今回は合宿編最終回前ですね。
新たに高評価、お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます!!
今回もよろしくお願いします!!
「それで?回復は済んだの雄二?」
「おう。
けどまぁ、昨日程の力は出せないな。
精々お前と同じくらいだろう」
「それって僕のことバカにしてない?」
回復試験を終えた僕と雄二。
僕は授業二回分と昨日の残っていた点数を合わせて昨日よりも高い点数になった。
雄二は僕と同じくらいらしい。
そこまで勉強してないのに僕の全力と同じくらいってどうなってるんだろうね彼は。
「覚え方の問題だ」
こやつはやっぱりエスパーなんじゃないだろうか。
「作戦開始前じゃというのにお主らは
何をやっておるのじゃ…」
「ゲームだけど…?」
「プラモだ」
言い忘れていた。
僕と雄二は鉄人から取り返した物で時間を潰していた。
一年ぶりのゲームが起動してくれたのが幸いだったよ。
「回復試験も終わったんだ。
あとは自由だろ」
「……これからが本番だというのに」
康太が言うことはご最もであるが少なくとも緊張感は持っている。
今回の奴等のターゲットは3年生。
3年生の入浴時間開始まであと一時間くらいだ。
「あ、小泉さんソードスキルを!」
「こ…これですか?」
「そう!上手いよ!!」
片手では出来ないゲームは小泉さんに手伝って貰ってやっている。
基本は僕が操作して攻撃は小泉さんに任せている。意外にも小泉さんは反射神経が良かったから難なくタイミングを合わせられるんだよね。
ちなみにやってるゲームは懐かしの
S○Oのホロウ・フラグメンt(殴
「花陽も付き合わなくていいことに
付き合って…」
「かよちんの次凛もやるー!」
なんだかんだ言って一年生二人も暇を持て余しているようです。
「っていうか用事っていうのは結局
何なのよ?
吉井先輩どころか秀吉先輩たちも
一緒って…」
「そ…それはじゃな………」
この面子の中で作戦のことを知らないのは西木野さんだけである。
凛ちゃんは作戦のことは知っているけど残念ながら留守番ということになった。
凛ちゃんを留守番にした理由としては………前回のバカテストを思い出してほしい。
「どうして私には教えてくれないのよ!」
「じゃから本当に西木野が気にする
ようなことではないぞい?」
「先輩が演技するときって握り拳を
作るの知ってます?」
「なぁっ!?
ワシはそんなことをしておるのか!?」
なるほど、秀吉は演技のときに手に力を込めているから握り拳ができるのか。
どれだけ演劇に熱中しているんだか…
秀吉にそんな癖があったなんて秀吉とは長い付き合いだけど僕でも気づかなかったよ。
というより、よくそんなところまで見てるね西木野さん…
「もはや妻に隠し事をする夫だな」
「誰が妻よ!!」
「おっ、赤くなった」
「~~~~~~!?
じょ…女子同士で結婚なんてしないわよ!!」
「分かった、俺が悪かった。
とりあえず壁の隅で泣いてる秀吉に
謝れ」
「ワシが女子……女子…………ぐすっ…」
「ヴェェ!?」
後輩にまで女子扱いされたことが余程傷ついたのだろうか。
秀吉は壁の隅で真っ白になっていた…
「ちょっと……秀吉先輩……」
「ワシはどうせ女の子なのじゃ…
皆そう言うのじゃ………」
これはまた重症だね。
西木野さんには頑張って秀吉を更正してもらわないと…
「先輩、電話光ってますよ」
「え?気づかなかった…
ありがとう、小泉さん」
小泉さんから携帯を受け取り着信履歴を確認する。
すると数十件も同じ名前だけがつづられていた。
「……電話は誰からだったんだ明久?」
「ぜ…全部先輩から………」
「……それはまた」
引きつり気味に言う康太。
流石に着信をこのまま放っておくのもどうかと思ったので僕は先輩に電話をかけ直すために先輩の番号をダイヤルした。
「あ、先輩ですか?吉井ですけど____」
『アンタ今まで何やってたのよ!!』
「うおっ!?」
突然の怒鳴り声に携帯を手放してしまう僕。
携帯から漏れた大声にその場にいた全員が黙ってしまう。
『昨日風呂場で倒れていたって聞いて
すぐ電話したのよ!?
