ワンダーゾーンの辺りは基本雄二目線で書いていくことになると思いますのでよろしくお願いします!!
新たに高評価をくださったオルゼスさんありがとうございました!
今回もよろしくお願いします!
『オープンキャンパスの結果から
音ノ木坂学院の廃校の決定を
見送りとする』
「とりあえず、一段落ってとこか。
アイツら(μ's)やるもんだな」
理事長から生徒会に届いたプリントの一文を見て安堵する。
明久と高坂の奴はこれを見て嬉し泣きしていたな。
………さて、それは別として俺、坂本雄二は今窮地に立たされている。
「………やっちまった」
簡潔に言おう。
俺はμ'sの一人、南ことりを崖っぷちに追いやってしまったのである。
このままでは何も伝わらないと思うのでまずは事の始まりを話すとしよう。
【数日前】
学力強化合宿中、俺たちは須川たち御一行を補習地獄にぶち混んだ。
男子全員が停学を喰らうという事態にまでなったその事件の中でたった一人濡れ衣を受けた生徒がいた。
久保である。
俺は奴の無実を証明すべく、木下姉や明久と共にクソババァに対談をした。
結果、久保の無実は証明され停学を喰らわずに済んだ。
久保はそのときのお礼といって俺と明久にあるモノを渡してきた。
封筒に包まれていたそれはどこかのテーマパークやらの招待券のようだった。
『これは僕からのお礼だよ。
これが君たちが喜べるモノかは
分からないけど男子が皆欲しがって
いたモノだからね。
相当な値打ちがついているらしいから
換金してくれても構わないよ』
このあるモノというのが今回の原因である。
俺は封筒の中身を確認せずに久保から譲り受けた足でその招待券(?)を換金した。
久保に聞いていた通りその招待券(?)はかなりの値打ちで売れた。
その日は臨時収入が手に入り少しばかり上機嫌で帰った俺だったが今思えばあの封筒の中身を確認しなかったのは本当に馬鹿だったと思う。
俺が招待券(?)を売った翌日のことであった。
予約していたゲームを買いに出掛けていた俺に明久から電話が入った。
『雄二!?
久保君から貰ったお礼のこと
なんだけど…』
「あぁ、あれがどうしたってんだ?」
『良かったね雄二!
こんなルートだけど南さんの写真が
手に入って』
「…………………は?」
『え?』
俺はそのとき電話越しに聞こえてくるこの馬鹿の声を疑った。
「いや何言ってんだお前」
『雄二ってば中身を確認してないの?
』
勿論俺は中身を確認していない。
久保から貰った足でそのお礼を売りに行ったのだから。
「いや…てっきりテーマパークやらの
招待券だと思っていたんだが…」
『ウッチャッタノォォ!?』
「お前が言ってもキモいからやめろ。
そして小泉に謝れ」
『あ~あ、残念だったね雄二。
折角南さんの写真を手に入れる
チャンスだったのに…』
「なんで残念なんだよ。
というかどうして俺が南の写真が
欲しい前提になってんだ」
『はぁ……これだから鈍感な雄二は…』
「どうしてだろうな、お前に言われると
めちゃくちゃ腹立つわ」
『まぁいいけどさ。
早く帰ってきてよね。
今日部活で秋葉原
周る約束でしょ』
「分かってるっての」
俺は電話を切る。
すると明久からすぐにLINEで画像が送られてきた。
恐らくこの画像こそが南の写真なんだろう。
ていうか何で久保が南の写真を持ってるんだ…?
「ったくアイツは…頼んでねぇのに」
俺は送られてきた画像を表示する。
「は…?」
その画像に写っていたのは何故かメイド服を着た南の姿だった。
あの南が何故こんな服を着ているのかそれが気になって仕方がない。
「コスプレが趣味なのか…?
人のプライベートを知るってこんなに
罪悪感が湧くものなのか……」
そんなことを言っていた矢先、再び俺の電話が鳴った。
少し苛立ちながら電話の通話ボタンを押す。
『坂本!!お前あのミナr』
ブツッ…
誰からも電話なんてなかった。
こんなに苛立っているときに須川から電話なんて来なかった。
prrrrrrrrr…ガチャッ
「なんだよ覗きの主犯」
『いきなり電話を切るな!
いや、そんなことはどうでm』
ブツッ
prrrrrrrrrr…ガチャッ
『何故また切る!?』
「どうでもいいって行ったのはお前だろ。
一体なんの用だよ」
『単刀直入に伺おう!
