バカと9人の女神と召喚獣 バカテス×ラブライブ!   作:星震

49 / 55
遅くなってしまいました。

新たに高評価を下さったねおすとらいくさんありがとうございます!
メッセージでの応援の言葉もありがとうございます!
新たにお気に入り登録してくださった皆様もありがとうございます!

今回もよろしくお願いします!


バカと前触れと文化祭

「すごい!

 この順位ならラブライブ出場も

 夢じゃないよ!!」

 

ラブライブ開催二週間前のこの日、

部室は大いに盛り上がっていた。

ラブライブ出場の条件は期限である二週間後の時点でスクールアイドルランキング上位20組に入ること。

全国のスクールアイドルの中から上位20組に入ることなんてまだ遠い話だろうと思っていた。

けど皆の頑張りが報われたのか、現時点でμ'sはランキング上位20組の中に入っていたのだ。

 

「急上昇のピックアップスクール

 アイドルにも選ばれてるよ!」

 

「油断しちゃ駄目よ。

 私たちのランキングが上がってるって

 ことは他のスクールアイドルだって

 ラブライブ2週間前なんだから

 最後の追い込みをかけてくるわ。

 A-RISEのページを開いてみなさい」

 

先輩がそう言うと南さんはA-RISEのページを開く。

先輩の言う通りA-RISEもラブライブに向けて最後の追い込みをかけていた。

 

「7日間連続ライブ!?」

 

「残りの時間の半分をライブに

 使ってくるとは………」

 

「これが現時点で1位のスクール

 アイドルよ。

 ここから先はいつ負けてもおかしく

 ない世界よ」

 

驚く高坂さんと秀吉にそう語る先輩。

確かに昨日見たときのランキングとは順位が一気に変わっていた。

急に上がってきたグループ、逆に一気に下がったグループも多くいた。

たった20組という枠の中でこうも一気に順位が変わっていると驚きを隠せない。

 

「まぁ、向こうだって伊達に一位を

 掴んでるわけがねぇ。

 それは最初から分かってることだろ?」

 

「……μ'sはμ'sのやり方で現状を維持

 していけばいい」

 

「甘い!!!甘いわよ!!!」

 

「「!?」」

 

先輩が雄二と康太に渇を入れる。

先輩に怒鳴られると二人は怯んだ。

 

「こんだけたくさんのスクールアイドル

 が少しでも上を目指して努力している

 ってのににこたちは現状維持?

 そんなの部長であるにこが許さないわよ!?

 μ'sもこのままノコノコしている

 だけじゃ追い付かれるわよ!?

 分かったら少しでも上を目指す方法を

 考える!!いいわね!?」

 

「「イ…イエス、マム!!」」

 

男とは何て弱い生き物なんだろう。

そのことがお分かり頂ける光景だったであろう。

あの雄二でさえこの有り様だ。

 

「アンタも例外じゃないわよ!!」

 

「ですよね……」

 

僕も弱い生き物の一人であることを忘れてはならない。

 

「けどにこの言う通り喜んでいる暇は

 ないわ。

 …とはいっても今から新しいことを

 始めようとするのも難しいわ。

 今は学園祭で私達が今できる

 最高のステージを見せること。

 それが目標よ」

 

「今年はいつもより時期が早いから

 準備するのが大変だよ!」

 

学園祭。普通はどの学校も秋頃にやるものなのだが今の季節は夏。

どうしてこんな炎天下の中で学園祭をやるのかと疑問にも思うけどね。

高坂さんが言ったとおり、今年は例年よりも早い時期に行われる音ノ木坂学院の学園祭。μ'sはそこでライブをやることになっていた。

 

「まぁ、試験召喚戦争を取り入れたり、

 共学化を視野に入れたりと学校の

 状況が例年と異なるからそれくらい

 の変化があっても不思議じゃないよね」

 

「他の学校よりも早い時期に学園祭を

 行うことで他校の文化祭と日にちが

 被るって惨事を避けている側面も

 あるんだろうな。

 もし他校の学園祭と日にちが被ったら

 こっちの学園祭を見に来れない奴が

 出てくるだろ?」

 

そう言う雄二。

 

