前の投稿から一週間以上……すみませんでした!!
あれなんです、書いたもののアイリス使いにくいです(殴
では、どうぞ!
※今回は少しえっちいかもです。女性(居たら)注意です。
変化した空気に、息が詰まった。
心の中で叫んだ俺は、ハイライトが無くなったアイリスから少し後ずさる。俺の後ろには屋上の扉があって、この状況から俺は一刻も早く脱出したいのだが。
「……どこ行くの、結城?」
どうやらアイリスが許してくれないらしい。
「ずっとずっとずっと貴方の事を考えて、この日を待ってたのに。ねえ、覚えてる?私の事。覚えてないかな?ううん、怒らないわよ。忘れてても仕方ないもの。……ずっと昔だもん。あの日からずっと、私は勉強して日本語を覚えてスタイルも良くしようと頑張ったんだよ?」
覚えてないです。
アイリスの口調からして、どうやら俺達は昔、会った事があるらしい。
俺の昔の記憶とか桜と両親くらいしか無いんですけど。後は永大。
「胸は遺伝もあって大きくなったし、自分で言うのも何だけど料理も勉強も運動も出来る」
だから、とアイリスは告げる。
「ずっと――――私の傍で私だけを見て私だけの為に私と一緒に私と生きて私と死んでくれるわよね?」
「ごめんなさいっっ!!!」
兵法三十六計、逃げるにしかず(?)!!
ハイライトOFF、紅潮した頬に手を当てて荒く息を吐き始めるアイリスに背を向けて、俺は全力で屋上の扉へと駆け出した。
そのままドアを開けて、階段を落ちるように下りていく。後ろからアイリスが追ってくるのを、襲い掛かる殺気と同時に感じつつ俺はポケットからスマホを取り出した。
パスワードを打ち込んで、LINEを開く。
連絡先は、勿論雪柳桜。
因みに桜はトプ画が俺のパーカーである。意味が分からないけど、本人は凄く気にいっていた。
『桜、今どこ!』
走りつつ、頑張って打ち込む。
背後にはアイリスがしっかりと追いかけてきている。俺だけでは対処できない。
『……あの転入生と仲良くやってろ、そんで死ね』
あらやだ、不機嫌MAXですわー。
『どこだ!?マジで教えてくれい!!』
『何で言わなきゃならないのさ』
ツンツンしている桜は、未だに居場所を教えてくれない。
……言い訳は、通用しないだろう。
なら! 素直に言うべきだろう!!
『お前に会いたいんだよ!』
『教室に居るから来い』
「はやあっ!!!」
打ち込んで、瞬き一回した瞬間には返信が来ていた。
流石桜、と思いつつ俺は方向転換をする。目指すは俺たちの教室、1-2だ。
階段を上って、角を曲がって、通り道に居た藻部を蹴り飛ばして走る。アイリスが余裕を持って追いかけてくる中で、俺はやっと教室に辿り着いた。
「さくらあああああああああああああああああ!!!!!」
「うわっ!? 気持ち悪っ!!」
扉をガン!! と開けて中へ飛び込み、自分の席で何やら書類仕事をしていた桜へとルパンダイブ――飛んで抱きつく動作――をして、椅子に座ったまま華麗に避けられて顔面を地面に叩き付けた俺。
そこで悶絶しているのを呆れた様子で見降ろす桜は、やがてぼそっと呟く。
「……何でボクに会いたかったんだい」
「お前が恋しくなったから!」
「……ッッ、本当?」
「本当だよ!」
「……ばーかばーか!!」
「何でえ!?」
顔を赤らめて、慌てたように叫ぶ桜に俺も批判の声を上げて、
「ゆ、う、き?」
その声に凍り付いた。
流石の桜も、溢れ出る殺気に気づいたらしい。一瞬肩を跳ね上げて、すぐさま教室のドアへと視線を向ける。
