秋をテーマにした俳句を書きなさい。
他者のもの、自分で考えたものどちらを書いてもかまいません。ただし、他者のものを書いた場合は作者も書くこと。
南 ことりの答え
「柿くへば
鐘が鳴るなり
法隆寺」
作、正岡子規
[坂本雄二のコメント]
作者も答えろと言われたら書けないから自作するやつが多かったんだが南は大丈夫みたいだな。
高坂 穂乃果の答え
「おいしいな
うまいおいしい
おいしいな」
[坂本雄二のコメント]
食欲の秋ではあるがこれは流石に俳句を嘗めてるとしか思えない。
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少しでもシリアスを薄めるためのバカテストです。
新たに高評価をくださった蓬莱日さん、蓮零さん、孫龍さんありがとうございます!
『なっ!?
お前そんなとこで何やってんだ!?』
『降りられなくなっちゃったの…
助けて…!!』
またこの夢か。
ガキの頃の俺、そして木に登って降りられなくなった少女の夢。
『わ…分かった!!
飛び降りろ!キャッチしてやるから!』
見るたびにこの夢は鮮明に思い出されていく。
なぜこんなにも過去のことが再生されるのだろうか。
『そんなの無理だよ!』
『大丈夫だ!俺を信じろ!』
今の俺の口からは出ないような無責任な台詞を言う過去の俺。だが、そんな怖いもの知らずな子供の頃だからこそ言える台詞なのかもしれないとしみじみ思う。
『うぅ…えい!!』
『ほらよっと…』
木から飛び降りた少女をキャッチするガキの頃の俺。
少女はよほど怖かったのか今もまだ泣き続けていた。
『怖かったよぅ……』
『あ、あぁ……
もっと早く助けてやれなくてごめんな…
あと……』
『?』
『頼むから離れてくれないか?』
首をかしげる少女。
だが女の子にずっと抱きつかれているという状況が辛かったのか過去の俺はそう言った。
『~~~…のこと、嫌いなの…?』
ここだけはいつになっても鮮明にならない。
彼女の口から出た言葉は恐らく少女の名前。
どうしていつになっても思い出せないのだろうか。
『出会ってすぐ嫌いになるなんて
あるもんか。
ただ…恥ずかしいんだよ……』
『そう…なの……?』
『それより…手、怪我してるじゃねぇか。
見せてみろ』
そう言って過去の俺は少女の手に触れる。
少女の手はずっと木に掴まっていたため怪我をしていた。
過去の俺はポケットから消毒と絆創膏を出して少女の手当てをした。
『よく消毒なんて持ってるね…』
『あぁ、よく怪我するからな』
笑って言う過去の俺。いや、笑って済ませられることじゃないだろうとツっこみたいところである。
実際、この頃から俺は上級生から喧嘩を売られることが多かったため持っていたという血生臭い理由があったりする。
そして、ここからが最近鮮明になったところだ。
『~~~ちゃーん!!』
誰かが少女の名を呼んだ。
少女を助けるために誰かを連れてきたようである。
『~~~ちゃん、~~ちゃん!』
少女もこちらに向かってくる人物の名を呼ぶ。どうやら友達のようだ。
俺は状況を察して消毒と絆創膏だけを少女の元に置いて帰ろうとした。
『待って!』
突然、少女に呼び止められる過去の俺。
『また、会えるよね…?』
『……さぁ。どうだろうな。
あばよ』
そう言って帰ろうとした俺だがまた泣き出してしまいそうになる少女を気の毒に思ったのかこんなことを言っていた。
『次は、俺から会いに行ってやるよ。
お前が覚えればだけどな』
『うん…!!約束だよ!』
これが夢の最後である。
名前、教えてなかったんだよな。俺。
子供とはいえ、あれだけカッコつけた台詞言っておいて……馬鹿だろ。
夢の終わりと共に、俺は現実に引き戻されるのだった。
【現実】
「はぁ…あと何回この夢見るんだか…
せめてアイツの名前を思い出せれば…」
少女の名前は分からず、自分の名前も教えず。
手掛かりはないも同然であった。
「意外と身近にいる人間だったり
するのか…?
おっと、それより今日は高坂の
見舞いに行くから集合って言われてたな。
急ぐか」
手掛かりがないように思えた夢だったが、この夢の真実はすぐそこまで迫ってきていた。
【高坂家】
てなわけで見舞いに高坂家に来た俺たちだったのだが……
「どうして先にお前がいるんだ」
「あれ?高坂さんのお母さんから
聞かなかった?
この間から早く回復できるように
看病に来てるんだけど…」
平然と女子の家に通い妻してるバカ。
いや、通い夫か…?