「……それに早い時期にこの学校を見学

 に来させれば他校に目が行く前に

 ここを目指す受験生を確保できる。

 どこかのババァ長と違って音ノ木坂の

 理事長は頭が回る」

 

康太が雄二に続けて言う。

すると僕たち男4人(1名性別不明)を除いた皆は目を丸くした。

 

「……どうした?」

 

「いや…私もどうして今回の学園祭の

 季節が早かったのか気になっていた

 けど確かにそういう理由なら納得が

 いくわね…」

 

「このことに気付ける土屋君たちも

 相当頭が回る人やと思ったんよ」

 

会長と副会長が皆が目を丸くしていた理由を代弁してくれた。

 

「あぁ、なるほど。

 そういうことでしたか…

 雄二、説明よろしく」

 

「俺かよ…はぁ……

 この手の大人の事情ってやつは

 俺たちが元いた学校じゃあよくあって

 急すぎる予定変更であろうと

 日常茶飯事なんで大抵原因は

 予想がつくようになっちまったんですよ」

 

「明久たちがいた学校……

 文月学園のことでしょうか?」

 

「そうじゃ。

 具体的には年末に行う筈の

 試験召喚大会を予告もなく当日に

 やらされたり、休日なのに補習の

 通知が来て今すぐ学校に来いという

 連絡が来たりといったところじゃな」

 

「明らかに後者は先輩たちが何か

 やらかしたからでしょ……」

 

「うぅっ……」

 

西木野さんに図星を突かれ声を上げる秀吉。

本当にその通りだから僕も何も言えないんだけどね……

 

「……だが、いずれかの事件にも必ず

 事情はあった。

 学園のミスということや、鉄人が

 俺たちの学力向上を目指して力を

 注いでくれていること…様々だった」

 

「う"…うぅっ………」

 

「園田さん!?

 どうして泣いてるの!?」

 

「嬉しいんです……

 普段馬鹿なことばかりやっている

 明久が西村先生にきちんと敬意と

 感謝をしていたことが…!!」

 

ん?何か僕、今まで園田さんにどうしようもない奴みたいな目で見られてたみたいだよ?

 

「まぁ待て園田。

 感動するのはまだ早いぞい」

 

「それってどういうこと?」

 

凛ちゃんが僕たちに問う。

 

「さっきも言ったとおり、

 それらのことは必ず何か意味が

 あってのことだった。

 だが、感謝の意思というのが必ずしも

 意味があることに繋がるわけでは

 ないということだ」

 

「じゃあどんなことに意味があったんですか?」

 

小泉さんは僕たち4人に問う。

この質問がなければ何も言わなかったけど仕方ないね。

 

「決まってる!!

 その原因となった奴へ仕返しできる

 ってことだ」

 

「「「「「「「「「………」」」」」」」」」

 

μ'sの皆さん、どうして僕たちを恐ろしいものを見る目で見ているのでしょうか。

 

「…一応聞くけど、その仕返しの相手 って誰なのよ……?」

 

先輩が問う。

僕たち4人が文月で散々お世話になり、一番敵視している奴といえばもう予想がついたんじゃないかな?

そう、あの学園の頂点に立つ妖怪である。

 

「「「「あのクソババァだ(じゃ)!!」」」」

 

「なぜ今まで貴方たち4人が退学に

 ならなかったのかを聞きたいのですが」

 

「なんでだろうね?」

 

「自分でも分かっていないのですか…」

 

頭を抑える園田さん。

さしずめ、もう手の付けようがないと思ったのだろう。

 

「やはり明久は一度更生する必要が

 あるかもしれません……」

 

もっととんでもない風に思われていたようです。

 

「ねぇ、園田さんの目のハイライトが

 仕事してくれてないんだけど」

 

「よかったな明久。

 女の子に監禁されるというお前が

 夢にまで見ていたシチュエーション

 じゃないか」

 

「僕はMじゃない!!」

 

一体どうしてこんな会話になってしまっているのだろうか。

さっきまで『学園祭目指して頑張るぞー』みたいな空気だったのに一瞬でギャグ展開に変わったんだけど…

 

「とにかく!

