甲に傷があった。

「テンメエ……」

 地の底から聞こえてくるような声だ。表情は分からないが、ゆっくりとこちらに向かって歩み寄ってくる女性は怒りくるっているのが痛いほどのこの場の雰囲気で分かった。

 父親と共に様々な場所に旅に出かけてきた。その場所には戦場になっている国も何箇所か含まれていた。そこでは彼女が放っているように、相手を殺すという凄まじいほどの殺気が辺りの場を支配していたのを覚えている。その当時は嫌な雰囲気だということくらいしか分からなかったが、成長した今だからこそ分かる。

 あの場には悲しみと絶望に染まった顔しか持たない者たちが大勢いたように、きっとこのままではこの地に住む者たちの顔もあの時の彼らと同じようなものに変わってしまう。

 絶対にさせない――!

 どこからともなく光が集まり、女性のその手には一丁のアサルトライフルが握られた。あれがISの特徴の一つである量子変換というものだろう。

「よくも私のISに傷を付けやがったナ! 絶対に、ブッコロス!」

【警告】

 そのような二文字が突然現れる。

 修介はそれを見るや否や、その場から横に飛びのく。

 空を飛べるというISの特徴の一つをまったく理解していないし、使えないという完全なる素人の動きだ。

 だがその場を動かなかったら今頃彼女の手にあるアサルトライフルから放たれた鉛弾を受けていたことになる。

 修介の立っていた場所に銃弾が降りかかる。コンクリートでできている道路に銃弾が突き刺さり、爆発する。めくれ上がったコンクリートが細かくなり、雨となって降り注いできた。

「逃げんなよ、糞餓鬼イイイィ!」

 右腕を突き出すようにしてアサルトライフルの銃口を修介に対して向け、右手で戸惑いもなく、怒りの声を上げながら彼女は引き金を引く。無数の銃弾が、途切れることなく豪雨のように修介に襲いかかる。スラスターを吹かし、走り回って逃げ惑う。逃げる周りにある乗り捨てられた自動車や、近くにある建物の窓ガラスなどに命中し、被害を拡大させていく。

「何か武器、武器はないの!?」

 無手の状態である修介には遠距離から攻撃できる銃火器を持つ彼女に対して攻撃を与えられる機会はまったくといって良いほどなかった。猪の如く突っ込んでいけば、飛んで火にいる夏の虫というように、格好の的にされてしまう。ただでさえ動かしたのはこれが初めてであり、不慣れであるために操作がうまくいかない状態なのだ。とにかく何とかし泣ければ彼女は修介を殺さない限りはこの場からは引かないだろう。だからといって自分から死に行くようなことはしない。修介だってまだまだ死にたくはないのだから。

 銃撃を止めずにこちらに向かって近づいてくる女性。相変わらず無数の銃弾が修介に襲いかかる。その銃弾が次々と装甲に命中し、爆発する。小さな衝撃が途切れることなく身体を襲う。モニターに映し出されているエネルギーのような数値が細かく削られていくのが分かる。このまま受け続ければいずれ接近されて一気にやられてしまう。修介は隠れるようにして止まっていた自動車の後ろに回り、こちらに向かって歩いてくる女性に向かってその車を思いっきり押し始めたのだ。

 オータムは銃口を向けていた修介が自動車の陰に隠れたのに対し、無駄だというように自動車の窓ガラスを粉砕戦としてライフルの引き金を引き続ける。何十発も一瞬の内に消費されていくが、構わない。自分に対して直接的ではなくとも傷を付けた相手を殺さなければ、ISと共に傷つけられた彼女のプライドが許さない。

 突然に修介を守るようにして立ちふさがっていた自動車がこちらに向かって徐々に加速しながら近づいてきた。一瞬何が起きているのか、いぶかしむが、後ろに見える白いISを纏った姿が見えたために無駄な攻撃をくり出してきたのだと分かる。わざとらしくアサルトライフルを量子変換し、両手から武器を消す。そして次の瞬間彼女にぶつかってきた自動車を真正面から受け止めた。向こうの方からうなるような声とスラスターが吹いている音が聞こえる。だがまったく痛くも痒くもない。

 こちらが踏ん張るだけで自動車はピクリとも動かなくなる。向こうはスラスターが全開のようであるが、それだけこちらとの性能が違うのだろうか、とオータムは自分に課せられた任務に対して疑問を抱き始める。

 ――欠陥品か? 最新機だと聞いていたが、飛んだ嘘っぱちか、それとも使っている操縦者が問題か……。ちっ! 歯ごたえのある奴だともっと良かったんだが、ナア!