お前、あのミナリンスキーの写真を
手に入れたというのは本当なのかッ!?』
「はぁ?ミナリン…何?」
『ミナリンスキーだ!!
まさかあの伝説のカリスマメイド、
ミナリンスキーを知らないというのか!?』
「知らん。
というか誰だよそのワゾウスキーって」
『それはモンスターの間違いだろう。
いいか!?ミナリンスキーというのは…』
「長引きそうだから切るわ」
『待て!!待つんだ!!
……まぁ、お前が分かるように言えば
恐らくμ'sの南ことりだろう』
「恐らくってなんだよ。恐らくって」
『確信が持てんのだよ。
どうも正反対の性格でな…』
「正反対の性格…?」
『俺も一度ミナリンスキーのいる店に
行ったことがある。
そのときの接客や対応がとても
いきいきとしていてだな…
だがμ'sの南ことりは少し他よりも
少し隠れがちというか…
おだやかというか…
まぁそこがいいんだがな!!』
「うぜぇ」
そんな話を続ける須川に苛立ち、俺はもう今すぐにでも電話を切ってしまいたかった。
『まぁそんなことはどうでもいい!!
坂本!いや、坂本様!!
どうかミナリンスキーの生写真を
売って下さい!!』
「はぁ?なんでだよ」
『自分の推しキャラの写真を求める
理由が必要なのか!?
いや、答えは否だ!!』
須川は南推しなわけか。
FFF団の推しキャラとか知って誰得なんだよ。
「お前の場合何に使うか分かったモン
じゃねぇんだよ」
『そんなこと言わせるなんて…
坂本のエッチ///』
「切るぞ」
『すいませんでした待ってください
お願いします』
「それにあの写真はもう売っちまった。
もう俺は持ってねぇっての」
『何ィッ!?
あのミナリンスキーの写真を売っただと!?
貴様、あの写真の価値を分かって
いないのか!?』
「そんなにレアなのかあれ」
『それはもう!
ミナリンスキーは恐らく学生の上、
バイトであの店で働いているわけ
だろう。
メイドのバイトなんてそうそう親が
許すわけないだろう。
その写真を親にでも見られたら
不味いためか、撮影許可が出ないのだよ』
「…………え?」
『なんだ、どうした坂本』
「ちょっと待て、働いているって…
あれコスプレとかじゃねぇのか?」
『俺もミナリンスキーのいる店に
行ったことがあると言っただろう。
どうした?行ってみたくなったのか?』
ちょっと待て、親に許可も取らずにバイトをしているとなると…
「悪い、切るわ」
『坂本?どうし…』
ブツッ……
よし、落ち着いて今の状況を整理するとしよう。
1、俺と明久は久保からミナリンスキーこと南のメイド写真を貰った。
2、南は学校にも親に秘密でメイドのバイトをしていた
3、俺はその現場証拠とも言える写真を売っちまった
「………やっちまった」
あの写真がもし流失すれば南はメイドのバイトをしていることが親にバレる。
そうなれば親にしかられることは確実だろう。
「今からでも間に合うか…!?」
俺はゲームのことも忘れて写真を売りに行ったアイドルショップまで走った。
【アイドルショップ】
「クソッ…もう転売しちまったか…!
ここの他にアイドルショップは…!?」
俺は携帯の地図アプリでこの秋葉原近くのアイドルショップを検索する。
「っていうか売る場所がアイドル
ショップって時点でテーマパークの
招待券はありえねぇだろ!!
なんで気づかなかったんだ俺!?」
久保から高値で売れると聞いていた店の名前だけ確認して急いで売りに行ったモンだから全然気づかなかった…
どうりで店の中にアイドルグッズが多かったわけだ。
「少なくともあと5件か…
急げば間に合うか!?」
俺は全速力で残りの5件の店を走り廻った。
【数時間後】
「どうしたの?雄二。
まだ月曜日だってのに金曜日みたいな
顔して」
「どんな例えだよ」
あれから数時間写真を探したが結局見つからずに仕方なく部活中の明久たちと合流した。
「もしかしてゲーム買えなかったの?
けど雄二ゲーム予約してなかったっけ?」
「ゲームが原因じゃねぇよ。
それよりももっと重大な…
いや、何でもない。忘れてくれ」
「そう?