傷だらけで倒れたってアンタ一体
何やったの!?』
「それは……ごめんなさい」
『なんで謝るのよ……
今私が聞いてるのは何してたかって___』
「…………」
『ねぇ、なんで黙ってるのよ……?』
紡ぐ言葉が見つからない。
先輩の一言一言が辛い。
相談できるのであれば相談したい。
けどこれを話したらきっと先輩は自分もこのくだらない戦いに身を投じることになってしまうだろう。
そんなことはさせないと合宿が始まったときからもう決めていた。
今更曲げることは許されない。
『そう…私には言えないってことね……
ごめん、切るわね』
「ちょ…ちょっと先輩!?」
突然電話が切れる。
言いたいことを伝えられないままで会話が終わってしまった。
「な…何なんだよ一体……」
電話をかけ直してすぐに会話が成立しなくなったことと自分の無能さに苛立ちを覚える。
「まるで浮気がバレた夫の反応だな。
明久」
「……面白くないよ」
茶化してくる雄二を厄介祓いしつつ、
その部屋から出ようとする。
僕が立つときに小泉さんが合わせてくれるのに優しさを感じる。
「なぁ待てよ明久」
「何?これ以上茶化すっていうなら____」
「違ぇよ。
落ち着いてもう一回携帯を確認しろ
って言ってんだよ」
「はぁ…?もう確認することなんて___」
僕は携帯を確認する。
[留守電 数件]
携帯に表示されたその文字を見た途端、僕は言葉を失った。
気がつけば僕は留守電を片っ端から開いていた。
『アンタ何やったの?
何か大浴場の周りをうろついてたって
話だけど。
変なローブ被った連中もいたらしい
けど無関係なのよね?』
『アンタ怪我したの?
何をやったのか分かんないけど
ちゃんと手当てしなさいよ?』
『ちょっと大丈夫なの!?
さっき二年生の子たちが大浴場の前
でアンタが傷だらけで倒れてたって
言ってたわよ!?
早く連絡よこしなさいよ!』
『本当に大丈夫!?
こっちから行きたいけど希に
止められてそっちに行けないの。
大丈夫なら連絡してよ。
これじゃあ寝ることだってできない
じゃない…!!』
留守電が入っていた一時間、二時間、三時間、三時間半という間にどれだけ先輩が行動してくれたのかが理解できた。
雄二は僕の方を見てすぐに目をそらす。
これを伝えるためだけにわざわざつっかかってきたんだろうか。
「にこ先輩は凄いです。
昨日も今日も会ってない筈なのに
吉井先輩のことをこんなに心配して…」
「……そうだね。
まるでいつもどこからか見られて
いるみたいだよ」
隣でそう言う小泉さん。
後で先輩には謝らなければならない。
この事件には無関係でいたというにも関わらずこんなにも心配してくれたのだから。
「時間だ。行くぞ、明久」
「分かったよ」
三年生の入浴時間の訪れと共に僕たちは二回目の戦いに身を投じることとなった。
【入浴場前廊下】
「誰もいない………?
