やっと忙しい10月が終わるー…
かなり間が空いてしまったので長くなってます。
新たに高評価をくださった閻魔刀さん、マンゴスチンさんありがとうございました!
「あ…明久…お前その召喚獣は……?」
「どうして召喚獣の手まで繋がってるのさ!?
おまけに点数がとんでもないことに…」
点数600点オーバー。
学年首席をも物としない力を持つ召喚獣がそこにあった。
召喚獣の主の名前には僕と小泉さんの名前の両方が表示されていた。
「もしかして私たちがこれ(手錠)で
繋がっているせいで召喚獣にも影響が…?」
恐らく小泉さんの仮説が正しいだろう。
そうでなければ召喚獣がご丁寧に手錠で繋がっているわけがない。
点数が共有されているのも繋がっているからなのかな…?
「けどこれだけの点数があれば全員
一捻りで倒せる!行くぞ!」
僕は召喚獣に命令を送る。
「せ…先輩!急に動かしたら…!」
小泉さんの制止を聞かずに僕は召喚獣に命令を送ってしまう。
すると僕の召喚獣は止まったままの小泉さんの召喚獣を引っ張ってしまい、僕の召喚獣と小泉さんの召喚獣を転倒させてしまった。
「痛っ!?頭ぶつけたぁぁぁ……」
僕は転倒して床に頭をぶつけた召喚獣のフィードバック(自滅)でダメージを受けた。
「い…痛い……」
「だ…大丈夫?小泉さ───」
僕は同じく頭を押さえる小泉さんに声を掛けようとした。
そしてすぐに異変に気づいた。
小泉さんはさっき痛いと言った。
まるで召喚獣の痛みが伝わっているかのように。
「小泉さん…今痛いって………」
「あれ…?確かに痛かったです。
でもどうして………」
「まさか…操作だけじゃなくて
召喚獣のフィードバックまで共有
されているのか!?」
僕の召喚獣と繋がれていることによって共有されている召喚獣のフィードバック。
自分の召喚獣がダメージを受けると召喚獣の主も痛みを受けるそれはこの最悪な状況を更に悪化させるものだった。
「僕の召喚獣のダメージは僕の痛みに、
小泉さんの召喚獣のダメージは
小泉さんの痛みになる…か」
僕の召喚獣のダメージまで小泉さんの痛みにならなくて良かった。
それなら…
「小泉さんの召喚獣に触らせなければ
いいだけだからね…!!」
「そうは言うが明久。
お前と小泉の召喚獣は操作まで
共有されている。
どうするつもりだ?」
「………あ」
雄二に言われて自分の状況を改めて理解する。
小泉さんに攻撃を与えられても駄目、
しかし攻撃するには二人一緒でなければならない。
攻撃するときに敵に攻撃されてしまえば小泉さんにダメージが。
どちらにせよ状況は最悪であった。
『なんだ?吉井が不利らしいぞ!』
『点数だけ高い動けない召喚獣なんて
楽勝だ!』
『よし、奴からやっちまえー!!』
敵の召喚獣が攻撃してくる。
雄二と康太が応戦してくれるが何人もの相手は出来ない。
数人の敵が僕の元に流れ込んできた。
『くたばれ吉井!』
「そんな攻撃で僕を倒せるとでも!?」
動くことはできなくても攻撃くらいはできる。
僕は敵の召喚獣を木刀で振り祓った。
攻撃は個人でできるってことは動くときのみ二人で操作しなければならない、か。
『後ろがガラ空きなんだよ!!』
「あっ………!!」
敵の召喚獣が小泉さんの死角を捉えていた。
その敵は気づいたときにはその手に持つ剣を小泉さんの召喚獣に振り下ろしていた。
「小泉さん!ぐうぅっ!?」
「せ…先輩!!」
僕はあえて小泉さんと繋がっている方の手を引っ張り小泉さんを抱き寄せることで攻撃を回避させた。
だが敵の攻撃は小泉さんの召喚獣の代わりに僕の召喚獣を斬り裂いていた。
「今のはBクラスの生徒か!
くそっ…結構点数持ってかれた!」
「先輩!何してるんですか!!
どうして私を庇って……」
「小泉さん…良かった無事で…」
「私は無事でも先輩が………!」
「大丈夫。
フィードバックには慣れてるから…
小泉さんはあの痛みには慣れて
ないんだから気を付けないと…」
「慣れてるかどうかなんて関係ない
ですよ!
