バカと9人の女神と召喚獣    作:星震

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ワンダーゾーンの終盤です。
雄二とことりの会話多めなので他のキャラが薄くなってるかもしれません…

新たに高評価を下さったサモナーさん、ネモフィラさんありがとうございます!!


俺と南とWonder zorn

「どうして坂本君がそれを……?」

 

不味いな…

よりによって写真の中の本人である南に見られるとは…!

よし、落ち着いて言い訳を考えよう。

 

周りにあるものは…

売った写真の中の本人が現れて驚いている店員、μ'sメンバーにナンパの件(ウソ)で問い詰められている明久、か…

駄目だ。マトモな言い訳が思いつかねぇ…!

万事休すか…

 

「ことりちゃん?」

 

「ひゃあっ!?」

 

南の後ろから聞こえた声に反応した南がおかしな悲鳴を上げる。

 

「雄二!!さっきはよくも!!」

 

「くっ…!時間稼ぎ失敗か…!」

 

「今度は一体何の騒ぎじゃ?」

 

「……修羅場か?」

 

明久たちとμ's御一行が戻ってきてしまい、俺も南も各々の現状を言い逃れできないことを理解した。

だがヤケになった南はおもむろにそこら辺にあったガチャのカプセルを取りだして自分の目を隠した。

 

「こ…ことり?その服は……?」

 

「ことり?What?ドナタデスカ?」

 

「ことりちゃんだよね?」

 

「チガイマース」

 

なんとしても隠し通す気か。

このメイド服を着た南もどきは。

ならこっちにも考えがある。

 

「あっ!雄二どこ行くんだよ!!

 まだ話は…」

 

お怒りの明久がその場を立ち去ろうとする俺を止めようとするが釣る本命は明久ではない。

 

「あっ!待って坂本君!」

 

立ち去ろうとする俺をメイド服を着た南もどきが引き留めようとする。

計画通り網に掛かった。

 

「お?俺のこと知ってんのか?

 外国人さん?」

 

「えっ?あっ…!!

 し…シリマセーン」

 

「そうですか。なら俺は行くんで。

 この写真を持って」

 

「そ…それは…!!」

 

「おぉ?

 よく見たらこの写真の人貴方に

 そっくりですね」

 

「ま…待って!

 その写真をどうするの……?」

 

どうするか、か……

こんなことは言いたくないがこの場を切り抜けたいので仕方ない。

ここは外道を演じるとするか。

 

「そうだな…

 家でじっくり堪能させてもらうと__」

 

「もうやめてよぉぉ!!

 ふえぇぇん……」

 

ようやく折れたか。

どうせバレるんだ、諦めろ南…

 

「雄二……君って奴は…」

 

「お主、女子にまで鬼畜じゃったとは…」

 

「……これは酷い」

 

しばらくコイツらに鬼扱いされた。

 

 

 

【メイド喫茶】

 

 

「ことりさんが伝説のカリスマメイド、

 ミナリンスキーだったなんて……」

 

「なるほど、だから雄二色んな所を

 走り回ってたんだね。

 全く雄二も馬鹿だなぁ、折角貰った

 お礼を売るなんて」

 

結局全部バレた。

結果、南の出勤先に全員で押し掛ける形となって今に至る。

 

「一応写真が回収できて良かった。

 しかし、俺の理由はともかくとして

 どうして南はこの写真を探していたんだ?」

 

「お店に着た常連の人からさっきの

 スクールアイドルショップに写真が

 あったって聞いて…

 急いで回収に行ったんだけど…

 あの写真は確かお店のイベントで

 歌わされたときの写真だったかな…?

 撮影禁止にしてたのに…」

 

つまり南が写真がある事実を知ってたまたま俺と同じ目的で鉢合わせしちまったってことか。

そしてこの店は撮影OKとあったが南は自分の写真を撮るのを控えて貰ってるらしい。

見たところ南以外は学生ではないし、

メイドの格好をしている写真なんて撮られたくないってのが普通なんだと思うが…

 

「写真があったらマズいのか?

 まぁ、その格好で写った写真なんて

 親御さんに見つかったらマズいしな」

 

「…………」

 

図星か。

親にバイトしていることを言っていないのか、それとも別の理由があるのか…?