あっ、先輩。ファーストフードばかり
食べてると太りますよ」
「最近は練習の量も増えたから平気よ。
アンタって本当細かい男ねぇ……」
明久に指摘される矢澤先輩。
まぁ先輩昨日も部室でハンバーガー食ってたしな。
「細かいとは何ですか!!
先輩はハンバーガー一個にどれだけの
カロリーがあるか知らないんですよ!
僕が金欠だった時代は100円の
ハンバーガー一個のカロリーで
3食5日分持ったんですよ!?」
「それで生きていられるのはアンタ
だけよ」
「涙を誘う食事ですね…
貴方は一体どんな食生活を送って
いたのですか…?」
「違うんだ園田さん!!
送られてくる生活費にゲーム代が
含まれていないのがいけないんだ!」
明久が送られてくる生活費を全部ゲームに使っていた時代が懐かしいな。
まだ俺たちが音ノ木坂に飛ばされる前に文月にいた頃だな。
あれから暫く立つな。
「さて、そろそろ何ヵ所かツっこませろ」
「え?何を?」
この馬鹿は自分たちがおかしいことに気づかねぇのか…?
そうか、なら言ってやろうじゃないか。
「どうして全員服装が厚手コートに
グラサンとマスクなんだ」
誰がどう見ても100%不審者にしか見えない集団が秋葉原のど真ん中に立っている光景は悪い意味で注目を集めていた。
「私たちは仮にもアイドルなのよ?
アイドルとはいつでも意識を高く
持っているもの。
それは例え外出だろうと同じよ!
そしてこれがアイドルに生きる者の
町に紛れる格好よ!」
「凛は暑いから嫌だって言ったのに!」
いや、暑い寒い以前にこの格好自体がおかしいということに気づいてくれ…
「っていうかどうして明久たちも同じ
格好をしてるんだ。
お前らならこの格好がおかしいって
ことに気づくだろう」
「えっ?そうなの?
僕いつも先輩と行動してるとき
この格好で連れ廻されてるんだけど…」
「町に紛れるのも役者の役目。
ならここはその事前練習を行って
おこうと思ったのじゃが…」
「……鼻血を出しても暑さのせいに
出来る」
「よし、分かった。
お前らに聞いた俺が馬鹿だった」
明久は先輩のせいで感覚麻痺、
秀吉は上手いこと言いくるめられ、
康太は鼻血が出やすい体質を隠すためってことか。
「ただ康太、その格好でカメラを
持ってるといよいよ犯罪者だから
やめろ」
「……なん…だと…!?」
気づいてなかったのか…
つーかこんな集団見られた時点で警察が出動しかねないだろ…
この部には常識人がいないのか_____
「あっ、そうだ。常識人といえば…
おい明久、南はどうした?」
「常識人って単語で思い出す辺り
雄二の中ではこの部の常識人は
南さんしかいないんだね」
「いや…他が個性的すぎなんだよ……」
二年生だけで見たとしても元気を通り越してやりすぎなレベルの和菓子屋の娘に重度の変態『猛獣注意』のムッツリ撫子…
な?もう言わなくても誰が常識人か
なんてハッキリしてるだろ?
「南さんなら今日は用事があるって
言って帰っちゃったけど…」
「そうか…
この場をなんとかしてくれる奴が
一人でもいてくれりゃあ気が楽に
なるんだがな」
「はいはい、のろけ話はいいから」
のろけ話という言葉を明久に言われるとどうしてこんなにも腹が立つのだろうか。
「皆!!あれ見て!」
「んあ?」
俺は声がした方を見る。
声を上げた高坂の方を見るとそこには一つの建物があった。
看板にはスクールアイドルショップと書かれている。
俺たちは高坂が見つけたその店に立ち寄った。
「なんだ?ここは…」
「知らないの?
最近出来たスクールアイドル
ショップよ。
まだ秋葉原でさえ数件あるくらい
だけどね。
マネージャーならちゃんとそれくらい
知っておきなさいよ」
「生憎俺は体力指導専門なもんでしてね。
そういうのは明久に任せるわ。それに
あいつが俺にアイドルの知識を聞く
ようになったら先輩が明久と一緒に
いられる時間が短くなるだろ?」
「そっ…そんなこと頼んでないわよ!!」
「へいへい」
本当にこの先輩は素直にならねぇからな。
こりゃあ明久が気づくのか先輩が素直になるのかこれから見物だな。
「スクールアイドルってこんなところ
にも広がりを見せてるのね…」
「ラブライブが開催されるくらいやし
おかしくはないやん?」
俺も絢瀬会長と同様にここまでスクールアイドルが流行ってるとは知らなかったな。
矢澤先輩の言う通り俺も少しは知識を付けておいた方がいいかもしれんな。
「ねぇ、見てみて!!