「最近いなくなることが多くなると
思ったらこんなことしてたのか…
あと園田と小泉は後ろの邪気をしまえ」
「ず…ずるいです穂乃果…
私も通い夫…ではなく看病されたい
です…」
「いいな…穂乃果さん…
私も病気になったら明久先輩看病
してくれるのかな…?かな……?」
このまま二人を放置しておいてはいかん。小泉なんか口調が大変なことになってるぞ…
このまま二人のヤンデレ化が進むと明久はヨットで首だけ持っていかれることに…
「包丁で滅多切りにされたあいつほど
僕ってクズかな?」
「安心しなさい。
アンタはあの駄目男ほど性根
腐ってないわよ」
「あのアニメは女たちが怖かったわ……」
「…俺の周りにはニュータイプか
イノベイターしかいないのか……?」
どうしてこうも全員揃って俺の心の中を覗けるんだよ…
矢澤先輩と絢瀬会長はどうしてあの戦慄アニメを見てしまったのか教えてくれ…
「穂乃果ちゃん、具合はもう大丈夫なん?」
「うん!
もう熱も下がったし、安静にしてれば
大丈夫だって!」
どうやら心配する必要なかったらしいな。すっかり平常運転である。
というより…久々にメンバーと会えたからか、いつもより騒がしい…
「ほら高坂さん、今日の分の風邪薬
飲まないと…」
「や…やだ……」
明久が粉末状の薬を出すと高坂は顔をしかめる。
「また咳が再発しちゃうよ。
子供じゃないんだから…」
「みかんは好きだけどオレンジみたいな
味の薬は嫌いなの~…」
あぁ、確かに不味いよなあれは。
子供のときによく飲まされるやつ…
無味の薬の方がマシだろ、あれ。誰が子供に飲ませようとか考えやがったんだ…
「じゃあ今日のプリンは無しね。
僕、本当に作らないよ?」
「えっ!?それは嫌だよ!!
そっちの方が風邪再発しちゃうよ!」
本当に親と子供を見ている感覚なんだが…一体何があってこんな関係になった…?
「明久先輩がプリン作ってるの?
凛も食べたいにゃ!」
「明久君の作るプリン美味しいんだよ!
それに私がいちご好きなの知ってて
いちごプリン作ってくれるの!
もう明久君のもの以外には戻れない
かも…」
「明久の作るプリン以外、ですよね…?」
高坂、その言い方は誤解を招きかねん…
既に誤解した園田の顔が真っ青になってるぞ。
そんなことを思っていると廊下から小さな足音が聞こえた。
「お兄ちゃん!
頼まれてた通りプリン冷蔵庫に入れてきたです!」
「ありがとう葉月ちゃん。
出来たら皆で食べようね」
「はいです!」
「結局食わせてやるんだな…」
高坂に薬飲まないと作らないとか言ってたのは何だったんだよ…
「穂乃果お姉ちゃん!
今日は葉月も一緒に作ったですよ!
」
「葉月ちゃんが!?
すごい!がんばったね!」
「葉月ちゃん、手際いいんだよ。
高坂さんのお父さんなんか感動して
泣いちゃってたよ」
そうか、高坂の父さんこのちびっ子に小さい頃の高坂の面影を重ねたんだろうなぁ…
それもそのちびっ子が面影を重ねた高坂のために頑張ってるってんだから泣くのも無理ないか。
「早く元気になってね…?
お姉ちゃん」
「うん!私、頑張るよ!」
「早く治したいなら頑張らずにしっかり
休んでてね」
「えへへ…ごめ~ん」
『…………………』
全員が黙った。
恐らく全員がこう思ったことだろう。
こいつらもう家族だろ、と。
「もう…心配して損したじゃない…」
いいや、矢澤先輩。
むしろ得しかなかったぜ。こんなうめぇシーンが見られたんだからな(ゲス顔)。
「ごめんね…せっかく最高のライブに
なりそうだったのに…」
「穂乃果ちゃんだけのせいじゃない。
穂乃果ちゃんの体調に気づかなかった
ウチらも悪い。
そんな気に負うことないで」
「希ちゃん…ありがとう。
明日からは学校にも行けるって
お医者さんにも言われたよ。部活も復帰できる。
だから…何かラブライブまでの間、
埋め合わせできないかな~なんて思ったんだけど…」
「穂乃果…………」
予想していた話題を切り出され、園田が高坂の前に出た。
「ラブライブには、出場しません」
「えっ………?」
園田がそう言うと高坂は鳩が豆鉄砲を食らったような顔になる。
突然、ずっと目標にしてきたラブライブに出場しないと言われ、そう簡単に受け入れられないだろう。
「海未ちゃん…?何言ってるの…?」
「理事長に言われたの。
頑張りすぎたんじゃないかって。
こんなことになるためにラブライブに出場
したのかって…」
「絵里ちゃん…」
理事長の物言いはどうかとも思ったがこんな事態になった以上は仕方ないだろう。ラブライブに出場すれば高坂は今よりもっと無茶をするに決まってる。そんな状態で高坂をラブライブに出場させるわけにはいかない。
「それに前にも言ったでしょ。ラブライブの門は狭い。
私たちが休んでいる間にも他のチームは
どんどん先に進んで行ってる。
もう、ランキングにμ'sの名前は無いわ…」
「そんな……」
場の空気が重くなる。そんな中、俺はひとつの選択肢を持ち掛けた。
「なぁ、高坂。
こんなときだがいいニュースと悪いニュースがある。
どちらから聞きたい?」
「えっ…?