どうなってやがる………」
入浴場前の廊下に着いた僕たち。
だがここに来るまでも来てからも敵と遭遇しなかったのだ。
不気味な静かさと共に時間だけが過ぎていく。
「入浴時間はあと30分くらいか…
このまま時間が経過してくれりゃあ
いいんだが…」
「奴等も流石に昨日のことがあって
諦めたということかのう…」
秀吉の言うことも一理ある。
だが奴等にとっては今日が絶好のチャンスである筈だ。
なぜなら文月学園の生徒会がいないのだから。
『ごめんなさい、吉井君…
昨日の戦いで私達は点数が…』
そう言って木下さんは何度も僕たちに謝ってきた。
結局全て僕たちに任せてしまってすまない、と。
「……そんな単純な連中ではない。
今回の奴等は何かが違う」
康太の言っていることは僕も思っていた。
明らかにあの馬鹿共が思い付くような作戦ではない策略や戦術を使ってくるのだから。
教師の許可も無しに召喚獣を召喚できる理由も未だに分かっていない。
「……!!隠しカメラに反応あり」
康太が自分の携帯と通信している隠しカメラの映像を確認する。
「やっぱりそう易々と諦めるわけが
ねぇよな…
敵の数は?」
「……多少ではあるが昨日よりも
増えている。」
カメラに写っていたのはFクラスの面子とFクラスではない数人の生徒だった。
「戦えない生徒の代わりに他のクラスの
生徒を傭兵として雇いやがったな…!
こいつは昨日よりも面倒だぞ」
「……目標と接触まであと10秒」
康太が警告した通り昨日よりも多い数の敵が走ってきた。
廊下を走ってはいけません。
「ほぅ、やはり立ち塞がるか坂本」
「よぉ、須川。
こっから先は通行止めだぜ?
とっとと帰れや」
「そうはいかん!
散っていった同士の思いと共に
我らは桃源郷にたどり着くと決めた
のだ!」
「目指している桃源郷さえ違ければ
いい台詞なんだよなぁ…」
彼らに心底あきれる僕たちを横目に彼らは召喚獣を召喚する。
『『『『試獣召喚(サモン)!!』』』』
[国語]
文月2-B 野中長男 230点
文月2-D 中野健太 106点
「ほう、BクラスとDクラスまで味方に
付けたわけか。
いいぜ。まずはそいつらから潰して
上位クラスでも勝てないってことを
教えてやる」
「これで終わる我らではないぞ坂本!
斬り込み隊、用意!!」
『試獣召喚(サモン)!!』
[国語]
文月2-A 渡辺友樹 310点
文月2-B 根本恭二 250点
「あっ!お前はクズの根本!!」
「誰がクズだ!!馬鹿本(バカモト)!!」
根本君のことは置いておき、敵にはAクラスの生徒がいた。
昨日の戦いで木下さんがいない間にAクラスにまでコイツらの魔の手が忍び寄っていたのか…!!
「残念だったな坂本!!
Aクラスにも同士はいるのだよ!
もはやクラスなど関係ない!
エロの名の元に皆平等!!
そう!!エロは正義なのだよ!!!」
「通報してもいいでしょうか…?」
そう言って携帯を取り出す小泉さん。
馬鹿な理屈を語られた挙げ句、自分たちのやっていることを正義と捉える愚者たちは僕たちに武器を構える。
「……雄二、どうする?」
「国語か。
つくづく俺たちの苦手教科ばかり
チョイスしてきやがる。
秀吉!!お前が前線に出て漢気を
見せてこい!」
「お…漢気………!!分かったのじゃ!
試獣召喚(サモン)!!」
漢気という言葉に反応した秀吉が
前線をあっさりと引き受け、召喚獣を召喚する。
[国語]
音ノ木坂2-F 木下秀吉 320点
「えぇっ!?
秀吉いつの間にそんなに点数
上がったのさ!?」
「古典だけがワシの全てではないぞい。
いざ…参らん!!」
秀吉の召喚獣はその手に持つ薙刀で敵の召喚獣を両断していく。
その動作の中、僕は秀吉の召喚獣の腕に輝く何かが付いてるのを見た。
「ようやくアイツも取得しやがったのか!
『腕輪』を!!」
高得点を取った者だけに与えられる特別な能力、腕輪だった。
雄二はほとんどの教科の得点が高いためほとんどの教科の召喚フィールドにて腕輪を使えるが秀吉は今は古典と国語のときのみ使えるのだろう。
『団長!