「く、くそおっ!」

 強引に押していくオータム。飛行戦を主とするはずのISであるが、完全な白兵戦と化していた。だがそれでもオータムは構わない。自分が気に入らないと思ったものを葬ることができればそれで良いと思っていた。

 苦悶の声を上げながら、必死に耐える修介。全開と思われるところまでスラスターを吹かせるが、まったく押し返すことができない。

 ――な、なんでっ!? どうして押し返せないんだ!?

 焦る修介のモニターに映し出される奇妙な数字の羅列。

【攻撃力・2、防御力・2、機動力・2、探知力・2】

 それが一体何を意味するのか。高いのか、はたまた低いのかも分からない。スラスターを吹かすのにもエネルギーが消費される。

「アハハハハハハ! そのままブッ潰れろオオオォォォ!」

 逆に勢いを付けたまま、後方にある建物に向かって修介ごと車を突っ込ませた。入り口にあるガラスを砕き、その建物の中へと放り投げるように突っ込ませる。入り口に入ってすぐの受付カウンターを巻き込んでそこにあった壁を突き抜けたところで停止した。

 肩で大きく息をする。いつものことなら、これくらいで息が上がるはずもない。いつも以上に頭に血が上っていたからだろうか、余計なところで体力を消耗してしまっていたようだ。

 ――クソッ! これも全て、あの糞餓鬼のせいだ……!

 チラリと見る肩部の装甲にただひとつだけ何かに切られたような傷が付けられていた。あの時の爆発で飛び散った何か鋭いものが装甲に当たって傷を付けたのだ。

 手に入れたばかりの彼女の専用機。それにいきなり傷を付けられるとは、それも鍛えられたIS操縦者にではなく、偶然その場に居合わせてしまっただけの不運な少年によって。これだけでは怒り心頭の彼女の気は収まらない、傷つけられたプライドの代償は大きすぎた。さすがに任務ということもあってISを大破させるわけにはいかないために適当に恐怖を植えつけるように痛めつけてから剥離剤を使い、ISを強制解除させてから一気に止めを刺そうと考えていた。

 重いものをどかすように、下敷きになっていた修介は自身を押し潰すようにしてあった自動車を横に投げ捨てながら立ち上がる。白い装甲はところどころ傷がついていて、さらに汚れが目立って見える。身体をある程度の衝撃から保護するためのISスーツであるが装甲と同じようにところどころ切り裂かれており、そこから赤い血が流れていた。

「漸くか……もうしばらく付き合ってもらうぜ? 私を怒らせた代償、大きいゼエ!」

「く、来るっ!」

 今度は接近戦を仕掛けるべく、オータムはスラスターを全開にして接近する。背信部にある八本もの装甲脚を不気味に鳴らしながら突き出す構えを取る。それを見て修介は逃げる場所もないために迎え撃つ他になかった。恐怖が身体を支配する。だがこれ以上誰かが悲しむのを見たくない。その元凶たる彼女に対して、拳を引き絞り、構える。

 その瞳はただ恐怖に揺れるひとりの少年のもの。だが確かに揺れる瞳の奥には戦う覚悟の炎が灯っていた。

「まずは一撃、くらえええエェ!」

「こ、このおおお!」

 鋭い槍の如き突きがその一本の装甲脚から放たれた。風を切るような軌道を描いて真っ直ぐに修介の胸部の装甲目掛けて突き出される。それに対して構えられていた右拳を迎え撃つように突き出した。

次の瞬間右手が金色に光った。

 光る拳が突き出された一本の装甲脚と真正面からぶつかり。それを破壊した。

「こ、これは――うわあああっ!?」

 だが突き出されたオータムの攻撃に押されて修介は再び奥の大きな穴のあいた壁の向こうへと弾き飛ばされる。

 ありえない――!?

 その言葉が彼女の思考を埋め尽くす。

 一体何が起きたのか、彼女は一瞬理解が追いつかなかった。確かに一本の装甲脚で十分だと判断し、攻撃を放った。それに対して無謀にも修介は拳を放つことで対抗してきた。内心鼻で笑ってやった。無駄な抵抗だ、と。

 だがそんな無駄な抵抗をすることで彼女が修介のことを痛めつける時間がそれだけ長く取れるということだ。彼女にとって、その行動は好都合だった。

 だが誤算はその攻撃を相打ちになったことだ。修介を広報に弾き飛ばすことができたので、今の攻撃を打ち合いはオータムの勝利だった。

 だが彼女にとってはそんなことよりも、装甲脚を破壊されたということが問題であり、信じられないことだった。弾き飛ばされた修介も瓦礫に埋もれた状態から、瓦礫を両側に崩れさせながら立ち上がる。自身の右拳を興味深そうに見つめている。