じゃあ、いいニュースからがいいな……」
こんなときだからこそいいニュースから選んだか。
悪い方は黙っていた方がいいかもしれんがいずれは直面すること。高坂は事実を知るべきだろう。
「了解だ。明久、あれを…」
「うん」
おれがそう言うと明久は鞄から一枚のプリントを出した。
明久はそれを高坂に渡した。
「来年度生徒募集のお知らせ……
明久君、これって……!」
「希望調査の結果、例年の数倍の規定を
満たす入学希望があったんだって!
再来年は分からないけど来年までは
学校が存続することになったんだよ!」
「あ……」
「穂乃果ちゃん!」
「穂乃果!」
高坂の目から涙が溢れ落ちた。
他のメンバーも学校の存続を喜ぶ。
「凛たち後輩ができるの!?」
「うん!再来年は分からないけどね」
「嬉しいね……」
「ちょっと花陽!?なんで泣いてるのよ!」
学校の存続。ずっと目標にしてきたことが達成し、各々が感傷に浸る。悪いニュースがあるとしても今くらいはこれくらい許されるだろう。
「ちょっと待って……」
「ん?何だ西木野」
気がついちまったみたいだな。まぁ、考えれば分かることか。
学校が存続することが決まった、例年よりも入学希望者が多かった。
そうしたら廃校の危機だった今の音ノ木坂という女子校からいらない要素が出てくる。
「学校の存続が決まったってことは
先輩たちはどうなるのよ…!」
「はぁ……………」
「何で黙るのよ……
ねぇ、何とか言ってよ……明久!」
「先輩、これは………」
矢澤先輩が明久に詰め寄る。
「雄二、明久。隠しても仕方ないじゃろう。
いずれは知ることじゃろう」
「……雄二と明久にばかり重要な役を押し付ける
のはよくない。
これは俺とお前にも重要なことだ」
「…そうじゃな」
俺たちは覚悟を決め、みんなの前に立つ。
俺は一言、伝えることだけを言った。
「俺たちは……転校することになった」
『え……?』
高坂だけでなく、今度はμ'sの全員の顔が驚愕に満ちる。
「そんな…どうして?なんでよ先輩!!
なんでこんな時期に…
まだ一年間の半分も過ごしてないじゃない!!」
「ワシらは特別試験生徒。
女子校として存続することになった
音ノ木坂にはいられないのじゃ…」
秀吉の襟を掴む西木野。
秀吉は西木野の問いにうつむいたまま答える。
「……今朝ババァから連絡があった。
俺たちの役目は終わった、と」
康太の言った今朝は本当に電話を破壊するところだった。いきなり退学にしたかと思えば今度は戻ってこいなんて言ってきたんだからな。
「でも、断れるのよね…?
それにアンタ言ったじゃない!
私に着いてくって決めたからこの部に
入ったって…!!
まだアイドルの素晴らしさも、
私についても何も知って貰ってない!
勝手に退場なんて許さないわよ!!」
「……」
明久は何も言わない。
下手な言い訳をして先輩を余計悲しませたくないんだろう。だから現実は無慈悲だということを教えるために何も言わないのだろう。
だが、俺のその考えは大きく裏切られることになる。
「明久!!ねぇ!!」
「僕だって!!
先輩にもっとアイドルについて教えて
貰いたい!!
皆と……一緒にっ……!!」
それが明久がμ'sの、俺たち全員の前で初めて見せた悔し涙だった。
「だが、俺たちは会えないわけじゃない。
転校までの猶予だって与えられてるし、
何より音ノ木坂と文月はそれなりに近い。
会おうとすれば、いつでも会えるんだ。
俺たちはμ'sのマネージャーを辞める
つもりはねぇ!」
「……こんなことを突然言い出しておいて
虫がいいのは分かっている!!