秀吉が!秀吉が男らしいです!
悲しいでありますぅぅぅぅっ!!』
「何故だ秀吉!!
我らFFF団が愛する秀吉はどこへ
行ってしまったんだぁぁ!!」
「お前ら同性が好きなのか異性が
好きなのかハッキリしろよ」
そう言う雄二の前でおいおいと泣く愚者たち。
だがそのうちの一人が秀吉の前に立ちはだかった。
『木下秀吉。
俺と勝負しろ!!』
「お主は…?」
『俺は2-Aクラス、渡辺友樹。
得意科目は古典。得意なスポーツは陸上。
そしてμ'sは真姫ちゃん推しだ』
「最後のひとつは居るのかのぅ…?」
Aクラスの生徒までつっこみを入れられる始末である。
この学校が大丈夫か心配になってきたよ…
『お前は代表…もとい木下優子の弟
なのだろう?』
「そうじゃが…」
『それが聞けてよかった。
代表の弟であるお前を倒すことで
俺がお前の姉よりも上だということを
証明できるからな』
「それは結構なことじゃ。
じゃがワシを倒したところで姉上を
越えたことにはならんわい。
人を越えるということの意味を
吐き違えるでない」
『いいや、そういうことじゃあない。
お前、姉に負けたことあるだろ?
なら俺はお前が姉に負けたときよりも
圧倒的にお前を玉砕してやればいい。
そしてお前に俺のことを姉以上だと
認めさせてやるよ。
人の価値を決めるのなんてソイツ
次第だろ?
お前に認めさえ出来れば俺はお前の
姉を越えた存在になれる』
「そんなことをするためにこの戦いに
身を投じたというのか?」
『あぁ。
じゃなかったらこんな下らないことに
付き合う必要ないだろ?』
「さっき真姫ちゃん推しとか言っていた
件については」
『黙れ観察処分者。
こいつが終わったら次はお前だ。
そしてその次は────』
「いいや。明久と戦うことはできぬ。
お主はワシが倒すからの」
『威勢がいいな男女。
試獣召喚(サモン)だ』
渡辺君が召喚獣を召喚する。
[古典]
文月2-F 渡辺友樹 390点
「口だけってわけじゃねぇみたいだな。
三下クン?」
『自分の仲間がやられるのを黙って
みていろ坂本。
最もこいつがやられるまでにお前が
やられなければの話だがな』
遂には雄二まで敵に回した渡辺君。
秀吉の召喚獣はほとんど無傷だったので彼と戦うことは問題なかった。
「ワシはこれでも根に持つタイプでのぅ。
ワシの姉上を愚弄した罪、償って
もらう!」
秀吉は薙刀で渡辺君の召喚獣に斬りかかる。
渡辺君の召喚獣も負けじと己の武器である剣で攻撃を防ぐ。
『なんだ、この程度なのか』
渡辺君の召喚獣は攻撃を防いでいた剣とは別の短剣を取り出した。
それに気づいた秀吉は回避しようとするが間に合わず、攻撃を喰らってしまう。
「短剣ですら一撃が重い……
あのもう一本の剣で喰らっていたら
ワシとてやられていたかもしれん!」
秀吉は地を蹴り、もう一度敵に突撃する。
『何度やっても同じだ!』
やはり渡辺君は片方の剣で攻撃を防ぎ、もう片方の剣で反撃しようとする。
リーチのあるが両手で扱う薙刀とは最悪の相性だ。
『今度こそ終わりにしてやる!!』
今度は先程とは違い、短剣で秀吉の攻撃を防ぎ、もう一本の長剣で秀吉に一撃を喰らわせようとする。