「テメエ……一体何をしやがっタア!」

 怒声の中に、僅かであるが困惑が込められている。

「な、何って……殴っただけですけど」

「な、殴っただけって……この私を馬鹿にしてるのか、アァ!?」

 オータムから向けられた、脅すような問いに対して素直に答えてしまう。だが修介の答え方が悪かったのか、逆にオータムをさらに逆上させる結果となる。

 修介としては単純に殴っただけだったのでそれ以外に答えようはない。

 あの時金色に光ったのは一体何故か。今意識してみても同じような現象は起きない。

「くそ、あんなのマグレだ、マグレに決まってやがる!」

 ただの拳をまともに受けるなど、いつもの自分であればありえないことだ、とオータムは思う。

 再び殺気が高まったのを感じ取る。ぴりぴりと肌を鋭い針で刺すような痛みが感じられる。

 修介は無意識の内に拳を構え、半身になる。旅を続けている合間、父親から教わっていた護身術だ。身の危険に晒される場所も当然あったので、一応と言うことで教わっていたのが今活きていた。

 だが修介にとっては絶望的な状況だ。

失った一本の装甲脚を除く七本ものそれがこちらに向けられる。その先には銃口が見え、さらに両手にはアサルトライフルとグレネードが握られている。超火力を前に、拳だけの修介が太刀打ちできる確率は万に一つもなかった。

「今度こそ二度と立ち上がれないようにしてやる……死ねエエエ!」

 一斉にオータムが構えた銃火器が火を噴いた。一撃必殺のグレネードが着弾し、紅蓮の炎を巻き起こらせる。無数の鉛の弾丸は周りのものを次々と蹂躙していく。壁という壁には銃疵が刻み込まれ、周りはまるで嵐が過ぎ去ったかのような状態になる。修介自身はISに搭載されているシールドバリアーというものによって傷らしい傷はつけられていないが、装甲は掠めたり、着弾したりする弾丸によって彫刻刀で削れられるかのように徐々に削られていき、シールドエネルギーもまた同様に消費させられていっていた。

 ――どうすれば、一体どうすれば良いんだ!?

 どこに逃げようと、オータムの攻撃から逃げることができない。地面に転がるようにして攻撃を掻い潜る修介。あまりに惨めな姿であるが、今恥を感じている暇はない。外に飛び出した修介は少しでも反撃の隙を、と探りを入れながら道路に乗り捨てられている自動車を盾にして攻撃をいなしていく。グレネードが撃ち込まれると、自動車がまるでひとつの爆弾と化して、大炎上すると共に修介のことを数メートルも吹き飛ばす。紅蓮の炎が辺りを更なる地獄へと変え、周りでは次々と自動車が爆発し、帰ってきた時に見た光景とはまったく違う地獄絵図と化す。

 高々と打ち上げられた修介はそのまま道路に叩きつけられる。いくらシールドバリアーがあるとはいえ、今の衝撃を全て和らげることはできなかった。起き上がろうにも身体全身が鉛のように感じられ、起き上がることすらままならない。叩きつけられた時の激痛で一瞬意識が刈り取られたような気がした。うっすらと明けられた瞳に炎が明かりとなって周りを照らしだされ、そこにある光景が残酷にも映し出される。

 火災が発生しており、空からは火の粉が舞い降りる。

 最初に戦闘が起きたところから相当移動していたようで、少しはなれたところには逃げている人たちの姿も見える。パニック状態のためか、周りには向こう同様に乗り捨てられた自動車があったり、すでに火達磨と化している自動車の姿もあった。

 建物にも火が回っている。

 内部でも火災が発生しているようでメラメラとした炎が窓ガラスの奥に見える。そして爆発したかのような音を発生させて、窓ガラスが粉々に砕け散り、まるで火炎放射器を放ったかのように窓ガラスのあったところから火が噴出した。

 まるで光り輝く雨粒のように、空に舞い上がり、それらが鋭い牙を立てているとも知らずに人々は見上げ、見惚れる。月の光を浴びたそれらはまさに美しく光を放っていた。

 だが次の瞬間には人々に襲いかかる刃と化して降り注いだ。

 さらに人々のパニックを煽る

 そんな中、修介の視線はある一点に向けられていた。

 そこには一台の自動車があり、内部から炎が上がり、火達磨になっている。その近くに倒れ付したひとりの女性がいた。抱きしめるようにして、彼女の腕の中にはまだ幼い女の子がいた。その女の子は大事そうに動物のぬいぐるみを似抱きしめている。女性は倒れ伏したまま動かない。動かない彼女に対して、その少女はどうしたのだろうかという意味を表すかのようにその小さな手で彼女の頬に何度も叩いている。