どうして先輩は自分を傷つけてまで
誰かを助けるんですか!?」
「それは……小泉さんに傷ついて
ほしくないから────」
「それは私だって同じです!
先輩に傷ついてほしくなんか
ないです……!!」
小泉さんは僕の言葉を遮って自分の気持ちを伝えてくる。
普段の小泉さんなら絶対にそんなことはしないだろう。
それだけで小泉さんが本気だということが伝わってきた。
「私は先輩だけが傷つくのは嫌です!
先輩がこの覗きを私たちの為に
止めようとしているのなら先輩だけ
じゃなくて私にだって傷つく必要が
ある筈です!」
「小泉さん…」
小泉さんはあまり慣れない召喚獣の操作で敵の召喚獣を魔法で攻撃する。
「ごめん、小泉さん。
痛いかもしれないけど力を貸してね?」
「やっと私を頼ってくれましたね…」
小泉さんが僕に微笑んでくれる。
こんな無茶な要望に応じてくれた。
『何をイチャイチャしとんじゃ己らはぁ!!』
「おっと、させるかよ!!
折角おいしいシーンだろうが!!」
「……邪魔はさせない」
『うわぁぁっ!!!』
不意打ちを狙ってきた召喚獣を雄二と康太が倒してくれた。
けどさっきから戦っているせいか、その動作一つ一つが精一杯だった。
『坂本と土屋はもうすぐで倒せるぞ!
A、Bクラスはそっちを優先しろ!!』
「あぁ!?
誰を倒せるって!?」
『何!?うわぁぁぁ!!』
「……どうした?
この程度で俺たちは倒されないぞ」
『クソッ!土屋は国語が苦手な筈!
こいつら…本物の化け物かよ…!』
「来いよド三流!!
俺たちとお前らとの格の違いって
やつを見せてやるよ!!」
雄二はピンチそうに見えて案外この状況を楽しんでいるようです。
人生の中で言ってみたいアニメ台詞第三位が言えてよかったね雄二。
「明久!!後ろは任せる!
小泉と最終防衛ラインを守りやがれ!」
「分かってるよ!!
小泉さん、行くよ!!」
近づいて攻撃してきた敵の召喚獣を僕は木刀で吹き飛ばす。
600点数オーバーの力は伊達ではなかった。
たった一振りで敵の召喚獣を一掃してしまった。
「痛っ!!」
「小泉さん!」
隙を突かれ小泉さんは召喚獣のフィードバックでダメージを受けてしまう。
「先輩、私は大丈夫です!
先輩も後ろに注意しないと駄目ですよ!」
『うわぁぁぁっ!!』
いつの間にか僕の背後にいた召喚獣を小泉さんが魔法で倒してくれた。
小泉さんを助けようとしたら僕が助けられてしまった。
『須川!!
C、D、E、Fクラス全滅だ!!
あとはお前らとA、Bクラスだけだ!』
『なんだと!?
坂本たちめ、やってくれる!!
点数の少ない坂本と土屋を倒すこと
を優先しろ!』
須川君がそう言うと僕たちを攻撃していた召喚獣が雄二たちに押し寄せる。
「くそっ!?
こいつら数だけが取り柄かよ!!
点数が少なすぎて腕輪も使えねぇ!」
「……多勢に無勢か!」
「雄二!康太!」
応戦する二人だったが二人とも点数が少ないせいでどんどん押されている。
このままでは雄二たちがやられてしまう、そう思ったときだった。
「先輩!私の腕輪を使って下さい!」
「小泉さんの………?」
「腕輪を使うのにも二人の認証が必要
みたいです!
早く…!」
「わ…分かった!腕輪発動!!」
既に認証していた小泉さんに続いて僕の認証を得て召喚獣の腕輪が輝く。
そしてその腕輪が放った光が雄二と康太の召喚獣を包み込んだ。
「な…なんだこりゃ!?
点数が回復してやがる!!」
雄二が驚きで声を挙げる。
康太も口にはしないが表情が驚いていた。
「小泉さん、この腕輪は…」
「私の腕輪は自分の点数を他人の
召喚獣に分けられる力があります。
自分の点数が減っちゃうけど二人
合わせたあの点数なら分けても問題
ありません!」
僕たちの召喚獣を見ると点数が減っていた。
だが雄二たちの召喚獣の点数はほぼ全て回復していた。
「サンキュー、明久、小泉!!」
「……感謝する」
二人は周囲にいた召喚獣を倒す。
僕たちも残っていた敵を倒してついに残る敵は須川君たち参謀指揮者だけになった。
「さぁ、残るはお前だけだ須川!!