「二度も同じ手は喰わんぞ!」
秀吉は渡辺君が長剣で攻撃するタイミングに合わせて懐に蹴りを入れた。
隙を疲れた渡辺君の召喚獣はよろける。
秀吉はその隙を見逃さなかった。
薙刀で連続斬りを繰り出す秀吉。
流石の渡辺君もその攻撃は防ぎきれなかった。
『くっ!思いの他やるじゃないか』
渡辺君は立ち直り、秀吉にもう一度向き合う。
『腕輪発動!!』
渡辺君がそう叫ぶと渡辺君の召喚獣の腕が光り出す。
そして目にも止まらぬ速さで秀吉の召喚獣に接近した。
「なっ………!?」
秀吉は咄嗟に薙刀を自分の目の前に構えて防御の姿勢を取った。
だが、渡辺君の召喚獣が通りすぎた瞬間、何かが壊れる音と共に秀吉の目の前で何かが宙を舞った。
その宙を舞った物が自分の薙刀の破片だと秀吉が気づくまで時間はかからなかった。
『武器破壊能力、それが俺の腕輪の力
だ。
ここでは玉砕とでも呼んでおくか』
「こんな腕輪があったとは…
驚きじゃ」
武器を破壊する腕輪なんていうのは僕も聞いたことがないし見たこともなかった。
武器を破壊する程の威力を持つ攻撃。
さっき咄嗟に防御姿勢を取っていなければ秀吉は武器破壊どころでは済まなかっただろう。
『そんな呑気なこと言ってていいのか?
お前の負けだ』
「そうか?
ワシはまだお主が姉上よりも格上
などと言った覚えはないが…」
『負け惜しみはやめろ。
武器もない、点数もないお前に
何ができる』
「なければ出せばよいじゃろう。」
『何を言っている』
そう言うと秀吉は自分の召喚獣の腕輪を見せた。
「お主は全力をワシに見せた。
ワシも最後まで全力で戦おう。
腕輪、発動じゃ!」
秀吉の召喚獣の腕輪が光り出す。
使い終えた腕輪が消え、代わりに秀吉の召喚獣の腕には二つの刀が握られていた。
『武器を精製した!?
一体どんな能力で………』
「参るぞ!!」
秀吉は一歩も動かずにその場で片方の刀を振る。
いわゆる素振りをした。
『素振りだと?ふざけているのか?』
「いや、これがワシの腕輪の能力じゃ。
見ておれ」
少し時間が経ってから渡辺君の召喚獣に傷が入る。
まるで何かに斬りつけられたかのように。
『なんだ………何をした!?』
「これがワシの腕輪の能力、『裂斬』。
召喚フィールドのエネルギー自体に
圧力をかけ、それを衝撃波として
飛ばす技じゃ」
そう言って秀吉は素振りを行い、次々に衝撃波を飛ばしていく。
『くそっ!?
こんなのアリかよ!?ぐわっ!?』
目では捉えることのできない衝撃波は渡辺君の召喚獣を切り裂いていく。
「どんなに強力な攻撃でも遠くから
攻撃されては近づけないじゃろう。
じゃが…!!」
秀吉は衝撃波で弱った渡辺君の召喚獣に二刀の刀で突撃する。
『くっ!?』
渡辺君は二つの剣で刀を防いだ。
だが秀吉はそれを気にせず押し返していく。
「これで終わりじゃあっ!!」
『ぐわぁぁぁぁ!!』
秀吉が二つの刀を同時に振るったときが渡辺君の召喚獣の最後だった。
秀吉は彼の持っていた剣ごと彼の召喚獣を斬り裂いたのだ。
[国語]
文月2-A 渡辺友樹 0点
その文字が表示された途端、敵の軍勢から声が上がる。
『渡辺が負けた!!