 この4人が馬鹿だったことは

 どうでもいいとして、まずは学園祭よ!」

 

鉄人の補習を一緒に受けた先輩どこのどなたでしたっけ?とは言えなかった。

雄二たちもこれ以上のギャグ展開は面倒になったのかその場は何も言わなかった。

 

「学園祭に向けてありとあらゆる

 アイドルの行動を調べ上げ、

 新しい決めセリフの新調をして……」

 

「明久、部長が最終的に伝えようと

 していることを手短に教えてくれ」

 

「閣下はいますぐ自分に仕事を寄越せと

 仰られた」

 

「誰がムッソリーニよ!!」

 

ヒトラーです。とは言えなかった。

やはり先輩は僕たちと同じ人種(バカ)なのだなと再認識させられた。

 

「だったらそんな仕事に飢えている

 にこに格好の仕事があるわよ」

 

「何!?それは何なのよ!?」

 

「それは______」

 

 

 

【場所変わって生徒会室】

 

「それで、どうしてその仕事ってのが

 くじ引きなのよ!?」

 

先輩の目の前には商店街とかにある

ガラガラ回して中から玉が出てくるやつ。

 

「これが昔からの伝統なのよ…

 学園祭で場所の取り合いになった

 場合は各部長がくじ引きで場所を確保

 するの」

 

「それじゃあどうして鉄じ…

 じゃなくて西村先生が部屋の真ん中で

 仁王立ちしてるのよ…」

 

「矢澤。今、俺のことを鉄人と

 言わなかったか?」

 

「き…気のせいです!!」

 

部長ですら勝てない鉄人、鬼だ。

けど僕たちと場所の取り合いになっている茶道部の皆さんも何やらこちらを見て身構えているようだけど……

 

「なぁ、これってまさか…!!」

 

「そう!試験召喚対決よ!!」

 

会長が答えた。

 

「ならこのくじ引きのやつは…?」

 

「これは対戦科目を決めるくじよ!

 これを回すのは…各部の部長よ!!」

 

「はぁ!?」

 

つまりは場所の取り合いは試験召喚対決で行う。

対戦科目は部長が引いたくじで決まる、そういうことだね。

お?ということは……

 

「会長。

 先輩にぴったりの仕事って…」

 

「にこは………成績が悪いのよ」

 

「聞こえてるわよ!!

 どうせこんなことだろうと思ったわ!」

 

だがそれならば勝機はある。

点数の低い先輩を出さずにすむからね。

 

「アンタ後で覚えてなさい……」

 

なんで心の声が聞こえてるんだろう?

あとで大変だよ、これ…

 

「ならば問題は誰を戦闘に出すかじゃな。

 向こうの人数は5人。

 副部長である明久は当然参加として…」

 

「え!?僕、副部長だったの!?

 初耳なんだけど!?」

 

「科目がくじ引きってことは誰が

 出ても不利にも有利にもなるってことか。

 よし、俺も出よう。

 高坂…は無しとして……」

 

「酷いよっ!?」

 

確かに高坂さんは…うん。

仕方ないよ、僕も言えるほど出来るわけじゃないけど。

 

「園田さん、出て貰えるかな?」

 

「それが…私は弓道部にも所属して

 いるのでそちらの戦闘に出ることに

 なっていまして…

 部を掛け持ちしている場合は片方の

 戦闘しか出てはいけないようです…」

 

「そっか……園田さんがいないとなると

 辛いね……」

 

「つ…辛いですか………

 私がいないと……ふふっ……」

 

「………」

 

あれ?今度は小泉さんの目のハイライトが仕事をしていないんですが…

 

「じゃ…じゃあ、副会長は…?」

 

「生徒会役員が3人も出るって少し

 ズルい気がするけど…

 今回はやるしかないなぁ。

 じゃあウチも出ようかな」

 

3人目、確保。

 

「後二人……康太は?」

 

「……保険体育以外が出たら不利」

 

確かにそうか。

となると、秀吉も古典以外では不利か…

 

「ふむ…小泉、お前はどうだ?」

 

「わ…私は明久先輩とじゃないと

 試験召喚対決は弱いので……」

 

「二人操作のときは無双してたもんな。

 仕方ないか」

 

あのときは確かに普段よりも自分が強くなってた気がしたなぁ…

小泉さんと一緒だったからだよね。

あ、小泉さんやっとこっち見て笑ってくれた…

 

「西木野、お主はどうじゃ?