この缶バッジの子可愛いよ!
まるでかよちんみたいだにゃ!」
「いや…凛ちゃん、それって…!!」
「花陽ちゃんだよ!!」
「えぇぇぇ!?」
明久と高坂の言う通り、その缶バッジに写っていたのは確かに小泉だった。
全員が星空が缶バッジを戻した場所に注目する。そこにはμ'sのグッズが飾られていた。
「こ…これ私たちだよね!?」
「お…落ち着きなさい穂乃果!!」
当の本人たちも突然のことに驚いていた。
矢澤先輩は自分たちのグッズが置いてあるということを記録に残すため写真を撮っていた。
「こうして周りから応援されていると
思うと逆にこっちが応援されている
気分になれるわね」
「う…うぅっ……」
「なんで秀吉先輩が泣くのよ…」
「こんなにも多くの人に応援されて
おるお主らに練習を付けてやれて
いるということが誇らしくてのぅ…
初めて自分の余計と言われ続けた
才能に感謝しておるのじゃ…」
「そんなことでいちいち泣かないでよ…
これから先もっとファンが増えたら
先輩どうなっちゃうのよ…」
秀吉までもが嬉し泣きする。
そんな秀吉の背中を擦る西木野の表情も嬉しそうであったが。
「本当に色んなグッズがあるんだな…
ん…?」
μ'sのグッズに目を向けているとあるモノが目に留まった。
そのモノは俺がさっきまで散々時間をかけて探していたものだった。
ミナリンスキーの写真である。
「こんなところにありやがったのか…!
値段は……売ったときの2倍!?
本当に相当な価値があるモンだった
のか…!」
だが今は明久たちがいる。
この中の誰かに一瞬でも見られたら
俺は明日からただの変態として扱われることになる。
それだけは避けねば…!!
「ではワシたちはもう少し店内を
回ってみるとするかの」
「私も。
自分のグッズ見てるのも恥ずかしいし」
「じゃあウチらも行こか、土屋君」
「……(コクコク)」
よし、秀吉と西木野、康太と副会長は退席か。
これで今ここにいるのは俺、明久、高坂、園田、小泉、星空、矢澤先輩、絢瀬会長か。
明久は何とでもなるとしてこの6人をどうするか…
「明久、あっちにお前が探しているって
言ってたアイドルのグッズがあったぞ」
「本当?
それじゃあ僕も少し見てこようかな」
よし、明久退席。
仕掛けるならここしかねぇ!!
悪いな明久。この詫びは後で入れるからな。
「あぁっ!!
明久がグッズを探しに行くフリをして
通りすがりの女子高生をナンパしに
行ったぞ!!」
「「「「「「!?」」」」」」
「貰った!!」
俺は全員が明久の方を向いたその瞬間に写真を手に取りレジへダッシュする。
「明久!どうしてナンパなど…!!」
「ダメジャナイデスカアキヒサセンパイ
オンナノコトイッショニイルノニ
ナンパナンテ………」
「か…かよちん………?」
やべぇ、やり過ぎた。
園田はまだマシだが小泉が真っ黒になっちまった…
あまりの変わりようにあの星空が怯えてるぜ。
「ゆ…雄二!!キサマぁぁぁぁ!!」
「悪い、少しだけ耐えてくれ明久!!」
全員が明久の方に移動した所で俺はレジに直行する。
「こいつを頼む!」
『はい。
15000円になります』
「くっ…!!値段が容赦ねぇ…!!
じゃあ20000円からで…」
『はい、5000円のお返しになります』
俺は勝利を確信し、店員から釣り銭を受け取ろうとしたときだった。
「さ…坂本君…………?」
「み…南?どうしてここに………!?」
俺の後ろには写真の中と同じメイドの格好をした南が立っていた。
ワンダーゾーンの辺りはあと二回くらいですかね…?
そして段々花陽ちゃんのキャラが崩れてきているとご指摘を頂きました。
申し訳ありません…
最近は色々予定が一杯でして更新も遅れてしまっていますが皆さんに楽しんで読んで頂けるよう投稿して参りますのでよろしくお願いします。
今回もありがとうございました!!