Aクラスのアイツが!!』
『くっ…!こんな奴等に勝てるわけ…』
エースであったAクラスの渡辺君が倒されたことで敵に動揺が生まれる。
「渡辺」
『す…須川』
須川君が渡辺君に近づく。
自分たちの作戦に参加するフリをして秀吉を倒すことが目的だったことに怒っているのだろうか。
「お前、自分に嘘を言っているな!?」
『う…嘘だと?』
須川君が渡辺君の胸ぐらを掴んで怒鳴る。
「お前が秀吉に勝負を挑んだのは
木下優子を越えるためじゃない。
秀吉に振り向いて貰いたかったから
だろう!?」
『な…何を言っている…!?』
「いや、本当に何言ってくれてるわけ?」
雄二があきれた声で言った。
正直僕たちは彼らの事情を全く理解できていなかった。
「お前が男である秀吉に告白できずに
自分の気持ちを押し殺していたの
は知っているぞ!」
『男が男に恋だと?は…ははっ……
だとしたらソイツはどうかしてやがる!』
「何言ってる、俺たちはこんなことに
全力を出す時点で元々どうかしている
だろう!」
『す…須川…………』
「ちょっと、勝手に友情を確かめ合うの
止めてくださる?」
ついに雄二の口調がおかしくなりはじめた。
康太に関しては目を点にしており、
当の秀吉は引きつった顔をしていた。
「さぁ、何をためらう渡辺!
秀吉に思いを告げるんだ!」
『須川……おう!』
秀吉に向き直る渡辺君。
秀吉は依然として引きつった顔をしていた。
『木下秀吉、俺は同性の愛など
ありえないと勝手に思い込み、
気持ちを押し殺してきた。
だがもう押さえられない!
俺はお前が好きだぁぁぁぁぁ!!』
「じゃ……
じゃが断る!!」
『ぐはぁぁぁっ!!』
渡辺君、無事に爆死。
「ひ…秀吉?
どこに行くんだい……?」
「ワシは……男なんじゃ…
そうじゃ、西木野の所へ帰ろう…
あやつにはあれだけ今日言ったんじゃ。
西木野ならワシを男じゃと
認めてくれる筈じゃ……
ワシは部屋に戻るからの………」
「お…おい、秀吉………?」
雄二の呼び掛けに目もくれず、
秀吉がログアウトしました。
「ど…どうする雄二?」
「いやどうするって…
俺にも分からん………」
「………………」
「………………」
『『『…………』』』
僕たちと敵に静寂が訪れる。
だが先に静寂を破ったのは敵だった。
「ひ…秀吉がいなくなった今が好機!
全軍、渡辺の犠牲を無駄にするなぁぁ!!」
須川君が命令を下した。
敵の召喚獣が押し寄せてくる。
「ふっざけんな秀吉!!
アイツあとで女装させてやる!!」
「くっ!!
メイド服を着せることを希望するよ!」
「……秘密の撮影会」
「ダ…ダレカタスケテェェ……」
戦力が一人減ったことによって大ピンチに追い込まれた僕たち。
仕方なく召喚獣を召喚する。
「「「「試獣召喚(サモン)!!」」」」
僕、雄二、康太、小泉さんは召喚獣を召喚する。
召喚獣にそれぞれの点数が表示される。
[国語]
音ノ木坂2-F 坂本雄二 380点
音ノ木坂2-F 土屋康太 230点
音ノ木坂2-F&1-A
吉井明久&小泉花陽 680点
「ちょっと待てや」
雄二は召喚獣の点数を見てすぐに異変に気がついた。
なぜか僕と小泉さんの召喚獣の点数が共有されていること。
そしてもう一つ。
「あ…明久……お前……………」
「こ…これって…………?」
小泉さんが戸惑うのも無理はない。
僕たちの召喚獣に起きたもう一つの異変、それは……
「僕らの召喚獣まで手錠で繋がってる
んですけど!?」
そう、今の僕らと同様に召喚獣までもが手錠で繋がっていたのだから。
次回は合宿編の最終回ですね。
花陽に圧倒的ヒロイン感を出させないとですね。
これからの予定を考えてみたんですけど必然的にワンダーゾーンが待ってるんですよね…
雄二をどう介入させていくかなんですよ問題は。
まぁそこからがこの小説の本領発揮です。
頑張っていきます!
今回もありがとうございました!!