 それでも目を覚まさない。

 そして次の瞬間――彼女たちの近くにあったその自動車が大爆発を起こした。炎上していた自動車は内部から木っ端微塵に吹き飛ぶ。爆風が炎を飲み込み、熱風となって辺りを蹂躙する。すさまじいそれが辺りの建物の窓ガラスを叩き割って行く。断続的に聞こえる窓ガラスの砕けて行く音。離れているこの場所まで細かな破片が飛んできて、降り注ぐ。熱風が竜巻のように膨れ上がり、空に舞い上がる。倒れていた女性と少女を無慈悲にも飲み込み、一瞬にして火達磨へと買えて行く。その時に聞こえてきた短き苦痛に夜なく声。少女が熱によって自らの身体が焼かれる痛みに悲鳴を上げる声だった。 戦場に何度も足を運んだ修介は同じような悲痛な叫びを何度見聞いていた。それが耳の奥に再び蘇るような気がした。炎の中から黒い空洞となった双眸がこちらに向いたような気がした。

 助けて――そんな風に涙を浮かべた顔で言われたような感じがした。しかし手を伸ばしてももうどうすることもできない。舞い上がる炎。その上空から何からゆっくりと落ちてきた。ボトリと道路に転がるそれ。あの時少女が大事そうに抱きしめていた動物の人形だった。

 一部が焼けてしまい、中にある綿が剥き出しになっている。それに手を伸ばす――が、突如として発生した爆発の余波を受け、再びフワリと舞い上がり、炎の中へと落ちていった。

 手を伸ばした状態のまま、修介は項垂れる。何もできない自分が悔しく、歯噛みする。

 突如として身体に電流が流れ、激痛が走る。

 ISを起動させた時からなくなっていた痛みがまた突然ぶり返して来た。

 地面を踏みしめる音と、機械が鳴らす独特の音が聞こえて来る。

 その後者の音はまるで身に纏う西洋の騎士甲冑が揺れ動く音にも告示していた。身体を守る意味も兼ねているそれであるから似ているのは当然か。

 何とか立ち上がろうとした修介はそこで初めて違和感に気付いた。

 ――ISが、ない、だって……?

 先ほどまで自身が身に纏っていた白い装甲のIS。だがその下から着ていた黒いインナースーツすらもまるで幻だったかのように消えていたのだ。今修介が着ているのはISを起動させる前に着ていた私服だ。それでもオータムに殴られ、蹴られたためにボロボロになったり、汚れたりしている。

 どういうことなのか――修介の頭に困惑が広がる。

 膝をつく形で後ろから来たオータムに視線を向ける。バイザーで素顔が見えないが美しい女性だとは分かる。だがその仮面の下には恐ろしい肉食動物のような獰猛な顔があるのだろうとも分かっていた。

「手こずらせやがって……まあ、私としてはそっちの方が楽しくて良いんだケドナ」

 彼女は右手にある光る球体のようなものを弄びながら、そう言う。いつの魔に持っていたのだろうか。そしてその球体は一体何なのだろうか。

「楽しい……? あなたは楽しいから、こんなことをしたんですか……?」

 彼女の口から聞かされたその言葉。修介からすれば信じられないものだった。

 自分が楽しめるから人々を傷つける――戦場を見てきた修介だからそれが酷く、決して許せるものではなかった。痛みを忘れるほどの何かが身体を駆け巡る。手を膝において、ゆっくりと立ち上がる。

 オータムは修介の言葉を聞き、当然だというように口元を歪めるほどに笑みを作った。正面にいる修介はそれを見て、さらに眉間に皴を増やす。

 そんなことをしてもただの一般人の少年に変わりはない。怒りの瞳はむしろオータムにとってはその瞳を恐怖に染め上げることが何よりも楽しみだった。強がっていた者たちを最後は命乞いをさせるまでに痛めつける。その間に聞こえて来るどんな名曲にも勝るその者の悲鳴を聞きたかった。

 ――いいぞ、良い目ダア!

「それ以外の何があるってンダヨ? それにだな、この世界でどれだけの人間が目的を持って生きていると思ってんだ? どいつもこいつもただ惰性に生きている……そんなヤツラがこの世界に必要か? 必要ネエナ、だから掃除してやってんだよ、この私――オータム様がヨ!」

「――っ!」

 次の瞬間背信部にある七本の装甲脚にある銃口から無数の銃弾が放たれた。道路を穿ち、人々は悲鳴を上げて我先にと逃げ惑う。そこにもはや規律などというものは存在せず、邪魔をする者を傷つけても助かろうとする、そんな生物特有の生存本能が表に出ているのが見て取れた。オータムは逃げ惑う人々にわざと当たらないようにしている。まるで動物鑑賞をしているかのようにその様子を見ている。

 やめろ――そう叫びながら拳を構え、無謀にも生身で彼女に殴りかかりに走る。だが長い装甲脚の一本に薙ぎ払われ、横に乗り捨てられていた自動車に激突する。

 自動車喉にめり込むほどの衝撃が身体に走る。肺から強制的に空気を吐き出させられる。地面に手をつき、膝をついて頭を垂れる。激しく咳き込み、荒い呼吸で酸素を取り込もうとする。

