IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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最近は届いた社長バグヴァイザーで遊んでおる。面白すぎるぞあの玩具!やはり神の恵みは偉大であった。

今回から夏休み編!まずは原作みたいにシャルとラウラのお買い物!


夏休みを楽しむものは、戦いを制する
第32話 二匹の子猫のラプソディー


8月3日(木)AM07時00分

 

「あ、あのー……ラウラさん?」

 

「………はっ!」

 

ラウラが抱きついているのは、いつもの自分の抱き枕(千冬の抱き枕カバー)ではなく、隣のベッドのシャルロットだった。しかも目の前に顔がある。その距離はあと少しでキスをするぐらい。

 

「えーと、あのね?キスはしてないからね?」

 

「………するか?」

 

「しないよ!で、いつまでこのままなのかな!」

 

「それもそうだな」

 

よっこいしょとシャルロットから離れるラウラ。散々よっこいしょはおじさんみたいだからやめてとシャルロットに指摘されるが、一向に直る気配がない。それとシャルロットはもう一つ指摘する。

 

「ところでさ……やっぱり服は着ないの?」

 

というのも、ラウラは寝るときはいつも全裸なのだ。その理由が、

 

「寝るときに着る服がない」

 

「学校のジャージとかは?」

 

「あれは体育の時の服だぞ。寝るときには着ない」

 

「いや、そうかもしれないけど……ああもう、風邪ひくってば」

 

サイドテーブルに置かれてあるバスタオルはこのためのものだ。8月というクソ暑いこの季節。汗をかいていれば体が冷えて風邪を引く可能性もある。そんな理由からシャルロットが置いたものだった。

 

「ところで、私はシャワーを浴びてくるが、お前はどうする?」

 

「うん、僕も浴びようかな」

 

「一緒にか?」

 

「ち、違うよっ!ラウラの後だよ!」

 

「ふっ、冗談だ」

 

シャワールームに行くラウラ。前なら冗談なんて言わなかったのに。やはり周りの友人たちの影響だろうか。

 

友人1「俺は攻撃にステータス全振りだ!」

友人2「剣さえ握れば勝てる」

友人3「掃除?お掃除ロボットがしてくれますわ!」

友人4「中華料理屋の娘だけど……最近イタリアンが好き」

友人5「宿題なんてするわけないだろ!いい加減にしろ!!」

友人6「お菓子〜お菓子〜……お菓子がない、だと!?」

 

「…………」

 

いやきっと先生方の影響だよきっと。

 

先生1「私は攻撃にステータス全振りだ!」

先生2「私、寝るときはジャージです!」

先生3「ちょ、今無駄に回復魔法使ったの誰!」

先生4「医者の仕事よりゲームが好き。オバケは嫌い」

 

あれ、周りの人、みんなおかしい人?

 

今更気付くシャルロットであった………。

 

 

「買い物?」

 

「うん、そう。ラウラのパジャマとかね」

 

寮の食堂、そこで早めの朝食をとりながらラウラとシャルロットは話していた。周りには部活動の面々がちらほらいる程度で混んではいない。その部活動の中にはセシリアの所属するテニス部と鈴の所属するラクロス部の姿もあった。セシリアと鈴も当然そこにいた。

 

シャルロットの料理部とラウラの茶道部は今日は休みだ。

 

因みに一夏は部活に入ってなく、箒は当然の如く剣道部。桐也と本音は何やら新しく同好会を作ったとか。

 

「それにしても……朝からステーキって、胃がもたれない?」

 

「分かっていないなシャルロット。朝に一番食べる方が稼働効率はいいのだぞ?そもそも後は寝るだけの夕食どきに一番食べるという方がおかしいのだ。消化されないエネルギーはすべて脂肪だぞ?」

 

「………それ、一夏から聞いたでしょ」

 

「そうだ」

 

存外、感化されやすい性格なのを忘れていた。純粋な水晶…みたいな感じ?。なんてことを考えながら、フォークの先端にマカロニを通して食べるシャルロット。

 

「それで、買い物には何時に行くんだ?」

 

「あ、うん。10時くらいには出ようかなって。1時間ぐらい街を見て、どこかでランチにしようよ」

 

「そうか。ところでシャルロット」

 

「どうしたの?」

 

「私には私服がない。公用の服ならあるのだが」

 

