平凡な男と白髪の少女   作:ふれあすたー

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そして

「身体が痛い」

「一体誰のせいなんだろうね〜?」

「さぁ…身に覚えは…」

「もっかい刻んどく?」

「いやもうホントマジ勘弁してください」

「ふふっ。冗談だよ。冗談」

「目に光がないぞ。おかしいぞ」

「周りが暗いからじゃない?」

いや違うこれ絶対違う選択肢間違えたらなるやつきっと野々原渚かもしれない。

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あの後俺は水原先生の息子…ってかまぁあれも後の水原先生なんだがとりあえず今は和真って呼んどく。

和真に叩き起され正式に目覚める形となった。

気絶中も有用な話が聞けたし無駄な時間ではなかったといえばなかったが。

まぁ寝てるだけでお嬢の機嫌が治るかといえばそんなはずもなく。

結局今の今まで仲直りは出来ずこうなった。

「もう許してくれや…」

「いきなり人の下着の詳細言っといてよくそんな事言えるよね」

「違うんだってあれは焦っていて咄嗟に出た言葉であって」

「咄嗟に『白のレース』っていうのも中々の変態さんだけど一体何のせいで焦ってたのかな〜?」

「あっやべ」

ほんと意識してないしあんなでかいのあったら誰でも見ちゃうだろ!って言いたい所だがその道は自分で封鎖してしまったようだ。我ながらバカすぎる。

「どうせ私みたいなちんちくりんより紗枝さんみたいなおっきい方がいいんでしょ!」

とうとうシナは拗ねてしまったようだ。いや俺としてはシナが一番なんだけど多分今それを言っても逆効果だろう。ここはもう黙って荒波が過ぎるのを待つべきか。

むしろここで一か八かの賭けに出るのもありかもしれない。何処かの伊藤なんちゃらさんだって命を懸けたギャンブルで勝ちをもぎ取ったのだから俺だってやれば出来るはずだ。

「俺はシナの身体しか興味ねぇよ!」

…は?

これは流石に…いや、ドン引きレベルだろう。自分でも何言ってんのか分からない。いや逆に分かり過ぎて分からない。

俺はバカなのだろうか?バカなのだろう。女の子に身体にしか興味無いとかもう、もうやばいね。語彙力損失するくらいはバカな発言だ。

「…変態…」

まぁそりゃそんな烙印を押されても仕方が無いよね変態だよほんとに。

「…私こっち見てるから隼人はあっち見てて」

「はい…」

逆らえない。致し方なく反対の方向を見張ることにした。

…ほんと、こういう所なんだろうなぁ…モテないのって…別にいいけどさぁ…

________________

隼人は、直球で言えばバカだ。

水原先生とは余計な事言ってよく喧嘩はするし、女の人を見るとすぐえっちな目線になるし。

きっとここまでバカな人も数少ないと思う。

それに、こんな私でも隼人は守ってくれるし、照れ隠しだけのつもりだったのに予想外の返しでドキッとさせたりもしてくる。

「…ほんとバカ…」

こんなバカを好きになった私もバカなのかもしれない。

だけど、私はこの人が好き。

多分それはもう変わらない。

…一生、一緒にいたい。

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「まったく…全然仲直り出来てるじゃないですか」

空高いところから監視をしている機械は周りだけでなく2人もしっかり見ていた。

「彼女の気持ちにやっとこさ気付けたのにやっぱり鈍い男ですね…」

人の恋路は見ていて楽しいものだとあの人は言っていましたがそういう事だったのか、とようやく理解することが出来た。

「確かに見ていて飽きませんね」

思春期真っ盛りの2人、感情がコロコロと変わり怒ってるかと思いきや照れ隠しだったり笑ってると思いきや泣いていたり、と機械では成し得ることが出来ないことをしているのを見ると感動と同時に面白さもある。

「…まぁ、頑張ってほしいことには変わりありませんがね」

お互いしかお互いの事を幸せに出来ない、という事もしっかり分かって欲しいところだ。他人が口出しすべきではないし見届けるくらいしか出来ないが。

「いつか、式を挙げる時には呼んで欲しいものですね」

とと、これは機械の言うべき事じゃないか。失言失言。

「…ん?」

なんだろうか。もうそろそろ人がいなくなろうとしてる時間なのに熱反応が複数ある。

…しかも反応してるにしてはやけに体温が低くないか…?

「…もしかして」

…これはすぐさま報告すべきだ。

この人数、遅れれば悲惨なことになりかねない…!

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「こちらスカウト、マスターの見ている方角から複数の反応を検知、数は40、と言った所でしょうか」

「…何も見えないんだが」

「えっ、いやそんなはずは…よく見てみてください」

コスモスに言われるがままに一点を見続けたがやはり何も見えない。

「…まさか」

えっなにまさかって。

「気を付けてください!相手は光学迷彩を使用している可能性があります!」

「なっ…」

「下がって!」

突然の言葉に無意識に身体が動いた。

と同時に背景がぐにゃんと少し歪み自分の立っていた地面にヒビが入ってるのが見えた。

「うっわ…」

地面にヒビ入れるとかどんだけ馬鹿力なんだよ…!

「…隼人、どういう事なのかは、見たまんまだよね」

「そうだな。俺には何も見えてないが敵がいるってのはわかった」

きっとシナは見えているのだろう。あの声掛けは勘ではなくしっかり見えていた上でのものだと思っている。

「シナ、敵は…40近くいる?」

「うん…コスモスの言ってた通り、40きっかり、ただ…」

「どうした」

「…あの人がいる」

シナが指を指した先には俺も知った人物がいた。

現時点で今この世で1番殺したい相手。

「…マスター、やっぱりいますよね…」

コスモスも合流した所で奴は口を開いた。

「やぁ。こんな夜分遅くにどうも」

霧萩影真は不敵に笑っていた。

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