残念イケメンと劣等生   作:ライトフォレスト

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寒くなった今日この頃。

こたつに足を突っ込んでヤドカリ生活を送っている者です。
皆様は心変わりすることはありますか?
私はよく変わります。

一言悪口を言われれば嫌いになり、嫌いの相手に褒められると『あ、この人いい人』なんて言って好きになったり、私が女性で次元落ちすればチョロンになること間違いなし。

・・・それが言いたいんじゃないや。

文章が薄い感じが否めませんがそれでもという方はどうぞ


追記:最後の部分を大きく編集しました。


13話 転換

「あらら・・・」

 

壊されちゃった。

折角、脳内描写で遊んでいたのに・・・。

 

 

生徒会室で作業中の隆は自分の魔法が消滅したことに思わず驚愕が心からこぼれ落ちる。

隆の発動させる紙を使った魔法(以降、折り紙魔法)は、他者の魔法による事象改変に抵抗を持たせる"情報強化"の効果が、描かれた模様に組み込まれている。相当な力がない限り魔法での破壊は不可能。

まして達也は変数処理を複数同時にできる高度な演算能力を除けば、他の生徒に劣る。そう隆は記憶していた。

 

 

「靏君、どうしたんですか?」

 

 

少し離れた位置で作業していた鈴音がひょうきんな声をあげた隆に振り向いて問いかける。釣られて隣の深雪も横目で、真由美も顔を上げて見つめる。ここまで注目が集まるのは隆が戻った時の「ただいま戻りました」と真由美の「お帰りなさい」から約30分間事務的な相槌などしかなかったからである。(時折、隆の背中に熱烈な視線が贈られたこともあったが)

 

 

「申し訳ありません。出来上がった書類の再度確認をと思いましたら誤ってブラウザを消してしまいました。」

 

 

「え?もう書きあがったの?」

 

今度は真由美が驚きの声を上げる。昨日今日仕事を覚えた隆はずの仕事処理能力が想像を超えていた。次いで鈴音も無表情ながらも口を半開きにして見つめ、服部は訝しげな視線を送った。

 

いつの間にか掛けているた()()メガネを降ろして困ったように真由美を見つめる。

 

 

「はい。ですが振り出しに戻ってしまいました」

 

 

肩をすくめて両手を上げる。

文字通りお手上げ、どうすればいいのかわからない。

しかし、先ほどまで目を丸くしていた先輩たちは一変して口元を引きつらせて苦笑、1人はフンッ、と鼻で笑ってみせる。隆も目の前の反応にどうしたのかと大きな目を瞬かせる。

そこに深雪が体ごと振り向き、同じく苦笑まじりに答えた。

 

 

「靏君。このソフトはオートバックアップ機能が付いているから大丈夫のはずよ」

 

「え、そうなの?」

 

「文章作成ソフト等には、意図しないトラブルを遭遇して備わっています。そもそも昨日、中条さんの説明にもあったはずですが」

 

 

深雪、鈴音の指摘に隆は小首を傾げて()()()

殺風景だった空間に笑いが灯る。

仕事の圧力に消えていた何時もの空気が戻りつつあった。

真由美は笑いをこぼしながらポンと手を叩く。

 

 

「少し根を詰め過ぎたかしら。じゃあ、一度お茶にしましょうか」

 

 

それぞれ自分なりの返答をし、深雪はお茶の用意を始める。

真由美は長机の資料を片づけ、服部もそれを手伝う。

鈴音も長机の椅子に座り直す。

 

パン、と今度は隆が手を叩いた。何かを思いだした、という顔である。

 

 

「あ、そうだ。私クッキー焼いてきているんですけど、よろしいですか?」

 

今度は服部を含めて全員が目を丸くする。

 

 

 

『この男子、女子力高すぎ』

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

by the way(一方その頃),

 

 

森崎は部活動勧誘の見回りを続けていた。

想像以上の賑わいと強引さに呆気に取られながらも、見かけた過剰な行為の仲裁を行う。内心、喧嘩が起こっていないことに安堵しつつもその時の心構えを自分なりに固める。

 