そこに居るのは、当然ゴールドクレス・トアイリス。俺が肩で息をしているのにも関わらず、アイリスは汗一つかいていない。
どうやら運動も出来ると言ったけど、それは俺よりも、と言う事だろう。
どうしてだろう、泣けてきた。
「……ねえ結城、その子はだあれ?ねえねえ、何で私以外の女の子と一緒にいるの?」
「大分様子が違うじゃないか、トアイリス。悪いけど結城はボクが恋しくなって此処に来たんだよ」
「関係ない。結城は私の伴侶だもの」
「……おい結城、本当か」
「違います!」
「結城、私の体を好きにしても良いわよ?」
「伴侶です!」
「死ね!」
桜の一撃蹴りが鳩尾に突き刺さり、俺は再び床の上で悶絶する。
因みに今日の色は青と白のしましまでした。何のって?やだなあ、言う訳無いじゃん!!眼福眼福。
そんな風に俺がボコされるのを見ていたアイリスは、余裕の笑みを浮かべて突然声を上げる。
「結城。……その子より私の方が良いと思うんだけど?」
「ほえ?」
「……」
そう前置きをして、呆然とする俺とあからさまに嫌そうな顔をした桜の前で、アイリスは話し始める。
「まず一つ。その子、黒髪がダメね。なってない」
「嘘だろ!?桜の髪綺麗じゃん!」
「いいえ。手入れが甘いわ。……そうね、櫛とかがダメ」
桜のダメ出しを、アイリスは淡々としていく。
「顔は……まあ整ってるし可愛いけど、少し肌の手入れが雑じゃないかしら?」
「嘘だろ!?桜の肌綺麗じゃん!」
「まだまだ。保湿クリームとかだけで済ませちゃってるわね」
桜は、無言で唇を噛みしめる。
「それに、身長が小さいわよね」
「筋肉も付いていない」
「指も足も、ケアが全然足りない」
「服装も乱れている所がある」
ずらずらと並べられていく、桜の欠点。
それは普通の人なら気づかないだろうし、気にも留めないだろう。
しかし、アイリスは違う。
俺が忘れているくらいずっと昔から、ひたむきな努力を続けてきたアイリスには分かるのだ。
その所為で歪んでしまったとしても。桜は、反論できない。
「後、胸も中途半端。大きいか小さいかも分からない、Ⅾカップくらいかしらね。中途半端って一番最悪」
だけど。
「ね、結城。そんな子より、」
桜には反論できなくとも。
「私の方が、良いんじゃない?」
「――――
俺には反論が、出来る。
「何ですって?」
「まず一つ目に、桜の髪だが」
俺は、自信満々に告げる。
「お前は櫛がダメと言ったな?残念だが、櫛は俺がやってるから俺が悪いんですごめんなさい」
「……え?」
「そうだよ。ボクは毎回お風呂あがったら結城に髪をすいてもらってるんだ」
まだ少し悔しそうに、桜は今にも震えそうな声を絞り出す。
俺が反論できると思っていないのだろう。
だが、それは間違いだ。
俺は15年間、ずっと桜と一緒に居た。この程度の反論は、ラーメン食べながら出来……なさそう。
「二つ目、肌の手入れだが。これはだな、多分俺がむやみやたらに抱き着いたりしてるからだ」
「抱きつい、てる?」
「……ほかの人に言うなよばかぁ……」
「桜は俺と一緒に居すぎるがあまり、はっきり言ってそんなに自分の手入れに時間を割けないんだ。マジで感謝してる。だから、少しだけ手入れが足りないのかもしれないけど、俺にとっては充分だ」
そして、反論は続く。
「身長が小さい?あぐらの上に乗っけると丁度いい高さに顔と頭が来るんだよ!」
