「………支那美?」
どこに……行って……
「…紫さんもいないじゃないか…」
何があった…!?俺が前を向いて話している間に!!
「おい!二人共どこ行った!!」
しかし声は帰って来ず。
森のすぐ側、音もあまり反響しない。
「ユウに…ユウに聞くしかない…」
もしかしたら…紫さんが…
あの人は『スキマ』とやらから出てきた…
あれは何か瞬間移動系の特殊能力だろうか…?
そこから支那美を攫うことぐらいは容易だ…
「いや、それをするとユウも危険なんじゃないか…?」
ユウは紫さんとつるんでいるんだ。
もしあの人と紫さんがグルなら絶対に教えてくれない。はぐらかされるのがオチだ。
いや………あの気を放つ奴だ…失言をすれば最悪殺されるかもしれない………
「…そんなこと言っている場合じゃねぇ!!」
こんな俺が危険に晒されるならいい。俺は周りに迷惑が掛からなければそれでいいんだ。
だが…支那美を危険に晒すのだけは絶っっっっっっっ対に許せねぇ!
「…殺す」
何かしたらこの身が滅びようとも必ず殺してやる…!!
「何処ではぐれたか…そこから捜索しよう」
探すにしても死んだら意味が無い。
取り敢えずユウとの接触は後にしよう。
俺は脳を冷静にして、元来た道を戻り始めた…
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「ここが人里…
ってあれ?どこ行った?」
確か俺は中村達を人里に連れてきたはずだが…
「…何処かではぐれたか?」
人里の中…は無いな…
この人里に入ってから殆ど時間が経っていない。この数分で俺の目から居なくなるなんて無理に決まっている。
「外…?」
いや、外は俺が連れてきたはず…
……もしも、中村達が俺が入った後に消えていたとしたら…?
「…それしかない…」
考えてみれば入ってから今の今まで振り返ってすらいない…気付かなくても不思議ではないんだ…
「…おかしい」
消えていたにしろ紫がいる…アイツ込みで居なくなるはずなんてない…何故、何故紫まで消えている…?
「…捜しに行くか」
面倒事になっているのは確かだ。
…どうして気づけなかった…!!
「畜生…」
最悪の事態になる前に急ぐんだ…!!
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「…どこ歩いてきたっけ…」
やべぇ、あんなこと言ったのはいいけどここが何処か分かんねぇよ…
「こうしてる間にも時間が過ぎてるっていうのに!!」
クソッ…クソッ…はやく、早く手がかりを!!
「…ここにいたか」
俺は声がした方を即座に振り向いた。
「…ユウ」
「どうした?俺がここにいるのが不思議か?」
…そりゃそうだろうな。
「だが今回は俺ら絡みじゃねぇ…
紫もいなくなった。これは異変以外の何者でもねぇ」
ほのぼのをめざしております