決心したとき、ふと達也のことを思い出す。

もし、喧嘩に巻き込まれたらアイツは大丈夫だろうか、二科生には荷が重すぎるのではないか。高校生活初日の自分であれば決して考えなかったであろう二科生(達也)の心配をしている。

あの時『認めない!』等と口走った手前、こんなことを考えている自分に戸惑いを覚える。

 

 

そして現在、

歩きながら顎に手をあてて考えている森崎は会場とは離れた場所にいた。

風紀委員と言っても、森崎は青春真っ盛りの学生。

言い争いを止めるよりも部活動見学をしたい、喧嘩を止めることよりも競技の体験実習をやってみたい。

 

 

 

『ねぇ、オチビさん。どこに向かってるの?』

 

 

風紀委員は単独で巡回する。

達也とエリカは事前に約束をして巡回の傍ら一緒に行動しているという例外を除けば、他の委員生は一人で見回りをしている。

森崎もその一人。そもそも森崎のまじめな性格ではそういった発想が思い浮かぶことも、それを実行しようとする気もないだろう。

実際、森崎の周囲に知()はいない。

 

 

「…はぁ、もう疲れた。」

 

数秒、自分の方を睨みつけたが、諦めたように溜息をついて前を向く。

そこには手のひらサイズの赤い蝶が止まっている。

声の主はこの折り紙を操る靏 隆。

 

達也と風紀委員会本部で別れた後からずっと方に止まって、こうして時折声をかけてくる。

 

『あら、意外に体力ないわね』

 

蝶から発せられる声音は森崎を揶揄う。

飛ばない程度に軽く羽ばたかせる様子はこちらをからかっているようにも見える。

いくら突っ込みを入れたところで馬の耳に念仏、学習した森崎は無言という反撃を加えた。

 

 

 

―――――――

 

 

森崎が向かったのはコンバット・シューティング部の練習場。

どうやら、入学前から気になっていたようで、二年の部員の話に目を輝かせてうんうん頷いて聞いていた。

ちなみに肩に乗っていた隆の蝶は森崎のポケットに――勝手に――入ってじっとしていた。

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

『どうだったの?』

 

目的地を離れている森崎に隆は尋ねかける。

今までポケットの中にいたが、這い出して再び森崎の肩に止まる。

 

「どうって・・・別に・・・」

そういって無表情に肩をすくめて見せようとする。

しかし、先ほどから満足そうに持ち上げていた口角を降ろそうとして微妙な表情になっている。赤かった頬も一層染まった。

 

『ふふっ。嬉しそうね。』

 

「なっ!そ、そんなこと・・・・」

 

『いいなぁ・・・私は生徒会から出られないからなぁ』

 

森崎は、噛み噛みでうまくしゃべれない。

それにかぶせるように隆は芝居がかったように――嫌味にも聞こえる――嘆く。森崎も片眉を釣りあげる。

 

『ねぇ、オチビちゃん。闘技場に行きませんこと?』

 

 

「・・・巡回をしないといけないから」

 

 

『あれぇ、さっきまでどこにいたのかなぁ?』

 

「み、見回りの一環・・・」

 

目を逸らした森崎の目線に回る。

 

『あらいいのぉ?渡辺先輩に報告してもいいのよ?一年の森崎君は仕事を怠けてコンバット・シューティング部に20分滞在して楽しそうに話していた。って』

 

「なっ!卑怯だぞ!」

 

やられた、やはり追い払うか破るかしておけばよかった。

森崎は後悔した。

 

「・・・そうだ、自分で動けるだろ!一人で行けばいい!」

 

 

森崎は苦し紛れに反論にもなっていない言葉をぶつける。

 

 

『これじゃ移動速度に限界があるもの。そんなことより、ほら早く』

 

森崎はトボトボと歩き出した。

 

 

 

 

 

『急がないと終わっちゃうわ』

 

 

 

が、走らざるを得なかった。

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

『あの子すごいわねぇ。中学生の頃、剣道小町って呼ばれてた子よ!』

 

「・・・・」

 

隆は声だけだが、その声も今は興奮を帯びている。

対して森崎は始めは不機嫌そうに見ていたが、壬生が出てきてから見入っている。隆は話題に上がったそのルックスに、森崎は実家の職業柄、その剣の技術に関心を寄せているようだ。

 

『あら?』

 