「ああ、クソ……時間切れかよ!」

 向こうに立つオータムがはき捨てるように言う。

彼女の専用ISである「アラクネ」のモニターに帰還するようにとのランプが点滅していた。たった数分であるが、彼女がこなしてきた任務の中では長引かせてしまった部類に入る。もう少し楽しみたかったというのもあるが、IS学園の教師団に来られてしまうとまた面倒なことになりかねないと思う。仕方ないと逃げ惑う人々に向けていた銃口をしまい、修介の方に向き直る。

「まあいい、当初の目的のISは手に入ったんだ……あとは私のプライドに傷を付けてくれたお前を殺すだけだ、いい声で鳴いてくれよナア!」

 突きつけられる一本の鋭い装甲脚。それが柔らかい肉体に突き刺されば簡単に貫通させることができるだろう。そこから引きちぎることも、さらに数を増やして蜂の巣にすることだってできる。明確な死というものを突きつけられる。ここで死んでしまうことで彼女には用はなくなり、立ち去る以外の選択肢はない。

 だがそうしてしまえばオータムたちの組織がさらに世界に対して何かしらの被害を齎すかもしれない。そうすればもっと多くの人々が悲しみに涙し、苦しみに嘆くことになる。そんな人たちの顔を、変えてあげるにはどうしたら良いのか。

 笑顔でいる人は幸せを感じている。だから修介はいつも出会う人をどうしたら笑顔にできるか考えていた。時には下らないことで相手を笑わせることだってした。その人が笑うのを見るのが、修介は好きだったからだ。

 誰かの笑顔を守りたい。誰かが泣く顔を見たくない。

 ならばどうすれば良い――頭の中に響くあの時の声。そして脳裏に浮かぶあの戦士の姿。

『――戦え』

 あの時と同じ声が響く。まるで手を伸ばせと言っているようにも感じられた。

 頭を上げ、視線を向ける。その先にあるのはオータムの掌に納められている光を放っている球体だ。あれが先ほどまで修介が起動させていたISなのだろうと分かる。どんな手を使って奪ったのかは分からないが、もう一度取り返さないといけない。

『――求めよ、その力を』

 ――みんなの笑顔を、守れるだけの力が……欲しい!

 その瞬間球体が淡い光を放つ。それに気づかないオータムは装甲脚を槍の如く突き出す。

 やられる――そう思った修介は咄嗟に腕で身体を庇うようにした。その腕に突き立てられる装甲脚。だがそれが腕を貫くことはなかった。

「な、なに……?」

 突きつけられた装甲脚を受け止めるようにして、そこには修介の身体を守るように現れたISの腕部の装甲があった。しかし先ほどのものとはまったく違っていた。黒いインナースーツのようなものは相変わらずであるが、その上からまとわれる装甲の色が先ほどの白色からまるで青空を表すような深い青色へと変わっていたのだ。胸部、腕部、脚部は深い青色に、肩部はインナースーツと同じような黒色に染まった装甲が纏われていた。

 そして再び息を噴き返したように現れるモニター。機体の総合的なポテンシェルが軒並み上昇しているのが分かる。これなら先ほどは敵わなかった彼女に対して、少しでも対抗できると思った。

 呆けているオータムの隙を突き、突き出されていた装甲脚を握り締めると思いっきり引っ張る。勢い良く修介の下に引き寄せられるオータム。左拳を引き絞り、引き寄せられた彼女の腹部目掛けて拳を放った。

「が、はあ……っ!?」

 身体に直接叩き込まれたような衝撃が彼女の身体を走る。

 モニターに映されているシールドエネルギーの消費量を見て、思わず目を見開く。

 ――ただ殴っただけでこんなに削られた!? ありえネエ……!

 バリアシールドを突き破って直接装甲にダメージを与えてきた修介。やはりその拳は金色に輝いていた。あれがそのISの能力なのだろうかと思う。オータムはそれと同じ能力を持つISの存在を知っている。だがあれは単一能力によるもの。ならば目の前のISも同じような能力を持つのだろうかと考える。確かあれは自身のISのエネルギーを消費して相手にダメージを与えるものだったはず。ならば向こうは素人、勝手に自滅してくれるだろうーーそう思っていた。

「オラアアアァ!」

「っ!?」

 予想通り取ったところか。

 オータムに向かって真正面に拳を構え、殴りかかってきた。あまりにも予想通り過ぎたために一瞬動きが遅れた。金縛りのようなものだ。だが相手は素人、隙にはならない――とオータムは装甲脚を大きく広げ、その切っ先を修介へと向けた。