「筋肉?桜は、俺が前に『筋肉フェチって意味わからん』って言ったのを気にしちゃってるんだよ!」
「な、何でキミがそれを知ってるのさ!!」
「バレバレさ!」
「指も足も手入れが雑?指は俺の為に皿洗いとかしてくれてるから、足は風呂掃除もしてくれてるからだ!ねえ桜、マジでありがとう。本当にありがとう」
「……良いよ、別に。将来は毎日やるんだしさ」
「ああ、誰かのお嫁になった時か」
「誰かじゃ無いし」
「ん?今なんか言った?」
「死ね!」
「ええ!?」
「そして服装は俺がさっきルパンダイブしたから乱れてるんだな、これが」
……殆ど俺の所為ですやん。
そして桜に殆ど任せっきりの俺氏、涙目。これからは真面目に家事やろう。
というか桜の夫になる奴は出てこい。殴らせろ。
「そして、胸についてだが」
様々な思いが脳を駆け巡る中で、俺はそれらを切り捨てるように最後の反論を繰り出す。
しかし、これは唯の反論ではない。
「……お前は、何も分かっていない!!!」
カウンターだ。
「良いか、萌えと言う物は、突き詰めれば
ツンデレは、ツンとデレのギャップ。
クーデレは、クールとデレのギャップ。
ヒロインとして王道に立つこれらの魅力は、そのギャップ萌えだ。
ヤンキーが雨の日に猫へ傘をさす。これもギャップ。
「中途半端な胸?笑わせるなあ!!」
そして。
「巨乳も貧乳も良いさ。しかし、中途半端な胸はな!凄まじい可能性を秘めているんだッッ!!」
俺は、解説を始めた。
「中途半端。どっちつかず。……分かるだろうか?服の上からじゃあ微妙な胸の大きさ。しかし、脱いでみれば結構あった。着痩せと言う物だが、これはあまり胸が大きくなくても着衣状態と脱いだ状態の、胸の大きさのイメージが違うというギャップによりイメージよりも大きい胸は大体全て”大きい胸”に分類される」
更に。
「そして、注目すべきは”服の上からじゃあ微妙な胸の大きさ”と言う事だ。これは、所謂”小さい胸”を表す」
つまり。
「中途半端な胸――――これは一見悪いように見えて、実は貧乳と巨乳の良いところを合わせた、正に良い所取りの最強なんだよ!!!!」
俺は強く大きく言い切った。
目の前では桜が顔を赤らめ机に突っ伏していて、アイリスはハイライトの消えた瞳で瞬きせずに俺を見ている。そして、口を開いた。
「でも結城、それだけじゃあその子が私よりも上っていうことには成らないわよ」
「良いや、桜はアイリスよりも上だ」
「何で?」
「[三種の神器]――――神の産物を、使いこなすからさ」
「神の……産物!?」
「ああ、そうだ」
これこそが、桜が最強たる所以。
[三種の神器]。
「和服浴衣着物巫女服メイド服白ワンピ水着制服!これら全てが桜に似合うし、これらの幾つかには三つの要素を合わせた最強のフォーメーションがあるんだ!」
確かに、アイリスにもメイド服や白ワンピ、水着に制服は似合う。可愛いし、桜には無い艶めかしさもある。
しかし、和服浴衣着物巫女服は黒髪ロングだからこそ映えるのだ。美しい和の心、大和撫子を具現化したような少女には。
「アイリスが一番似合うものは、恐らくメイド服だろう。はっきり言ってその胸で『ご主人様♡』とかやられたら一瞬で死ねる」
白と黒のふりふりミニスカ。ここ重要。
「しかし、メイド服には黄金パターンが無いんだよ」
「黄金パターン?」
俺の言葉に、アイリスは首を傾げる。
その答えを告げるのに、時間はいらない。最も分かりやすい例えを俺は切り出す。