殺陣が終わって満足げに視線を同じ階に移したとき、エリカと達也が降りていくのが見えた。どうやら帰るようだ。

 

「・・・・」

 

森崎のほうを向くと、何かを気付いたような隆の一言にどうしたのかと見つめていた。森崎のほうは向こうの二人に気づいていようだ。

さて、私の目的のデモは10分後ね。あぁ楽しみ。

隆の目当ては剣道部ではなかった。もともと武術を嗜んでいるが、長物を使ったものではなく素手――姓が靏になる前の話、だが。

 

 

 

マーシャル・マジック・アーツってどんなのかしら。一人暮らしだから護身用に武術を学びなおそうとは思ってはやっぱり前習っていたものと近いものがいいわよねー・・・

 

 

 

 

 

「なんだと!」

 

 

 

 

 

階下で男性の大声が響いた。

隆は蝶の目線を戻す。

頭がツンツンの生徒、竹刀を所持して入るものの、剣道の装具を所持していないあたり、剣道部の演武人員ではないことは確か。

先ほど大声をあげたのは防具を着た生徒、こちらは剣道部。

 

 

「ですから言ったんですよ。先輩では壬生の相手は不十分だと」

 

髪がツンツンの生徒は先輩と言った、相手は3年生のようだ。

隆は肩から離れて下を見ていたためふと気が付いた。

森崎の手すりを持つ手が震えている。

 

喧嘩が起きる。

たかが喧嘩ではあるが、魔法師どうしの喧嘩。

親の、ボディーガードの仕事を手伝った経験はあるがクライアントの防衛が基本。仲裁を行うということは両者から攻撃を受けてしまう可能性もある。それどころか複数の魔法師を相手取らなければならない。

止めに入って状況を悪化させる可能性もある。

 

いくら事前に意思を固めようとも、状況を目の前にすれば足元がすくむ。森崎は何をすべきか延々と頭だけ回り続けた。

 

『おチビ!』

 

目の前の蝶さえも目に入らない。声だって耳に入っても通り抜けていく。

動転する森崎には蝶どころか、向こうでツンツン頭が相手を防具から竹刀で(魔法込み)殴って気絶させた様子さえも、見えてこない。

 

 

こうなったら・・・

 

 

隆は森崎の頭上まで移動し、

硬化魔法と重力制御魔法を併用して自身を落下させる。

 

 

ゴッ

 

 

硬質な音がする。

蝶が飛びあがった後に森崎は頭を押さえてうずくまる。

幸いにも周囲は騒動に釘付けで気づかなかったことか・・・

 

「グォォォ・・・」

 

『聞きなさいオチビ』

 

未だ痛みで頭を抱えている森崎に続ける。

 

 

『誰しも初めては緊張するわ。本番で体がこわばって動けない人もいれば、思った通りに動くことができる人もいる。それが何だというの?

それはね、最初っからできたほうがいいかもしれない。かっこいいかもしれない。じゃあ、初めてで足がすくんだのはいけないの?カッコ悪いの?違うでしょう?そう、どちらも正解でどちらも不正解。とりあえず、立って見てなさい』

 

 

森崎はポカンとする。そして言われるまま立ち上がり、その光景をじっと見つめる。

いつの間にか一人倒れている。いつの間にか殺陣をしていた女子生徒が頭ツンツンの生徒と争っていること。そして・・・いつのまにか司波達也が腕章をつけて備えている。

 

 

「司波達也・・・」

 

『達也君をしっかり見ていなさい。そして学ぶのよ』

 

散々迷って、今どういう状況か見逃している間に、アイツは冷静に精査している。一科という言葉に舞い上がって、力量も知らない相手を見下していた自分を絞め殺したくなった。

 

『何でも人には向き不向きがあるわ。達也君は多分、臨機応変が得意な子。これも憶測だけど、最初から得意なんじゃなくて<<慣れている>>んだと思う。』

 

 

目の前でツンツン頭の生徒が魔法を使った。

 

ついに司波達也が動き出した。

 

俺の心配は杞憂に終わった。体術で一科の先輩を拘束した。

 

司波達也が剣術部の生徒に絡まれた。

 

止めに入るべきだろうか。

 

 

 

いいえ、まだよ

 

 

 

多対一で、相手に攻撃することなく相手を撃退している。

 

相手が魔法を使い始めた。

 

司波達也が魔法を・・・打ち消した?