 同時に拳と装甲脚が放たれる。先ほどと同じように先端同士がぶつかり合い、装甲脚は途中から真っ二つに折られてしまう。だが折られたのはたったの一本に過ぎない。残っていた六本もの装甲脚が、修介のISに対して突き刺さるようにして襲いかかる。

「が、ぐがっ!?」

 鋭い槍の如き連撃が修介のISに襲いかかる。

 モニターに映し出されている残りのシールドエネルギーが削られた。まだ残量は気にすることはない。拳が金色に輝く攻撃によってエネルギーが減るということはないようだ。だがシュウスケが一撃を与えても、オータムからはその倍の数の攻撃が放たれる。それに彼女はわざと接近戦をしているようにしか見えない。彼女には先ほど使用していたアサルトライフルやグレネードといった遠距離から攻撃の可能である武器が装備されている。それらを使用されれば、者の数秒で修介はやられてしまう。

 連撃を受けて、後方に弾かれた修介。近くにあった建物に背中をめり込ませる。

「オラアアアァ! よそ見してるんじゃあ……ネエゾォ!」

 動けないと見た修介に対してオータムが笑みを浮かべ、その五本に減った装甲脚を構えて、再び突き出してきた。

 警告するようにアラートが鳴り響く。

 寸でのところで壁を使い、横にずれることでその攻撃をやり過ごすことに成功する。回避されたことに対して小さく舌打ちをしてオータムがこちらに睨みつけるように顔を向けてきた。彼女の放った攻撃は、全て修介が先ほどまで埋まっていた壁に突き刺さった状態であった。

 一瞬だけ彼女の動きが止まる。

 それはめったにないチャンスだった。

 普通ならここで止まってしまうだろうが、修介はその身体に巻きつくようにしてある鎖を破壊するかのように地面を蹴り、オータムに向かって接近する。こちらに迫る姿を見て驚きを表しているのが見える。

 思いっきり蹴りを放つ。

 当然簡単には当たらない。

 だが彼女の機体の装甲に当たらない代わりにめり込んでいた装甲脚の数本を半ばから蹴り折った。

 乾いた音が響く。

 折られた装甲脚はそのまま壁にめり込んだままだ。たじろぐように後退するオータム。その表情は見えないが、バイザーの裏では驚愕の表情を見せていた。

 ――ありえネェ……ありえネェ!

 こちらに向かって先ほどと変わらない瞳を向けてくる修介。普通なら涙と鼻水を流し、小便を漏らして命乞いをしていてもおかしくない状況だ。それなのに目の前の彼はオータムに向かって立ち向かってきていた。相手を恐怖させ、そして悲鳴と苦痛の叫びを聞くのが彼女にとっては最高の楽しみだった。それなのに今の相手はそれを聞かせてくれない。

 気に食わない――恐怖を移していない、その瞳が。

 気に食わない――恐怖を表していない、その顔が。

 気に食わない――恐怖を見せず、悲鳴を上げずに自分に立ち向かってくる 目の前の少年が。

「気にくわねんだヨォ! この、糞餓鬼ガァ!」

 一気に頭が沸騰したような熱さを感じた。目が血走る。ただ目の前にいる修介を血祭りに上げることだけを考えていた。残っていた僅か三本の装甲脚を我武者羅に放つ。

 回避することは難しい。だからといって迎撃するにも修介の腕では一本が限界である。

 ――どうすれば……。

 そう思考を巡らせる。そしてふと目に入ったオータムの操縦している機体の折られた装甲脚を見る。それを使えないだろうかと思い、迫る攻撃に対して無我夢中でそれを掴むと同時に扱ったことのない剣で受け止めるように構えた。

 金属同士がぶつかり合う音が耳に響く。

「な、なにぃ……!?」

 オータムの驚愕の声が零れた。修介はゆっくりと下げていた視線を上げる。そこには剣をクロスさせる形で構え、オータムの装甲脚を受け止める二振りの両刃の剣が自身の手に収められていたのだ。

 先ほどは槍のような形のものであったものであったが、何か血管のような黒い線がそれに浮かび上がっており、それ自体が生きているかのように感じられる。まるで細胞分裂して大きくなったように、それは棒ではなく、紛れもない両刃の剣となっていた。

 切ることも突くことも可能である武器だ。修介はそれを握る手に力を込め、地面を強く蹴ることでオータムを押し返す。たたらを踏むように後退したオータムを追撃する形で接近する。慌てて装甲脚を向けてきた。それに対してISに搭載されているサポートシステムのようなものの助けもあり、タイミングよく右手に握られている剣を振り上げた。それが淡く金色に輝くと、向かってきた装甲脚を先ほど同様に半ばから切り裂いた。

