見ていただいている皆様に感謝の言葉を並べても尽きません!
そして今回ついに隆君の魔法が発動します!
ついにこの日が・・・これを書くまでに3日間授業そっちのけで悩みに悩み続けて私が考えるかっこいい魔法を書きました。みなさまの趣向に合うと・・・そのまえに私の駄文が伝えたいことを綺麗に伝えられるかでございましょうか・・・
では、愚者の独り言はここまでとして、
本編をどうぞ!
背後からの厳しい視線に晒された達也と同じクラスの3人はその時知り合ったA組の靏隆とその後一緒に施設を見て回り、ある程度砕けた仲になった。
初めはその一科生も他の一科生と同じように二科生だからと下に見て来るのでは無いかと内心うんざりしていたが、達也と話している姿や、自分達をそういう目で見ることが無かったことで西城レオンハルト、千葉エリカ、柴田美月の3人の中で靏隆の印象が好転した。
ただエリカだけは、『アヤシイ気がする』と言って図書館に忘れ物をしたと施設を色々回った後に1人グループから離れた隆の後ろ姿を目を細めて見つめていた。ただ、その目には疑惑の視線だけでなくどこか小悪魔的な、レオをからかう時のような光が灯っていた。
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「お兄様。」
深雪は不安そうに俺の制服の裾を掴み、見上げる。
「謝ったりするなよ。深雪は1ミリたりともお前は悪く無い。」
「はい。しかしどう致しましょう」
さて、どうしたものか。
「・・・しかし、美月があんな性格だとは意外でした・・・。」
「いい加減諦めたらどうなんですか!?深雪さんはお兄さんと一緒に帰ると言っているんです。」
今日は色々と一科生とのいざこざが絶えない。
食堂でも深雪が俺とレオ、美月にエリカと一緒に食事しようと席につこうとした時に後ろからついてきた一科生とちょっとしたトラブルに。
初めはオブラートに包んだ言い合いだったが、ウィードが云々と次第によくわからない因縁を付けて深雪に同席しようとして来た。その時は達也とレオが席を立ち、深雪もその場を離れたため大事には至らなかった。
そして2度目は射撃場で。正式名称は遠隔魔法実習室、そこでは3年A組の実習、特にその中で生徒会長の七草真由美は遠隔操作魔法において10年に一度の秀才と言わしめる実力を有し、この学校に数々の優勝杯をもたらした。さらにあの美貌、見学にやって来る生徒が多いのも道理。
その中でもやはり達也たちは目立ってしまった。多くの希望者、しかし人数制限、多くの二科生は一科生に遠慮して列の後ろから見学していたのだが、達也たち(隆含む)は最前列で見学をした。それだけでと思うかもしれないが、それだけでも、自分より下だと思っている人間が自分の前に立つだけで不愉快になる。
そして3度目ーーーー
「他人が口を挟むことじゃ無いでしょう!」
現在進行中。きっかけは放課後、俺が深雪を待って、深雪が来た時に、深雪について来た取り巻きが俺達にイチャモンをつけて来たのが始まりだった。
最初は何人かの一科生だけだったが今は取り巻き全員と美月を先頭にエリカとレオが言い争い、一触即発状態。肝心な俺と深雪はというと会話には加わることなく見守っていた。
「別にあなた達を深雪さんは邪魔者扱いしているわけじゃ無いじゃないですか!一緒に帰りたいなら後ろから付いてくればいいんです。なんの権利があって2人の仲を引き裂こうというのですか!」
「ぐぬぬ・・・。」
一科生はぐうの音も出ない程の正論に後ずさる。
普段は気弱そうに見える美月のこんな一面は意外だが…
「引き裂くって言われてもなぁ・・・」
いくら深雪が魅力的だからと言っても俺たちは兄弟なのだからーー。
あれ?論点がずれてないか?