 

起動式を読めると言っていたから可能なのかもしれない。

 

 

 

 

「・・・・ッ!」

 

司波達也が一人漏らした。

 

自然と自分のホルスターに手が伸びた。

 

 

ただ一心に

 

 

建物内に剣術部員の突貫の方向以外の甲高い、何かが割れた音が小さくも、確かにこだまする。

 

 

サイオン弾を撃った森崎に驚いた視線を一瞬送る者が一人

 

 

必死に助けようと動いた森崎は息を切らして茫然と立ち尽くしている。

 

森崎の行動に驚いている者多数。

 

 

 

 

遠いところで頬を最大に釣り上げている人間が一人。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

時は流れて下校完了時刻間際。

 

「以上が剣道部の新歓演武に介入した事件の顛末です」

 

「それにしても…よく十人以上を相手取って無事だったわね…」

 

剣術と剣道部の件についての報告を部活連本部で行っている。

目の前には右から生徒会長の七草真由美、風紀委員長の渡辺摩利、そして部活連会頭の十文字 克人(じゅうもんじ かつと)

 

対して報告のためこの場にいるのは司波達也と森崎俊。

 

「正確には14人だが、さすがは九重先生の弟子というところかな」

 

この学校の3巨頭とよばれる内、摩利と真由美は愉快そうに関心の言葉をあげる。達也の感覚としてはあの程度は褒められたことではないと思っているのだが、隣の森崎も無意識に肯定的に頷く。

 

十文字は一人だけ、腕を組んで静かに報告を聞いている。

服の上からでもわかる隆々とした肉体に達也は『巌』のような人だと思った。

そして、雰囲気からも人格の成熟した人であることが垣間見える。

 

 

「当初の経緯は見ていないのだな?」

 

急にまじめな雰囲気に戻るも、達也は意識を3人に戻す。

 

「はい。桐原先輩が挑発したという剣道部の言い分も、剣道部が先に手を出したという剣術部の言い分も確認していません」

 

達也が見たのは壬生と桐原の言い争いから。

それまでの会話があったのだろうが、帰るという一心だったため聞こえていなかった。

 

「最初、手を出さなかったのはそのため?」

 

「はい、危険であれば介入するつもりでした。打ち身程度で済むのなら本人たちだけの問題かと」

 

 

「そうか・・・では森崎、お前はどうだ?」

 

達也の隣で体をビクつかせる。森崎は緊張のあまりやはり言葉が出てこない。

視線を左右に揺らす。

 

「じ、自分は・・・」

 

森崎は記憶を掘り返す。迷走する前、そういった会話があったのかを。

ガチがちに緊張した口を必死にまめらせようとするが言葉がうまく出てこない。

 

「み、見ていました!…確かに、怒鳴り声をあげた剣道部の先輩と発言を復唱したような言い回しをした桐原先輩を・・・目撃しました!」

 

 

立ち止まりながらも報告をする森崎は、あの時の自分を思い返していた。

司波は善悪が分からなかったから様子見をしていたが、自分は喧嘩が始まる前から杞憂をして固まっていた。

どう言った所で責められるのは間違いない。同じ新入生の達也と比較しても自分の行動は間違っていた、と。

 

 

「そうか、では壬生と桐原の騒動前のひと悶着後。介入しなかったのはどうしてだ?」

 

 

 

「自分は・・・桐原先輩と剣道部の3年生の先輩の言い争いを見て気が動転して・・・見ていませんでした。申し訳ありません!」

 

 

 

森崎は深々と頭を下げる。

いっぱいいっぱいの謝罪だった。

彼の頭の先で溜息が聞こえる。

それは呆れを帯びたものに聞こえた。

 

 

「そうか」

 

 

 

 

「喧嘩の仲裁にはじめはビビる奴が多い。仲裁どころか火に油を注ぐ結果になった事もある。今回は慣れない事に動けなかっただけましだ」

 

 

森崎は地面と睨めっこしていたが予想外の返答に耳を疑った。ひょうきんな声を喉元まで出しかかってなんとか飲み込む。

 