 成績も悪くないじゃろう」

 

「いや…実は真姫ちゃんひとつだけ

 赤点ギリギリだったのがあるよ」

 

高坂さんの口から信じられない言葉が飛び出した。

西木野さんが赤点を取るようには思えないけど……

 

「何?それは何の科目じゃ?」

 

「か……家庭科」

 

あぁ…なるほど。

西木野さんの家って確か料理人がいるから料理の知識とかがなかったんだね…だから赤点というわけか。

 

「南はどうじゃ?

 どの科目も点数は悪くない筈じゃが…」

 

「えぇっ!?私?

 できなくはないけど………」

 

「駄目だ。まだ今の状態だと死人が

 出る」

 

「酷いっ!?」

 

うん、高坂さんと全く同じ反応。

流石は幼馴染みの二人。

そして速攻止める雄二は自分が一番南さんの召喚獣の恐ろしさを知っているからだろうか。

となると残るは……

 

「会長と凛ちゃんか……会長はどうです?」

 

「もう生徒会役員が多いとか言って

 られない状況みたいだし…

 出てみようかしら……」

 

4人目、確保。

 

「凛は無理だにゃ!!

 もしにこ先輩が英語引いちゃったら…」

 

「なんで私が英語を引くこと前提

 なのよ!?」

 

凛ちゃんに叫ぶ先輩。

 

「大丈夫だよ凛ちゃん。

 例え先輩が英語を引いたとしても

 あんなに頑張って勉強していたんだから」

 

先輩が僕の足を踏みに来たが会長にひょいっとつまみ上げられてしまう。

どれだけ軽いんだろうか、先輩は。

 

「で…でもっ!

 今回は負けられないんだよ!?」

 

「大丈夫。

 凛ちゃん、勉強した結果がちゃんと

 テストに出てたよ。

 テスト終わってから真っ先に点数

 見せに来てくれたよね。

 そのとき僕は嬉しかったんだ。

 僕なんかが勉強を教えた凛ちゃんが

 あんなにいい点数を取ってきてくれ

 たことが」

 

「明久先輩………」

 

「今の凛ちゃんなら英語が出ても

 大丈夫だよ。

 だから、自信を持って!」

 

「分かったよ、明久先輩。

 凛、やってみるね!!」

 

5人目は凛ちゃんに決まった。

これで5人。鉄人が僕たちと茶道部を並ばせる。

 

「これより、試験召喚対決を開始する。

 条件は前回受けた中間テストの結果を

 点数とした科目100点満点上限あり

 の元行うこととする。

 両者、1人目は前へ出ろ」

 

鉄人がそう言うと向こうからはネクタイの色から分かるに3年生が出てきた。

 

「3年生ね。

 じゃあ私が行こうかしら」

 

「わかりました、お願いします!」

 

僕たちからは会長が出ていった。

最初は茶道部がくじを引き、科目は数学が出てきた。

『す…数学!?

 私苦手教科なのにー!!』

 

茶道部の方にとっては苦手教科みたいだ。

こっちは会長。会長なら数学だって大丈夫な筈……

 

「私ね、皆に謝らなきゃいけないことが

 あるの」

 

「急にどうしたんですか会長?」

 

会長が僕たちの方に振り向き、何かを言おうとする。

会長がそう言っている鉄人が数学のフィールドを展開する。

 

数学

茶道部  近藤 未来  56点

 

確かに100点満点の上限ありの前回の中間テストの点数になっているようだ。

 

「私、このルールを知っていれば

 先に言ってたんだけど……」

 

会長がそう言う間に会長の召喚獣が出てきた。

会長そっくりにデフォルメされた召喚獣は剣と盾を持った真っ白な鎧を着た女騎士の姿だった。

見るからに凛々しく強そうである。

 

「私、前回の中間テスト数学赤点

 ギリギリだったのよ…」

 

『え………』

 

部屋の中の全員の声が揃った。

茶道部の皆様はおろか鉄人までもである。

 

数学

μ's  絢瀬 絵里  45点

 

確かに会長の点数には赤点ギリギリの点数が表示されていた。

 

 

 

【数分後】

 

「本当に申し訳ありませんでした」

 

「なんでお前が土下座してんだ明久」

 

「いや、前回会長が赤点だったのは

 僕が生徒会に顔を出さなくなって

 仕事が大変だったのが原因で…」

 

「違うわ!吉井君のせいじゃないわよ!

