「…お前ん家デカくね?」
「お屋敷みたい…」
「そうでもねぇだろ。ただ一軒家ってだけだ」
「うん。まぁ…まぁいいや」
正直舐めてた。こいつの家は現代でもあまり見ることが出来ないような大きな家である。流石、そら他人の寝るところ確保くらいできるわな。
「こんなん生きててもあんまり見ねぇけどなぁ…」
「…まぁお前のいた時代は高層ビルが多いもんな…」
「ん?なんか言ったか?」
「いやなんでも。とりあえず上がれ」
「そういえば家族っていんのか」
結局はそこだ。全員守れんと意味が無い。
「家内も子供も家にいたよ。安全も確保してる」
「そうか。ならご遠慮なく」
「お邪魔します」
玄関の扉を開けると水原の奥さんらしき人と自分より少し小さい男の子が迎えてくれた。
「貴方達が夫の教え子さん達ですか?お話はかねがね伺っております。妻です」
「おっとこれは御丁寧にどうも。今回護衛をさせて頂く中村隼人と」
「刈谷支那美です」
「あともう1人いますがそちらにはただいま外の偵察に回ってもらっているためこの場でのご挨拶は出来ませんがご了承ください」
「そんな…助けていただくのにお気遣いはいりませんよ」
先生の奥方は約160弱の黒髪ロングの美人さん。身長とは反比例してすごく大きなものをお持ちである。
「すげぇ…」
「………」
目線がとある場所に行っていると突如横からおぞましい速度の肘が横腹目がけて飛んできた。
マッハ5を超える速度に避けるほど俺は人間離れしていない。ライフで受けるしかなかった。
「げはっ!!!!!」
その速度は最早機械でも出すのが難しい領域。今更だがシナは人間ではないだろう。異世界転生者かもしれない。
幸いにも器物破損等の心配はする必要はなさそうだ。そこは考慮してくれたらしく俺はそのまま地面に突っ伏すことにした。
「え、えぇ!?大丈夫!?」
奥方は驚愕の声を出し俺の事を心配してくれた。やさしい。
「はい。気にしないでください。彼はこれがご褒美の変態さんなので」
シナさん!?何を言っているんだい!?!?
反論しようとしたがシナに背中を踏まれ踵をぐりぐりしてきた。
「ちょ!ちょいちょい!!痛い痛い!!ちょっやめて!!」
「だーめ。隼人は今えっちな目でこの人の事見てたでしょ」
「見てない!見てないから!!!ほんと!」
確かに身体の一部位は見てたけどエロい目では見てねぇ!
「え、ええっと…」
ほら!!奥さん困惑してんじゃん!もうやめよう!そろそろ死ぬ!
「…お前そんな趣味あったんだなぁ…」
「ぶちころがすぞクソ教師がぁ!止めろや!!!」
「いやっ…人の趣味を邪魔するのも悪いかなぁって…」
そんな良心こんな所でいらねぇんだよ!!!!
「無理!!もう死ぬ!やめて!!!」
そう言うと願いが届いたのかやめてくれた。
痛みがまだ背中に残っているがこれ以上踏み続けられるのは流石に身体が持たない。
「やっと終わった…」
安堵していると急にシナが屈んで俺の耳でそっと話した。
「私以外の女性をそういう目で見ないって約束して」
「へ?」
驚きしか出なかった。まさかのヤンデレさんですか。ていうかシナさんキャラ崩壊し過ぎじゃない???可愛いけどなんか俺の知ってるシナじゃないような。
見上げると言い出したシナは顔を少し赤くしてもじもじしていた。なんだ。俺の知ってるシナだったわ。
「…じゃあシナの事はエロい目で見てもいいってことか?」
「ふぇ…?」
まぁさっきの言葉を超次元理論で解釈するなら、そういうことだろう。
正直な所そういう行為に興味はないつもりではあったが。校長の例の件から少し意識してしまった。
「そ、それは…流石に段階があるというか…」
先ほどより顔を真っ赤にしてしまい、声も心無しか少し小さくなっている。
流石にこれはまずいと思ったので話を変えた。
「あ、白のレース」
「〜〜〜〜っ!?!?」
あっこれやべぇ俺も相当焦ってたな多分この後の展開予想出来たわ皆さんさよなら。
予想通りさっきの肘とは比べ物にならないくらいの速さの拳が顔目がけて飛んできた。てかシナさんあれからこんなに強く─────
そう思ったところで俺の思考は消し飛ばされた。