「白ワンピ麦わら帽子+向日葵畑+白い雲の流れる青空――――これが黄金パターンの王道だ」
「それならボクだけじゃなくてトアイリスにも似合うんじゃないのかい?」
「うん。似合うと思……いたっ!痛いって!蹴らないで!?」
ドスドスと桜に蹴られつつ、俺はしかし、と言葉を繋げる。
「黒髪浴衣+夏祭り+りんご飴……これは、黒髪でやっと真の魅力が発揮できるんだ」
浴衣をアイリスが着ても、似合うだろう。
しかし、違うのだ。本当の魅力は、黒髪で初めて引き出される。
「和の心を象徴する黒髪!浴衣和服白ワンピメイド服巫女服までお手の物!しかしアイリス、お前は白ワンピとメイド服のみに特化している。……その時点で、お前の負けだあっ!!」
まるで正規ヒロインの存在を脅かす新規キャラを論破する様に堂々と俺は告げた。俺を蹴っていた桜は書類で顔を隠しているが、隙間から覗く耳は真っ赤だ。可愛い。
俺の言葉に、アイリスはふらりと揺れた。
そして、ハイライトOFFの瞳で俺を見つめる。ぞわっと背筋が逆立つも、しかしアイリスは何もしなかった。
「……絶対、絶対結城を私の物にしますから……。覚悟してくださいね……?」
果たしてその言葉は、俺に向けて言っていたのか。
その『覚悟してくださいね』は、俺へのアプローチが激しくなるという意味なのか、それとも別の意味があったのだろうか。
微かに震えた桜の肩を、俺はその時気づく事は無かった。
やがて、アイリスは教室を出て行った。帰り際に俺の耳へ『愛してますよ』と囁いて行って、そのくすぐったさに少しだけ表情を緩くしたら桜の拳が腹部にのめり込んだのは別の話。
「……黄金パターン、ねえ。そんな事を考えてる暇があったら、少しは勉強したらどうだい」
「やだ。勉強つまらない」
「ばか。……ねえ結城」
「ん?」
「一番手軽に出来る黄金パターンって、何かな?」
先生から任されたらしい書類仕事を終え、とんとんと机の上で書類を揃えている桜の、唐突な言葉。
腹パンの痛みに悶絶し床を転げまわっていた俺からは桜の表情が見えなかったが、それでも愛する我が幼馴染の質問なので出来るだけ考えて、考えて、考えて――――
「裸エプロン+ニーソ+「ごはん?お風呂?それとも……」って奴じゃない?一番準備も少ないしさ」
「ふーん。変態だね」
「やってくれる?」
「馬鹿かキミは!!」
答えた結果、罵倒されました。なんでや!!
「じゃあ、ボクは書類を先生に届けてから帰るよ。結城、今日のご飯で牛乳を使うからコンビニで買っておいてくれないか?」
「ん、分かった。じゃあまた後でな」
「ああ。またね」
教室を出た処でそんな会話をして、俺たちは別れる。
今日は月曜日。週刊少年ジャンプの発売日だし、それも買っておこう。
下駄箱で靴を履き替え、そのまま校門を出て桜並木を歩きつつ、俺はそんな事を考えていた。
「……よし、よし。やるぞ」
夕方の、職員室前。
そんな声が静かに響いて、そして直後にぱたぱたと駆けていく足音が聞こえた。
☆★☆
牛乳とジャンプ、後はコーラやポテチの入った結構重たい袋を持って、俺は夕暮れの道を歩いていた。
いやあ、コーラとか買うつもり無かったんだけどさ、誘惑に負けちゃったよ!
因みに桜はコーラとかよりも三矢サイダーが好きだ。お菓子もチョコ系列が好きで、良くポッキーを齧っている。前に揶揄って咥えてたポッキーの端っこを咥えたら殴られた。
まあ、もうキスも済ませてるんですけどね!そろそろ次の段階行きたいっす!