 私が勉強と仕事をり両立できなかった

 のが原因なんだから…

 そんなに自分を責めないで…ね?」

 

「会長っ…!」

 

こんな僕を許してくれる会長はやはり女神だった。

あぁっ…!エリチカ様…!!

 

「何二人で勝手に許し合ってるのよ!

 一戦負けちゃったわよ!?

 もう…変なところでポンコツ発動して…」

 

先輩が言う。

 

「これじゃあ誰が出ても安心してくじを

 引けないわよ!」

 

確かにこのままじゃあ不味い。

先輩にも変なプレッシャー掛かっちゃうし…

 

「よし。俺が出よう。

 前回のテストはどれも悪くなかった

 しな」

 

「大丈夫なの雄二?

 またいつもみたいに変な負け方するの

 やめてよね?」

 

「俺がそんなに信用できないか…?」

 

読者の皆様は知らないと思うけど

先月の試験召喚大会では南さんのフレンドリーファイアで死亡、そしてその前の月は召喚獣の操作に慣れていない他の生徒に魔法の誤射で死亡というしょうもない死に方を繰り返していた。『じゃあ私が行こうかな。

 部長、国語は引かないでね!』

 

相手の方も雄二の前に立った。

む?あの人は確か……

 

「げ……お前は確か2-Cクラスの

 代表…」

 

確か五月女さんとかいったっけ?

雄二にとって…いや、僕たぢ男子4人にとっては最悪の相手だ。

 

『ねぇ坂本君、あれから吉井君とは

 進展あった?ねぇ、ねぇ!』

 

「あってたまるか!!

 おい矢澤部長!!この勝負アンタに

 掛かってるからな!?

 明久の貞操はアンタに掛かってるからな!?」

 

「なんでそうアンタはプレッシャーを

 掛けてくるのよこの赤ゴリラ!」

 

「誰がゴリラだ!早く引け!!」

 

雄二が叫ぶと先輩はくじを引く。

雄二の場合どの教科が出ようと問題ないのだが…

 

「対戦科目は日本史!!

 両者、始め!!」

 

『「試獣召喚(サモン)!!」』

 

鉄人の合図で二人は召喚獣を召喚する。

二人の点数が表示される。

 

日本史

茶道部 五月女 里奈  75点

 

『日本史だとこんなもんか…

 まぁ最悪なんとかなるかな…?』

 

日本史

μ's 坂本雄二  98点

 

「暗記なら、こんなもんだ」

 

凄い!!

ほぼ100点満点じゃないか!

これなら勝てるぞ!!

 

『ふーん、じゃあ塗り替えちゃおっかな』

 

「何だと?」

 

五月女さんは手に光るものを見せる。

あれは…腕輪!?

確か五月女さんの腕輪の能力って…

 

『一年くらい登場してなかったから

 忘れられてると思うけど私の腕輪の

 能力は対戦科目を変えること。

 私を相手にしたときに科目選択権を

 使ったのは間違いだったんじゃない?』

 

雄二の顔が青ざめる。

流石に一年も登場していないキャラの能力を覚えてられるほど物覚えはよくないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

【対戦後】

 

「雄二!!

 どうしてこんなことに!?」

 

「へへっ…俺はお前と同性愛を育む

 くらいなら死んだ方がマシなんだよ…」

 

「だからってどうしてこんな…!

 今すぐに南さんを呼んで助けて貰うから…」

 

「なんて顔してんだ明久…

 とっとと次の試合、星空の試合に

 行きやがれ…」

 

「雄二…!!」

 

「俺は止まらねぇからよ…!!

 お前らが止まんねぇかぎり、

 その先に俺はいるぞ…!!