 

「それに靏から聞いた。達也に向けられた魔法をサイオン弾で破壊したとな。喧嘩を事前に止めては欲しいが、初めてだし何もしていないわけではないしな、気が動転して動けなかったことに私は責めたりせんよ」

 

 

森崎は予想だにしないことにポカンと面をあげた。

 

 

そんな事も見向きもせず摩利は1人ふむ、と2人の報告を頭で整理する。

 

「まあいい。確かにいがみ合いが発生する度にーーー

 

 

 

 

結局、反省の色を示していた事で桐原は罰を課せられることはなく不問に終わった。

 

「寛大な決定に感謝する。高周波ブレードなどという殺傷能力の高い魔法をあんな場所で使ったのだ。怪我人が出ずとも停学処分もやむを得ないところだ。それは本人にも分かっているだろう。俺からも教訓とするようよく言い聞かせておく」

 

「頼んだぞ」

 

十文字の礼に摩利はこくりと頷く。

 

「でも剣道部はそれでいいの?」

 

真由美が今度は質問する。

 

「売られた喧嘩を買った時点で同罪だ。文句は言わせんさ」

 

議論は決した。これでこの件は終わり。

 

 

「委員長、自分たちは失礼してよろしいでしょうか」

 

達也は退出の許可を間接的に求めた。

森崎は少し驚いた様子で達也を横目に見つめる。

たちと言ったのは、その方が体裁が良かったから。

 

「ああ、そうだ。最後にもう一度確認しておきたい。魔法を使用したのは2人だけか?」

 

 

「そうです」

 

「はい」

 

森崎は少し不審に思いながらも、達也に合わせる事にする。その方が早く終わりそうだから。

 

「そうか、ご苦労だったな」

 

 

 

 

部活連本部を後にした森崎は、達也と別れて自らの荷物を取りに戻ろうとしたが、ポケットに入れていた蝶が再び動き出し、荷物は預かっているとのことで指定の場所まで行くことに。急いで来いとのことでまた小走りをする羽目になった。30分たちっぱなしで疲れてんのに・・・。

 

 

指定場所に向かうと靏の他に司波達也と司波さん、初日に揉めた二科生がいた。司波兄妹以外ーー俺も含むーーは驚いている。

 

 

「おーい、こっちこっちー」

 

 

能天気に対応している靏を除いてお呼びでない雰囲気を醸し出している。俺も気まずさと後ろめたさから、加重系魔法を使用されたような体の重さを感じる。

 

 

「隆、どういうことだ?まさか待ち合わせしている相手って・・・」

 

大柄な二科生が俺を指差して疑問を投げかける。と言うよりはこいつかよ、と言うのが強い。

俺の心が殴りつけられる。誰かにではなく自分に。

 

「そうよ?あの子」

 

「・・・・・・。」

 

赤い髪の二科生は不機嫌そうに睨みつける。

メガネの二科生は以前の胆力も力強さも見えない。不安げに見つめる。

 

司波はいつもの仏頂面。司波さんは一瞬、眉根を顰めるがゆっくりとこちらを見据える。

 

 

 

場違いな事は分かっている。

 

 

 

 

どうしてこうなったのかも、

 

 

 

 

 

 

「っその・・・」

 

咄嗟のことの口が動かない。

もう一度、俺の心を殴りつける。

 

 

心の中で一歩。

 

 

 

 

 

「・・・司波・・・お前は強いな・・・。」

 

 

 

 

俺はまだみんなが潜(くぐ)ろうとしないとしない入口に1人先に振り返ることなく駆け抜けていった。

 

 

 

街路は森崎の頭上から白く強い光を当て、店から溢れるオレンジ色の喧騒が森崎の道筋を延々と照らしていた。




隆君の魅力的な力で森崎君が変わってきました。
森崎君って可愛いですよね(唐突)
小さめだし、やんちゃな感じだし、ツンデレっぽいし、見てて撫で回したくなっちゃうのですよ。(前にもいった覚えがある気がする)

ですが進行速度としては遅めです。
加速すると言ったのにこの体たらく、本当に申し訳有りません。
次回はブランシュが攻めてくる手前まで行きたいです。
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