「いやだ美月ったら、な、何を勘違いしているのでしょう!」
「深雪、なぜお前が焦る。」
顔も赤らめた我が妹よ。
「い、いえ?焦ってなどおりませんよ?」
「そしてなぜ疑問形?」
この喧騒とした雰囲気のとある一角でシリアルな空気が湧き出るのを知ってか知らずか、
「僕たちは彼女に相談したいことがあるんだ!」
深雪のクラスメイトが引き戻す。
「そうよ。司波さんには悪いけど、少し時間を貸してもらうだけなんだから!」
「はん!相談なら自活中にやれよ。ちゃんと時間とってあるだろうが」
「相談なら予め本人の同意を取ってからにしたら?深雪の意思を無視して何が相談もあったもんじゃ無い。これ社会のルール。高校生にもなって知らないの?」
美月の正論になおも食いついてくる一科生をレオは一喝し、エリカは皮肉を言い放つ。
「うるさい!これは一科生の話だ。ウィードごときが口出しするんじゃない!」
煽り耐性ゼロの一科生はまんまと乗せられた。そしてその言葉に美月も眉根を痙攣らせる。
「同じ新入生じゃないですか、今の状態で一体どれだけの差があるというんですか!?」
その声には大きさこそそこまででは無いが、力強さが籠っていた。
・・・あちゃー。
「・・・そんなに知りたいのなら、教えてやろうか?」
美月の発言に反応する背の低い男子生徒。
「ハッ!面白れぇ!是非とも教えてもらおうじゃねえか」
まさに売り言葉に買い言葉。一科生の発した言葉をレオが今受け取った。
これだから脳筋はーーエリカの思考が電波する。
「だったら教えてやる。お前達との格の差をな!」
男子生徒が持ち出したのは銃に似た形状のCAD。
CADには汎用型と特化型の2種類に分けられる。魔法発動の方法は同じだが、汎用型は最大九十九種類の起動式を保存できる。
それに対して特化型は九種類の起動式しか保存できない。これを聞けば特化型とは一体と思うだろう。
しかし、特化型の真価はその発動の速さと術者に対する負荷の低さ。魔法発動者が魔法演算領域で演算する情報を特化型に備え付けられた自動照準等のサブシステムによって減少させる。
その特性ゆえ保存される魔法は攻撃力が高いものが多いのである。
「っ特化型!?」
スムーズな動作でレオに銃口が向けられる。
達也はその動きがその動きは戦闘慣れした動きだと判断した。魔法科高校に入学する生徒の中には家の手伝いで戦闘の経験があるものが少なくは無い。そう判断した達也も例外では無い。
「お兄様!」
深雪の言葉が終わる前に達也は手をかざす。
・・・がその手も途中で止まる。
ん・・・あれは・・・・。
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時間は少し遡る。
「はい、これが奨学金の書類ね。」
忘れ物がある、と達也達に告げて別れた後隆は図書館に戻って読んでいた本に栞がわりに挟んでいたIDカードを回収し、その足で、
「ありがとうございます。」
隆は職員室に呼び出されていた。国からの書類を学校を通して本人に手渡すのがこの時代でも主流なようだ。
書籍や資料の全面的な電子化が蔓延したこのご時世でもこういった書類は紙で手渡すことは、どの時代においても変わらない。
手渡す女性の教師は隆を上から見上げ、隆のお辞儀に満足げな笑顔を作る。
腰から曲げた上半身を持ち上げると職員室内の教師の多くは一点に隆を見つめていた。
好奇の目、期待や嘲笑の含まれた視線が胸を小突き、思わず口角が釣り上がりそうなのを堪える。
「それでは失礼します。」
これ以上の滞在は無用、空気が悪い。そう心で整理をつけて部屋を退室する。扉を出来るだけ静かに閉め、思わずため息をつく。職員室に入って1分未満のうちに隆は頰に汗の線が一筋できていた。
吐き出した息を一気に吸って隆は次は事務室へと向かう。登校時に預けたCADを回収するため。こちらではニガテな視線を送られる事なく無事に終わる。
これでやっと帰れる。本当は達也達と一緒に帰れなかった事に少し悔やんでいた。折角知り合えた気の許せる人たち。もう少し話をしたかった人達。
今日はもう別れてしまったけれど、隆の理想の友人関係を持った4人に惹かれていた。ほのかや雫も入学式で出会ってある程度知り合ったが、実際に人となりを触れ合った時間はE組の友達の方が断然長かった。それに同じA組だから話す機会は多い。故に今絆を結びたいのは2人より機会の少ない友達のほうーーー
「いい加減諦めたらどうですか!?」
校舎を出て校門へと足を向けようとした時、決して大きくは無いがしっかりと響く女性の声が響いた。
「ん?」