やられる準備はできているか!?」
『くっ……こうなったら奥の手を使う
しかないようだな!!』
須川君は自信ありげに言う。
雄二は呆れた目で彼を見ていた。
「奥の手だと?
まだなんかあるのか?」
『当然だ!!
吉井!!これをみろ!!』
「なっ!?
それは僕の秘蔵のコレクション!?
一体どこから持ってきた!?」
『この間盗ませてもらった!!』
くそっ!!それを使って僕を脅迫するつもりだな!!
須川君め!なんて汚いことを!!
『吉井!!
お前の弱点は既に把握済みだ!
お前はこの本を見る限り、
ポニーテールでバストサイズが
大きい女子が好みと見た!!』
「くっ…!!
それがどうしたっていうんだ!?」
『お前は気づいてないようだな!!
お前のドストライクの女子が今風呂
に入っているということに!!』
僕のドストライクの女子だって……?
今大浴場を使っているのは音ノ木坂の三年生…
そしてポニーテールでバストサイズが大きい女子………待って心当たりが一人しかいないんだけど!?
「まさか…」
『そう!!μ'sの絢瀬絵里!!
吉井!!お前はそれでも覗きを
したくないと言えるか!?』
「ハッ!
何かと思えばそんなことが最後の
手段だぁ?
明久がその程度のことで揺れるわけ───」
「うぅぅぅぅあぁぁぁぁ………」
「おい明久!?」
どうしよう否定できない…したくないなんて言えないよぉ…
いや駄目駄目!!そんなことしたら今までの苦労はどうなるんだ!!
いやでも頑張った方だし少しくらいご褒美があったって…って何を考えているんだ僕は!!
『さぁ吉井!!
俺たちと共に桃源郷へ行こう
じゃあないか!』
「あぁぁぁ……駄目、駄目だぁ……!!」
「明久!!テメェ根性見せろ!!」
「ぶふぉっ!?」
気付けに雄二は僕を殴った。
「僕を殴ったね…
親父にもぶたれたことないのに!!」
「気付けだバカ野郎!!
こうなりゃ仕方ない。
こっちも奥の手を使うしかねぇな。
康太、秀吉に電話を掛けろ」
「……御意」
『坂本よ、残念だが秀吉の言葉でも
今の吉井には届かんよ!!』
「ほう、だがそれは秀吉の声だったらの
話だがな」
『何?』
「あ、秀吉俺だ。
お前に最後の漢を懸けた仕事を
くれてやる。
……そうだ。そのとおりに明久と
話してくれ。
ほれ明久、電話だぞ」
そう言うと雄二は僕に携帯を渡してきた。
『明久よ、これはワシの漢が懸かっておる。
悪く思わんでくれ』
「え……?秀吉…?」
『あー、あー、あー、………吉井君?』
「えっ!?あれ!?
会長!?でも僕は今秀吉と……」
電話越しに聞こえる声は会長、絢瀬絵里その人だった。
『吉井君、貴方は覗きをするような
人だったのね……
ちょっとがっかりかな……ぐすっ…』
「え…?あの…会長?」
『吉井君なんて嫌いよ!!バカ!!』
ブツッ
「…………」
「あー……明久、今のは…」
「分かってるよ、秀吉の演技なんでしょ?
そうだよね?そうだって言ってよ」
「あ…あぁ……そうだ」
「ふははは!!残念だったね須川君!!
こんな作戦で僕を騙せると思ったかい!?
僕はこの程度のことで揺るがない!!」
「涙流しながらなんか言ってるよコイツ」
そうさ、最初からこうすればよかったんだ。
僕は最初から断れた筈なのに何をやっていたんだ!!
「僕は覗きなんてしない!!
それに僕は好きな人だからって
それを傷つけたくない!
好きな人だからこそ守りたいんだぁぁ!!」
『くっ!ならば仕方ない。
ここで倒すまで!』
「出来るかな須川君?
今の君の戦力はほとんどないよ!」
『どうかな?』
「あ…明久!あれを見ろ!!」
須川君の後ろから数人の男子の姿が現れる。
「あれは…Aクラスの増援!?
まだ残っていたのか!」
『俺たちも協力するぜ須川!』
『お前がくれた秀吉の写真。
あれほどに俺を熱くさせたものは
なかった!