「………制服でいいよ」

 

 

バス停に着くとちょうどバスが走ってきた。時刻は10時過ぎ。車内はかなり空いていた。

 

(そういえば街の方ってあんまりゆっくり見たことないかも。タイガ先生と日本に来た時も、必要最低限の場所しか見てないし)

 

窓から見える景色を眺めるシャルロット。その隣のラウラは何やら雑誌を読んでいた。その内容は『謎が謎を呼ぶ!?雪男vsネッシー!!』。まさかの内容にラウラは引き込まれていた。

 

(雪男とネッシーが戦っただと!?バカな、UMA同士の戦いなど聞いたことがないぞ!しかし、UMAといえば未確認生命体か。今日の買い物で出て来なければいいが)

 

そんなことを考えるラウラ。それぞれに考え事をしている2人の乗るバスの隣を通り過ぎる黄色いバイク。その存在に2人は気付くことはなかった。

 

なんだかんだ考え事をする2人を乗せたバスはやがて目的地に到着する。シャルロットはバッグから雑誌を取り出し、それをデパートの案内図と交互に見て何かを確認していた。

 

「最初は服から見ていって、途中でランチ。それから、生活雑貨とか小物とか見に行こうと思うけど、ラウラもそれでいい?」

 

「よくわからん。任せる」

 

相変わらず一般的な十代女子のことには疎いラウラだった。

それにしても、とシャルロットは思う。ラウラは本来我が強い。それなのにシャルロットの言葉には特に抵抗なくすんなりと頷いてしまう。不思議なものだ。

 

7階フロアの店に入る。そこは人気のある店であり、女子高生や女子中学生が多くいた。セール中というのもあって店の中は騒々しい。それはまるで一夏と桐也と鈴が、互いの夕食を巡って争うが如く。

そのため、接客がおざなりになるのが当たり前だ。しかし…

 

「………お客さんお願い」

 

客に手渡すはずの紙袋が店長の手からすり抜けて落ちる。店長の異変に気付いた他の店員も、文句を言おうとした客もまたその視線を追う。その視線の先にはシャルロットとラウラの姿があった。

 

恐らく一夏と桐也は普段から会っているからそれなりに耐性がついているから分からないだろうが、本来シャルロットやラウラのような美少女を超えた存在はそうそう存在しない。店長や店員、その他の女性客はそんな2人の姿に魅せられていた。

 

「ど、どっ、どんな服をお探しでしょうか?」

 

「とりあえずこの子に似合う服を探しているんですが、いいのありますか?」

 

「こちらの方ですね!今すぐ見立てましょう!」

 

そう言うなり、店長は展示品のマネキンからセール対象外の服を脱がせる。本来それらは『とっておきのお客様』のためであって、初めて来店したお客のためにわざわざ脱がすというのは普通なら無い。

 

しかしシャルロットとラウラの可愛さは普通ではない。

 

闇医者曰く「ゲームから出て来たんじゃないか?」だそう。

 

「ど、どうでしょう?お客様の綺麗な銀髪に合わせて、白のサマーシャツは」

 

「薄手でインナーが透けて見えるんですね。ラウラはどう?」

 

「いや、わから「わからない、はナシで」むう……」

 

言葉を先回りされて、ラウラは珍しくむくれたような顔をする。それからじっと商品を眺めて一言。

 

「白か。悪くないが、今着ているのも白だぞ」

 

なんとも女子力の低い回答に驚いたようにパチパチと瞬きをする店長。シャルロットはやれやれといった表情だ。

 

「せっかくだから試着してみたら?」

 

「……どうせ、面倒くさいはナシとか言うのだろう…」

 

「うん。こっちも色々探しておくから」

 

そうこうしている間に店長とシャルロットはシャツに合うインナーとボトムスを選んでいった。あれやこれやと楽しそうにラウラの服を選んでいく。着せ替え人形の気持ちが少し分かったラウラであった。

 

(まあ、シャルロットがこうして選んでくれたのだ。着るくらいな

らいいか)

 

試着室に入って制服を脱いでいくラウラ。シャルロットや店長が選んでくれた服を着る。鏡に映ったその姿は所謂『クール系』というタイプだった。

 

(………なんだか、いつもと変わらなんな)

 

