扉の前には奴がいた。
影魔の野郎が。
そして手には求めていた装置も。
「…よぉ、さっきぶりだな…」
「そんな怖い顔しないでよ。そもそもここ僕の研究室なんだから」
「怖い顔してねぇよ。至って笑顔だよ」
「その笑顔が怖いって言ってるんだけど?」
影魔は余裕そうに会話を続ける。
まるで勝ちを確信するように。
「…なぁ、一つ要求をいいか?」
「どうぞ?」
「それ寄越せ」
「却下」
「ハァァァアアン!?!?てめぇに要求ええか俺が言うて頷いたやん!!!」
「いや普通に考えて障害になる事すると思ってる?」
「いや全然」
「だろうね」
下らん茶番と言われていい。
無駄な時間と思われてもいい。
何故ならもう終わりだから。
「失礼」
「…んな!?」
突如後ろから現れた先生がひょいっと装置をパクる。
「誰だ…!いつからそこに…」
「んー…1分前から?」
「そんなに前か…ら…」
影魔もやった気付いたらしい。
異空間操作装置。
影魔の発明品であるが簡単に言えば使用者の周りを球体で包み込むように異空間への道ができる。
言葉で操作するのが難しい代物なのだが要は装置に100メートルと認識させるとする。
そうした場合使用者の周りにはバリアのようなものが出来、使用者に干渉するには100メートル分進まなくてはならない。
しかし、これにはひとつの欠点がある。
それは使用者自身も対象の人物から入力した分離れてるように見える、という事だ。
影魔自身は拡張型スコープ付き眼鏡を使ってこちらを見ていたため簡単に視認はできる。
しかし、それでは視界が一定方向で固定されてしまうのだ。
それ故に、後ろの警戒などができなくなる。
その為、時間を稼がせてもらったのだ。
「クソがっ…!僕の発明品に触るな…!!」
「すまんな、もう範囲は設定済みだ。奪い取るなぞ不可能になって申し訳ねぇな」
「そういうこと」
俺は奴らが目を離してる隙に装置を見つけ、確保した。
「…次から次へと僕の邪魔を…!!」
「余裕ぶっこいたのはてめぇだ。てめぇ1人で落とし前つけろカスが」
思いついた罵倒を吐き、研究室を後にした。
「これで終わると思うなよ…!」
影魔は拳をぎゅっと握りしめた。
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「よし、任務は完了だ。すぐに帰るぞ」
「あぁ。それにめちゃくちゃいい収穫もあったしな」
「これのことか。結局よく分からず使っちまったけど」
「いや、それで大丈夫だ。効果を消す時はその緑のボタンを押せばいい」
水原からしてみれば訳の分からない機械だろうしそれを最初から使えていたのなら上々だ。
「ま、いつか使う時が来るだろ」
「来ればいいけどな」
「うっせ。さぁ早く帰るぞ」
「あぁ」
俺達は装置2つとロボをひとつ抱え、学校へと帰る。