 だからよ…止まるんじゃねぇぞ…!!」

 

「雄二ぃぃぃぃぃ!!!!」

 

キボウノハナー…ツナイダキヅナガー…

 

「……とっとと次に行くぞい」

 

茶番を辞めて生き返る雄二。

雄二の目の前にいた五月女さんは鼻血を噴出して倒れていたが。

 

「アンタが負けたからもう後がないわよ!?

 どうすんのよこれ!?」

 

「返す言葉もございません」

 

雄二はうつ伏せで人差し指を真っ直ぐ伸ばしたまま答える。

 

「じゃあウチが先に行こうかなぁ。

 選択権は使わないでおこうな」

 

そう言って副会長は戦いに出た。

相手方がくじを回し、科目が決まる。

 

「対戦科目は保健体育だ。

 両者、始め!!」

 

『「試獣召喚(サモン)!!」』

 

保健体育

μ's 東條 希  100点

 

「これはまた酷い」

 

この人は下手したら全教科100点とかなんだろうか。

結果は言うまでもなく副会長が一方的に勝った。

副会長の点数を見て康太がorz…という感じの状態になっていたが康太も同じく100点だったろうから大丈夫だろう。

 

「希が勝ってくれたお陰で少しは

 肩の荷が降りたわ……」

 

「けどこれで1勝2敗。

 この時点でウチらが負けたらおしまい。

 けど残りの2回のくじは負けてる

 こっちが引けるで」

 

敵に決められたレールの上で戦い続けることにはならなくてなによりだけど

だいぶ苦しくなってきたな…

 

「次は凛ちゃんだね。

 頑張って!」

 

「かよちん……

 うん!頑張って勝つにゃ!」

 

凛ちゃんはお相手と対峙する。

 

「にこ先輩!いつでもいいにゃ!」

 

「じゃあ行くわよ…!

 英語以外出てきてよね…!!」

 

先輩はくじを引く。

先輩も凛ちゃんも英語が出ないことを祈っていた。

が、それがフラグになってしまったのか出てきた玉には英語と書かれていた。

 

「もぅー!にこ先輩!!」

 

「ごめん凛!!」

 

先輩は謝罪の言葉を掛ける。

 

「しょうがないにゃあ…

 凛の頑張った成果、見ててね

 明久先輩!」

 

「頑張って!凛ちゃん!

 今は勝ち負けよりも自分が

 頑張ってきたことを思い出して!」

 

「準備はいいな?両者、始め!!」

 

『「試獣召喚(サモン)!!」』

 

凛ちゃんとお相手の人が叫ぶと

二人の召喚獣が現れる。

凛ちゃんの召喚獣の姿は猫又の姿だった。

武器を持っていないということは

その手についている爪で戦うのだろうか。

 

英語

茶道部 佐藤 文  88点

 

『前回は微妙だったのよね…

 大丈夫かしら…』

 

お相手の点数が表示される。

中々に高い点数だ。88点で微妙と言っているということは普段はもっと高いということか…

 

英語

μ's 星空 凛  72点

 

凛ちゃんの点数が表示される。

必死で覚えた苦手な英語。

苦手だったのにここまで点数が取れるようになったんだから凄いよね。

 

「行くにゃ!」

 

凛ちゃんは相手の召喚獣に向かって走らせる。相手の召喚獣の直前までたどり着くとその手の爪で斬り掛かった。

敵の召喚獣は凛ちゃんの攻撃を両手に持っているショーテルという武器で防ぐ。弧を描くようにして柄から生えているショーテルの刃は凛ちゃんの召喚獣の爪を引っ掻けるようにして攻撃を弾き飛ばした。

 

「駄目だ!

 武器の相性が最悪だ!

 あのままじゃ攻撃しても受け流され

 続けるだけだぞ!」

 

雄二が叫ぶ。

消耗戦になってしまっているのを見ていられないのかその手は握り拳を作っていた。

 

「うぅっ!?」

 

凛ちゃんの召喚獣は攻撃を受け流されながらダメージが蓄積されていく。

 

『今度はこっちから行きます!』

 

「にゃ…にゃぁぁぁ!?」

 

今度は相手から攻撃を仕掛けてくる。凛ちゃんは防戦一方になってしまっている。

 

「凛ちゃん、守るので精一杯だよ!