女の子らしいスカートなどを機能的ではないという理由で敬遠していたため、いつのまにかクール系というイメージがついてしまったラウラ。恐らく初めて出会った人にも分かるほどに。

 

(どうせなら、可愛い服が良かったな………)

 

「そんなラウラにこんな服はどうかな?」

 

「うわあっ!?」

 

試着室のドアから顔を覗かせていたのはシャルロットだった。驚きのあまりに部屋の隅まで後ずさりするラウラ。

 

「はい、これ着てみて」

 

「う、うむ」

 

渡されたのは肩の露出した黒のワンピース。部分的にもフリルのあしらいがあり、可愛らしさを演出している。

それを着て試着室のドアを開けると、店内の客と店員が一斉にラウラの姿を見る。言葉通り妖精さながらの格好に目が釘付けになっていた。

 

服を手渡したシャルロットに至っては、ヨダレまで垂らしている。

 

(シャルロット……花家先生という人がいながら、女もイケるクチか)

 

友人の姿に衝撃を受けながらも、シャルロットの用意したヒールのある靴を履く。しかし初めて履く靴に姿勢を崩す。

全員が助けに入ろうとした時にはシャルロットがその体を支えていた。

 

「す、すまないな」

 

「どういたしまして、お嬢様」

 

体勢を立て直したラウラの手を取り、お辞儀をするシャルロット。その数秒後に店内を人の海で満たされることを、2人は知らない。

 

 

「ふう、疲れた」

 

「まさか、最初のお店であんなに時間を使うとは思わなかったね」

 

時間は12時を過ぎたところで、2人はオープンテラスのカフェでランチをとっていた。

 

「しかしまあ、いい買い物はできたな」

 

「せっかくなんだし、そのまま着てればよかったのに」

 

「い、いや、せっかくお前が選んでくれたんだ。汚しては困る」

 

「ふふ、ありがと」

 

ふと、シャルロットが隣のテーブルの女性に気がつく。二十代後半でスーツに身を包んでいる。何か悩み事があるらしく、深々と漏らすため息には、深淵の色が見て取れた。

 

「……どうすればいいのよ………」

 

「あの、どうかされましたか?」

 

そこは優等生シャルロット。悩んでいる人を見過ごせないのである。ラウラもそれを分かっているから止めはしない。

女性は声をかけてきたシャルロットを見るなり、イスを倒す勢いで女性が立ち上がる。そしてそのままシャルロットの手を握った。

 

「あ、あなたたち!」

 

「は、はい?」

 

「バイトしない!?」

 

「「え?」」

 

 

「というわけでね、いきなり2人辞めちゃったのよ。いや駆け落ちかな。はは……それ以前にも2人用事がはいってこれなくなってね、急いで2人追加したばかりなのにね」

 

「はぁ」

 

「ふむ」

 

「でね、今日は超重要な日なの!本社から視察の人も来るし。だからお願い!2人に今日だけバイトで入って欲しいの!」

 

女性のお店に向かいながら話を聞く。なんとも不運続きな人だと思うシャルロット。もしかしてこの後もなにか起きるのではないかと考えてしまう。

 

「ここ!ここが@クルーズ!私のお店よ!」

 

@クルーズ。この近くでは一番有名なカフェだ。この女性はここの店長だったのだ。

店長が店のドアを開けると中から2人の男性が挨拶をした。

 

「お客様、@クルーズへようこそ」

「おかえりなさいませ、お嬢様」

 

女性は使用人の格好、男性は執事の格好で接客するのがこのお店の特徴だ。この2人も似合っている。などと2人をよく見ると、

 

「この2人が臨時のバイト君たち。織斑君と九条君よ」

 

「はい、よく知ってます……」

 

挨拶してきた2人の男性は一夏と桐也だったのだ。その2人もシャルロットとラウラが来店したと分かると、

 

「あれ、シャルちゃん?隊長さんもどうしたの?」

 

「2人が助っ人なのか。店長、助っ人探して来るって2時間ぐらい前に出てってから帰ってこなかったからな」

 

笑い飛ばす2人。お店は忙しいはずなのにこの余裕。いったい何故余裕なのか。

 

「はいはい、2人はバイトに戻って。女の子2人は着替えてもらうから」

 

こっちこっちと手を引かれ裏側に連れて行かれる。差し出されたのはメイド服。シャルロットは執事服を渡されるんじゃと内心不安だったがメイド服で安心した。対するラウラは機能的じゃないなと内心呟いた。