 

「まぁ、詮索しても迷惑なだけか。

 悪かったな、コイツはお前に渡しておく」

 

俺は南に写真を渡した。

だが南はその写真を受け取らなかった。

 

「それは坂本君が取り戻してくれたん

 だから坂本君のものだよ」

 

「いや、元はと言えば俺が確認もせずに

 売っちまったからで──」

 

「それに坂本君なら無くさないで

 とっておいてくれるよね?

 なら私が持ってるよりも安全だと思うの」

 

「……そうか。なら俺が預かっておく」

 

俺は返された写真をしまう。

もうこんなことにならないようにと

鞄のファイルに厳重にしまった。

 

 

「ですがことり、バイトなんていつから…」

 

「3人でμ'sを結成してすぐかな。

 黙っててごめんね…

 いつかは言わなきゃって思ってた

 んだけど…」

 

そんな前から続けてたのか。

俺はおろか、高坂たちμ'sメンバーも全く気づかなかった。

ここ最近の南は練習を早退して帰る日はあったが。

 

「でもどうしてそんな忙しい時期から

 バイトを始めようと思ったの?」

 

「自分を変えたかったのかな」

 

明久の問いに南は答えた。

 

「私は穂乃果ちゃんみたいに皆を

 引っ張っていくことはできないし、

 海未ちゃんみたいにしっかりしても

 ないから…

 自分だけにできることを見つけた

 かったのかな」

 

「ですが…衣装だってことりが作って

 くれてるじゃないですか。

 ことりにしかできないことはたくさん

 ある筈です!」

 

「衣装は私一人の力じゃできないよ!

 人数分用意するのだって吉井君が

 手伝ってくれるのが大きいし…」

 

南がそう言った瞬間、全員の視線が明久の方を向いた。

 

「アンタ、つくづく女のプライドを

 壊すのが好きみたいね…!!」

 

「えぇっ!?ちょっと待って先輩──ア────ッ!!!」

 

明久と矢澤先輩がログアウトしました。

 

「私は今のままじゃ皆についていってる

 だけだよ…

 だから自分を変えたいんだ」

 

「ことりちゃん………」

 

その日はそれで解散となった。

いや、俺の場合解散になる筈だったと言った方がいいのだろうか。

 

 

 

 

 

 

「ではことり、また明日」

 

「じゃあね、ことりちゃん!」

 

「また明日。

 あとこのことはママには内緒にしてね!」

 

高坂たちはそれぞれ自分たちの帰り道に歩いていった。

 

「それではワシらも帰るとするかの。

 ここにいるとその…何やら勧誘が

 多くてのぅ…」

 

そう言って今まで渡されてきたバイトのチラシを見せる秀吉。

秀吉くらいのルックスだったらどこの店も欲しがるよな。

その証拠に秀吉の手に握られてるチラシは全部メイド喫茶の店員から貰ったものだからな。

 

「坂本君たちもまたね」

 

「おう、じゃあな」

 

「また明日なのじゃ」

 

「……(無言で手を振る)」

 

俺、秀吉、康太は寮に続く道に歩き出した。

……明久?矢澤家に誘拐されたんじゃねーの?

はぁ…また今日もコンビニになるのか?

最近明久の作る飯が喰えてねぇ…

 

 

 

 

【帰り道】

 

「雄二?どうしたのじゃ?

 急に立ち止まったりして」

 

「悪りぃ、忘れモンしたわ。

 先に帰っててくれ」

 

「……忘れ物?」

 

「おう」

 

「「ブフッ…」」

 

なんか二人に笑われたんだが理由が分からん。

ただ一つ言いたいこと、後で覚えてろコイツら…

 

「分かった。

 そういうことなら先に帰っておるぞい」

 

「……夕飯は何がいい?」

 

「あ~、じゃあとりあえず

 カップ焼きそばと冷やし中華でも

 買っておいてくれ」

 

「明久がいなくなった途端にこれとは…

 あとで明久がそんな暴食をした痕跡を

 みたら発狂してしまうのじゃろうな…」

 

「いいだろ、今日くらいは。

 んじゃ、行ってくるわ」

 

「……あぁ。うまくやってこい」

 

「分かってるよ」

 

いつだか応援くらいはしてやるって言ったしな。

約束果たしに行くか。

 

 

 

 

【メイド喫茶】

 

「あれ?坂本君どうしたの?