そんなこんなで家の前に辿り着き、俺は鍵を使ってドアを開ける。そのまま入って後ろ手にドアを閉めたその瞬間に、
「おかえり、結城。え、えっとご飯にする?お風呂にする?それとも……その、ぼ、ボク……?」
突然、玄関にそんな言葉を言いながら桜が現れた。
朱色に染まった頬に、潤んでいる蒼い瞳。
長い黒髪ストレートを背中に流し、震える声に上目遣いで靴を脱ぎかけている俺を見つめている。
そして特筆すべきは、その格好で。
――――桜は、ピンクのエプロンに黒いニーソのみの姿だった。
前だけ隠している状態。艶めかしく照っている傷一つない素足と、新雪の様に白い両腕。それらは真っ赤な耳と頬を絶妙に引き立てあっている。
靴を脱ぎかけの俺を、玄関の段差の上から、そこからなのに俺より身長が低くて上目遣いに成っている桜の様子に俺が何も言わずに固まっていると、やがて桜は段々と泣き出しそうになって来ていた。
それに気づいたのは、力を失った手からコンビニのビニール袋が落ちた時。
目元に涙を溜めている桜を見て、正気を取り戻した俺はそれでも焦っていた。
凄く可愛い。可愛いのだけれど、何時もは見せない無防備な部分から滲み出る隠しきれない妖艶な雰囲気が背筋に微弱な刺激を走らせる。それは弱いのだけれど、ダイレクトに神経を逆撫でるような物だった。
もう泣きそうな桜の頭を取り敢えず撫でると、目元を拭って桜は話し始める。
「……似合ってないかな。可愛くないかな?ダメだよね。トアイリスくらいスタイル良くないと、こんなの似合わないよね……」
絞り出すような声。
何時もは気丈な桜が、震えて小さな声を出している。
「トアイリスは、ボクよりも綺麗だし可愛いしスタイル良いから……結城がトアイリスの事好きになるんじゃないかなって思って、だから結城に聞いてやってみたんだけど。……ボクじゃ、駄目だよね」
「そんな事は無い」
『駄目だよね』と。
そう言いながら、弱い自分を隠すように痛々しい笑みを浮かべた桜を―――俺は強く抱き締めた。
「トアイリスより、桜の方が綺麗だし可愛い。スタイル何かで人間の価値そのものが変わる訳じゃない。それに、俺は結構一途な人なんです。かれこれ15年間、ずっと同じ人が好きなんだ」
桜の体は、冷たくなっていた。
どれだけ前から俺の事を待っていてくれたのか。台所から聞こえる、何かを煮込んでいる音。漂ってくる良い匂い。そこまで準備しながらも、不安を押し殺して勇気を振り絞って桜は俺の前に出てきた。
俺の胸に顔を埋めて、時折嗚咽を漏らしていた桜が、俺の言葉で泣き止む。
そして、胸に口元を押し付けたまま、ちらりと上目遣いで俺の顔を見つめた。
「……本当?今も、15年間ずっと好きだった人が好き?」
「勿論」
「嫌いになったりしない?独占欲が強くて、嫉妬深くても」
「当たり前だろ。寧ろ俺が嫌われそうだ」
「それは、無いと思うよ。……ねえ、結城」
「ん?」
桜は、俺に何個か確かめるようにゆっくりと質問をして。
そして、確かな笑みを浮かべる。
「――――ボクもね、15年間ずっと同じ人が好きなんだ。大好きなんだ」
そう言って、桜はぱっと俺から離れた。
裸エプロンで、泣いてた所為で少し目元が赤い美少女。少し変な情景だけど。
それが気にならないくらいに、俺は嬉しかった。
数秒経ってから、桜は大きく息を吸い込んで話し始める。
「ね、ねえ結城?」
「なんだ?」
「その、ね……」
桜は少し気まずそうに目線を逸らしつつ、エプロンの裾を掴み、そしてゆっくりと引き上げる。
「えっ、えっちょっ待って!?」
膝上の、白く膨らんでいる太ももが露わになる。
段々と引き上げられて、足の付け根が見えて、
そこには、薄青の布地があった。
桜はエプロンを取り、顔を羞恥で真っ赤に染めつつ告げる。
「は、恥ずかしくて……その、実はエプロンの下に水着を付けてたんだ……」
今の桜は、エプロンを持っている水着に黒ニーソの美少女という状態。
どうやら俺が『エプロンの下に水着なんて邪道だ!』的な事を言うのかもしれないと怯えているらしい。さっきから全然視線を合わせようとしない桜に向けて、俺は真剣に言葉を放つ。
「裸エプロンに水着合わせるとか、お前ナイスすぎるぞ」
「台無しだよこの変態ッッッ!!!」
直後、俺の頬に鋭い黒ニーソの蹴りが入った。
読者様………。
巫女服は………
―――――見たいですか―――――(殴(蹴(斬