 切り飛ばされた装甲脚が宙を舞い、ゆっくりと重力に従って地面に落ちてきてその場に突き刺さる。

 双方の動きが一瞬だけ止まる。

 そしてその停止はすぐさま時が流れ出すように解除される。

 修介が左手にある剣の切っ先をオータムに向けて突き出す。彼女が先ほどまでやっていたようにお返しのつもりで向ける。それを半身になることで回避し、そのまま前進して修介に接近する。装甲脚を失った以上、彼女には接近戦で戦う手段は拳だけであった。普通なら一旦後退し、距離をとってから重火器を取り出して、それを使って応戦すればもっと効率的に倒せる。だが彼女は効率よりも戦いで感じる快感を重視するためにその選択を選ばなかった。

 拳を構え、修介の顔面目掛けて拳を振り下ろす。

 修介の顔面を中心としたところから衝撃が身体を襲う。鈍器で殴られたような衝撃が多少緩和されているが、相当の衝撃が修介の脳を揺さぶる。

 視界がチカチカと瞬くような変な感覚に、一瞬陥った。身体が密着するような状態。距離を取るつもりはなく、仰け反りかけていたところから、地面を踏みしめ、体勢を正して剣を振る。

 斜めにオータムのIS――アラクネを切り裂く。

 彼女の身体自体に剣は届かなかったが、アラクネのその黒い装甲に対して一線の大きな傷を負わせる。そう洸の表面に展開されているはずのバリアシールドを無効化するかのように、その手に握られた剣は淡く輝いている。追撃の左手の件を再び突き出すように構え、腕を伸ばす。槍のごとく突き出されたそれをオータムは無駄だというようにその刀身を掴み、下から蹴り上げるようにして修介の腕からそれを弾き飛ばした。

 上空に投げ飛ばされたそれをオータムはスラスターを吹かし、上空に飛んでそれをキャッチする。そのまま勢いをつけて振りかぶったその剣を振り下ろしてきた。

 マズイ――!

 咄嗟に剣を横に構えることでその攻撃を受け止める。若干膝を折ることでその衝撃を受け止めようとする。勢いも合わさったその攻撃に、道路に踏ん張っていた足がめり込んだ。ぎょっとそれを見たのが隙となる。空中でスラスターを操作したオータムが回し蹴りの要領で修介の側頭部を蹴り飛ばす。

 再び脳が揺さぶられる。

 頭が回るような感覚だ。

 道路の上を滑るようにして走る。足を踏ん張ることでブレーキをかける。ようやく止まり、ホッと一息をつこうとした――が、すぐにハッとして視線を上げると上空に飛んでいたオータムがこちらに向かってアサルトライフルを構えていた。無数の銃弾の雨が降り注ぐ。

 その場から離れることで初撃を回避する。しかし彼女の攻撃はそれだけに終わらない。執拗に追い掛け回すように銃口をこちらに向け、確実に誤差をなくしていく。先ほどよりも機動力などが高まっているためにオータムも少し苦戦しているようであるが、それもすぐに無くなるだろう。

 アサルトライフルのほかに、グレネードを構えた彼女。その重厚はちょうど修介が立ち止まったところに向けられていた。周りで燃えている数台のパトカー。回避してもグレネードを撃ち込まれてそれらが大爆発するだろう。そうすればこのあたりの被害はさらに広まる。

 どうすれば――。

 ゴンッ――背中に当たる硬いもの、パトカーに背中を触れさせていた。

真っ直ぐに銃口が向けられている。どうすれば良いのか――足を一歩横に動かす。するとつま先で何かを蹴った音がした。それを見ると警察官が使っていたと思われる一丁の拳銃だった。一瞬オータムの方を見て、それを取るために飛びつく修介。

「逃がすかヨォ!」

「これでっ!」

 拳銃を拾う修介。それを右手に構え、左手で添えるように構える。細長い槍状のものが剣となったように、その拳銃にも黒い血管のようなものが張り巡らされ、銃身が伸び、全体的にISに合わせるように大きくなる。さらにそれは弓矢のように長く上下に反りのあるものを生み出す。蒼穹を舞う獲物を穿つという意味だろうか、それは一丁の拳銃から、銃型のボウガンへと変わっていたのだ。

 照準を合わせ、トリガーを引く。空気を切り裂くような爆発的な加速を見せながら放たれた一発の弾丸が螺旋を描くようにしてオータムのグレネードから放たれた銃弾に向かって行き――交錯し、双方に着弾した。

 二人は自身のISに着弾した弾丸を凝視する。

 オータムはそのまま後方に吹き飛ばされ、姿を消す。 

 そして修介は爆発した時に発生した衝撃をまともに受け。背後にあったパトカーに激突する。その時爆発によってパトカーから漏れていたガソリンに引火し、立て続けに爆発が起きるのに巻き込まれてしまった。