だが、頼む!!分かってくれ…!!」
明久が泣いている。
俺が悔しがっている。
康太が歯を食い縛りながら謝罪している。
秀吉から笑顔が消えている。
こんな俺たちを彼女たちはどう思うだろうか。無様に、滑稽に思われるのもいいだろう。
だが、彼女たちはこう言ってくれた。
「そうよ…会えないわけじゃない。
私たちはμ'sで、明久たちは私たちの
マネージャーよ!それは変わらない」
「先輩……」
「その代わり!!
私たち意外のマネージャーになるのは禁止!
アンタのいた学校、スクールアイドル
できたんでしょ?」
「そうなんですか……?」
「あぁ、そういえばそんな話もあったのぅ」
秀吉が思い出したように言う。
当の明久は知らなかったようだが。
秀吉が知っている…まさかとは思うがスクールアイドルになったのって…
「他人事のように聞いてるけど先輩も!!
曲の指導とか絶対しないでよ!
曲の指導をしていいのは…」
「心得ておる。
ワシはお主ら以外の歌唱練習に付き合う
気はないぞい」
秀吉も西木野に念を押されていた。
「康太君、向こうでもしっかりな。
ウチは別に我慢してスクールアイドルの
子たちの写真を撮るななんて言わんよ」
「……だが」
「その代わり、ウチらを撮るときは
もっと綺麗に撮ってな♪」
「……了解」
短いようにも思える時間だったが俺たちはこの学校でこんなにも多くの人と関わっていた。
うぬぼれかもしれないがラブライブまで手が届きかけていた彼女たちをすぐ側で支えられたということは俺たちにとって誇れるものなのかもしれない。
「明久、時間があればお昼にはこっちに
来てくださいね?」
「えっ…?どうして……?」
「貴方のことですからまた昼食を
64/1カップ麺で済ませようとするからです。
私が…お昼を作ってあげますから……」
「そ…それなら私も………
おにぎりいっぱい作ってきますね!」
「り…凛も!!料理上手になるから!
絶対上手になるから!
だからお昼は一緒に食べるにゃ!」
「皆……」
明久はまた涙を流す。
だが先程の悔し涙とは別の感情の涙だ。
「よ…吉井君!!
いくら私の声が好きでも文月学園の
私と声が似てる子に魅せられたら駄目よ!!」
「こ…声ですか……?」
あぁ、工藤のことか。確かに似てるな。
性格は正反対って言っていいほどだが…
あっちでは明久を巡る修羅場が、
そっちでは秀吉と康太がさりげなく調教されているというもう何でもござれな光景が広がっていた。
そんな中、俺は誰かに服の袖を引っ張られた。
「ん…?南、どうした……?」
「えっ!?ううん、何でもないよ…
そっか…坂本君、いなくなっちゃうんだ…」
「……あぁ」
「ねぇ、坂本君」
「私が残ってってお願いしたら…
それが私が一番願ってることだって
言ったら、応援してくれる…?
叶えてくれる…?」
「は……?」
南の目は真剣だった。
言っている意味が分からなかった。
だが、南の目は確かに俺に何かを求めている。そんな気がした。
「坂本君は私が本当にしたいことなら
応援してやるって言ってくれた。
私が坂本君と…皆と一緒にいることが
一番したいことって言ったら
応援してくれる…?」
「南、すまないがそれはできない」
俺はそう言った。
「出来ることであればそれを叶えたい
のは俺の方でもある。
自分の私情を混ぜてなんて中途半端な応援はしたくない。
お前のためにも、俺のためにも」
「……そっか」
南はうつむく。
そして少ししてから俺の方に顔を向けてこう言った。
「ずるい子だね…私」
このとき俺はどうして南が泣いているのか分からなかった。
分かったのは南の言葉が悲しさに溢れていたということくらいだった。
その後、一番鈍感なのは自分だと思い知らされることになる。
【その日の夜】
「葉月が手伝って作ったプリンおいしいですか?お姉ちゃん」
「うん。すごくおいしいよ。
葉月ちゃん…」
「お姉ちゃん……
ならどうして泣いてるんですか…?」
「えっ……?あはは。
ごめん。葉月ちゃんの作ったプリンが
おいしすぎて感動しちゃった…」
「お姉ちゃん、泣いているのはお兄ちゃんがいなくなっちゃうことですよね……?」
「え……?」
「お姉ちゃんといて分かったことがあります。
お姉ちゃんは悲しいときよく一人になりたがるんです。
だから大好きなプリンのことも葉月が
言うまで気づかなかったんじゃないですか…?」
「……葉月ちゃん」
馬鹿だな、私。
葉月ちゃんの方が私のこと分かってるじゃん…
皆、ごめん。
私、やっぱり諦められないよ。
だって、皆でいる時間が一番大好きなんだもん…
私、ずるい子だよね…………?
これだけは覚えておいて下さい。
シリアスのあとには笑いとラブコメが待っていると!
今回もありがとうございました!