因みにこの次の話、特殊です
「…何で僕が犯人になるのかな」
「簡単さ。まずそこの2人組は必ず2人で行動するはずだ。隠し事する仲じゃねぇだろ?」
「勿論だ、する意味もないしな」
「だろうな、ならこのふたりは除外してもいい。候補に入る余地もないのでな。
次に俺らだが…まぁそれに関してはお互いお互いを海で認識している。それが何だって話なんだがな、その時はな、
『この旅館には来てないんだよ』
わかるな?この意味が」
「……………」
「まぁそれに関しては神奈ちゃん達に聞けば分かるはずだ…
それに、ここに来てるならあんたは必ず俺達と会うはずなんだよ」
「え?なんで?」
「考えても見ろよ。普通、沖に流されてたら俺達より先に見つけて救助に向かうはずだろ?なんで俺より遅かったんだろうな?」
「………」
「だんまりか、まぁいいけど。
誠さん、あんた、リーダーだったんだろ?
あの人達だけじゃ統率が取れなかったんじゃないか?
そんで、リーダーであるあんたは急いで帰ってきて俺を助けた…」
「……ふふふ、あはははは…」
「どうした?ついにイカれたか?」
「ふふふ…いやなに、あまりにも妄想が過ぎていてね…笑いが止まらないよ」
「あーそうですか。で、反論は?」
「勿論するさ、というか、僕はまだ彼女を殺した証拠が残ってないからね…
それを提示されなきゃ僕は無実だろう?」
「なるほど、証拠は語る、と。
ほんとにイカれた人だ…
そんなに言うなら見せてやるよ」
「ほう?それが出来るというのか?」
「もちろん。
証拠はこれだよ、手紙の切れ端」
「手紙だと?笑わせるな、そんなので何が…」
「破り方」
「は?」
「あんたしかいないんだよ、左利きなの
まぁ破り方を見ればわかるんだけどな…
これ、左が上になるようにしないとちゃんと組み合わさらないんだよ…残念ながらそれが根拠だ」
「…っ!!そんな筈はない!ちゃんと右から…」
「なるほどね、右からか、うん、合ってるよ
だけど残念だね、アンタの負けだよ」
「はっ!?」
「あーあ、つまんねーの、勝手に墓穴掘りやがって…
まぁ、この程度のブラフにもかかる奴だってことは分かったところで…」
俺は思いっきり誠さんを殴った。
「っ!!」
「隼人!!」
「あんたさ、何やってんだよ」
「何って…何がだよ…」
「っ!!大切な妹殺しといて、何やってんだって言ってんだよ!」
「はい?大切な妹?何が大切だよ…あんなのなんか要らないから殺したんだよ」
「…おい、死ぬ覚悟はできたか…?
未練たらたらでも殺すけどな!!」
「やめてっ!!隼人!!」
「離せ!!こいつは殴るだけじゃ絶対に反省しねぇ男だ!!」
「だからって…だからって殺したらそれでおしまいなんだよ!?」
「!!!!…それは…」
「隼人、前に言ったでしょ?
人は死んだらそれでおしまいなの…
それは私も隼人も、誠さんも一緒…」
「………」
俺は何も言えなくなった…
確かにそうだ。人は生命活動をやめたらもう、動かない…
「だが、俺達からは殴らせてもらうぞ。
約束だからな」
「あぁ…いいぞ…」
2人組は同時に誠さんを殴って、元いた位置に戻った。
「…何故、殺した」
「ここの事についてだよ…僕は昔からここに泊まらせてもらってた。いいサービスだし、二人は優しいし…家がやってる所とは大違いだ。だが、あいつはここが賞を貰ってるのが気に食わなくなって中から潰そうとした…
僕だって最初は止めた。だけど融通が聞かなくなって…それで、仕方なく…」
「そうかい、アンタ大バカ野郎だな」
「重々承知してるさ」
「うるせぇよ、お前に何がわかんだよ…
お前に!!お前に殺された妹の気持ちが分かんのかよ!?手紙を出したということは信頼してたんだろ!?アンタを兄貴として、信じてたからあんな手紙出したんだろ!?人の事をわかったような気でいるんじゃねぇ!!
それに思いとどまるタイミングはいくらでもあったはずだ!何故だ!!なぜ止めなかった!!お前の本能が抑えきれなかったか!?違う!!お前が自ら理解しようとしなかったからだ!!」
「…」
「もういい…しばらく向こうで頭を冷やせ。そして自分のやったことはどれだけ何を失ったのか…もう一度考え直して償いをすることだ…」
「誠さん…」
「…そうだな…僕はとんでもないことをしてしまったんだからな…」
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朝。
目覚めの良い朝である。
あの後、警察が来て誠さんを逮捕。
その後は色々あったが取り敢えず最終日前なので寝かせてもらうことにした。
「んー…と!よく寝たー」
俺は立ち上がる。
とその時、周りを見回した時、
真希の姿がないことに気がついた。
「…は?おい!真希!!」
しかし返事はない。
「んにゃ…どうしたの?隼人…」
「…真希が、消えた…」
「…え?」
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その部屋の机の上には手紙が置いてあった。
内容は
『私は元の世界に帰ることにしました。色々迷惑をかけてごめんなさい。お兄ちゃんとお姉ちゃんにはまた会いたいです。だけど、それも叶わないかも…でも、心配しないで。
私は死なないから…
ありがとう
真希』
俺達は読み終わるとお互いの顔を見合わせ、呆然としていた。
…あぁ、大切な人がいなくなるのはこういう気持ちなのか…
絶対、絶対にもうこんな思いはしたくない。
俺が改めて支那美を守りきると決意した…
手紙の最後に小さく
「ゆかりさんって金髪の女性と一緒にあっちの世界に行ってくるね」
と書かれていることに気がつくのは当分後の話…
少し長めに書きました
因みに次の章に入る前にやる事がございます。
それはまた後日