協力するぜ!!』
『お前たち……感謝する!!』
「はぁ……また勝手に友情ゴッコ
始めやがったよ…」
『倒れた者たちも全員聞け!!
ここからは作戦はない!!
お前たちの思ったように動け!』
『『『ぉぉぉぉぉ!!!』』』
須川君がそう言うと敵の大群が押し寄せてくる。
「そんな……ここまでやったのに…」
「くっ!?
召喚獣やられた奴等まで来やがった!
本当バカじゃねぇの!?コイツら!!」
「……こんなの予想外すぎる!!」
敵の生身の特攻に負けを覚悟したときだった。
僕の背中に手が当てられた。
「な~に沈んだ顔してんのよ、アンタは」
「えっ……」
僕たちの目の前に立ったその人は
ちんちくりんだけど背中は大きく見えるあの人であった…
「誰がちんちくりんよ!!」
「痛ったぁぁ!!
踏まれた!!足の爪踏まれたぁぁ!!
何するんですか先輩!!」
「アンタが変な解説するからでしょ!?
もっとマシに解説しなさいよ!!
どこの番長よ私は!!」
はい、もう言うまでもないですね。
にこ先輩です。
「けどどうして先輩が…?
誰も知らない筈なのに……」
「昨日アンタが倒れたって聞いて
どうせ今日も何かやるんだろうなぁ
って思って浴場を抜け出してきたら
予想が当たったのよ」
「どうして来たんですか!!
わざと言わなかったのに!」
「どうせそんなことだろうと思ったわ。
けどねぇ、これはアンタ一人の問題
じゃないのよ!!」
「うぅ…」
「それに………
私たちだってあんな奴等に裸を
見られるのは御免なのよ!!」
先輩は彼らを指差して言う。
そして何故か固まる彼ら。
「言わなきゃ伝わらないことだって
あるでしょうが…
ちゃんとこういうことは言いなさいよ。
昨日も今日も怪我ばっかりして…」
僕は昨日の先輩のメールや留守電を思い出した。
心配してわざわざ送ってくれたたくさんのメール、それは普段の先輩からは送られてこない焦りや不安が籠ったものでもあった。
「す…すいませんでした……」
「ちゃんと後で何か奢りなさいよ!」
何か奢らされるんですね…とは言えなかった。
「それで…コイツらを倒せばいいのね?」
「いや、そうですけど……」
敵の大群を目の前にしてそう言える先輩は何者なんだろうか。
本当にその小さな体のどこにそんな大きな勇気があるんですか…
「それなら…試獣召喚(サモン)!!」
先輩がそう言うと先輩の召喚獣が現れる。
姿を一言で言うと『小悪魔』であった。
もともと召喚獣自体が小悪魔っぽいのだが服装や武器までもが小悪魔というのはどうなんだろうか。
「……なによ?」
「またあざといチョイスですね」
「召喚獣の姿は私が選んだわけじゃ
ないんだけど!?」
まぁ選べないのが普通なんだけどね。
それでも姿が小悪魔になったのはなにか理由があるのだろうか…?
そんなことを考えていると先輩の召喚獣の点数が表示された。
【国語】
音ノ木坂3-A 矢澤にこ 220点
「え…?」
僕を含めたその場の皆が固まった。
恐らく皆こう思ったんだろう。
「先輩ってバカじゃなかったんだ…」
「これくらいよゆーよ!!」
「そんなこと言っていいん?
教えたのウチやろー?」
「の…希!?やめて、やぁぁぁぁ!!」
あぁ、なるほど。
つまり先輩は問題を間違えると希先輩のわしわしを受けるという勉強方法で点数を上げたわけだ。
「……なんで副会長まで」
「凛ちゃんから聞いたんよ。
ウチらを覗こうとする変態が
おるよ~って。
だからお仕置きしにきたんよ♪」
【国語】
音ノ木坂 3-E 東條希 490点
「これは酷い」
副会長の点数を見て心底そう思った。
敵の顔もいきなりの戦力アップに恐怖に満ち始めている。
副会長の召喚獣は姿は巫女なのだが強さで言ったらそれこそ悪魔なのではないだろうか。
『こ…こんなの聞いてないぞ!!
勝てるわけがない!!』
『落ち着け同士たち!!