 

やがて着替え終えた2人の、初めてのアルバイトが始まるのであった。

 

 

カウンターから飲み物を受け取ってトレーへと乗せる。そんな単純な動作にさえ気品がにじみ出ているシャルロット。

初めてのアルバイトに動きがぎこちなくなるラウラ。それでも一生懸命頑張る彼女を、みんな愛おしく思う。

 

バイト経験のある一夏はテキパキと作業を繰り返し、桐也も臨機応変に対応していく。

 

「お砂糖とミルクはお入れになりますか?よろしければ、こちらで入れさせていただきます」

 

「待た……お待たせしました。オ、オムライスの客……お客様は?」

 

「かしこまりました。それでは、失礼いたします」

 

「それでは、何かありましたら何なりとお呼びください、お嬢様」

 

シャルロット、ラウラ、一夏、桐也。最早このカフェの救世主と化した4人。

 

「あのっ、追加注文いいですか!?できれば金髪のメイドさんで!」

 

「コーヒー下さい!銀髪のメイドさんで!」

 

「こっちにもイケメン執事さんを一つ!」

 

「アロハのおにーちゃーん。ジュースおかわりー」

 

(((執事の格好なのにアロハの人って分かるのか!?)))

 

驚愕するシャルロット、ラウラ、一夏をよそに女の子にジュースを渡す桐也。

 

そんな混雑が2時間ほど続いた頃、その事件は起きた。

 

「全員、動くんじゃねえ!」

 

ドアを壊さんとばかりの勢いで雪崩れ込んできた6人の男たち。一瞬、何が起こったのか理解できなかった店内の全員だったが、次の瞬間に発せられた銃声で悲鳴が上がった。

 

「騒ぐんじゃねえ!静かにしてろ!」

 

男たちの格好はジャンパーにジーパン、覆面に銃。バッグからは紙幣が飛び出している。

見るからに強盗、しかも襲撃した後の逃走犯だ。

外を見ると警察機関が既に包囲網を作っていた。

 

「どうしましょう兄貴!このままじゃ」

 

「うろたえんな!こっちには人質がいるんだ。向こうも手は出さねえよ」

 

へへへっと銃を構えるリーダー格の男。他の5人もそれにつられて銃を構える。多種多様な武器を揃えている6人だが、ここに4人の超人がいることを知らない。

 

(2人はショットガン、2人はサブマシンガン、リーダーがハンドガン)

 

(他にも何か持ってるかもな)

 

(さてさて、どうしたもんか……ん?隊長さん大胆だねぇ)

 

桐也が店内の状況を確認しようと視線を動かして、そこでぎょっとした。

店内で強盗以外にただ1人立っていたのはラウラだった。よくも悪くも目立つ容姿のラウラ。案の定リーダーがやって来るの。

 

「おいお前。大人しくしろって聞こえなかったのか?それとも日本語が通じないのか?」

 

ラウラのこめかみにハンドガンを押し付ける。店内が騒つくがラウラは微動だにしない。やがて苛立ち始めたリーダーがトリガーを引こうとする。

 

「撃てるのか?」

 

「なんだと!?」

 

「人を撃つのが怖くてここまでオメオメと逃げてきたのだろう腰抜け。そして人質を取らないと反抗できない」

 

「こ、このガキッ!」

 

「撃っていいのは、撃たれる覚悟があるやつだけだ」

 

本気でトリガーを引こうとするリーダーの男。しかしそれより早くラウラが動く。それを見て3人は「やれやれ」とため息をつきながら戦闘に参加する。

 

すぐにリーダーを膝蹴りでダウンさせるラウラ。

ショットガンの男の肩に、顔を赤らめながら踵落としを叩き込むシャルロット。この時ばかりは執事服が良かったと感じた。

落ちたショットガンを拾いもう1人のショットガンの男をショットガンで殴りつける桐也。それでも倒れない男に回し蹴りを叩き込む。男はきりもみ回転しながら地面に倒れた。

一方1人で2人を相手する一夏。ペガサスの力で銃弾を見切り、マイティの力で相手を蹴り飛ばす。格闘戦に長けるマイティの力ならあっという間に制圧できた。

 

「こっちは大丈夫!そっちは!?」

 

「問題ない。制圧完了」

 

(おい、今クウガの力使ったろ?)

