車で学校に向かう道中。
「なぁ。今更なんだが俺らやばいことしてね?」
「ほんと今更だな」
水原が少し焦りの声を出す。
「大丈夫だよ。どっちにしろ敵に回すつもりだったしそれが早まっただけさ」
「お前さぁ…」
焦りから呆れの声に変化する。
「それともあいつらの仲間にでもなるつもり?」
「んなわけねーだろ」
「だろうな。これで正解なんだよ」
いや。正解とは程遠いのだろうが。
これの1番の正解は組織との争いを丸く収めることだ。後のことはまだしも絶対に今よりは楽に生きれる。
でも。
「支那美がいない人生なんて考えられないんよなぁ…」
「お?やっぱり刈谷にお熱?若いねぇ」
「アホか。大切な人が離れたら精神病むだろ。そういう事だよ」
それがお熱って事を分かっとらんのかこいつは。
色々青いなぁと思いながら水原はニヤつく。
「ルームミラーで見え見えなんだけどお前の笑い顔キモいぞ」
「そう?結構マシな方ぞこれ」
「嘘だろ」
そりゃそんな青いの見てたらキモくだってなる。こちとらもうジジイぞ。
「ほんっと、刈谷可哀想だなぁ…」
「何が」
「いえなんでも」
くだらないいつもの話をしているといつの間にか学校へ到着していた。
「おら降りろ。こっちの機械は俺が運ぶからそのなんちゃら装置とやらはお前が運べ。正直怖いし」
「えぇ…俺装置2つ持ちかよ…」
「俺のよかマシだろ。こちとら人型やぞ」
「まぁなんでもいいや…どうせお前じゃ扱えんだろうし」
「罵倒ですかね」
「いいえ蔑みです」
「口動かす暇あるなら運んでくんね?」
「はい」
適当な会話をしながら校長室へ向かう…
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「やぁ。随分早かったね」
「この教師がクソ優秀だったからな」
「いつもだろ」
「あ?」
「はん?」
「はいはい終わり終わり。早くそれ頂戴よ」
「あーはいはい」
俺は装置を渡すと校長はもう1つの部屋へと歩みを進める。
「あれ?ツッコミなし?」
「あーその殺戮兵器のこと?直して欲しいんでしょ?その子も連れてきなよ」
ありゃ。意外と読まれるもんだな。まぁ流石にこんなの背負ってたらそういう意図も読み取れちゃうよな。
俺は手に持っていたもう1つの装置を机の上に置きラボらしき奥の部屋へ向かう。
後ろには不安そうな先生もついてきた。
「なぁ…俺こんなところ見たことないんだけど…」
「あーまぁなんか秘密らしいし」
「いやこれやばすぎだろよく隠せるな」
「校長だからじゃね?」
すっごく適当だが奴ならできそうな気がする。なんかそんなオーラある。
「あ」
「あ?」
「すまんな言い忘れてたことあったわ。
…精神おかしくするなよ?」
「えっなに何があんの怖いんだけど」
「まぁ見てもらえばわかるけど…」
俺らは例のものがある一番奥の部屋へと向かった。
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「んなっ…!?」
扉を開けて開幕1番。
先生は驚愕の声を出す。
「佐々木…?」
身体は震え、たっているのもやっとの様子である。
「…なぁ、流石にこれまずいんじゃねぇの」
「と言ってもここ以外に保管できるところないし」
「あらそうじゃあ次からはもう少し考えような?」
「善処するね」
「確約しろアホ」
ほんとこいつのアホみたいなノリにはうんざりする。
「…これはどういうことなんですか、校長」
「あぁこれ?研究対象」
「研…究…?」
「そそそ。こういう子って意外といじりがいがあるからねぇ」
水原は我を忘れ校長の胸倉を掴む。
「おっと」
「ふざけんなよ…!こいつはうちの生徒だぞ!流石にこれは相手が貴方であろうと容赦はしねぇぞ!」
「先生。やめとけ」
「だが…!」
「くだらねぇからやめろと言ってんだよ。
俺だって悲しくないわけじゃねぇし最初はキレたけどこいつは綺麗なまま保管してくれてるんだよ。その意図を読め」
「…」
先生はゆっくりと離す。
「まぁ失礼。流石に私も今の発言は馬鹿だったね。撤回する」
「…いえ」
「それに君の本気も見れたしね。彼女でこれなら刈谷支那美はどれほどなんだろうねぇ」
余計なことはする気ないけど。と付け足す。
「…もういいか?さっさと始めてくれよ校長」
「はいはい」
先生はまだ心の整理がつかないようだがなんとか落ち着けはしたようだ。
「それじゃ、始めようか」
校長は支那美を医療台の上に寝かせると装置のスイッチをオンにした。
「システムオールグリーン。なるほど流石最新機器。素晴らしい」
「まぁ組織の最高傑作らしいしな」
「ふむ、ふむふむ。ここをこうしてこうすれば…」
俺らからは何をしているかわからないが着々と作業が進んでいるのはわかる。
「…うん。これで完了」
「…成功か?」
「わからない。待ってみよう」
途端。
支那美の身体が光り出す。
「うわっ!」
「ほほう!」
「ぐっ…!」
みんな一斉に声を上げる。
光が止む。
そこに存在したのは。
「…ん…うぅ…」
蘇った白髪の彼女。
刈谷支那美本人であった。