あっ!こら!!逃げるな!!』
須川君は裏切られたようです。
「腕輪を使うまでもないなぁ。
いくで!!」
副会長の召喚獣はは武器の一つなのかお札のようなものをばら撒いた。
それが敵の召喚獣に当たった途端、敵の召喚獣は爆破する。
たった一撃で敵の召喚獣は消えてなくなった。
「まだやる?」
『も…もう勘弁してください……』
ついには敵も戦意喪失した。
そして残るは………
「あとは須川君!!君だけだ!!」
『くっ!!
こうなったら吉井、お前だけとでも
決着を付けてやる!!』
「小泉さん!僕が移動させる!
攻撃をお願い!!」
「わ…分かりました!!」
小泉さんの召喚獣と繋がっている方の腕を引っ張り抱き寄せる。
須川君の攻撃を外させた所で小泉さんの召喚獣が須川君に電気の魔法で攻撃する。
『何っ!?硬直しているだと!?
動け!!動いてくれぇ!!』
「小泉さん!」
「はい!!」
小泉さんの召喚獣は持っていた杖を捨てて僕の召喚獣の木刀を握る。
僕の召喚獣も一緒に木刀を握った。
「僕たちの勝ちだ!須川君!!」
『く……くそぉぉぉぉぉ!!』
二人で振るった木刀は須川君の召喚獣を貫いた。
須川君の点数がなくなったことで勝敗は決した。
「須川君、僕たちの勝ちだ」
『くっ…そのようだな………
潔く負けを認めよう、俺は帰る…』
「ちょっと待て須川。
なにさりげなく逃げようとしてんだ」
『は…離せ坂本!!』
「まぁ、待て。
お前は点数が0になった。
お約束が待ってるだろ?」
『なに…?ま…まさか…!!』
「西村先生!!こっちです!!」
そんな声が聞こえた。
「園田さん!!どうして……」
「凛から話を聞いて監禁されていた
先生たちを救出していたんです。
穂乃果とことりと一緒に…」
「あれ…?終わってる……?
明久君たちが勝ったんだね!
よかった……」
「あ、他の先生も皆助けたよ!」
「高坂、南…
お前らまで知ってたのかよ…」
顔に手を当てる雄二。
「それはそうと……須川」
『待て坂本!!
補習室だけは……』
須川君が言い終える前に奴が現れる。
「待たせたな!」
声までスネークことアイツ、鉄人がその姿を見せた。
「よぉ、須川。
今回は随分と手の込んだ作戦を
考えたものだ」
『て…鉄人………!!
召喚フィールドで覆った部屋に
監禁していた筈!!』
「あぁ、それだったら南の召喚獣の
『ラスト雄二ング』とやらで破壊
できた。
問題はない」
南さんの召喚獣最強説……
結局あの技の名前『ラスト雄二ング』になったんだね…
「さて、お前たち文月学園久しぶりの
お楽しみの時間だ!!」
敵の顔が青ざめていく。
逃げる生徒、叫ぶ生徒がいるがすぐに鉄人に捕まっていく。
全員を捕まえ終えた後、鉄人は高らかにこう叫ぶのだった。
「文月学園よ!!
私は帰ってきたぁぁぁぁぁぁ!!」
『『『『いやぁぁぁぁぁぁ!!』』』』
その姿はかつてのソロモンの悪夢…ではなく文月の悪夢と呼ばれた時代の西村先生の姿そのものであった。
かくしてこのくだらない合宿は幕を閉じたのであった。
【帰りの電車にて】
「凛ちゃん」
「あ…明久先輩、顔が近いよ~……」
「どうして皆に言っちゃったのー!?」
「ご…ごめんにゃー!!」
まさか凛ちゃんがμ'sの皆にこのことを教えていたなんて…
「でも凛が教えたから西村先生たち
だって出られたんだよ!?
希ちゃんだって助けに入れたんだよ!?」
「言われてみればそうなんだよなぁ……」
「でしょ!?