 ISの絶対防御が発動する。断続的な爆発によってシールドエネルギーが削られ、そのままISが解除され、道路に投げ出される。

 大型ビルから叩きつけられたような衝撃が身体を貫く。

 口から声のような呻き声が漏れる。体中の骨という骨が砕け、筋という筋がブツ切れになってしまったかのようで、指一本動かすことができない。

さらに痛みすら徐々に感覚を失ってきていたためか、感じることはなかった。

 狭まる視界に燃え盛る炎が映る。炎の向こうにいるだろうオータムがこちらに来る様子はない。どこからか無数のスラスター音が聞こえてくる。次々と何かが道路に降り立つ音が聞こえてきた。さらに周りの惨状に対して何か言葉を発しているのが聞こえる。ほとんど聞こえる声色は女性のものだ。

 動きたいが、まったく身体に感覚がない。

 修介は完全に感覚を失うとともに、意識を闇の底へと落した。

 

 

 闇色に染まる空に転々と瞬いている星が見える。

 月明かりがそんな空を飛んでいる一機のISに対してスポットライトを浴びせていた。

 青を基調としたISを纏っている女性の脇には黒いISスーツを着てぐったりとしているオータムの姿があった。その手には光を失った掌サイズの球体がある。

「飛んだ失態だな」

「……チッ!」

 淡々とした女性の言葉に、ただ顔を逸らして舌打ちを零すだけのオータム。気に食わないが、今回は彼女の言う通り、とんだ失態を犯してしまった。

 改修するはずであった最新機と日本産の第二世代のISである打鉄の予定数を回収することができなかったのだ。すでに彼女のことを抱えている女性に回収してきたたったひとつの打鉄のコアを手渡していた。

 彼女の犯した失態とはそれだけではなく、彼女を抱えている女性の纏っているIS――イギリス産第三世代の最新機であるサイレント・ゼルフィスと同様にアメリカから奪ったオータムの纏っていたIS――アラクネを使用不可にしてしまったこともあった。

 あの時の攻撃がバリアシールドを貫通し、直接ISコアに対して何かしらの干渉を行ってきたのだ。そのおかげで完全にコアは活動を止めてしまい、たった四百七十六個しかない貴重なISコアのひとつを、さらに彼女たちの組織が保有している数少ないISコアをひとつ失ってしまったことになる。

 それの責任は重大だった。

 それにその攻撃を受けた後、彼女は大きく吹き飛ばされてしまい、それと同時にISも強制解除されてしまったために、助けが来なかったら今頃道路に叩きつけられて、最悪即死していただろう。生きていたとしても重要参考人として拘束されていたと思う。

「私が行かなかったらお前はIS学園の教師どもに捕まっていたぞ?」

「……へっ、そりゃどうかナァ?」

「まあいい、そうしておいてやる」

 女性の嫌味ったらしい問いに対してオータムは平静を保つようにして答える。

 それ以上からかうようなことは言わず、あっさりと話を切る。彼女にしては珍しいと思いながらも、どうでもいいというようにすぐにオータムは気にするのを止めた。

 それからすぐに考えるのは自分に対して一歩も引かずに戦いを挑んできた一般人の少年、修介のことだった。修介のと先頭を思い出す度に煮え滾るような思いが溢れてきた。油断があったと言われればそれを否定することはできない。油断しなければ負けることなどなかったからだ。

 しかしそれは言い訳にしかならず、そうだと分かっているからこそ唇から血が出るくらい強く噛むのだ。

「見てロヨ……次は必ず、お前をブッコロス……」

 徐々に遠ざかっていく方向に対して憎悪を込めた視線で睨みつける。

そこには海上に浮かんでいる人口の島の上にあるIS学園があった――。

 

END




 はじめての方は、はじめまして。
 いつも読んでくださっている方は、ありがとうございます。
 作者のクレナイです。
 今回の第3話を持って『蒼穹の彼方へ』を完結させたいと思います。
 この作品は以前読んでいたISとたまたま最燃焼した仮面ライダークウガやFate/Zeroの要素を組み合わせて執筆しました。
 あまりオリ主最強という要素はまったくなく、勝利してもボロボロだというようなそんなギリギリの戦闘描写を意識して書いたつもりでしたが、どうでしたでしょうか?
 この作品では一夏はISを作動させないので、オリ主がそのISを持ってIS学園で様々な戦いに身を投じて生きます。いきなり単一能力的なものを発動させてしまったのは失敗だったかな……などとも反省しています。
 今作品を読んで、何か一言二言でもありましたらご感想に書いていただけると嬉しいです。
 今後も長編を中心に、このように中編や短編を投稿していくつもりであります。
 みなさまに楽しんでいただける作品を執筆できるように精進して行きたいと思っています。
 最後にこの作品を読んでくださったみなさまに、最大限の感謝を。
 それでは!!

 初投稿 8月8日

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