 どうすればいいの!?」

 

「大丈夫だよ高坂さん」

 

確かに一見、守っているだけのように見える。だが僕は分かった。凛ちゃんは反撃の機会を伺っているのだと。

 

『ええい!!』

 

「今だにゃ!!」

 

相手がショーテルを振るう。

凛ちゃんはそれを片手で受け止め、もう片方の爪を使って受け止めたショーテルを挟む。両方の爪を逆方向に動かして敵のショーテルをてこの原理を使って折った。

 

『武器が……!!

 けど、もう片方があれば!!』

 

もう片方のショーテルだけで相手は凛ちゃんの召喚獣に攻撃する。

凛ちゃんの召喚獣は点数が僅かだった。

あと一撃喰らったら終わり、そう言っても過言ではない状態だ。

だが敵も同じ状況。

凛ちゃんよりも少し多く点数が残っているけど凛ちゃんが全力で攻撃を仕掛ければきっと削りきれる。

 

「凛ちゃん!!

 敵の懐に飛び込んで!!

 凛ちゃんの全力の攻撃で一撃で

 終わらせるんだ!」

 

「もう一回攻撃されたら負けちゃうし…

 一か八かやってみるにゃ!!」

 

『逃がさない!!』

 

凛ちゃんは部屋の壁の方に走る。

相手はそれを追い詰めたと思って追いかけた。

だが、それこそが凛ちゃんの狙いだ。

凛ちゃんは壁に向かってそのまま走る。

 

「凛ちゃん、壁にぶつかっちゃうよ!?」

 

「いや、待て。まさかアイツ…!!」

 

雄二は気がついたようだ。

凛ちゃんが何故逃げ場がなくなる壁に逃げたのか。

 

『終わりです!!』

 

「行くにゃぁぁ!!」

 

『えっ!?』

 

凛ちゃんは向かっていった壁を思いきり蹴り飛ばす。壁を蹴り飛ばしたことで助走が付き早くなった凛ちゃんの召喚獣は相手の懐に最後の一撃を仕掛ける。

一閃、物凄い速度で凛ちゃんの召喚獣が走り抜けた。

 

そして、勝者が決まった。

 

 

 

 

 

 

英語

μ's 星空 凛  0点

 

「も…もう少しだったのにぃぃ!!」

 

凛ちゃんの召喚獣は点数が無くなっていた。相手の召喚獣は凛ちゃんが走り抜けた瞬間に自分の持っている武器を投げたようだ。凛ちゃんの召喚獣は一撃喰らったら点数が無くなってしまう程少なかったためその攻撃で倒されてしまった。

 

「勝負あったな。

 講堂の使用許可は茶道部のものだ!」

 

鉄人が勝者を告げる。

出番なく終わってしまった自分が無力に感じる……

 

「ごめんね…明久先輩…

 凛、勝てなかったよ……」

 

「いいんだよ凛ちゃん。

 けど、惜しかったね……」

 

「これは私たち皆が全力を出して得た

 結果よ。

 だから凛一人が気負うことはないわ」

 

「真姫ちゃん……

 うぅっ……うぇぇぇん!!」

 

「凛!?ちょっと!!」

 

凛ちゃんは西木野さんにダイブする。

西木野さんは何だかんだ言ってもしっかりと受け止めてあげていた。

 

「でも…どうする?

 他にライブ出来る場所って……」

 

「あ、それなんだけど穂乃果に考えが

 あるよ!

 今回は何も出来なかったから

 役に立てるといいんだけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

学園祭のライブは高坂さんの提案で屋上に野外ステージを作ることになった。

翌日から学園祭に向けて猛練習が始まった。

僕たちもマネージャーとして出来ることを精一杯考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

このとき既にμ'sが解散の危機に陥っているなんて誰も考えもしなかっただろう。




文化祭と騒動の話は頑張らないと…2期末の分は何話かストックがあるのでご心配なく。
にこちゃんには頑張って貰いたいけど本格的な無双はもう少し待って下さい!

今回もありがとうございました!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。