 もうお店閉める時間だけど…」

 

「そうだったのか…すまん。

 忘れ物をしちまってな」

 

「そうなんだ。

 そこの席がさっき坂本君たちがいた

 テーブルだけどそのあと他のお客さん

 が座ってたから…」

 

「そうか。まぁ探してみるわ」

 

南が店の戸締まりを確認している間に俺は忘れ物を探し始めた。

 

「大丈夫?忘れ物見つかったかな?」

 

「おう、見つかったわ」

 

「よかった。

 なくなってたらどうしようかと

 思ったよ」

 

南は戸締まりを終えて帰る準備をしていた。

服もメイド服ではなく音ノ木坂の制服

に着替えていた。

 

「入り口閉めるけど大丈夫?」

 

「おう、悪かったな。

 そんじゃ、俺は帰るわ」

 

「うん。また明日ね坂本君」

 

俺は帰ろうとして歩き出したが入り口の前で立ち止まった。

 

「あぁ、そういえば一ついい忘れてたわ」

 

「何かな?」

 

「南、お前はどんな風に変わりたいんだ?」

 

「えっ……?」

 

「自分のどこを変えたいのか、

 どう変わりたいのかが分からなくてな。

 それを聞かせて貰いたい」

 

「どう変わりたいか……」

 

突然の質問に困惑する南。

南は少し悩んだあと答えた。

 

「私はいつも誰かについていってる

 みたいなところがあるから…

 どれくらい先になるかは分からない

 けど強くなりたい、かな」

 

「……そうか。

 強いっていうとここで働いていた

 ときのお前みたいにってことか?」

 

「ここで働いていたとき…?」

 

「もしかして気づいてないのか…?

 今日ここで働いていた南を見たが

 学校やμ'sのときとはまるで違っていた。

 それが南の言う強さかは分からないが

 普段よりもいきいきとしていたと

 いうか…積極的に見えた」

 

「…最初は急に道端でバイトに誘われて

 その場の流れと制服が可愛いからって

 理由で始めちゃったんだ。

 バイトをする理由としては不純かも

 しれないけどここで働いている内に

 お客さんを元気にしてあげられる

 ことの楽しさを知った。

 もし思いきって自分を変えようと

 してもどんどん私に新しいときめきを

 教えてくれるここなら受け入れて

 くれるんじゃないかってそんな

 気がするの。

 だからここでは強い私でいられるの

 かな」

 

「……この仕事は好きか?」

 

「うん。今までも、これからも」

 

何だ、俺が横入りする必要なんてなかったじゃねぇか。

南は強い。一人でこんなにも多くのことを経験し、自分の気持ちにさえ気づいているのだから。

 

「それが聞けて良かった。

 こんなくだらん話に付き合わせて

 悪かったな」

 

「……坂本君はこの話をするために

 戻ってきてくれたんじゃないかな?」

 

「何?」

 

今度は俺が南の質問に困惑する。

 

「実を言っちゃうとね、そのテーブル

 他のお客さんが座る前に皆の忘れ物が

 ないか確認したけど何もなかったん

 だよ。

 勿論、坂本君がいた席も」

 

「なっ……」

 

鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしているであろう俺に南が少し意地悪げに笑う。

 

「本当に不器用さんだね…♪」

 

いつぞやに言われた台詞と全く同じ言葉を言われる。

応援くらいはしてやる、と言ったあの日と同じ言葉。

 

「もしまた私が道に迷ったときは

 一緒に出口を探してくれる…?」

 

「……応援くらいはしてやる」

 

あのときと同じ言葉を返す。

 

「ありがとう」

 

南はただ一言、そう言って微笑んだ

 




ライブシーンやメイドコスシーンが抜けてしまって中途半端ですがワンダーゾーンの回は今回で終わりです。
メイドコスは別の場で用意致しますのでご安心を!!

10月だけが忙しいと思ってたら11月も忙しく死に物狂いで書いております。毎回大変お待たせして申し訳ありません。

次回は明久と穂乃果の前にあの子が再び登場!
また波乱になりそうです…


今回もありがとうございました!!
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