凛は今回いいことをしたと
思うんだけどなー」
そう言いながら僕の方を見てくる凛ちゃん。
「それで僕はどうすれば……?」
「凛は怒るんじゃなくて褒めてほしい
気分かな~」
「そうだよね…
ありがとう、凛ちゃん」
「えへへ~」
確かに凛ちゃんのお陰で副会長も来てくれたし鉄人も解放できたんだもんね。
「それにしても…
彼らは結局どうなったのですか…?」
「あぁ、彼らなら文月学園男子生徒
纏めて一週間の休学処分になったよ」
園田さんの言っている彼らとは須川君たちのことだろう。
「やっていない人が気の毒な気が
しますが…」
「男子のほとんどが参加していたからね…
面倒だから全員休学にしちゃえって
鉄人が」
「久保が可哀想すぎるな、オイ」
雄二の言う通り、久保君だけは戦ったにも関わらず休学にされてしまった。
「まぁ、姉上がなんとかしてくれる
じゃろう」
「……久保だけは助かる権利がある」
秀吉と康太の言う通り、確かに木下さんなら承認になってくれるよね。
学園長だって生徒会長の木下さんの言うことなら耳を傾ける筈だ。
「痛っ……」
「あんまり動くんじゃないわよ。
傷浅くないんだから」
「すいません………先輩…」
先輩に傷の手当てをして貰っている僕。
おかげで大分傷は塞がったけど……
「ったくあんなのと張り合うとか
バカじゃないの?」
おっしゃる通りでございます……
返す言葉もございません……
「そういえば吉井君と花陽ちゃん、
いつの間にあんな仲良くなってたん?」
「「え…?」」
突然の副会長の言葉に僕と小泉さんの声が揃う。
「だっていつの間にか利き手の手錠、
外れてたんやろ?
それからはずっと手繋いでたやん」
そう、戦っている最中に僕は小泉さんが敵の攻撃を受けそうになったとき、小泉さんの手を引っ張って抱き寄せて外させた。
そのときなのだろうか、敵の攻撃が召喚獣を繋いでいた手錠を壊したらしく、そのときフィードバックで僕たちの手錠まで壊れて外れていたらしいのだ。
それからというものの僕たちは全く気づくことなく戦っていた。
戦いが終わったあと気づけば手を繋いでいたという。
「仲良くないなら手なんて繋がないでしょ」
西木野さんにそう言われる。
「あ…あれは本当に気づかないで
やっちゃっただけでわざとやったんじゃ…」
「そ…そうだよ!!
副会長が考えているようなことじゃあ
ないですよ!!」
「ウチが考えていることって
どんなこと?」
「あっ………」
僕は自分で墓穴を掘ってしまった。
「あ、それと
「何?小泉さん」
「そんなに絵里先輩の裸が見たかった
んですか?」
「………え?」
突然のことすぎて僕はそんな返事を返した。
「μ'sの未来が懸かってた大事なときに
絵里先輩の裸が見たかったんですよね?」
「ね…ねぇ小泉さん…?
目はハイライトが消えてるし顔も
笑ってないよ?」
「え?だって私は怒ってるんですよ?
笑うわけないじゃないですかぁ」
「ひぃっ………」
そのときの小泉さんの顔は忘れる筈もない。
普段おだやかで優しい女の子がこんな怒り方をするなんて思わなかったんだから…
「へぇ、そんなことがあったんですか…」
「そ…園田さんまで…!!
助けて凛ちゃん!!」
「お…お邪魔しました~…………」
「帰らないでよ!!
いつもみたいに凛はこんなかよちんも
好きだよって言ってよー!!
あ、雄二たちも待って!!
僕を見捨てないでぇぇぇ!!!」
「さぁ、明久」
「ゆっくりお話しましょうね♪」
長い説教が続いた。
この一件から学んだことがある。
小泉さんを絶対に怒らせてはいけないということだ…
ブラックかよちんを出させちゃ駄目だよ!by凛
【同時刻、別の場所にて】
『お前のドストライクの女子がいるってことを!』
『そう!!μ'sの絢瀬絵里!!』
「これって私が吉井君の好みってことで
いいのよね……!?」
列車の廊下、一人の少女が一人悶えていた。
「にこたちに言われて参戦しようと
思ったけど…
あんなの聞かされたらどう入って
いけばいいか分かんないじゃない…!」
そう、絵里はあの一件の一部始終を見ていたのだ。
にこたちに言われ戦いに参加しようとするも明久が放った一言からずっと出る機会を逃していたのである。
『僕は覗きなんてしない!!
それに僕は好きな人だからって
それを傷つけたくない!
好きな人だからこそ守りたいんだぁぁ!!』
『好きな人……私が……
緩んでる…今絶対顔緩んでる……
こんなのどんな顔して皆の前に
顔出せばいいか分かんないじゃない…!」
一人顔を緩める彼女を見た少女はこう語っている。
ウチの周りって変態しかおらんのかなぁ… by希
次回からワンダーゾーンの辺りですね。
一年間かかってまだ原作7話っていう…
このままだと終わらないですね…
12月に控えているバカライブ一大イベントのためにも頑張らなくては…
今回もありがとうございました!!