 

(じゃないと無理無理!一般人に軍人レベルを求めるな!)

 

「どうしたの2人とも?」

 

「「いやいやなんでも!?」」

 

しばらくの間、静まりかえる店内。それもそうだ、まさか店員、しかもアルバイトがこの状況を鎮めたのだ。

やがて助かった実感が今になってハッキリしたのか、突然店内が騒がしくなる。警察機関も店内の様子が変わったのを見て詰めかけてくる。

 

しかし、事態は再び一変する。

 

「捕まってムショ暮らしになるくらいなら、いっそ全部吹き飛ばしてやらあっ!」

 

ダウンしていたリーダーが起き上がったのだ。ジャンパーを左右に広げると、そこにあったのはプラスチック爆弾の腹巻きだった。

形勢逆転。店内はさっき以上にパニックになる。しかし、

 

「諦めが悪いな」

 

2人の男から奪い取った拳銃を放り投げる一夏。シャルロットとラウラはそれを受け取って高速5連射。的確に起爆装置と爆薬の信管、そして導線を撃ち抜いた。男に当たってないところを見ると、流石は代表候補生だと思う桐也であった。

 

「まだやる?」

 

「次はその腕を吹き飛ばす」

 

「じゃあ俺はその足を吹っ飛ばす!」

 

「甘いぞ名人。自分はあんたの《ピーーー》を吹き飛ばす」

 

3人の容赦ない発言と1人のありえない発言に、男は戦意を喪失した。

 

 

8月3日(木)PM08時30分

 

「楽しかったねラウラ」

 

「そ、そうだな……」

 

「いろんなことがあったね」

 

「う、うむ……」

 

「ラウラの服買ったり、バイトしたり、それから」

 

「な、なあシャルロット」

 

「どうしたの?」

 

「い、いつまで、この格好なのだ?」

 

今現在、2人の寮部屋。夕食を済ませた2人は今日買ってきたパジャマ姿になり、またまた買ってきたクレープを食べている。それもシャルロットがラウラを膝の上に乗せて抱きしめた状態でだ。

 

「そりゃあ……ずっと?」

 

「な!?ずっとだと……ほ、ほら食べづらいだろ?」

 

「いいよ別に、気にしない。ほらクリームがついてる」

 

ラウラの頬を舐めるシャルロット。恥ずかしがるラウラをよそに幸せゲージが振り切ったシャルロット。このまま襲いかねないレベルだ。

 

そんな時にドアをノックする音が聞こえる。

 

「はーいどうぞ〜」

 

女子寮特有のフランクさで答えるシャルロット。しかし入ってきた客が客だった。

 

「………なんだ、取り込み中なら出て行くが」

 

「助けてください花家先生!!」

 

花家タイガ。この学校の三大ゲーマーなどと呼ばれている。1人は木綿季先生、もう1人は桐也だ。

 

「どうしたのタイガ先生?」

 

「ああ、大した用事じゃないんだが」

 

「「!?」」

 

差し出したのは@クルーズの袋だった。中にはクッキー。思い当たる節がある2人は汗を流しはじめる。

 

「なんでも強盗犯が起こした事件に巻き込まれた客にクッキーを配ってたみたいだ。俺は巻き込まれてないんだが、店長が押し付ける形でな」

 

「へ、へえ〜」

 

「そ、そうなんですか」

 

「まあ、俺は食わねえからやろうと思ったんだ。じゃあ、とりあえずお茶でも入れるか?」

 

「あ、いいよ!僕が用意するから」

 

「テメェの手じゃ無理だろ。大人しく座ってろ猫」

 

「猫!?猫……猫かぁ……えへへ」

 

「いかん!シャルロットの幸せゲージが振り切れた!避難だ花家先生!」

 

「なんだか分からんが、シャルがめんどくさくなってるのは分かった。退避だ!」

 

急いで部屋を飛び出す2人。そんな中シャルロットは1人ベッドの上で幸せオーラを纏っていたという。




シャルやラウラみたいな友人が欲しい。まあいても声をかける勇気はないのですが!可愛すぎるんだよ!

次回はセシリアの悩み編です。悩みを聞くのはキリヤんと本音、そして鈴。果たして3人はセシリアの悩みを解決できるのか!?

ではsee you next game!

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