今の声は・・・、隆には心当たりがある。だがそんな声を出す印象を持っていなかった隆には断定をしかねる。
「まさか・・・ね。」
私は物陰に隠れて声のする方向を確かめる。その方向には達也君と妹の司波さん、そしてその外れに双方の連れが睨み合っているのが見えた。
達也君の側は控えめな性格だと思っていた柴田さんが先頭に立って反論しているのが意外で、少し見直した。
それにしても2人を引き裂くって・・・。
隆はピンクのバッグから黒いポーチを取り出すとそのジッパーを開けて
鳥さん、お空へお上がりなさい。
鳥を模した折り紙は淡い光を纏うと隆の手元で紙の翼を羽ばたかせ、飛び立つ。
隆の意を解し言い合いをしている生徒達の頭上を中心に旋回を始める。さらに鳥の視界を隆の視界、鳥の聴覚と隆の聴覚とリンクさせる。これで隆は頭上からより詳しい話を聞くことができる。
途中、隆の他にこのいざこざを監視する人間が2人。1人は生徒会長の七草真由美。もう1人は入学式で紹介された・・・風鬼委員長。それを確認すると隆は一旦鳥との視覚リンクを解除。そして隆はもう一つ魔法を展開する。すると、隆は
「生徒会長と、風紀委員長ね。・・・ん?」
ーー会長と、目があった?とりあえず手を振ってみよう。
ーーー「!?ちょっ、隆君が手を振って、えぇ!?」
大変驚きのようで。まあ私も驚いたけど・・・
会長の驚きぶりに笑いをこらえながらも意識を傍観者の間に戻す。
「はん!相談なら自活中にやれよ。ちゃんと時間とってあるだろうが」
空気がなんだか危なげなくなって来たわねぇ。
私も、もしもの時のために準備を始めましょうか。
鳥の聴覚を利用して話を聞きながら、再び黒いポーチのチャックがゆっくり開く。
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特化型のCADに起動式が展開する。
その銃口はレオに向けられ、レオもそのCADを取り上げようと駆け出し手を伸ばすーーー
が、次の瞬間には拳銃に似た形状のCADは宙を舞っていた。
「ッ!!」
レオに攻撃を加えようとした生徒は宙を舞う自身のCADと手に少し走った鈍痛に、その場に唖然として固まる。
「この間合いなら体を動かした方が早いのよね。」
吹き飛ばしたのはレオではなくエリカ。彼女の手には伸縮可能な警棒が握られ、レオをかばうように一科生の前に悠然と立っている。
「それは同感。だがなぁ・・・今俺の手ごとぶっ叩くつもりだっただろテメェ。」
「あ〜ら、そんなことないわよぉ〜。オホホ〜」
「わざとらしく笑ってごまかしてんじゃねェ!」
緊迫した雰囲気の中、レオとエリカは夫婦漫才をやってのけぎゃあぎゃあ騒ぐ。
「ーーお前絶対俺のことをばかにしてるだろ!」
「バカだとは思ってるけど。別にばかにしてはいないわよ」ニヤニヤ
「ダァーッ!それがバカにするっていうんだよっ!」
お前ら、場所をわきまえてくれ。達也は心で2人にツッコミを入れる。
一瞬の光景に惚けていた達也と深雪含むその場の一同だったが、そこでいち早く我に帰ったのはツインテールの女子、光井ほのか。
彼女は腕に装備した自身のCADに指を走らせ起動式を展開する。しかしその展開された起動式に何かが
「・・・蝶?」
エリカは動揺する。起動式に何かが乗ることなど、魔法を学び始めてから一度もない。しかしその蝶はただの蝶ではなかった。折り紙の蝶、そう呼ぶには妥当な形容をしている。ほのかが再び呆気にとられていると蝶が羽ばたく。それと同時に展開された起動式はゆっくりと砕ける。
「えっ!?」
その驚愕とも取れる声がその場に響く。ほのかは飛び立つ折り紙の蝶を目で追いかける。すると、この場にいるA組の生徒とE組の生徒を取り囲むように10匹前後の同じような蝶が漂っている。
「なんだこれ」
「綺麗・・・」
自分の周囲の光景を目の当たりにした生徒達は思い思いの言葉を発した。
ーーーーーパン、パン
そこに2回、軽い音が響く。
全員が音に振り向くと
「はーい全員、そこまで〜」
隆が肩に紙の蝶を乗せてやって来る。手を合わせているからさっきのは手を叩いたのだろう。
隆の姿はいつもより少し変わっていた。明確には一つ。頭のヘアピンがクローバーのデザインがついたものであること。そしてその顔はより深いえくぼを作り、端正な顔立ちも相まって後光が差して見える。
ーー最も、その後光で顔に濃い影が差して見えるだろうが
隆君、もう隠す気ありません。
次回からタグが本格的に発動します。
隆君の魔法に発動はこれから多く・・・
人に向けなければ使うこと自体は法律上OKなのである程度は大丈夫なはず!